大仏の髪そっくりの香合「宇宙」「銀河」 蒔絵師の辻さんが東大寺に奉納
東大寺の盧舎那仏坐像(大仏)の螺髪(渦巻き状の髪)をかたどったユニークな香合2点が、制作した東京芸術大学大学院教授の蒔絵師、辻賢三さん(66)=神奈川県鎌倉市=によって同寺に奉納された。大仏殿と本坊上壇之間で使われる。
奉納された香合は、螺髪の実物に比べやや小さい「宇宙」(外径、高さともに17・5センチ)と、「銀河」(外径11・5センチ、高さ11センチ)。いずれも乾漆の技法で作られ、表面には青貝を使った螺鈿の細工が施されたうえ、周りに卵殻がまかれている。
辻さんはこれまでに黒漆塗結界台を同寺に納めたことがあり、さらに自分の作品を奉納したいと思ったところ、同寺から螺髪形の香合が提案され、制作したという。18日には同寺僧侶が出仕し、大仏殿壇上で奉納式が行われた。
辻さんは「できるだけ実物に近づけた。螺髪にちなんで青貝の螺鈿を、さらに存在感を出すために卵を使った」、東大寺の筒井寛昭別当は「香合を見て大仏の頭のことを思ってもらえれば」と話していた。
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