蘇った伊豆山権現像公開 奈良国立博物館で特別陳列
東国の守護神として信仰された伊豆山神社(静岡県熱海市)の銅造伊豆山権現立像の修理を記念する特別陳列「伊豆山神社の歴史と美術」が奈良国立博物館(奈良市)で開かれ、鎌倉時代の秀作が修理で蘇った姿などが鑑賞できる。3月14日まで。
伊豆山神社は伊豆権現あるいは温泉が神格化された存在であることから「走湯権現」とも呼ばれ、東大寺二月堂の修二会で各地の神々を勧請するため読み上げられる神名帳にも「走湯大菩薩」として登場。源頼朝が挙兵し、鎌倉幕府樹立へと至ったのも、伊豆権現の助けだったといわれる。
同館では、奈良文化財研究所の協力で銅造伊豆山権現立像の修理を行ったのを機に、同社伝来の宝物を関西で初めて一堂に展示。計26件(うち5件は重要文化財)が並ぶ。
伊豆山権現立像(像高48・8センチ)は修理にあたり、表面の錆を除去したところ、鍍金が多く残る威厳ある顔立ちが現れた。錆の成分分析では硫黄が多く検出され、源泉の湧き出る神聖な場に祭られていた可能性もあるという。
また、木造の男神立像(重文)は像高2メートルを超える平安時代の大作で、個性的な表情や立ち姿が目を引く。
15日、22日、29日は休館。観覧料は一般520円、大学生260円、高校生以下や満70歳以上、障害者手帳を持つ人などは無料。問い合わせは、同館のNTTハローダイヤル(☎050・5542・8600)。
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