日本のあり処探る 千田稔さんの新著「古代飛鳥を歩く」、中公新書から発刊
歴史地理学者で県立図書情報館長、千田稔さんの新著「古代飛鳥を歩く」(中公新書)が発刊された。飛鳥での豪族の足跡や都城、古代寺院、墳墓などを通じて「日本のあり処」を探っている。
新著で千田さんは、「飛鳥とは」として、飛鳥時代と近現代は海外から文化がもたらされたという点で似ているとしつつ、仏教などが入った飛鳥時代は「ココロ」が読み取れるのに対し、近現代は形骸化した「モノ」だと指摘。「『飛鳥を歩く』というのは古代の歴史的痕跡をたどることではない。日本のあり処を探ることなのだ」と記している。
「聖徳太子と推古天皇」や「大化の政変」「斉明天皇と水の祭祀」「持統天皇と藤原京」「古寺をめぐる」などのテーマごとにゆかりの地をカラー写真をふんだんに使って紹介、国の原点に迫っている。千円(税別)で、主な書店で販売中。
千田さんは「桜井・飛鳥地域は埋蔵文化財だけでなく、日本文化を生み出した場所として認識すべき」と話している。
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