32遺跡で出土した土器、埴輪など公開 橿考研付属博物館
県内の昨年度の発掘調査の成果を紹介する速報展「大和を掘る34」が、橿原市の橿原考古学研究所付属博物館で開かれている。32遺跡で見つかった土器や埴輪、瓦、鉄製品などを展示している。9月4日まで。
展示品のうち、航空自衛隊奈良基地(奈良市)敷地内の佐紀古墳群で見つかった鰭付円筒埴輪は直径約50センチ、高さ約1・6メートル。ウワナベ古墳(5世紀)の濠のまわりに立てられていた可能性もあるといい、巨大古墳の埴輪にふさわしい大きさ。破片の状態で出土し、1カ月以上かけて復元した。
飛鳥時代の最古の宮廷庭園跡・飛鳥京跡苑池(明日香村)で見つかった海老錠の牡金具(9・5センチ)も展示。漆塗りで、大切な物を入れた箱などに付けられていた錠の一部とみられる。同じ飛鳥京跡の別の場所で見つかった牝金具と一緒に展示されている。
このほか平城宮北側にあった庭園施設・松林苑跡(奈良市)出土の瓦や、春日大社境内(同市)で見つかった土馬、藤原宮跡(橿原市)出土の大極殿院の軒瓦なども並べられている。
発掘成果について担当者が説明する講演会が9月3日午後1時から、橿考研講堂で開かれる。
問い合わせは橿考研付属博物館(☎0744・24・1185)。
【関連記事】
前方後円墳の原型か 橿原で大型の円形周溝墓見つかる 奈良文化財研究所調査
「よく見つけてくれた」、研究者も驚く 大型円形周溝墓、奈良県内初発見
産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html