香芝に尼寺廃寺跡史跡公園完成 地層断面図展示の学習館も
巨大な塔「心礎」が見つかった香芝市尼寺の国史跡「尼寺廃寺跡」を整備した「尼寺廃寺跡史跡公園」が完成した。21日には、塔心礎の実物大模型や塔基壇の地層断面のはぎ取り資料を展示する学習館がオープンする。
尼寺廃寺跡は、香芝市教委の調査で塔の基壇跡から3・8メートル四方の巨大な地下式の心礎を発見。柱座からは耳環や水晶玉、ガラス玉などが出土した。中心伽藍は北に金堂、南に塔があり、周囲には中門を設けた回廊が巡る東向きの「法隆寺式伽藍配置」と判明。7世紀後半の創建と判明し、平成14年に国史跡に指定されている。
公園は市教委が国や県の補助を受けて約13億7千万円かけて整備。塔跡の心礎は地下に埋まっているが、礎石は実物が見学できる。
学習館は鉄骨造り平屋建て、床面積約280平方メートル。塔心礎の発掘調査時に基壇の地層断面をはぎ取った資料(長さ約11メートル、高さ約2・5メートル)のほか、塔心礎の実物大模型などが展示されている。開館は午前9時~午後4時半。月曜休館で、入館無料。
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