【リオ五輪】バドミントン「タカマツ」、ペア結成10年で大逆転の金メダル 「やっと一番になれた」
【リオデジャネイロ=細田裕也】ペアの結成から10年、長い長い道のりを経てやっとつかんだ-。3ゲーム目までもつれ込んだ大接戦。高橋礼華(橿原市出身)と松友美佐紀の「タカマツ」ペアは相手デンマークの長身の力強いショットにてこずってリードを許し続けた。
だが、土壇場で5連続ポイントを奪い、自力の違いを見せつけ、最後は高橋のショットで仕留めた。手に汗握る接戦を大逆転で制し金メダルをつかんだ。「夢の時間でした。やっと一番になれた」。最高の笑顔を見せた。
2人は共に「練習の虫」で、小学生から常に日本のトップを走ってきた。お互いを意識し、小4の時に高橋は両親に「小3やのに強い子がいる」。一方の松友も当時、高橋のことを「小柄なのにフットワークがすごい子がいる」と話していたという。
チーム同士の交流もあり文通も開始。松友の徳島県のチームが主催する練習試合で初めて対戦した際は、高橋の圧勝だった。「惨敗でした」。松友は、高橋があこがれの存在になった。
そして、先輩の後を追うように、松友が、聖ウルスラ学院英智高(仙台市)に入学し、運命のペアが誕生した。
シングルスでトップを歩んできた2人。高橋は松友と組んで初めて「自らのスマッシュの威力を知った」という。松友も、また先輩の姿を見て多彩な攻撃の強みを知った。翌年の全国高校総体で優勝を果たすなど〝最高のペア〟は階段を駆け上がった。
同じ実業団に進み、世界ランク1位となり、リオに乗り込んだ。高橋の父、昭博さん(53)は「娘はアウトドア派で、美佐紀はインドア派」と話すなど性格も全く違う2人。互いの長所を生かし補いながら歩み続け、リオの決勝でも必死に助け合いながら激戦を制した。
「本当に(夢が)かなうと思わなかった。先輩と組んでよかった」。試合後にこう語る松友に高橋がやさしく声をかけた。「ありがとう。お疲れさま」。2人で手を取り合って金をつかんだ。
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