江戸までさかのぼる必要ある? 知事発案で公務員の働き方研究懇話会
「公務員の働き方の本質について研究する」。こんな壮大な目的を掲げた非公開の懇話会が昨年末、荒井正吾知事の提案で開かれた。人事管理などが専門の有識者3人を招き、荒井知事や県幹部、県人事委員長ら12人が出席。日本人の働き方について江戸時代までさかのぼって分析するなど、〝異色〟の懇話会となった。
事務局の県人事課によると、懇話会は「これまで内部で行ってきた人事に関する勉強会の延長」という位置づけ。県職員の長時間労働の是正やワークライフバランスへの取り組みをどう進めるか、議論を深めるのが狙いだという。
話し合われたテーマは、日本人の働き方の歴史▽市町村の人材育成▽非正規職員の定員管理▽女性管理職登用に向けた取り組み▽テレワーク、フレックスタイムなど新たな働き方の研究―と、実に幅広い。
中でも、参考文献をもとに事務局が資料をまとめた「日本人の働き方の歴史」では、キリスト教文化や産業革命での「働き方」の変化など世界史からひもとく壮大なもの。江戸から明治時代、現代までの日本人の働き方についての分析も示されており、学術研究の様相すら呈している。
「公務員の働き方の研究にここまでさかのぼる必要があるのか」という疑問も出そうだが、担当者は「まず、『働く』ということがどういうことなのか。文献をもとに、起源をひもとく作業は勉強になった。来年度も継続して議論を本格化し、働き方改革について話し合いたい」としている。
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