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【生け花】雨上がりの一服

奈良県華道会提供

佐藤明甫=華道未生後流

【花材】和蘭海芋(おらんだかいう)

【花器】広口水盤

【作意】和蘭海芋は江戸時代にオランダ船によって日本に渡来したサトイモ科の植物であることが名前の由来です。
雨上がりのあと一気に花が咲き、生き生きと輝く姿を表現したいと思いました。
まっすぐに伸びる茎とりんとした白い花の姿に大きさの違う葉を組み合わせて、清らかで美しく一体感が出るように伝統的な生け方でまとめました。
静かなひとときを堪能していただけると幸いに存じます。

木造建築の「今」を学ぶ 奈良商工高生 大和郡山の現場で見学会

若い人たちに大工の仕事や建築業界に興味を持ってもらおうと、東京の建設会社が県立奈良商工高建築工学科に在籍する生徒たちを招き、木造住宅の建築現場の見学会を大和郡山市内で実施した。
分譲戸建て住宅などを全国で手掛ける一(はじめ)建設(東京都豊島区)が企画。同校前身の奈良朱雀高出身の杢野謙介係長が同社奈良工事営業所に所属している関係から、高校生対象の見学会を始め、今回で3回目となる。
現場は、大和郡山市小泉町に建築中の木造2階建て住宅(延べ床面積約110平方㍍)で、同校2年の生徒36人が参加。業界で進む働き方改革や熱中症対策などについて説明を受けた後、施工管理アプリによる情報共有の在り方や、ドライバーやのこぎりなど最新の電動工具を使った作業を見学。木造建築の梁(はり)や柱に用いる「鎌継ぎ」など伝統的な継ぎ手の技も披露され、生徒たちは興味深く見入っていた。
生徒たちはその後、同社大阪店に移動して、CAD(コンピューター利用設計システム)を使った住宅設計も体験した。
参加した大西悠斗さん(16)は「将来は父と同じく建築板金の道に進みたいと考えている。木造建築の構造を学ぶ上でとても役に立った。経験を積んで、家を建ててみたい」と笑顔を見せた。
同社の土屋誠執行役員は「建築を学ぶ子供たちに、木造建築の仕事の『今』を知ってもらいたい。将来の道を選択する上でこの業界も興味を持ってもらえたら」と話していた。

佐保川ホタルの一生 絵本に 「守る会」代表・中川さんが出版

奈良市ボランティアセンターで「佐保川ホタルを守る会」の活動報告をする中川英幸さん(同センター提供)

ホタルが生息していることを知ってほしい-。「佐保川ホタルを守る会」(奈良市)代表の中川英幸さん(72)がホタルの一生を記した絵本を出版した。優しいタッチの色鉛筆で描かれた絵本は、ホタルの生態や佐保川の環境を守る活動を紹介している。中川さんは「佐保川はホタルが飛び交うすてきな川であることが地域の誇り。ぜひ絵本を手に取ってもらえたら」と話している。(木村郁子)
絵本は120冊限定でタイトルは「わたしたちのたまご そだちますように」。佐保川の風景をはじめ、草にとまって光るホタル、幼虫の餌となる巻き貝のカワニナ、幼虫からさなぎになって羽化するまでを記した。生息に適した環境づくりや川の清掃活動の様子などが丹念に描かれている。

絵本「わたしたちのたまご そだちますように」の表紙

大和川水系の佐保川は、奈良市や大和郡山市を流れる1級河川。春日山原始林の石切峠付近が源流で、奈良市街北部を西に流れる。流路延長は約19㌔で、中流の堤防の桜並木が有名だ。
5年前、佐保地区自治連合会の副会長として活動していた中川さんは、ホタルが生息する佐保川に魅せられた。東大寺や興福寺周辺の優れた風景を表す室町時代の「南都八景」に「佐保川蛍」が記されていたことを知り、水圏生態学を専門とする奈良女子大学理学部の遊佐陽一教授から、ホタルの生息に適した環境づくりの指導を受けた。
その後、佐保川に多くのホタルが舞う風景を復活させようと有志の仲間と「佐保川ホタルを守る会」を発足。小学校で学習会を開催し、川の中のごみを拾うなど清掃活動も行う。生息調査では、ホタルが最も飛び交う6月上旬の雨上がりの蒸し暑い夜、今在家町の石橋から近鉄新大宮駅近くの新二条橋までの約3・5㌔を川沿いに歩き、若草橋や奈良女子大など約10カ所をスポット別に調べる。
絵本制作を志したのは、活動を通して佐保川に生息するホタルを知らない人が多いことに気付き「ホタルを守ることは自然環境を守ることにつながる。きっかけ作りとしたい」との思いから。3年前から公民館の「色えんぴつ画教室」に通い、手描きの絵を完成させた。絵本の文言などは教授の指示を仰いだ。
絵本はA4判29㌻。地域の小学校や市内の県立図書情報館や市立図書館、若草公民館などで閲覧できる。

ササユリ手に神楽奉納 率川神社で「三枝祭」

ササユリを手に舞を奉納する巫女ら=奈良市の率川神社(代表撮影)

「ゆりまつり」の名で知られ、初夏の風物詩となっている率川(いさがわ)神社(奈良市)の例祭「三枝祭(さいくさまつり)」が17日行われ、ササユリを手にした巫女(みこ)4人が華麗な神楽を奉納した。
率川神社は大神神社(桜井市)の摂社。三枝祭は疫病を鎮めるために行われ、祭神がササユリが咲く三輪山麓の狭井川周辺に住んでいたという故事にちなんでいる。
この日は神前に特殊な神饌(しんせん)やササユリで飾った酒だるを供え、祝詞(のりと)を奏上。巫女たちがササユリを手に神楽「うま酒みわの舞」を舞った。

田原本町キャラ「タワラモトン」デザインマンホール 公園の足元に

「タワラモトン」が描かれたデザインマンホール=田原本町

田原本町の公式キャラクター「タワラモトン」が描かれたデザインマンホールが、同町西竹田の公園「ともぱ!たわらもと」に設置された。かわいらしいキャラが訪れた人の目を楽しませている。
町内のマンホール蓋を製造している長島鋳物(本社・埼玉県川口市)が寄贈。昭和31年に現在の同町が誕生した5町村による合併から70周年を迎えることと、同公園が3月オープンしたことを記念した。デザインは同社と町が考えた。
同公園は災害時には防災ヘリコプターの離着陸が可能で、防災機能を備えている。
町まちづくり建設課の担当者は「公園のシンボルとしてSNSを通じた情報発信を行い、幅広い層に親しみを持ってもらい、公園の利用につなげていく」としている。

遺跡調査にデジタル活用 奈文研PT始動 人員・財政課題解消へ

平城宮跡(奈良市)や藤原宮跡(橿原市)を主現場に発掘調査に取り組んできた奈良文化財研究所(奈文研、奈良市)は、新たな行動指針を策定し、プロジェクトチームを立ち上げたと発表した。文化財に対する関心が高まる一方で取り巻く財政面など環境が厳しさを増す中、発掘調査方法の見直しなどを模索。デジタル技術を活用した遺跡の調査・研究を推進するとしている。

新たな指針について説明する奈良文化財研究所の本中所長(中央)ら=奈良市の奈文研

奈文研によると、全国的に文化財関連予算が減少傾向にあり、発掘調査も人件費が上昇するといった状況がある。今後は文化財の調査、保全に携わる人員の不足なども懸念されるという。
こうした中、奈文研は存在意義と使命、理想像、戦略的事業を示す「奈文研PMVS2027」を策定。従来の人文科学や自然科学のほか社会科学なども加えた中核的な調査・研究機関「ヘリテージ・サイエンス(遺産科学)のナショナルセンター」を目指す。それを実現するために「フィールドワーク・イノベーション プロジェクトチーム」を発足させ、今春から本格的に始動した。
プロジェクトチームは部局を超えて横断的に取り組み、統括マネージャーや3つのワーキンググループ(WG)を設けた。
「次世代遺跡調査WG」では、発掘調査記録の三次元化や土壌情報の自動認識技術などを探る。また、「宮跡DXサイト・ミュージアムWG」は平城宮跡などを対象に三次元情報をまとめ、次世代にふさわしいデジタルを使った遺跡博物館を提案する。「宮跡マネジメントWG」は水路の位置なども含め遺跡の現状を把握し、効率的な調査、整備の計画を目指す。
奈文研のこうした取り組みの成果は全国各地の遺跡のためにモデルとして発信する考えだ。
奈文研の本中真所長は「奈文研にとって人員、財政に課題があり、曲がり角に来ている。全国的にも発掘調査、文化財の保全・活用は曲がり角だ。そんな中、新しい技術、手法を用いて調査・研究を様変わりさせる必要がある」と話している。

奈良市の小学校給食に金属片混入

奈良市教育委員会は16日、市立小学校1校で給食のおかずに金属片とみられる細長い異物2本が混入しているのが確認されたと発表した。児童の健康被害は報告されていない。
市教委によると、2学級で16日の給食時間に児童がそれぞれ見つけた。異物は、長さが約1㌢と約2㌢で、太さがいずれも数㍉。原因を調べたところ、野菜裁断機のふたのアルミ部分が削れていることが判明。異物と削れた部分が一致ししていることが確認されており、これ以上の異物が混入した可能性はないとしている。

江戸から令和の郷土力士ずらり 葛城市相撲館で企画展

県出身力士の化粧まわしなどが展示されている企画展=葛城市

葛城市相撲館「けはや座」(同市當麻)で、県出身の力士を紹介する企画展「郷土力士展」が開かれている。江戸時代から令和までに活躍した15人の関連資料がずらりと並べられている。
15人は日本相撲協会が公認した関取(十両以上)たち。プロフィルと写真は常設展示している。今回は15人目の琴裕将(ことゆうしょう、橿原市出身)が現役を引退し、十両以上の郷土力士がいなくなったことから、再び県出身の関取登場の願いを込め、新たな資料を集めて開催した。
各力士の番付表などを集めた。戦前から戦後活躍した二瀬川(ふたせがわ、葛城市出身)は本場所で掲げられた大きな力士のぼりを展示。戦後すぐまで現役だった笠置山(かさぎやま、大和郡山市出身)は楽器を持って歌う写真が飾られている。このほか、大正から昭和にかけて現役だった大和錦(やまとにしき、田原本町出身)や琴裕将ら6人の化粧まわしも並べている。
同館の担当者は「これを機会に県出身の力士に関心を持ってほしい」と話している。
7月31日まで。火・水曜日休館。

生駒市に災害用トイレなど寄贈 創立50周年の清掃会社

生駒市は、市の委託で屎尿(しにょう)処理や浄化槽管理を行う民間企業「生駒市清掃社」(同市)から災害用トイレなどの寄贈を受けた。創業50周年の節目に防災に役立つ物品を寄贈したいとの申し出があった。

簡易トイレなどを寄贈した生駒市清掃社の武田年弘社長(左)ら=生駒市役所

寄贈品は、プラスチック製簡易トイレ20基と目隠し用テント20張、使い捨ての携帯トイレ5千個。8日の寄贈式で同社の武田年弘社長は「先代を含め、創業から50年事業を続けてこられたのは市民のご支援のおかげ」と語った。
市は寄贈品を市役所倉庫に備蓄し、定期的に実施する市民向けの防災訓練や、災害時にトイレが不足する避難所で使う考え。小紫雅史市長は「能登半島地震の話を聞くとトイレはすごく大事。寄贈は非常にありがたい」と感謝した。

奈良市長杯学童野球 4強出そろう 18チーム熱戦繰り広げる 

第46回奈良市長杯学童軟式野球大会の開会式で選手宣誓する西大寺ドリームズの中井彩葉主将=奈良市

第46回奈良市長杯奈良市学童軟式野球大会(産経新聞社後援)が13日開幕し、同市の都祁生涯球技場で開会式が行われた。大会は、第27回ろうきん杯学童軟式野球選手権大会の奈良支部予選を兼ねる。準決勝、決勝は21日に実施予定。
開会式では、エントリーした市内18チームの小学生選手たちが元気よく入場行進。西大寺ドリームズの中井彩葉主将(6年)が「一球一球を大切に、最後まで全力でプレーする事を誓います」と選手宣誓した。
13、14日の試合結果は次の通り。
【1回戦】奈良北ゴールデンカイト7-0山辺スーパーフェニックス▽帝塚山スポーツ少年団10-3奈良ジュニアファイターズ
【2回戦】五条山レパード8-5大安寺アパッチライオンズ▽平城スポーツ少年団4-0登美ヶ丘フェニックス▽山陵クィーンズ10-0奈良北ゴールデンカイト▽都跡スポーツ少年団6-4奈良チャレンジャーズ▽高の原ファイターズ7-0奈良伏見イーグルス▽鳥見ゼブラーズ8-1大宮ホワイトベアーズ▽飛鳥紀寺スポーツ少年団7-2かすみの▽西大寺ドリームズ4-3帝塚山スポーツ少年団
【準々決勝】平城スポーツ少年団2-1五条山レパード▽山陵クィーンズ20-0都跡スポーツ少年団▽鳥見ゼブラーズ6-5高の原ファイターズ▽飛鳥紀寺スポーツ少年団3-2西大寺ドリームズ

「奈良工芸の窓」で赤膚焼を展示 6月末まで ホテル日航奈良

若手陶芸家による作品が並ぶ「奈良工芸の窓」=奈良市のホテル日航奈良

ホテル日航奈良(奈良市)は、館内の「奈良工芸の窓」で赤膚(あかはだ)焼の作品を展示している。大型の壺や素朴な筆致の奈良絵が描かれた皿などが並ぶ。
同ホテルは「もっともっと奈良が好き」をキャッチコピーに、なら工芸館や市内の企業、職人の協力を得て、地域の伝統文化を広く紹介する展示を昨年、フロント近くで開始。奈良晒(さらし)に続く第2弾となる。
赤膚焼は郡山城主で、戦国武将の豊臣秀長が尾張常滑から陶工を招き、茶陶を焼かせたのが始まり。その後、江戸時代前期にかけて活躍した茶人の小堀遠州(えんしゅう)のもとで茶器が作られ、広く知られるようになった。
西ノ京丘陵一帯の良質な赤みを帯びた土から作られる焼き物は、乳白色や淡いピンク色の素朴な風合いが持ち味。今回は、大塩正窯(奈良県下市町)の若手陶芸家の大塩ほさなさん、まなさん姉妹が手掛けた茶碗や小皿、湯飲みなど21点を展示している。
総支配人室営業企画の南一美さんは「赤膚焼を知ってもらい、奈良の伝統文化に触れるきっかけとしてほしい」と話している。今月末まで。問い合わせは同ホテル(0742・35・8831)。

山辺高生〝夏も近づく、楽しい茶摘み〟 児童らは手作りのお茶味わう

伝統的な衣装をまとい茶摘みをする県立山辺高校の生徒ら=奈良市

 

茶畑にみずみずしい新芽が見られる季節となった。大和茶の一大生産地だった天理市福住町の茶畑では、市立福住小学校の児童が茶摘みを体験し、手作りしたお茶を味わった。校内に畑がある県立山辺高校(奈良市)では、生徒らが収穫した茶葉から作ったお茶が販売される。(木村郁子)
天理市福住町の中西和子さん(85)の約300平方㍍の茶畑で8日、近隣にある福住小の3、4年生23人が童謡「茶摘み」を歌いながら新芽を摘み取った。

茶葉を釜で炒る天理市立福住小学校の児童ら=同市

その後、児童らは学校に移動。クヌギやコナラの間伐材をかまどにくべて鍋で茶葉を炒(い)ったり、もみこんだりして「釜炒り茶」を作った。うまみや甘味を引き出した茶を試飲した3年の女子児童(8)は「とてもいい香り。1杯目より2杯目の方が甘くておいしい」と喜んだ。
この日講師を務めた、茶畑の再生に携わる「健一自然農園」(大和郡山市)の伊川健一さん(44)は「歴史と伝統があるすてきな茶畑を誇りに思ってほしい」と話した。
大和茶の産地として知られる大和高原に位置する山辺高校では5月に茶摘みが行われ、生徒20人が新芽を手際よく摘み取った。
同校の敷地には約3千平方㍍の茶畑がある。冬場に茶の木の剪定(せんてい)をしっかりしたことで日がまんべんなく当たり、新芽が出ていた。
大和絣(かすり)に茜(あかね)だすきをかけた伝統的なスタイルに身を包んだ農業探究科1年の横手芹莉菜さん(15)は「丁寧に手摘みした。おいしいお茶になってほしい」と笑顔を見せた。
今年は約1㌧を収穫。校内の製茶場で蒸してもみ、乾燥させた後に製茶し、校内で販売する。肥料や消毒などは最低限にとどめているため、すっきりとした味わいのお茶になるという。

自転車ロック忘れないで 天理大と天理署、盗難防止呼びかけ

無施錠の自転車に「盗難防止検証中」のタグ付けをする天理大の学生ら=天理市の同大

6月9日の「6」と「9」の語呂合わせで「ロックの日」の9日、天理大と天理署が協力して、自転車盗の被害を防ぐため、自転車のロックを呼びかける啓発活動を天理市の同大駐輪場で行った。
同署によると、昨年1年間に同署管内で認知された自転車盗難被害は約150件。このうち自転車の鍵をかけていない無施錠が85%を占めており、被害者の5割が大学生だったという。
この日、大学の呼びかけで集まったサッカー部や柔道部のメンバーら約10人が同大の駐輪場を巡回し、無施錠の自転車のハンドル部分に「盗難防止検証中」と記載されたタグを付けて回った。また、歩いている大学生らに「自転車には鍵かけを!」と書かれたチラシや自転車用のキーロックを手渡しながら、「鍵をかけ忘れないで」と声かけした。
同大体育学部4年の新保晴嗣さん(21)は「鍵を差したままの自転車があるなど、キャンパス内だからか皆油断していると思う。大切な自転車が盗まれて後悔しないよう自分で予防してほしい」と話した。

橿考研博物館、弥生人の墓への思いテーマに特別展 14日まで

吉野ケ里遺跡の墳丘墓の甕棺から出土した銅剣(重要文化財)

 

弥生時代の死生観をテーマにした特別展「葬(ほうむ)る 弥生人は墓に何を託したか?」が橿原市畝傍町の県立橿原考古学研究所付属博物館で開かれている。2千数百年前、稲作をはじめ技術や文化が大陸から伝わり、列島が大きな変革期を迎えた中、人々の思想や社会のあり方について「墓の発掘」を通じて迫っている。6月14日まで。

高さ1㍍ほどもある甕棺(中央)などが並ぶ特別展=橿原市の橿原考古学研究所付属博物館

弥生時代は、地域によってバラエティーに富んだ墓が築かれたのが特徴。九州北部では大型の甕(かめ)に遺体を納める「甕棺墓」が広まり、王とも呼ばれる権力者には中国鏡や銅剣などが副葬された。
一方、近畿では一般人が葬られた方形周溝墓が多く、九州のような豪華な副葬品の大量副葬はみられない。大陸の玄関口だった九州は、社会がいち早く発展したともいわれるが、近畿が後進地だったわけではなく、研究者の間で大きな議論を呼んでいる。
特別展では、邪馬台国(やまたいこく)の候補地としても話題を集める吉野ケ里遺跡(佐賀県)の甕棺墓で出土した銅剣(国重要文化財)、瓜生堂(うりゅうどう)遺跡(大阪府東大阪市)の木棺の実物などを展示。高さ1㍍ほどもある九州の甕棺は関西での展示機会も少なく、来館者は興味深く見ている。
7日に開かれた講演会では會下(えげ)和宏・島根大教授が「日本では古代、悪霊は人が死んで埋葬するまでの間に遺体に入り込むと考えられ、魔よけの意味で武器や鏡などが副葬された」と解説。溝口孝司・九州大教授は「甕棺墓は一般人の墓として数多くみられたが、弥生時代後期になると庶民の墓は築かれなくなり、特定の有力者に限られた」とし、墓のあり方から人々の思考や社会の変化が見えると説いた。
特別展は一般千円、高校・大学生450円、小・中学生300円。問い合わせは同館(0744・24・1185)。

奈良市・中登美ケ丘に「キッズパーク」 10日オープン

中登美ケ丘近隣公園に整備されたキッズパーク=奈良市(同市提供)

親子連れらにさらに楽しんでもらおうと、奈良市は同市中登美ケ丘にある「中登美ケ丘近隣公園」の一部を魅力的な遊び場「キッズパーク」として整備し、10日にオープンする。市はふるさと納税を活用した公園の利活用を進めており、キッズパークは同市柏木町の柏木公園に続いて2例目。
中登美ケ丘近隣公園は、子育て世代が多い閑静な住宅街の一角にあるが、遊具の老朽化や広大な斜面の維持管理が課題だった。このため市は、約1億3千万円かけて約3万平方㍍のうち約4千平方㍍をキッズパークとして整備した。
ブランコやトランポリンといった障害の有無に関係なく楽しめる「インクルーシブ遊具」を設置。斜面を生かした人工芝すべり台「超ロングゲレンデ」も設け、「リクライニングテラス」など大人がのんびり過ごせる場も整備した。
市は今後、「Park|PFI(公募設置管理制度)」などを導入した施設設置・運営を計画し、同公園のさらなる魅力向上を図るとしている。

世界遺産登録に前進、地元自治体喜びに沸く「飛鳥・藤原」イコモス勧告

報道陣を前に喜びを語った(左から)明日香村の森川裕一村長、山下真知事、橿原市の亀田忠彦市長、桜井市の松井正剛市長=6日午前7時半、県庁(恵守乾撮影)

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「イコモス」が「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産登録を勧告したことを受け、対象地域の自治体で構成する「世界遺産『飛鳥・藤原』登録推進協議会」は6日朝、県庁で記者会見を開いた。会長の山下真知事のほか3市村長が出席。喜びや悲願の登録に向けた抱負を語った。
山下氏は登録が妥当とする勧告に至った背景に触れ「県や市町村の首長、職員、外務省や文科省、専門家、有識者、何よりも絶え間ない努力を続けてくださった地元の皆さんのおかげ」と深く感謝の意を表明。7月19~29日の世界遺産委員会での正式決定に向けて「気を緩めることなく、一丸となって全力を尽くしたい」と力を込めた。
観光振興への期待として、現在の奈良観光が奈良公園(奈良市)周辺に集中している現状に触れ「(登録が実現すれば)平城京以前の素晴らしい史跡がある県中南部の魅力を再認識してもらう大きなきっかけになる」と語り、同委員会委員国の大使を招いたツアーを計画しているとも明らかにした。
橿原市の亀田忠彦市長は「率直にうれしく、ほっとしている」と安堵の表情。自身もさまざまな立場で世界遺産登録の取り組みに関わってきたとし「多くの方、特に市民の皆さんのご協力に感謝したい」と述べた。
会見に同席した桜井市の松井正剛市長にとっては、自身が県議だった時代から数えて20年越しの吉報。「みんなで長年にわたって頑張った成果」と喜びを語った。その上で、「まだ8合目ぐらいだ。記載(登録)が確定するまで協議会でしっかり取り組みたい」と強調した。
世界遺産候補としてユネスコの暫定リストに記載されたのは平成19(2007)年1月だった。あれから19年。明日香村の森川裕一村長は「人の心に遺産の価値を醸成するための大事な年月だった」と振り返り、世界遺産を通じた未来のまちづくりへ期待を寄せた。
同協議会は、県、橿原市、桜井市、明日香村で構成され、暫定リスト入りと同じ年の19年10月に設置された。国内外への広報活動や地元住民・企業と連携した景観保全活動などを行っている。

日トルコ友好の原点学ぶ エルトゥールル号特別授業 

エルトゥールル号の遺物の説明をするトゥファン・トゥランルさん(左から2人目)=いずれも斑鳩町の県立法隆寺国際高校

 

明治23(1890)年に和歌山県串本町沖で遭難し沈没したオスマン帝国(現在のトルコ)の軍艦「エルトゥールル号」にまつわる特別授業が、斑鳩町の県立法隆寺国際高校で開かれた。日本とトルコの友好の歴史、海中に沈んだエ号の遺物の引き揚げや保存処理の取り組みを専門家が解説した。(西川博明、写真も)
生徒約300人を前に、トルコ海洋考古学研究所元所長のトゥファン・トゥランルさんは、エ号の遭難が「日本とトルコ両国の友好の原点になった」と紹介。乗組員500人超が犠牲となったが、住民らが人を救助し、遭難者を埋葬したエピソードを説明した。
さらに自身が団長を務めたトルコ政府調査団が、平成19(2007)年以降実施した発掘調査を振り返った。調理鍋や小さな瓶、陶器の皿などエ号の遺物約8300点を海中から引き揚げた意味として「遭難した乗組員らを記録や記憶に残し、忘れないようにするのが使命」と語った。

特別授業を行う奈良大の今津節生学長

文化財保存科学が専門の奈良大の今津節生学長らは令和6年以降、エ号の遺物33点の保存処理に関わり、糖の一種「トレハロース」を利用した保存処理法を「日本から世界に広めようとしている」と紹介。保存処理を終えた滑車などの遺物を5月29日に和歌山県串本町へ返還したことも報告し、生徒らに「あまり知られていないエ号の歴史を共有してほしい」とした。
授業の合間にはエ号の船体の木材破片や、保存処理前のさび付いたライフル銃などの遺物も展示された。
授業を受けたネパール国籍で同校2年のカンデル・アユシュさん(16)は「将来は海中の遺物を探す仕事もいいなと思った」と感想を語った。3年の名迫(なさこ)絢香さん(18)は「発掘や保存処理に長い年月がかかり、関係者の方々の努力が伝わってきた。歴史を知らない周囲にも広めていきたい」と話していた。

【生け花】梅雨を明るく

奈良県華道会提供

廣田清子=華道家元池坊

【花材】ヒマワリ、カスミソウ、ルスカス、スプレーカーネーション、脱色キウイのつる

【花器】スチール製スタンド、ステンレス花入れ

【作意】黒いスチールの花器をつるす2個のスタンドの土台を合わせますと空間ができました。
その中に脱色したキウイのつるをスチールの両サイドから固定します。
そこへ大小の色々なプラスチックネットをあちらこちらに挿しますと楽しい世界が広がってきました。
最後にヒマワリや色のついたカスミソウ等を入れます。梅雨時の不快な気分が少しは爽やかになれました。

「飛鳥・藤原の宮都」PR商品を 橿原市、中小企業の開発費補助

世界遺産登録を目指している「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」をPRする商品づくりを支援しようと、橿原市は開発費などを補助する制度を創設し、補助金の交付を受ける中小企業を募集している。

開発費などの補助金を交付する中小企業を募るチラシ=橿原市役所

「飛鳥・藤原の宮都」は7月開催の世界遺産委員会で登録について審議される。市によると、市内には土産物などの観光用商品は多いといえず、この機会に商品を開発してもらおうと補助事業に取り組んだ。令和8年度当初予算に300万円の事業費を計上している。
補助するのは、PRにつながる土産物などの新商品や飲食メニューの開発費(経費の4分の3、上限万円)と、既存商品のパッケージをPRにつながるデザインに変更する費用(同、上限15万円)。対象は中小企業で、市内に主たる事業所があることなどが条件となっている。
「飛鳥・藤原の宮都」は、同市の藤原宮跡や本薬師寺跡などのほか、明日香村、桜井市の計19資産で構成。明日香村、桜井市の資産をPRする商品も対象になる。
橿原市地域振興課の担当者は「多くの観光客にアピールできる商品ができれば」と期待している。
必要書類に記入の上、同課(0744・21・1117)に持参やメールなどで提出。書類審査で選考する。新商品や飲食メニューは9月30日まで、パッケージは6月19日まで(いずれも必着)。

古代の官道「中ツ道」 記念道標が完成 天理

古代の官道とされる「中ツ道」の東側溝が平成24年に出土したことを記念し、地域住民の働きかけで、天理市喜殿町に記念道標と説明板が建立された。

中ツ道記念道標と多川俊映寺務老院(右から2人目)ら=天理市

中ツ道は、南の藤原京から北の平城京までを結んだとされる古代の官道。平安時代には吉野詣での人でにぎわい、近世には明日香村を経て吉野古道に通じる「橘街道」と呼ばれた。中ツ道の東約2・1㌔には上ツ道、西約2・1㌔には下ツ道が並行している。
県道51号線拡幅工事に伴い、橿原考古学研究所が24年に発掘調査を実施。幅6㍍以上、深さ1・3㍍の大規模な側溝を発見した。側溝からは飛鳥時代の瓦や奈良時代の須恵器、平安時代の土器が出土。京域外で初めて明確な中ツ道の痕跡を確認したという。
地域住民らが寄付を集め、道標と説明板を設置した。4月の除幕式には、関係者ら約50人が参加。喜殿町は長らく興福寺の荘園とされていた歴史もあり、地域とゆかりの深い興福寺の多川俊映寺務老院が道標の揮毫(きごう)を担った。
発起人代表の東武司さん(81)は「古代国家の始まりが実証された大きな発見を、地域の宝として子供たちに引き継いでいきたい」と話していた。

公立中学 部活動 「地域展開」自治体が試行錯誤 天理市では大学協力

天理市立西中学校女子バレー部を指導する天理大生ら=同市

全国の公立中学校で4月から部活動の指導を地域のクラブ、団体などに移す「地域展開」(地域移行)が本格的に始まり、県内各自治体も試行錯誤しながら取り組みを進めている。平日、休日ともに始めた奈良市では指導員が足らずに難航。一方、天理市では大学が協力するなどし、円滑に移行しつつあるという。(岩口利一、木村郁子、西川博明)
◆市職員らで補充
奈良市では市立中学22校にある計242の部活(運動部161、文化部81)に対し、5月1日現在で地域から集まった指導員は165人。市・市教育委員会職員で不足分を補うなど、移行は難航している状況だ。
同市では4月から平日、休日ともに移行に踏み切った。活動時間は、平日は最大4日間で各約2時間、休日は土曜か日曜の3時間程度としている。
地域からの指導員はホームページを通じて公募し、会計年度任用職員として採用。現在も募集している。
採用した165人のほか、希望するなどした教員173人、市・市教委職員133人の計471人が部活の指導、見守りを行っている。市は学校教育、文化振興、スポーツ振興の各課に部活地域展開推進室を新設し、指導員の配置や相談対応などに当たっている。
配置は指導員が希望する曜日などで調整し、部活によっては複数人で担当するといった状況という。
仲川げん市長は定例記者会見で、「今は移行期で、子供の体験の機会を損なわないことを最優先している」としつつ、本格移行に向け「来年度は職員の関わりを減らす必要がある」と説明。学校現場について「教員は負担が多く、部活の地域展開は大きな転換点だと思う。本来の教育に集中してもらう環境をつくりたい」と話した。
大学協力し円滑に
一方、平日、休日ともに開始した天理市では、天理大学の協力と、学校施設が地域活動の場となることを含む「学校3部制」の考え方をもとに、円滑に進んでいるという。
同市の部活は市立中学校4校の計49(運動部34、文化部15)。指導の継続を希望する教員約50人、地域からの指導員43人のほか、県の人材バンクに登録する天理大生133人の体制で臨む。特に同大のソフトテニス部とバレー部はローテーションを組んで2校に部員を派遣している。
4月には市立西中学校で初めて天理大生が男女バレー部を指導した。その一人で4年の川原仁瑚さん(21)は「少しでもうまくなるよう基礎から分かりやすく指導していきたい」と意欲を見せる。
指導を受けた女子主将の3年、田岡あおいさん(14)は「熱心に指導してもらい、より集中して部活に励める。うまくなれそう」と笑顔を見せた。
並河健市長は「スムーズに移行できたのは天理大の協力が大きかった。さらに学校3部制を導入したことで、子供の成長を見守ろうとする意識が住民らに根付きつつある」と話した。
◆「地域クラブ」に集約も
平日、休日ともに移行した大和高田市は、市立3中学校の生徒が自由に参加できる「やまとたかだ地域クラブ」として活動。運動部20を10に、文化部12を2にそれぞれ集約し、活動拠点も3中学校が分担した。
指導員は教員を含む35人が担うが、指導員が不足している合唱部や卓球部などは廃部となった。今後は体験イベントなどで子供の反応を見ながら、クラブ活動として新たに立ち上げるかを見据えるという。
生駒市や大和郡山市はこれまで段階的に移行しており、小紫雅史・生駒市長は「早い段階から準備を進め、全体的にうまく進んでいる」との認識を示した。

システム障害 原因特定へ 市立奈良病院 専門家会議が初会合

市立奈良病院(奈良市東紀寺町)が4月にサイバー攻撃の疑いもあるとして、外来診療などを一時停止した問題で同市は2日、第三者委員会「市医療情報セキュリティ専門家会議」の初会合を同市役所で開いた。
同会議では情報セキュリティーなどの専門家3人から意見を聞き、今回のシステム障害の原因特定や再発防止策などについて検討する。
この日の会合後、座長の猪俣敦夫・大阪大学D3センター教授は「今回、奈良病院は平常に戻すのが早かった。ただ今後また起きる可能性もあるのでしっかりと態勢は考えるべき」と説明。さらに「どこでも起こりえることなので、医療機関で活用いただける報告書をまとめたい」と話した。
同病院では4月21日夜、ネットワーク監視装置が異常な通信を検知し、外来診療や救急受け入れなどを停止。外来診療などは同24日朝から再開した。

戦国争乱期の法隆寺は…… 秀長の掟書など 特別展で公開

特別展で展示されている筒井順慶の書状=斑鳩町の法隆寺大宝蔵殿

争乱期の法隆寺(斑鳩町)に焦点を当てた特別展「戦国争乱期の法隆寺 秀長とその時代」が、同寺大宝蔵殿で開かれている。武将らの書状や武具など約70件を公開し、聖徳太子ゆかりの同寺が権力者とどのように向き合い、法灯を守ったかを伝えようとしている。6月14日まで。
展示品のうち、「羽柴美濃守秀長条々掟書」は豊臣秀長が法隆寺に対し天正13(1585)年に発布したもので、秀長のサインである花押(かおう)がみられる。また、法隆寺周辺で戦った筒井順慶と松永久秀の書状も展示している。久秀の書状は法隆寺に対し、武運祈禱(きとう)や贈り物への感謝を述べる一方で対立勢力の動向にも触れている。
このほか、徳川家康が大坂冬の陣を前に宿泊した法隆寺阿弥陀院の建物を伝える「東照宮様御宿坊阿弥陀院図」(江戸時代)なども公開している。
法隆寺録事の網干良秀さんは「『法隆寺は戦火に遭わなかった』とも言われるが影響がなかったわけではなく、伽藍を守る先人らの苦労があった。それを垣間見てほしい」と話している。
開館時間は午前9時~午後4時半。拝観料は大人500円、小学生250円。

荒井敦子さん アルバム「歌の巡礼」で平和願う 聖地にささげた13曲

奈良を拠点に活動する声楽家、荒井敦子さん(72)が7年ぶりのニューアルバムCD「歌の巡礼~神仏に捧(ささ)げる祈り~」をリリースした。国内外の聖地にささげた13曲を収録。荒井さんは「平和のメッセージを発信したい」としている。

ニューアルバムを手にする荒井敦子さん=奈良市

荒井さんは新型コロナウイルス禍で音楽活動が制限される中、神仏や自然に歌をささげる取り組みを続けた。演奏機会を失ったミュージシャンらに呼びかけて社寺を巡り、奉納。アルバムは、荒井さんが近年に作詞作曲した歌を中心にまとめた。
橿原神宮(橿原市)の久保田昌孝宮司が題名を付けた「世の平らぎを願って|神武東征|」や、釈迦に思いをはせ興福寺(奈良市)の中金堂で奉納した「真理の道へと」などを収録。先の大戦時に日本人捕虜らが集団脱走したオーストラリア・カウラの地にささげた「愛のメッセージ|カウラの子どもたちへ|」も収めている。
荒井さんは「今は﹃世の平らぎ﹄が大事。奈良は古くから祈りが続いており、平和のメッセージを発信するのにふさわしい土地」と話している。5月17日、橿原神宮会館で「よき日本を紡いでいく音楽会」を開き、CDを発表した。
CDは3500円(税込み)で、収益金はネパール・インドの子供らのために役立てる。問い合わせ、注文は、あらいあつこオフィス(ongakunomori2009@hotmail.co.jp)、ファクスは(0742・27・0020)。

田舎暮らしの彩りを次世代に 宇陀の古民家ギャラリー CF募る 

屋根の修繕工事が進む「ギャラリー夢雲」とオーナーの山脇優喜美さん=宇陀市

 

宇陀市の古民家を使った小さなギャラリー「ギャラリー夢雲(むうん)」が、建物の老朽化により、存続の岐路に立たされている。「手仕事とアートと自然」をつなげる場として、これからもアーティストたちのために「この場を提供したい」と、建物を修繕する費用をクラウドファンディング(CF)で支援を募っている。
ギャラリー夢雲は自然豊かな同市室生にある。オーナーの山脇優喜美さん(77)が空間デザイナーとして活動していた平成9年、棚田の風景にひかれ、廃屋同然だった古民家を改修してギャラリーとして開いた。約30年に渡り、陶芸やガラス、木工、絵画や楽器など約50人の作家の作品を紹介する展示会を開き、作家と来場者をつなぐ文化交流の場として愛されてきた。
集落の中でもとりわけ古い建物は、江戸時代中期から代々続く農家の平屋建て。かやぶき母屋に増築を重ねる。敷地面積は約330平方㍍。近年、台風や豪雨の影響もあり、屋根の傷みがひどく断続的な雨漏りは続き、展示スペースの和室床下も柱が折れたり、床が抜けているところもある。地震などの少しのきっかけで崩壊の可能性が高いという。来場者や作家、スタッフの安全確保も急務。屋根を中心とした修繕の見積もりは1千万円を超えた。
「個人で負担できる金額ではない-」。3年前に脳梗塞を患った山脇さんを後押ししたのは、夢雲で展示会を開く作家や客らだった。自然と声を掛け合い、ギャラリーを残すための実行委員会が立ち上がった。
山脇さんは「田舎の暮らしから感じる彩りが、多くの人に感動を伝える場となっている。ぜひ次世代にこの場をつなぐためにも手を差し伸べてもらいたい」と話している。
CFサイト「キャンプファイヤー」で6月12日まで。詳細は二次元コード

今年も「奈良の夏冷酒」 5銘柄飲み比べて 泉屋

 

「キリッと冷えた冷酒で夏を乗り切ろう」と、県内5つの酒蔵が手掛ける日本酒を楽しむ「奈良の酒蔵飲み比べシリーズ」が発売された。13年目を迎え、企画した酒類卸「泉屋」(奈良市)は「奈良の酒のブランド力向上を担う取り組み」としている。
同シリーズは、醸造元が異なる5銘柄のボトルやラベルデザイン、価格などを統一し、「奈良の夏冷酒」として販売。ボトルは涼しげなスカイブルーを基調とし、奈良を象徴する鹿をデザインに取り込んだ。
5銘柄は、「春鹿」(今西清兵衛商店=奈良市)▽「豊祝」(奈良豊澤酒造=同)▽「猩々(しょうじょう)」(北村酒造=吉野町)▽「出世男」(河合酒造=橿原市)▽「稲天」(稲田酒造=天理市)。いずれも1本500㍉㍑で1298円。県内の酒類販売店や量販店、道の駅などで販売する。
泉屋の今西栄策社長は「今年も県産米100%にこだわり、すっきりした味わいの冷酒がそろった。それぞれ異なる香りや口当たりを楽しんでほしい」とPRする。問い合わせは同社(0742・26・1234)。

「鹿せんべい」香る入浴剤販売 大阪の企業が開発

大阪府八尾市の化粧品メーカーが、橿原市に事業拠点がある縁にちなみ、奈良を代表する観光名物・鹿せんべいをモチーフにした入浴剤「鹿せんべいの香り」を開発した。「もっと奈良らしく、もっとインパクトのあるものを」と企画。同社の担当者は「社内でも賛否が分かれるほどの挑戦だったが、奈良の地を思い出す香りとして楽しんでもらいたい」とアピールしている。

鹿せんべいの香りを再現した入浴剤のパッケージ(マックス提供)

化粧品メーカーは、「マックス」で、橿原市内の事業所で多くの商品を製造していることから、これまで奈良の特産品を使った石鹼や美容液、ハンドクリームなどを開発してきた。
今回開発した入浴剤「鹿せんべいの香り」は、担当者らが実際に奈良市の奈良公園へ足を運び、鹿せんべいの香りをかぐなどして試行錯誤を重ね、原料である米ぬかの風味を、「パン」や「ほうじ茶」「イグサ」の香りを使って再現。香りを足したり引いたりする作業を数百回繰り返し、2年の歳月をかけて完成させた。色は、やや濁った黄土色で、せんべいの色味を忠実に再現している。
パッケージには「こう見えて大真面目コスメ」と銘打ち、県産の柿の葉や、シャクヤク、大和トウキなど天然由来の保湿成分を配合。1回100㌘の大容量タイプとなっている。
入浴剤「旅ほの香 入浴料シリーズ」としてほかに、白檀などが香る「仏様の嗅いでる香り」、桜の名所として知られる吉野の桜をイメージした「吉野千本桜の香り」も発売。いずれも税込み480円で、県内の土産店などで販売している。

今井町で人力車体験、橿原市がふるさと納税返礼品に、乗車と引き手

人力車の乗車・引き手体験のイメージ=橿原市今井町(同市提供)

橿原市は、江戸時代の街並みが残る重要伝統的建造物群保存地区の同市今井町で、人力車の乗車と引き手の体験ができるチケットを、ふるさと納税の返礼品にしている。観光地で人力車自体は珍しくないが、返礼品とするのは異例で、市が利用を呼びかけている。
同町の街並みに合う人力車が市のPRになるとして昨年12月から返礼品に加えた。もともと町内の喫茶店「今井町見晴らし茶屋『ももや』」が予約制でこの2つの人力車サービスを実施しており、今回の体験チケットでも協力してもらうことになった。
ふるさと納税で3万円の寄付をすると人力車の乗車チケット(2人まで利用可)、9万6千円の寄付をすると引き手の体験チケット(同)が提供される。乗車は写真撮影の時間を入れて42分、引き手の体験は座学や乗車なども入れて2時間15分。
市地域振興課の担当者は引き手を体験し、「人力車は人を乗せてもそれほど重くなく、引きやすかった。風を受けて気持ちよかった」と話す。
今井町は平成5年に国の重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けた。東西約600㍍、南北約310㍍の地区内に江戸時代以降の500の伝統的建造物が立地する。また重要文化財や県指定文化財、市指定文化財がある。
ただ、返礼品のチケットはこれまで一度も利用実績がないといい、担当者は「特に引き手の体験ができることはあまりない。伝統的な街並みの中で貴重な体験をしてほしい」と呼びかけている。

災害時の復旧技術向上を 関西電力送配電、技能発表会を開催

災害で電力供給設備が被害を受けた際の復旧技術の向上を図ろうと、関西電力送配電奈良本部は葛城市の同社北葛城訓練場で技能発表会を開いた。

技能発表会で復旧作業に当たる参加者ら=葛城市

奈良本部管内の2営業所が、それぞれ5人1組のチームで出場。「マンションや商店、一軒家が建ち並ぶ市内で震度7の地震が発生し、配電設備が被害を受けて停電した」との想定で、両チームが復旧作業を開始。作業員らは声を掛け合って安全確認を行いながら、高所作業車の作業台や電柱に上って高低圧線などの修復に当たった。
川人基宏副本部長は「作業員が冷静に判断し、過酷な災害現場であっても安全な方法で確実に作業が行えるよう、現場力の維持向上に努めたい」と話していた。

「ストリートファイター」キャラ「リュウ」 マンホールカード無料配布

人気格闘ゲーム「ストリートファイター」のキャラクター「リュウ」のマンホールカードが8千枚製作され、橿原市で無料配布が行われている。マンホールカードはコレクターの人気が高く、市は観光活性化を期待している。

製作された「リュウ」のマンホールカード

同市とゲーム製作会社「カプコン」(大阪市)は包括連携協定を締結。市は、ふるさと納税の制度を活用したクラウンドファンディングで寄付を呼びかけ、令和5年度にキャラの「リュウ」や「春麗(チュンリー)」など3つのデザインマンホール(蓋)を製作し市内に設置している。
市は今回、日本下水道協会が事務局を務める「下水道広報プラットホーム」に、近鉄大和八木駅前にある「リュウ」のデザインマンホールをあしらったマンホールカードの製作を依頼。マンホールカードは、地域の特色を生かした各地のデザインマンホールを図柄にし、コレクターの人気を集めている。
カードは縦8・8㌢、横6・3㌢。同駅前の「かしはらナビプラザ」1階(同市内膳町)で無料配布している。市企画政策課の担当者は「これをきっかけに橿原市を訪れ、楽しんでほしい」と呼びかけている。

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