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亡き妻にささげる「追悼の庭」 彩る100種のバラ 28、29日に公開


 奈良市学園前の住宅街に、バラに彩られ、ひと際目を引く庭がある。手がけたのは、4年前に最愛の妻・由美子さんをがんで亡くした建築士の居場英則さん(50)。100種類ものバラが笑顔のように咲く「追悼の庭」は、前を向いて歩き始めた英則さんの生きがいになっている。

赤やピンクのバラ約100種類が咲き誇る庭

赤やピンクのバラ約100種類が咲き誇る庭

 ピンクの壁に丸窓がついた一軒家は軒先から玄関に続く中庭まで、赤や紅のバラが埋め尽くす。香りに誘われてチョウやハチも飛び交う「花やしき」に、「妻は今ごろ空の上であきれているんじゃないかな」と英則さんは笑いながら話す。

 由美子さんは4年前の6月17日、44歳の若さで逝った。早期発見が難しく、進行が早い「スキルス胃がん」だった。一人息子はまだ中学生で、英則さんは「しばらく何もやる気が起きなかった」と振り返る。

 そんなある日、母親が庭先に植えていたピンク色のバラにふと目が留まった。ピンク色が好きで、携帯電話や衣服などもピンクが多かった由美子さん。「ピンク色のバラを育てたら、妻の追悼になるかもしれない」。そう思い立った英則さんは早速ガーデニングの本を買い、セミナーにも参加。1年目から40種類超のつるバラを植え始めた。

 園芸初心者だったが、悲しみを乗り越えようと打ち込んだ結果、わずか2年目で数々のガーデニングコンテストで受賞。バラを通じて近隣住民との交流や園芸愛好家との新たな出会いも生まれ、庭を通じて「前向きな新しい人生が切り開かれていった」という。

妻・由美子さんの写真を手に庭に立つ居場英則さん

妻・由美子さんの写真を手に庭に立つ居場英則さん

 バラが咲くたび、妻を思い出して連絡をくれる友人や、遅咲きのバラが知らせる5月22日の結婚記念日。「あるものはいずれなくなるが、記憶は引き継がれていく」と、妻が遺したものに励まされ、一歩を踏み出している。

 今年から奈良市内の病院で、植物の育成や触れ合いを通じ、患者が心身の健康を得る「ガーデンセラピー」にも携わり始めた。亡き妻を思い手がけ始めた「追悼の庭」は今後、「癒やしの庭」となり、より多くの人々の心を温めるのかもしれない。

 28、29日午前10時~午後5時、「追悼の庭」を一般公開する「オープンガーデン」を実施。希望者には居場さんが庭内を案内する。問い合わせは居場さんにメール(hidenori.iba0502@gmail.com)で。

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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)

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