朱雀大路の道幅は74メートルも 平城京のメーンストリート 広大な広場も確認
平城宮跡(奈良市)の朱雀門南西から、奈良時代の平城京を貫いたメーンストリート「朱雀大路」の西側溝跡などが出土し、奈良文化財研究所が3日、発表した。これまでに対称位置で東側溝が確認されており、朱雀門近くの道幅が約74メートルであることがほぼ確定。大路を取り込む門前の広場は東西約260メートル、南北約140メートルとみられることも分かった。続日本紀には朱雀門前で、儀式が行われたり、若い男女が歌い合う「歌垣」を開いたりして、天皇も見学したなどとする記録があり、同研究所は「門前の利用方法も知る重要な成果」としている。
調査地は、碁盤の目状に道路を設ける条坊制を採用した平城京の「右京三条一坊一坪」と南側の「二坪」に当たる。西側溝は南北の調査区2カ所で計約40メートルにわたり出土。朱雀大路の幅は、過去に確認された東側溝と今回の西側溝の間の約74メートルと推定され、これまでに別の調査地で確認された幅とも一致。朱雀門から京の正面玄関、羅城門までの南北約3・6キロにのびた道路の広大な規模が裏付けられた。
現地見学会は5日午前11時~午後3時にあり、午前11時半と午後1時に説明が予定されている。
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