すべて見せます万葉日本画 歌の風景描いた53点 万葉文化館で公開
万葉文化館が収蔵する万葉日本画を公開する「すべて見せます万葉日本画~風景」が明日香村の同館で開かれている。万葉集に詠まれた山や川、滝などのある風景を、著名な画家らが思いを込めてそれぞれの視点で描いた53点が展示されている。7月31日まで。
同館では、平成13年の開館に合わせて第一線で活躍する画家らに制作を依頼した万葉日本画154点を収蔵。これまで展示の核となってきた作品全点を3回に分けて公開することになり、今回がその最終回となる。
片岡球子さんの「富士」は、田子の浦を通って富士山を見たときの印象を詠んだ山部赤人の代表作を描いた作品。シンプルな構成だが、白や青色などで色彩豊かに富士の美しさを表現。154点のうち富士山を題材にした作品は2点で、富士山の頂を描いた今野忠一さんの「富士」も展示されている。
後藤純男さんの「新雪大和」は、雪に覆われた東大寺大仏殿など、大和(奈良)の街並みを細かく描写した写実的な作品。雪の光景を「貴いこと」と詠んだ紀清人の歌をイメージしている。
このほか、奥田元宋さんの「明日香川夕照」、柿本人麻呂の「かぎろひ」の歌をもとに描いた工藤甲人さんの「炎立つ」、田所浩さんの「三輪山」なども展示されている。
問い合わせは万葉文化館(☎0744・54・1850)。
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