滝、鯉、龍… 「涼呼ぶ美術」涼やかに披露 大和文華館
涼やかなモチーフの絵画や素材に涼を感じる工芸品を集めた特別企画展「涼を呼ぶ美術-滝・鯉・龍」が、奈良市学園南の大和文華館で開かれている。江戸時代の絵師、円山応挙の鯉を描いた作品など約40件を展示。7月3日まで。
龍は弘法大師空海が平安京神泉苑で行ったことで有名な「請雨経法」で本尊の曼荼羅に表されるなど、特殊な霊力を持つとされる。鯉は立身出世などを象徴し、滝は山水図を構成する重要なモチーフ。今回の展観では涼を呼ぶ美術として紹介している。
展示品のうち、円山応挙の「双鯉図」(泉屋博古館蔵)は2匹の鯉がリアルに描かれている。応挙に学んだ渡辺南岳の「鯉図」(黒川古文化研究所蔵)は六曲一双の屏風作品で、ゆったりと泳ぐ鯉が描かれた見応えのある作品だ。
龍を描いたものは「請雨経曼荼羅」(図像抄巻十所収、大阪市立美術館蔵)など、滝は雪村周継の「花鳥図屏風」(重文、室町時代)など、工芸品では東印度会社の帆船が施されたオランダのワイングラスなども展示。古川攝一学芸員は「分かりやすいうえ、突っ込んだ見方もしてもらえる展観にしました」と話している。
月曜休館。入館料は一般620円、高校・大学生410円、小・中学生無料。26日午後2時から開かれる日曜美術講座では、古川学芸員が「仏画に描かれた龍|祈雨の修法に着目して」をテーマに話す。問い合わせは大和文華館(☎0742・45・0544)。
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