外国人旅行者「売上げに貢献」 奈良大生が宿泊施設調査 リピーター課題
奈良大学の学生らが、昨年から増加が注目されている外国人観光客(インバウンド)の実態調査を奈良市街地の宿泊施設で実施した。4割が売り上げに「非常に貢献している」と回答する一方、リピーターの割合は平均1・8%と低く、言語の違いによる意思疎通の難しさなどが課題となっていることも明らかになった。
同大社会学部総合社会学科(旧・社会調査学科)の2回生5人が社会体験実習として昨年秋、尾上正人教授の指導で奈良市街地の旅館・ホテルなどの宿泊施設42軒に調査票を配布。うち32票を回収し、分析した。
「売り上げに貢献しているか」という質問では、40%が「非常に貢献している」と回答、「やや貢献している」も53・3%に上った。「外国人に宿泊してほしいか」との問いには、46・7%が「非常にそう思う」と回答、「ややそう思う」も43・3%だった。
一方、「リピーターは何%くらいか」への回答の平均値を集計した結果は、わずか1・8%。「外国人が来て困ったこと・悩んだこと」(複数回答)では「言葉の違いで意思疎通が難しかった」63・3%、また、「マナーが悪かった」が56・7%に上った。
学生らは「外国人観光客は施設の売り上げに貢献しており、意思疎通などに少し難はあるが、多くはインバウンドに大きな問題なく対応している」と分析。調査に当たった学生は、「奈良市街地の宿泊施設が積極的に外国人観光客を呼ぼうとしていることが分かった」「外国人観光客の問題はマナーが悪いというより、意思疎通が原因のようだ」と話した。
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