写真でたどる発掘調査の歴史 飛鳥資料館で特別展
奈良文化財研究所が発掘調査の際に撮影した「文化財写真」などを展示した特別展「文化財を撮る-写真が遺す歴史」が明日香村の飛鳥資料館で開かれている。発掘調査で見つかった貴重な遺物や、大発見の瞬間を伝える写真もあり、同研究所の調査の歴史を伝えている。7月3日まで。
展示されているのは写真パネルや、撮影に使われたカメラなど87点。最古の寺院とされる飛鳥寺の調査で見つかった塔の心礎や舎利容器などを撮影したカラー写真(昭和31年)や、デジタルカメラをキトラ古墳石室内に挿入して内部を撮影、南壁に描かれた極彩色壁画の「朱雀」の発見につながった写真(平成13年)など、貴重な写真も含まれている。
奈文研が藤原宮跡の調査を開始したときの写真(昭和45年)もあり、松くい虫の被害で今では見ることができない大極殿跡(大宮土壇)の松林もおさめられている。撮影機材では、今春まで使われていたというマニュアル式の大型カメラも展示されている。
5月28日午後2時からは、奈文研で42年間写真を担当した元職員の井上直夫さん(66)が「飛鳥の文化財を撮る眼」のテーマで講演する。問い合わせは飛鳥資料館(☎0744・54・3561)。
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