「火葬場移転は最重要」、奈良市長が市民説明会で改めて訴え
奈良市は、老朽化が進む火葬場の移転計画に関する市民説明会を市役所で開いた。これまで地元住民らを対象とした説明会は開催してきたが、市民全体が対象となるのは初めて。約350人が参加し、仲川げん市長が計画の概要や移転の必要性を訴えた。
新火葬場について、市は同市横井町を移転候補地としているが、地元の理解は得られていない。仲川市長はこの日、事業費約57億円に「合併特例債」を充てられる期限が平成32年度末までに迫っていることにふれ、「合併特例債を活用できる時間は限られている。財源が厳しい状況にある市にとって、(移転は)最重要課題」と改めて強調した。
計画地周辺の災害リスクについて、市の委託で地質調査を行った技術者が「建設による影響は考えにくい」と指摘していることを説明し、「100%自然災害が起こらないようにするのは難しいが、事業を進めることで大きな影響は考えられないと結論づけている」とした。
その後の質疑応答では、「地元の理解が得られない以上見直すべきだ」といった反対意見の一方、「科学的に説明されている。議会の判断こそ納得がいかない」と賛成する声もあった。
説明会後、産経新聞の取材に応じた仲川市長は「新斎苑が必要なことは全市民の思い。全体的な理解を深める努力を今後も続けたい」と話した。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)