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【まちの近代化遺産】城下町とともに歩んだ歴史 大和郡山の「百寿橋」


 豊かな歴史の香りが漂い、今も城下町の古風な町並みが美しい大和郡山市。かつてあった郡山城の旧中堀に架かり、渡ると市役所の正面玄関へ通じるのが、まちの近代化への歩みを静かに物語る「百寿橋」だ。

風格と威厳が漂う百寿橋

風格と威厳が漂う百寿橋

 完成は昭和11年。明治30(1897)年の旧生駒郡役所開設とともに架けられた初代百寿橋は木造だったが、その後、一市民の多額の寄付により長さ20・4メートル、幅4メートルの鉄筋コンクリート製に架け替えられた。まだ木製が一般的だった時代、最新技術で生まれ変わった百寿橋は、ひときわ市民の目を引いたことが想像できる。

 平成16年に同市の地方史誌専門図書館「柳沢文庫」の書庫から見つかった「昭和十一年度 百壽橋架橋工事一件書類」には、橋の工事計画などが詳細に記されている。完成にあたって開催された渡り初め式では、「堅牢を主眼とし池沼内に潔く入りたる橋脚両端の橋基・橋桁等には特に苦心」したことや、「美観の点を相当考慮」したこと、「役場庁舎前に架設せるため、極めて重要」といった式辞・祝辞があったとの記述もあり、橋にかけた当時の人々の熱意が伝わってくる。

 橋に施された意匠も見どころだ。同市教委文化財係長の服部伊久男さんは、欄干を飾る市章のデザインや、「百壽橋」の名称が力強く刻字された親柱を魅力の1つに挙げる。ほかにも橋脚など、「地中に埋もれて目に見えない意匠もある」と服部さん。橋が持つ隠れた見どころはまだまだありそうだ。

鉄筋コンクリートで建設中の百寿橋(市教委提供)

鉄筋コンクリートで建設中の百寿橋(市教委提供)

 市が市制60年を迎えた平成26年3月、親柱にかつて設置されていた城のオブジェが、大和郡山ライオンズクラブによって復元された。旧オブジェは、戦時中の鉄材供出のために取り外されたとされる。復元で往時の姿がよみがえり、一層風格漂う姿となっている。

 時代の流れとともに、その姿を少しずつ変えてきた百寿橋。服部さんは「市民の手により建設されてきたという点が意義深い」と話す。一方、建物などの建築物に比べて橋や道路といった土木作業による構造物は「価値がなかなか伝わりにくいのも事実」(服部さん)とも。城下町がたどってきた近代の歩みを伝える土木遺産を後世に受け継ぐため、今後さらなる周知活動が期待される。(浜川太一)

親柱に復元された城のオブジェ

親柱に復元された城のオブジェ

 ■ひとくちメモ 橋の親柱頂部に復元された城のオブジェは御影石製。光を感知するセンサーを内蔵しており、暗くなるとLED照明が自動的に点灯。橋に往時をしのばせる風情を添えるとともに、夜の城下町を優しく照らしている。

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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)

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