大仏の髪966の半分の492個だった でも、ありがたみは変わりません
奈良・東大寺の盧舎那仏坐像(大仏)の螺髪(らほつ)(毛髪)が文献に記された「966個」ではなく、約半分の「492個」だったことが3日、レーザー解析で分かった。江戸時代に造り直された現在の大仏の螺髪の数は光背(背後の装飾)があるために数えられず、これまで謎だった。
螺髪は丸まった渦巻き状の髪。もとの大仏は奈良時代に完成し、平安時代の「東大寺要録」に「螺髪を966個つくった」と記載されている。江戸・明治時代の文献にも966個とあり、ずっと定説とされていた。
しかし最近、参拝者らから螺髪の数を問われることが多くなり、寺が正確な数の調査を東京大生産技術研究所の大石岳史准教授(メディア工学)に依頼。研究グループで大仏の3次元データを解析した結果、483個を確認し、さらに痕跡から9個分が欠けていたことが分かった。
奈良時代に実際に966個あったかは不明だが、現在の大仏(高さ約15メートル)の螺髪は直径約22センチ、高さ21センチ、重さ1・2キロ。当初のものより直径が大きいという。
東大寺の橋村公英執事は「大仏や華厳宗、仏教に興味を持ってもらうきっかけになってほしい」とする一方、「実際の数はともかく、文献に記された当初の『966』という数が大切に伝えられてきたことも感じられる」と話している。
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