鑑真が鑑真と〝対面〟、奈良の唐招提寺で実現 壬生寺に安置される前に
唐招提寺(奈良市)の国宝・鑑真和上坐像を模した像2体を、京都市中京区の壬生寺と中国・揚州市の文峰寺が制作した。16日、うち1体が壬生寺に納められるのを前に唐招提寺に運び込まれ、国宝像のお身代わり像と〝対面〟した。
文峰寺は奈良時代、仏教の戒律を伝え、唐招提寺を開いた唐僧、鑑真が日本に向け出発したとされる運河に近い。同寺と唐招提寺末寺の壬生寺は提携寺院協定を結んでおり今回、共同事業として鑑真の模像を造り、双方の本堂に安置することにした。
模像は高さ約60センチ。奈良時代に造られた国宝像よりやや小さいが、脱活乾漆という同じ技法で制作された。
この日、壬生寺の松浦俊海貫主ら訪中団と模像は、奈良時代に鑑真が来日したように航路で国内へ。大阪からバスで唐招提寺に着いた。模像は金堂本尊、盧舎那仏坐像(国宝)の前に安置された「お身代わり像」と対面し、法要が営まれた。
松浦貫主は「長年の願いだった新しい和上像を中国で2体造り、文峰寺と壬生寺におまつりすることになった。新しい像は平成のお身代わり像とも対面させることができ、感激した」。唐招提寺の西山明彦長老は「お身代わり像がもう1体増えたような感じがする。京都でも拝めるようになり、和上の教えが広がればいい」と話していた。
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