近代化のシンボルを重要文化財に 奈良少年刑務所指定へ自治会が要望書
2016年05月20日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
奈良少年刑務所(奈良市般若寺町)の建物を保存しようと、周辺の34自治会の代表者らが宮地重光所長に建物の重要文化財指定を求める要望書を提出した。
同刑務所は、明治政府が建設した「五大監獄」のひとつで、明治41年に完成。重厚なれんが造りで、屋根をドーム状にした表門や、集中管理しやすいように庁舎から放射状に広がる5棟の舎房などが現存する。同時期に千葉、長崎、鹿児島、金沢でも同様の監獄が建設されたが、当時の姿をほぼそのまま残すのは奈良だけという。
刑務所のある般若寺町自治会では先月の総会で、「日本の近代化のシンボルであり、地域興しのためにも刑務所の建物を残そう」と保存要望を行うことを決議。要望書は、同町自治会と周辺34自治会でつくる鼓阪地区自治連合会が提出し、宮地所長は「建物を大切に思っていただき、うれしく思います」と話した。
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