古代人の足跡も展示 地下50センチの桜井から出土した遺物を一堂に
桜井市立埋蔵文化財センターで、平成27年度の発掘調査の成果を紹介する速報展「50㎝下の桜井」が開かれている。初めて調査された纒向遺跡内の二反田古墳(4世紀中ごろ)や、三輪山麓の城島遺跡などの出土遺物計135点を展示している。10月2日まで。
二反田古墳は市北部の天理市との市境付近に位置。これまで一辺約20メートルの方墳と考えられていたが、周辺部を発掘した結果、墳丘裾部分の葺石や基底石が新たに確認され、一辺約30メートル以上の規模と判明した。速報展では解説パネルのほか、出土した断面が楕円形で装飾を持つ鰭付楕円筒埴輪の破片を展示している。
城島遺跡の調査では古墳時代の水田遺構が出土。水田1枚あたりの大きさは約30平方メートルとみられ、畦や水田に残る人の足跡も確認された。遺構の写真、出土土器とともに、足跡に石膏を流し込んで取った人の足型も。足の大きさは21~23センチが中心で、土踏まずがはっきりわかる足型もある。
桜井市教委による昨年度の調査は10地点で、箸墓古墳近くや、大福遺跡で見つかった土器類も並んでいる。
問い合わせは同センター(☎0744・42・6005)。
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