平城京の役人もすごろくで遊んだ? 古代のサイコロ出土
奈良市の平城宮跡で出土した奈良時代の棒状の木製品2点が、朝鮮半島の伝統的なすごろく「ユンノリ」の原型とされる「樗蒲(和名・かりうち)」のサイコロ「かり」の可能性があることが、奈良文化財研究所の調査で分かった。平城京跡では盤面の文様が描かれた奈良時代の土器が出土しているが、奈良時代の「かり」が確認されたのは初めて。
樗蒲は4本の「かり」を転がし、表裏の組み合わせでコマを進める朝鮮半島伝来とされるゲーム。万葉集には「切木四」「折木四」と書いて「かり」と読ませる記述があり、奈良時代には日本国内で普及していたとみられる。
「かり」の可能性がある木製品が見つかったのは、警備をつかさどる役所「衛府」に関する木簡が出土した東方官衙地区のごみ捨て穴。長さ5・3~6・3センチ、幅1センチ、厚さ0・8センチで、形状などから「かり」の可能性があるという。同じ穴から見つかった土器片には、樗蒲の盤面とみられる墨書の文様も描かれていた。
調査した奈良文化財研究所の小田裕樹研究員は「古代遊具の復元によい資料となる」としている。
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