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【まちの近代化遺産】地域繁栄の象徴 橿原の今井まちなみ交流センター華甍


 かつて「大和の金は今井に七分」といわれるほど繁栄した橿原市今井町。東西約600メートル、南北約310メートルの区域内にある全建物約1500棟のうち、約500棟が伝統的建造物だ。国の重要文化財9件、県指定文化財3件、市指定文化財5件があり、「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定されている。

寺院のような外観の「今井まちなみ交流センター花甍」

寺院のような外観の「今井まちなみ交流センター花甍」

 江戸時代からの古い町家が残る町内のシンボル的存在が、「今井まちなみ交流センター華甍(はないらか)」。明治33(1900)年、皇太子だった大正天皇が旧高市郡に下賜された2千円をもとに同36年5月、「高市郡教育博物館」として竣工した。

 橿原市教委によると、当時県内にあった社会教育施設はほかに、奈良市の「旧帝国博物館」のみ。設計は後に「旧奈良県立図書館」(大和郡山市)の建築にも携わった県技師、橋本卯兵衛で、博物館の役割を終えると昭和4(1929)年から「今井町役場」として32年まで活用され、以後は「老人憩いの家」や「職業紹介所」として存続した。

 「今井まちなみ交流センター華甍」となったのは平成7年。町の歴史に関する古文書保存や、町のPRなどを担っている。会議室などは市民の会合や、少年野球の抽選会などにも利用されているという。

 外観は中央に木造2階建ての本館、両脇に左右対称の平屋建てで、平等院鳳凰堂をなぞらえたような造り。玄関正面の鬼瓦には旧高市郡時代の「高」の文字が残る。2階縁側の手すりには、寺院でもよく見られるタマネギのような形の「擬宝珠」があり、2階の軒下を支える部材は、法隆寺の五重塔など飛鳥時代の建築物によくみられる雲形で、伝統的な日本建築の雰囲気がただよう。

2階の講堂は棹縁天井にひし形の飾り窓で、見事な和洋折衷

2階の講堂は棹縁天井にひし形の飾り窓で、見事な和洋折衷

 一方で内観は、和と洋が見事な融合を見せている。正面玄関にある赤い絨毯が敷かれた入り口の洋風階段を上がると、2階に続く階段の手すりには擬宝珠が。1階の天井はしっくいの白壁だが、2階講堂は和風建築の代表的な棹縁天井に、モダンなひし形の飾り窓がある。はめ込まれたすりガラスは、平らに製造する技術がまだなかった昔の、表面がゆらいでみえる「ゆらゆらガラス」だ。

 江戸時代の町並みを残す町内では、連続テレビ小説「あさが来た」の撮影も行われ、講堂は出演者らの楽屋に使われた。館内には町の遺物や町家の復元模型が展示され、町の歴史に関する古文書なども保存。町の歴史を後世に伝える役割も果たしている。

 橿原市教委今井町並保存整備事務所の中川智之所長補佐は、「地元の方にとっては、子供のころから親しんだ建物。『会議で使ったりすると、懐かしい気持ちになる』と、よく利用されます」と話す。地域に開かれた施設として親しまれている、明治時代の貴重な建物。中川所長補佐は「『地域の宝』として、後世に長く伝えていきたい」と話した。(神田啓晴)

鬼瓦には旧高市郡時代の「高」の文字がある

鬼瓦には旧高市郡時代の「高」の文字がある

 ■ひとくちメモ 今井まちなみ交流センター華甍は、近鉄八木西口駅から南に徒歩5分。または、JR畝傍駅から南に徒歩8分。入館無料。開館は午前9時~午後5時。月曜、年末年始は休館。問い合わせは同センター(☎0744・24・8719)。

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