市道に20メートルの危険な「壁」 住民が土砂撤去へ仮処分申請 五條
大阪府箕面市の土木建設会社「五條開発」が、五條市の市道をまたいで所有する残土処分場間で土砂を移したため、市道上に高さ約20メートル超の盛土が堆積し崩落の危険性があるとして、地元住民45人が22日、同社と五條市に土砂の撤去などを求める仮処分を奈良地裁五條支部に申し立てた。
申立書によると、同社は平成26年7月以降に処分場を順次取得。27年7月には市道脇の樹木を除去し、残土が堆積した南側の処分場から、市道をはさんで北側の処分場に重機で斜面を滑り落とすように残土を移動させ始めたため、一部の市道上に高さ20メートル超、勾配45度以上の巨大な盛土が形成された。
市道を管理する五條市は今月14日、8月末までに適切な対策を示すよう求め、同社に警告書を送付。すでに一部は複数回崩落したが対策が講じられないため、「通行する住民に生命の危険が生じている」と、仮処分を申し立てたという。
五條開発は「住民に不安を与えたことは申し訳ない。可能な限り対応したい」、五條市は「内容を承知していないのでコメントは差し控える」とした。申立人の1人で地元住民の田中邦宏さん(60)は、「抜本的な法整備を考えてほしい」と訴えた。
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