本殿神前の獅子・狛犬初公開 春日大社景雲殿
春日大社(奈良市)で行われている20年に1度の国宝・本殿の修理「式年造替」を祝う特別公開「御出現!春日大社の神獣」が大社景雲殿で1日、始まった。本殿の神前に安置されていた鎌倉時代などの作とされる獅子・狛犬計8体が初公開されている。30日まで。
会場正面には獅子・狛犬8体が横1列に並べられ、愛らしい姿も。現在、各地の神社で見られる狛犬は石造が多いが、これらは像高40~30センチほどの木造。平安時代などは獅子・狛犬は屋内に置かれることが多く、木製小型のものだったという。
本殿は第一~四殿が並び、各殿に阿形の獅子と吽形の狛犬が安置。調査した結果、第一殿の1対は鎌倉時代初期の制作と判明。第二殿の1対は同時代前期、第三殿の獅子、第四殿の狛犬は同時代中期とみられる。第三殿の狛犬と第四殿の獅子は腰を持ち上げる珍しいポーズで、同時代のものとの違いがおもしろい。
このほか、「牛頭天王曼荼羅衝立」(平安時代)は摂社・水谷神社にまつられていたもので、表面に牛頭天王などが描かれ、裏面の獅子牡丹図は古い作例として貴重。「流鏑馬木像」(鎌倉時代)はいでたちがよく伝わり楽しい。
同展は神鹿や神馬にも注目し、計23件を展示。春日大社の松村和歌子主任学芸員は「かつて人々は動物に秘められた力を感じ、魅力的な神獣が表された。そんな人と動物のかかわりを知ってほしい」と話している。
無休。午前9時~午後4時半。拝観料300円。問い合わせは春日大社(☎0742・22・7788)。
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