参列者も感動 厳かに橿原神宮の本殿遷座祭
橿原神宮(橿原市)で8日夜、厳かに行われた本殿遷座祭。盾や鉾、弓などを持つ神職がご神体を先導した祭典には、全国から崇敬者が参列した。
橿原市の岩本のりこさん(55)は「数十年に一度なので絶対見たいと思っていました。神秘的で、感動しました」。友人同士で参列したという富山市の柳川玄奈さん(51)と兵庫県宝塚市の大崎圭子さん(51)は「神宮に来るたびに心があらわれる。古代の儀式を見ているようで、貴重な体験ができました。『日本がここから始まった』という思いがわいてきました」と話した。
遷座祭では照明が消され闇夜の中、御羽車という輿にのせられたご神体がゆっくりと移動。それを先導したのが、盾や鉾、弓、翳、太刀など持つ神職。翳は高貴な人に差し掛けたという古代から続く儀式用具のひとつで、歴史を感じさせる神秘な祭典を象徴していた。
9日には、天皇陛下の幣帛(供え物)を奉納する奉幣の儀も厳かに行われた。
重文の本殿の修復費は約2億円で、うち約1・5億円は文化財修復のための補助金。祭典終了後、久保田昌孝宮司は「全国の崇敬者のみなさんの絶大なるご支援に、心から感謝申し上げます」とのコメントを発表した。
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