文豪・志賀直哉旧居など8件 新たに県指定の文化財に
県教育委員会は28日、文豪、志賀直哉が自ら構想し住んだ奈良市高畑町の「志賀直哉旧居」(奈良学園セミナーハウス)など6件を県有形文化財、宇陀市室生の「室生の獅子神楽」など2件を県無形民俗文化財に指定することを承認した。これで県の有形文化財は356件、無形民俗文化財は38件となる。
ほかに指定される有形文化財は、宇陀市大宇陀岩室の「木造大日如来坐像」▽春日大社(奈良市)の「絹本著色鹿島立神影図(けんぽんちゃくしょくかしまだちしんえいず)」▽興福寺(同市)の「鉄湯釜」▽県立図書情報館(同市)の「大和国絵図」▽田原本町の「笹鉾山(ささほこやま)2号墳出土品」-の5件。
志賀直哉旧居は、木造平屋一部2階建て(建築面積361平方メートル)の主屋と表門、塀の3棟。昭和4年建築の主屋の中心は南棟に設けられた食堂とサンルームで、文人らの交流の場だった。昭和50年代に老朽化のため建て替えが計画されたが、保存運動が展開され、奈良学園がセミナーハウスとして買収。旧居は和洋折衷の部屋を組み込んだ代表例で貴重という。
木造大日如来坐像は皇大神社境内にある大日堂の本尊。像高91・4センチの一木造りで、宇陀地方に伝わる平安時代中期にさかのぼる密教仏の優品という。
鉄湯釜は北の湯釜(口径147センチ)と南の湯釜(同152センチ)があり、興福寺の湯屋で使われた。平安時代末期から鎌倉時代にかけてのもので、湯屋に関連する遺品は全国的にも少ないという。
また、室生の獅子神楽は龍穴神社の秋の例祭で行われ、宇陀地方の代表的な2人立ちの獅子舞として貴重としている。このほか、宇陀市室生龍口の「龍口の獅子舞」も指定される。
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