医学を基礎にしたまちづくり始動 県立医大中心にMBT研設立
超高齢化時代の住みやすいまちづくりを目指した「医学を基礎とするまちづくり(MBT)」構想を進めようと、橿原市の県立医大や県、関西電力など産官学による「MBTコンソーシアム研究会」が設立され、記念シンポジウムが同市の橿原神宮会館で開かれた。
MBT(Medicine-Based Town)構想は、同大の細井裕司学長が提唱。平成33年に教育、研究部門を移転する橿原市の県立医大周辺や同市今井町で医療環境を充実させ、高齢者が住みやすいまちづくりと新産業創出を目指すとしている。昨年12月、賛同する県や橿原市、関西電力、凸版印刷、南都銀行、早稲田大学などが連携して設立された。
21日に開かれた記念シンポジウムには、約290の企業、団体などから計約630人が参加。細井学長は、医学的知識を企業に提供して共同研究や新製品開発に結びつけることによる新産業創出や、今井町内に並ぶ空き家をゲストハウスやリハビリ施設に活用する「まちなか医療拠点」構想などを説明。「MBTモデルを奈良だけでなく関西、ひいては全国に広げていきたい」と語った。
続いて、東大高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教授が「超高齢社会におけるまちづくりの展望」をテーマに講演。千葉県柏市での地域包括ケアシステムや在宅医療の施策などを紹介し、「MBTは素晴らしい構想。新しい社会のあり方を作り上げるために、大学と企業が連携しなければならない」と述べた。
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