ハンセン病患者救済に尽くした僧・忍性を知る 奈良国立博物館で特別展
ハンセン病患者の救済などに尽くした鎌倉時代の奈良出身の僧、忍性の生誕800年を記念した特別展「忍性―救済に捧げた生涯」が、奈良国立博物館(奈良市)で開かれている。忍性の遺骨を納め、ゆかりの3寺に伝えられた骨蔵器(重要文化財)が史上初めてそろうほか、仏像、絵画なども並び、弱者のために尽くした生涯を知る機会となる。9月19日まで。
忍性は現在の三宅町生まれ。早くに亡くなった母の願いから僧となり、大和郡山市の額安寺などで修行。西大寺の僧、叡尊のもとで真言密教などを学び、弱者救済に尽くした。
ハンセン病患者を毎日背負ったという話が伝わるなど、「興法利生」(仏法発展と生命あるものに尽くすこと)を実践。こうした生涯を伝えようと今回は、関連する名宝・遺品118件(国宝17件、重文35件)を展示する。
忍性の遺骨は遺言に従って三分され額安寺、竹林寺(生駒市)、極楽寺(神奈川県鎌倉市)に埋葬された。額安寺に納められた文化庁の骨蔵器は水瓶形で、347字の銘文が刻まれている。奈良時代の僧、行基の墓所がある竹林寺のものも水瓶形だが、忍性が入った極楽寺のものは華瓶に近く、鍍金が施されている。
極楽寺の忍性菩薩坐像(鎌倉時代)の表情は精彩があり、西大寺の忍性菩薩像(鎌倉~南北朝時代、後期展示)は突き出た頭頂や赤い鼻先といった特徴がうかがえる。額安寺に伝わった文化庁の文殊菩薩騎獅像(重文、平安時代)は、忍性が修行時代に礼拝したと考えられるという。さらに奈良時代に唐から来日した僧、鑑真の生涯が描かれ、忍性が唐招提寺に献上した東征伝絵巻(重文、鎌倉時代)も展示されている。
奈良国立博物館の吉澤悟・列品室長は「忍性が信仰した文殊菩薩は救済の旗印。見てもらうことで救済に思いをはせていただきたい」と話している。
月曜休館。観覧料は一般1300円、高校・大学生900円、小・中学生500円。問い合わせはハローダイヤル(☎050・5542・8600)。
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