災害時基盤と自転車道整備で合意 明日香村で紀伊半島知事会議
奈良、和歌山、三重の3県の知事が、各地域の課題について意見交換する「紀伊半島知事会議」が8日、明日香村の県立万葉文化館で開かれた。地域活性化や災害時の救援ルートに役立つインフラ整備、自転車を活用した観光振興に向け、3県が協力して取り組むことで合意した。
会議は、紀伊半島が一体となって経済活性化や防災対策の強化を図ろうと、毎年3県の持ち回りで開催しており、今年で27回目。この日は荒井正吾・奈良県知事、仁坂吉伸・和歌山県知事、鈴木英敬・三重県知事が出席した。
会議では、紀伊半島沿岸部と内陸部を「いかり型」につなぐ幹線道路網「紀伊半島アンカールート」の早期整備や、「紀伊半島全域に効果を波及させる」(荒井知事)ため、リニア中央新幹線の「三重・奈良ルート」早期実現に向け、3県が一致して働きかけていくことを確認。
また観光面では、紀伊半島固有の歴史や自然を生かした「サイクリングロード」を共同で整備し、誘客や大会の開催を目指すほか、森林・林業の人材育成では、3県で林業を学ぶ学生同士の交流や講師の相互派遣、教育マニュアルの共有などを図り、半島一帯の林業振興につなげるとした。
会議後の共同会見で、荒井知事は、「紀伊半島がまとまってプロモーションしていくことが今後ますます重要になる。各取り組みの進捗を確認でき、有意義だった」と話した。
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