徳川家康の石燈籠、400年ぶりの姿よみがえる 春日大社
2016年08月4日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
徳川家康が紀州徳川家の初代となる十男、長福(後に頼宣と改名)の病気平癒を願い春日大社(奈良市)に寄進したとされる石燈籠の「火袋」が復元され3日、大社南門前で設置作業が行われた。三つ葉葵紋などの金銅金具68個が飾られ、境内に2千基ある石燈籠のなかでも最も豪華。約400年ぶりに当時の姿がよみがえった。
石燈籠は高さ約2・1メートル。ろうそくを置く火袋がヒノキ製の「御間型」で、銘文には慶長9(1604)年、長福が寄進したと刻まれている。だが、長福は当時3歳で、実際は家康と母のお万の方が奉納したと考えられている。
火袋は、20年に1度の国宝・本殿修理「式年造替」にあわせ復元された。この日は、かさ部分を持ち上げるなどして設置作業が行われた。14、15日に行われる恒例行事「中元万燈籠」で点灯される。
春日大社は「長福は家康が老いてからできた子で、特にかわいがった思いが豪華な石燈籠から伝わってくる」としている。
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