知っていますか?物部氏のこと 青垣出版が古代氏族研究本第8弾
青垣出版(田原本町)が「古代氏族の研究」シリーズの8冊目となる「物部氏」(A5判、264ページ)を刊行した。
物部氏はもとは祭祀具などの製造・管理を行う氏族で、朝廷の軍事も担当。仏教導入をめぐって蘇我氏と対立し、河内を基盤にしていた物部本宗家は滅ぶが、大和の支族(分家)は生き残り、その後も朝廷内で高い地位を保った。
本では、物部氏の拠点があった現在の天理市の布留遺跡から鍛冶遺構が出土していることや、物部氏が当初から持つ「剣神祭祀」などを説明し、鉄生産を行った鍛冶部族の性格が強いことを指摘。権力の基盤に鉄生産があったことを解説している。
また、物部氏と「大和朝廷の武器庫」だったとされる石上神宮の関係についても説明しているほか、奈良・平安時代の氏族の動向、大和以外の物部氏についても詳述。系図も示されている。
著者は宝賀寿男さん。問い合わせは青垣出版(☎0744・34・3838)。
【関連記事】
「食を大切にすれば運命が開ける」、春日大社の元権宮司・岡本さんが本出版
日本のあり処探る 千田稔さんの新著「古代飛鳥を歩く」、中公新書から発刊
〝ジモティー〟ならではのイチ押し奈良を紹介 県と出版社タッグの本発売
千田稔さん渾身執筆100回 人気連載企画「古代天皇誌」が本に
(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)