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河瀬直美監督涙の訴え 「ならシネマテーク」も運営危機 奈良市の補助金カットで


 奈良市の今年度の補助金が全額カットされ、5月末までに1千万円を目標に寄付を募っている「なら国際映画祭」。市は、関連企画の移動型映画館「ならシネマテーク」への補助金(600万円)も全額削除したため、実行委は6月以降、料金値上げなども視野に対応を検討している。8日に県文化会館で始まった今月の上映会では、河瀬直美監督があいさつし、「初心は間違っていない。たくさん実った実を成長させたい」と涙ながらに支援を呼びかけた。

上映前、市民らに「人生を豊かにするもの」と支援を呼びかけた河瀬直美監督

上映前、市民らに「人生を豊かにするもの」と支援を呼びかけた河瀬直美監督

 この日朝の上映会には約30人が来場。河瀬監督は現状を報告し、「映画を見終わって外に出ると心が豊かになり、『困っている人に手助けしよう』という気持ちもわく。それが増えていくと、世の中が良くなっていく」などと語り、シネマテークの重要性を訴えた。

 奈良市では平成22年、近鉄奈良駅近くにあった映画館が閉館し、市内の映画館は「ゼロ」に。県庁所在地で映画館がないのは山口市と奈良市のみで、「市民が映画文化に触れる機会を」と25年4月から「なら国際映画祭実行委」がシネマテークを企画運営している。

 毎月1度、週末の3日間に、市内でさまざまな作品を上映。「昔ながらの映画文化を残そう」と、近年では希少な35ミリフィルムで上映したり、上映作品の監督を招聘してのトークや作品解説も。鑑賞料は500円と格安で、年間パス会員(会費4千円)も増加、来場者数は27年度で延べ約4170人を数えた。増加する来場者に対応しようと、今年からは定員100人規模の会場で開催している。

 奈良市の補助金カットでシネマテークは総事業費(約900万円)の7割近くが不足するため、実行委は会場や上映作品を手配済みの4、5月は予定通り実施するが、6月以降の開催は、来週の臨時会で検討する予定。ただ、運営スタッフはほぼボランティアのため、事業費の大半は配給会社に支払う作品レンタル料(平均月10万円)や会場費、機材費などの必要経費だといい、値上げや上映回数を削減せざるを得ない見通しという。

 来場者からはシネマテークについて、「映画を観る機会と仲間との出会いをくれた」「なくなるのはもったいない」との声や、「観光都市なのに、文化を大切にしてくれない行政は悲しい」との意見もあった。

 今後の見通しが不透明なならシネマテーク。この日は、次回の「予告編」を初めて流すことができなかった。実行委員長は上映後、「人と人をつなげる場をつくることは、文化の果たす役割。今後も驚きと感動に満ちた映画をお届けしたい」と締めくくった。

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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)

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