年末の飲酒検問スタート 県警、20日まで取り締まり強化

飲酒検問を行う県警の警察官ら=奈良市
県警は、飲酒運転の根絶を目指して年末の県内一斉検問を始めた。初日の11日夜は県内6カ所で実施。奈良市右京のならやま大通りでは奈良や奈良西、生駒の3署と県警交通機動隊の各警察官約30人が参加し、道行く車に次々と停止を求め、運転手への呼気検査を行った。
現場を視察した宮西健至県警本部長は報道陣の取材に、「飲酒運転は重大な犯罪。酒を飲んだら運転しない意識を。まわりの方々も飲酒運転させない意識をお願いしたい」と述べた。
県警によると、年末年始は忘年会や新年会などで飲酒機会が増えることから、過去10年間の県内での飲酒運転事故は月別では12月が最多の41件、1月が36件と2番目に多い。県警は12月に対策を強化するのが効果的とみて、20日まで重点的に飲酒運転の取り締まりを行うとしている。
弁当箱の売り上げで子供支援 スケーター、22日から順次販売
ランチボックスなどの企画や製造を手掛ける「スケーター」(奈良市杏町)は、弁当箱の売り上げで経済的に困窮する子供を支援する「つなぐランチプロジェクト」を開始すると発表した。売り上げの一部を認定NPO法人「キッズドア」(東京)に寄付し、学習支援や居場所づくりなどに役立てるという。

スケーターの鴻池総一郎社長(右)とキッズドアの渡辺由美子理事長
スケーターが22日から順次販売予定のオリジナル弁当箱全51アイテムが対象で、全国の量販店やネット販売で取り扱う。同NPOは困窮家庭の小・中・高校生を対象とした無料学習会や、食事などの生活支援を行っている。
少林寺拳法 西大和地区合同大会に150人参加 迫力の演武披露

迫力ある組演武を披露する拳士たち=王寺町の王寺アリーナ
2025少林寺拳法西大和地区合同演武大会(産経新聞社など後援)が14日、王寺町の王寺アリーナで開かれ、幼児から60代まで約150人の拳士たちが日頃の鍛錬の成果を競った。
大会には、同町や大和郡山市、斑鳩町、安堵町にある各道院拳友会で稽古を積む拳士が出場した。2人一組の「組演武」、6~9人のチームによる「団体演武」の各部門に分かれて演武を披露。技の正確さや迫力、構えの美しさなどを競い合った。
各部門の1位は次の通り(敬称略)。
【組演武】少年白黄帯=吉田奏音・田中陽仁▽同緑帯=小林奨・小畑慶真▽同茶黒帯=岡澤篤臣・児玉唯▽一般A=河原真二・小畑慶幸▽同B=萩原嗣也・乾優
【団体演武】少年=チーム富士山班▽一般=香芝東1年5組班

年末年始彩るハボタン 山辺高生「育てた花めでて」

畑でハボタンを収穫する生徒=奈良市
県立山辺高校(奈良市)で、生徒が育てた年末年始の飾り用のシクラメンやハボタンの出荷作業が始まった。県花き植木農業協同組合を通して神社の門松として飾られるほか、一般の消費者に届けられるという。
同校では冷涼な気候を生かして数多くの草花や苗を生産。1年生は土づくり、2年生は種まき、3年生が出荷するまでの管理を担う。今年は猛暑の影響で、生育が思うように進まないこともあったが、きれいに色づき、花を咲かせた。
10日は3年生の生徒5人がシクラメン約120株や、約500株のハボタンを校内の畑から収穫。ていねいに出荷作業を行った。生物科学探究科3年の上村悠斗さん(18)は「夏は手で雑草を抜く作業をひたすら行った。僕たちが育てた花を年末年始にめでてもらえたら」と話した。
「ネコ塚古墳」の外堤出土 御所市教委、初の本格調査

外堤の直角に近い部分。外堤を保護していたとみられる葺石も見つかった=御所市のネコ塚古墳
古墳時代の大豪族・葛城氏のトップの墓とされる御所市室の前方後円墳・宮山古墳(5世紀初め)に隣接する方墳「ネコ塚古墳」(同)で、墳丘の外側に設けられた堤(つつみ)である外堤(がいてい)が出土し、市教育委員会が発表した。初の本格的な調査で、これまで外堤の存在は確認されていなかった。市教委は古墳の規模を探る貴重な資料としている。
宮山古墳は、葛城氏の始祖・葛城襲津彦(そつひこ)の墓とされる墳丘長245㍍の巨大な古墳。ネコ塚古墳は大型古墳の周囲に築造される「陪塚(ばいちょう)」で、方墳の一辺の長さが70㍍前後と推定されてきた。葛城氏の関係者が埋葬されたと考えられているが、ほとんど発掘調査が行われてこなかった。
市教委は11月中旬から墳丘の外側の2カ所計約110平方㍍で調査。1カ所からは北東隅にあたる直角に近い外堤の一部が見つかり、幅は15㍍前後と判明。また外堤の内側に巡らされていた周濠(しゅうごう)も新たに確認され、その幅は5㍍以上だった。これらのことなどから、外堤、周濠も含めた古墳全体では一辺100㍍前後に及ぶ可能性があることがわかった。
もう1カ所からも外堤や周濠が出土。2カ所から外堤を保護していたとみられる多数の葺石(ふきいし)や埴輪片(はにわへん)も見つかった。
市教委文化財課の和田一希(かずき)技術職員は「宮山古墳と一体となった保存と活用、整備を一層進めたい」と話している。
現地説明会は14日午前10時半、正午、午後1時からの3回。小雨決行。駐車場はない。
県職員平均89万円、冬のボーナス 知事は300万円
公務員の冬のボーナスに当たる期末・勤勉手当が10日、奈良県内の官公庁で支給された。県は教員や警察官を含む県職員1万4284人(平均41・4歳)に対し、総額127億2979万円(前年同期比5・37%増)を支給。1人当たりの平均支給額は89万1192円(同5・5%増)だった。
支給割合は県人事委員会の勧告に基づき、前年同期比で0・05カ月分多い2・3カ月分。
知事への支給額は300万643円で、支給割合(1・65カ月分)を据え置いたため前年同期と同額。知事以外の特別職や県議は、副知事‖244万7095円▽議長‖237万8725円▽副議長=207万7995円▽一般議員‖191万7770円。
奈良市も10日、教員や消防職員を含む職員2376人(平均43・0歳)に冬のボーナスを支給した。総額は20億5617万円(前年同期比3・8%増)、1人当たりの平均支給額は86万5390円(同6・7%増)。仲川げん市長は235万1712円、議長は142万5930円。
県内12市の市長のうち最高額は橿原市の亀田忠彦市長で250万4678円、生駒市の小紫雅史市長が249万4805円で続いた。最も低かったのは宇陀市の金剛一智市長で176万8125円。
奈良市の新ごみ処理施設めぐり、明治地区自治協議会が提言書
奈良市の新ごみ処理施設「クリーンセンター」の建設を巡り、明治地区自治協議会が10日、市長と市議会議長に候補地選考に関する提言書を提出した。
提言書は施設について「地域の将来にとって大きな利益となる可能性を秘める」とし、「住民と協議し、候補地として受け入れていけないか検討する余地がある」としている。
市は候補地の七条町、北之庄町、大和田町の3カ所を比較検討するための調査費8600万円を盛り込んだ補正予算案を市議会の9月定例会に提出。施設について検討する特別委員会は継続審査としている。
仲川げん市長は「年内にも建設計画策定委員会を開いて意見をいただき、取り扱いを決める」と話した。
ラジオ大阪、県警に「音の出る信号機」寄贈 今回で15基目
ラジオ大阪(大阪市港区)は9日、奈良県警に対し、年末特別番組「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」でリスナー(聴取者)らから集まった寄付金のうち、目が不自由な人らが安心して横断歩道を渡れるようにする「音の出る信号機」1基分の寄贈を行った。同社の上野慶子社長が奈良市の県警本部を訪れ、県警の山村和久交通部長に寄贈の目録を手渡した。

県警の山村和久交通部長(左)に「音の出る信号機」寄贈の目録を手渡すラジオ大阪の上野慶子社長=奈良市の県警本部
県警によると、同社による信号機の寄贈は平成元年から定期的に行われ、今回で15基目。新しい信号機は奈良市の西登美ケ丘4丁目東交差点に設置され、16日から運用するとしている。
寄贈式で、上野社長は「寄贈を受けていただくのはありがたい」と語り、山村交通部長は「住民の要望が多い地域に設置できた」と感謝の言葉を述べた。
同社のラジオ・チャリティ・ミュージックソンは今年で50回目。昨年と同様にタレントの森脇健児さんをメインランナーとして、今月24日正午~25日正午に24時間の特別番組を放送し、音の出る信号機を増やすための寄付を呼びかける。
「飛鳥・藤原の宮都」世界遺産登録を 桜井市がGCFで寄付募る
桜井市はJR・近鉄桜井駅前の活性化に向け、ふるさと納税の制度を活用して寄付を募るガバメントクラウドファンディング(GCF)に取り組んでいる。期間は今月31日までで、目標額は200万円。市内の山田寺跡を含む「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産登録のために機運を高めるのも目的で、駅構内の装飾や駅前のイベントの費用として活用する。

桜井市が活性化のために寄付を募っているJR・近鉄桜井駅前=同市
市は駅前の活性化のために令和元年からGCFを始め、今回で7回目。過去6回とも目標の200万円を突破した。集まった寄付金はこれまで「桜井まちづくり株式会社」に補助金として交付。駅前で広告を映し出しているLED(発光ダイオード)ビジョンの設置や、市の大型観光案内マップなどに使われた。
今回集める寄付金は、来年夏を目指している「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産登録のための駅構内装飾事業や、駅前の活性化イベントに活用する予定で、同社が手掛ける。内容は今後決めるとしている。
市観光まちづくり課の担当者は「これまで多くの方々の賛同を得て目標額が集まった。世界遺産登録に向けて駅前活性化が重要で、今回も多くの人に協力してほしい」と話している。
寄付は「ふるさとチョイスGCF」のサイトか、市役所の税務課への持参で受け付けている。市外在住者が寄付すると、ふるさと納税と同じく返礼品を受け取れる。
「アウトローは要注意」オリックスの守護神・平野投手が一日奈良署長

プロ野球オリックス・バファローズの抑えの守護神、平野佳寿投手(41)が奈良署の一日署長を務めた。ユニホーム姿とは違う警察官姿の平野投手は、野球で「ピッチャーにとってアウトロー(外角低め)は生命線だが、会社にとってはアウトロー(無法者)は要注意」とユーモアを交えた訓示を行った。
日米で通算258セーブを積み重ねてきた平野投手は、同署の中田顕一郎署長から委嘱状を受けた。国内外の観光客らが訪れる同署管内では、年末年始に特殊詐欺や飲食店へのみかじめ料などを資金源にあてこむ暴力団の動きが懸念材料のひとつとの説明も聞いた。
数々のピンチをしのいできた救援投手らしく「『アウトローには気をつけろ』の意気込みで、厳しい状況に少しでも歯止めがかけられたら」と抱負も。JR奈良駅前などで犯罪被害や事故への注意を呼びかけた。
同署の年末特別警戒部隊の出発式には、来年42歳でチーム最年長の守護神の姿を一目見ようとファンらが集まった。育児休業中で、背番号16のユニホームをベビーカーに乗せ、幼い娘と一緒に駆け付けた奈良市の公務員、東志穂さん(36)は「守護神にはこれからもチームを引っ張ってほしい」とエールを送り、ベテランの活躍で令和5年以来のリーグ優勝、4年以来の日本一に期待を寄せた。
天理大出身の門田さん、市長に成果報告 エジプトで柔道指導
国際協力機構(JICA)の海外協力隊の隊員としてエジプトで柔道ナショナルチームの指導にあたっていた天理大柔道部出身の門田優吾さん(25)が天理市の並河健市長を訪問し、成果などを報告した。

エジプト派遣から帰国した門田優吾さん(中央)と天理市の並河健市長(左から2人目)=同市役所
門田さんはエジプト政府からの要請で令和5年から2年間、柔道ナショナルチームをコーチとして指導。選手らの練習メニューや代表選手派遣の選出、対戦選手の分析などを担当した。昨年のパリ五輪に指導した2人の選手が出場し初戦で敗退したが、アフリカ選手権大会ではエジプト代表が個人戦と団体戦で優勝。世界ジュニア選手権大会の女子重量級個人戦では初の銅メダルを獲得した。
門田さんは「有意義な2年間を過ごした。海外で柔道の指導を行いたいという新たな夢もできた」と笑顔をみせた。すでに海外の複数のクラブチームからオファーを受けているという。
並河氏は「初の長期派遣でスポーツを通した海外協力での活躍はうれしい限りだ。市の子供たちにその体験を共有する機会を持ってもらいたい」と話した。
市と天理大は4年にJICA関西と連携覚書を締結し、柔道部の学生や卒業生を海外協力隊員としてエジプトに派遣している。
水木十五堂賞にしめかざり収集家の森須磨子さん 「人の思いを現代に」

福島県会津若松市のしめかざり

香川県観音寺市のしめかざり
大和郡山市ゆかりの収集家、水木要太郎(雅号・十五堂)の功績をたたえ、歴史・文化資料の収集などで社会貢献した人を同市が表彰する第14回「水木十五堂賞」の受賞者に、出版物のレイアウトデザインを専門とするエディトリアルデザイナーで、しめかざり収集家の森須磨子さん(55)が選ばれた。しめかざり研究者として全国各地を訪問し調査。しめかざりのデザインの多様性や地域の人々の祈りや思いの形を紹介する展覧会や著書などを通して、保存・普及・啓発活動に取り組む姿勢が評価された。

森須磨子さん(大和郡山市提供)
森さんは香川県出身。武蔵野美術大大学院造形研究科修了。卒業制作をきっかけにしめかざりへの興味を抱き、日本各地で調査収集を続ける。平成29年には収集したしめかざり269点を母校の同大へ寄贈。令和2年には世田谷文化生活情報センター生活工房(東京都世田谷区)で展覧会「渦巻く智恵、未来の民具 しめかざり」を開催。日本各地のしめかざり約100点を展示し、風土に根差した素材やかたち、先人の智恵を紹介した。著書に「しめかざり~新年の願いを結ぶかたち」(工作舎)などがある。
今回の受賞について森さんは「季節を過ぎるとお焚き上げされ、モノも記憶も残りづらい民具。20年ほど前、年末年始の日本各地を歩き実物を収集するとともに、その根底にある『人の思い』を現代につなげることが大切と感じている。これからも賞に恥じぬよう、精進してまいります」とコメントした。
同賞は過去に、作家の荒俣宏さんや講談師の四代目旭堂南陵さん(令和2年死去)らが受賞している。
授賞式は来年2月14日午後1時半から、大和郡山市北郡山町の「DMG MORIやまと郡山城ホール」で開催。森さんの講演や、西谷大・国立歴史民俗博物館長、民俗学者の神崎宣武さんらを交えた記念座談会のほか、コレクションの一部もホールに展示される。参加無料で、8日から市ホームページで参加者を受け付ける。定員は240人。
有機農産物を給食に 生駒市 「大和鍋」児童・生徒が味わう

有機農産物を初めて具材に使った給食を味わう児童ら=生駒市立真弓小学校
生駒市の市立小中学校で5日、化学肥料を使わずに栽培された有機農産物を具材の一部に使用した給食が初めて提供された。メニューは平城遷都1300年を機に県が郷土料理の飛鳥鍋をアレンジする形で考案した料理「大和鍋」などで、児童らがおいしそうに舌鼓を打った。
毎年12月8日の「有機農業の日(オーガニックデイ)」に合わせ、農産物の環境への負荷や地産地消について、同市が児童・生徒らに「食べて、考えてもらいたい」(小紫雅史市長)との思いで実施した。

給食で提供された「大和鍋」(左手前)や「ひじきと大根葉のふりかけ」(右奥)などのメニュー
5日の給食で使われた有機農産物の具材は大和鍋にみそや干しシイタケ、ひじきと大根葉のふりかけに白いりごまが入っていた。
市立真弓小学校では、栄養担当の教諭が有機農産物への理解を深めてもらう授業も行われた。給食を味わった5年の倉島かな子さん(10)は「大和鍋はおみそがきいて、おいしかった。先生の話も勉強になった」と感想を話していた。
こうした有機農産物の給食は、同市立小中学校の全20校で実施され、この日は15校で提供。8日は残り5校でふるまわれるという。
秀長さん、もっと身近に 大和郡山市が漫画仕立ての副読本

大和郡山市は、市ゆかりの戦国武将で来年放送のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公、豊臣秀長をもっと身近に感じてもらおうと、副読本「大和大納言 秀長さん~もう一人の天下人~」を制作した。子供たちが読みやすいように漫画仕立てで、兄の秀吉を支え、天下統一への道筋を立て、戦国時代を駆け抜けた秀長の生涯をドラマチックに描いている。
秀長は1585(天正13)年9月、兄の秀吉とともに郡山城へ入城。江戸時代まで続いた独自の自治制度「箱本十三町」をはじめ、今なお残る城下町の町割りの礎を築いた。
副読本は「豊臣兄弟!」が来年1月から放映されるのにあたり、次代を担う子供たちに郷土に誇りを持ってもらおうと制作した。A4サイズ56㌻で、作画は歴史漫画家のすずき孔さん、監修はNHK大河ドラマ「真田丸」や「どうする家康」などの時代考証を担当し、市歴史アンバサダーを務める健康科学大の平山優特任教授が手掛けた。
市教育委員会学校教育課の担当者は「秀長の人物像が一読で分かるようにした。ぜひ手に取って読んでもらいたい」と話している。
市立小学校6年の歴史や地域学習で活用する。市立小中学校16校のほか、市立図書館や各地区の公民館にも配布する。一般向けに販売する予定はないが、図書館で借りることができる。
来年の干支「午」の大絵馬お目見え 橿原神宮

橿原神宮にお目見えした来年の干支「午」の大絵馬=橿原市
橿原神宮(橿原市久米町)の外拝殿に、来年の干支「午(うま)」の大絵馬(高さ4・5㍍、幅5・4㍍)がお目見えし、早くも迎春ムードに包まれている。
平成24年の干支から同市在住の日本画家、藤本静宏さんが原画を手がけており、今回は2頭の馬が描かれた。
同神宮は「仲良く並んでいる馬2頭を見て、和やかな気持ちになってもらえれば」としている。
県内最多135基の方形周溝墓 御所の出屋敷北十三遺跡など 橿考研

出屋敷北十三遺跡で出土した方形周溝墓=御所市
県立橿原考古学研究所は3日、御所市の「出屋敷北十三(でやしききたじゅうそ)遺跡」を発掘調査した結果、弥生時代中期(紀元前4世紀~同1世紀ごろ)の方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)52基が出土したと発表した。方形周溝墓は周辺の別遺跡から見つかった同時代の83基を合わせると計135基で、基数としてはこれまで県内で最多だった大和郡山市の八条北遺跡の101基を超えた。
県の工業団地整備に伴い、令和3年度から調査を実施。方形周溝墓は出屋敷北十三遺跡のほか、南東側の観音寺本馬遺跡で58基、南西側の南十三遺跡で25基が見つかっており、その範囲は南北東西とも約600㍍にわたっていた。これらの墓は約400年の時間的な幅があることから、橿考研は「墓域の形成過程の詳細については、出土遺物の整理を通じて検討する必要がある」としている。
今年度の調査では、弥生時代前期~中期(紀元前5世紀~紀元前後ごろ)の竪穴建物跡17棟分を確認した。川跡を挟んだ西側には方形周溝墓14基が出土した。
橿考研調査課の前田俊雄指導研究員は「方形周溝墓に近接する居住域が県内で確認できたのは初めて。弥生時代の集落と墓域の関係を示すモデルケースで大きな成果」と評価している。
方形周溝墓は四角形の溝を掘ってその中に低い墳丘を設けた弥生時代の代表的な墓。調査では、古墳時代の方墳や竪穴建物跡も見つかった。
現地説明会は6日午前10時から。駐車場はない。
なら歴史芸術文化村「〝穂積〟の地の古墳を探る」 14日まで

さまざまな形象埴輪が並ぶなら歴史芸術文化村の展示会場=天理市
天理市の道の駅「なら歴史芸術文化村」は、同市教育委員会と共催で、市西部と田原本町周辺の古墳群から出土した埴輪(はにわ)など約300点を集めた展覧会「〝穂積〟の地の古墳を探る」を開催している。14日まで。
同市前栽町付近か田原本町保津付近を拠点としていたとされる古代豪族の穂積氏は物部氏と同祖で、6世紀以降に王権中枢で活躍し、朝鮮半島の百済との外交も担う重要な立場にあったとみられている。両地域には水晶塚古墳や荒蒔(あらまき)古墳など古墳時代後期の中規模古墳が点在し、動物や人形の形象埴輪が多数出土している。
展示物前に表示された2次元コードをスマートフォンで読み込むと、埴輪内部の立体画像を見ることができる。星塚1号墳から出土した松の枝で作られた国内最古の出土例とされる横笛「笛状木製品」の音色が会場に流れる。
なら歴史芸術文化村の主任研究員の藤元正太さんは「形象埴輪がこれほど一堂に会するのは珍しい。今回の展示をきっかけに、古墳や埴輪に興味を持ってもらえたら」と話している。
ワークショップや講演会などの関連イベントも随時開催している。入場無料で、月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日)。開館時間は午前9時~午後5時。問い合わせは同文化村(0743・86・4420)。
歳末警戒開始に合わせ、モデルや防犯アプリアンバサダーが一日署長
歳末警戒の開始に合わせ、県内の警察署ではモデルや防犯アプリ「ナポリス」のアンバサダーが一日署長を務めた。制服に身を包んで啓発活動に参加したり訓示したりし、特殊詐欺被害防止や交通安全を呼びかけた。(木村郁子、西川博明)

啓発グッズを配り、犯罪防止と交通安全を呼びかける、タレントの稲光亜依さん(中央)=大和郡山市
郡山署では、モデル、タレントとして活躍する一日署長の稲光亜依さん(16)=奈良市出身=が「安心安全なまちづくりに貢献したい」と宣言。署員とともに、商業施設「イオンモール大和郡山」のエントランス前で「特殊詐欺に注意」と書かれたポケットティッシュやチラシを買い物客らに配った。
稲光さんは昨年、青年漫画雑誌「週刊ヤングジャンプ」(集英社)主催の「制コレ24」でグランプリを受賞。女子中高生向けファッション雑誌「Seventeen」(同)のミスセブンティーンにも選ばれた。26日公開予定の映画「白の花実」では主人公のクラスメート役を熱演している。
同署管内ではSNSを悪用した特殊詐欺やロマンス詐欺が今年1~10月に計25件発生し、被害総額は約8千万円に上った。交通事故も相次いでいる。増田朋美署長は「情報発信力に期待している。市民に特殊詐欺や交通安全に気を付けてもらいたい」と話した。

敬礼する宮武理子さん=奈良市
奈良西署の一日署長は、ミス・ユニバーシティ2025日本大会特別賞を受賞した近畿大2年の宮武理子さん(19)=奈良市出身。宮武さんは「特殊詐欺をはじめとした犯罪や事故を1件でも減らすために地域住民の皆さまの協力が不可欠。力を合わせてがんばりましょう」と訓示した。
3月にベスト・オブ・ミス奈良グランプリに選ばれ、県警のスマートフォン用防犯アプリ「ナポリス」のアンバサダーも務める宮武さんは、「生まれ育ったまちの安心・安全に役立ちたい」と笑顔を見せた。
樟蔭高校(大阪府東大阪市)ダンス部では、日本高校ダンス部選手権(産経新聞社など主催)のビッグクラスで全国4位、別の大会で日本一になった。そうした経験から大学で舞台芸術を学ぶ宮武さんは、「ドラマを通じて苦しい人を救える女優になりたい」と将来の目標を語った。
飛鳥・藤原の宮都「すごいなあ」 地元3市村の教委が副読本

小学生向けの学習副読本「すごいなあ、わがまち~橿原市・桜井市・明日香村~」
世界遺産登録への期待がかかる「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」を知ってもらおうと、地元の橿原市、桜井市、明日香村の教育委員会が協力し、小学生向けの学習副読本「すごいなあ、わがまち~橿原市・桜井市・明日香村~」を作製した。
「飛鳥・藤原の宮都」は飛鳥宮跡やキトラ古墳、高松塚古墳(いずれも明日香村)、藤原宮跡(橿原市)、山田寺跡(桜井市)など3市村の19資産で構成。地元は来年夏の世界遺産登録を目指している。
副読本は資産の意味や価値を深く理解し、故郷への愛着と文化財を大切にする心をはぐくむのが目的。考古学者の木下正史・東京学芸大名誉教授が監修し、編集委員の3市村の小学校教員らが仕上げた。
A4判24㌻。カラー刷りで写真や地図、イラストを入れてわかりやすく構成した。世界遺産について紹介した後、「飛鳥・藤原の宮都」について解説。約1400年前から1300年前、3市村の地域は「日本の政治・文化の中心地でした」とし、「天皇を中心とした国が出来上がっていく様子が、地面の下に残っている遺跡からわかります」と記している。
藤原京の人口は2万~3万人で「都でくらす人々は、市でお金を使って売買していました」と当時の生活に言及。巨大な石が用いられた石舞台古墳については工法を図入りで説明した。
橿原市にはデジタル教材を、桜井市、明日香村には冊子を配布。小学4年生の「総合的な学習」で順次、使用が始まっている。
天理市に新たな学びの場 子供支援団体と連携 児童館をリノベ

連携協定を締結する吉田田タカシさん(左)と天理市の並河健市長=同市
天理市は子供の貧困問題や不登校支援に取り組む、「アトリエe.f.t.」(一般社団法人みちをつくる)とともに、不登校児を含む子供たちの教育や文化芸術、地域振興などの新拠点づくりに取り組むと発表した。令和9年度のオープンを目指し、市御経野(ごきょうの)児童館を約2億7千万円かけてフルリノベーションする。(木村郁子)
アトリエe.f.t.は、ミュージシャン、デザイナー、教育者の吉田田タカシさん(48)が平成10年に創設。子供たちが気兼ねなく食事ができる食堂兼駄菓子屋「まほうのだがしやチロル堂」(生駒市)や、不登校の児童生徒の居場所「トーキョーコーヒー」(事務局・大阪市)を手がける。
市御経野児童館は敷地面積約3700平方㍍。築約年と老朽化が進んでおり全面改修する。公園のほか、木工教室やカフェ、シアタースペースを設置。大人と子供がともに学び、生きる力をはぐくむとともに、地域の人が集まりにぎわいを創出する場を目指している。児童館の機能は隣接する御経野コミュニティセンターに移転する。

子供の新たな居場所となる天理市御経野児童館
児童館近くには、退職した学校長や臨床心理士らがチームで児童生徒や保護者の問題対応にあたる「ほっとステーション」や「放課後子ども教室ひなた」があり、包括的な支援が期待できる。
9月に市役所で、子供や若者の健やかな成長と福祉の増進を目指す包括連携協定を締結した。吉田田さんは「子供たちが走り回れる環境があればと大阪と生駒の拠点を移転することにした。奈良から日本の教育を変えていきたい」と意気込む。並河健市長は「子供たちと子供を見守る大人たちがともに学び、『楽しい』を引き出せる場となってほしい」と期待を寄せる。
費用の一部に充てるため市はガバメントクラウドファンディングを10日まで実施している。詳細はふるさとチョイスGCFのページ=2次元コード。

紀伊半島豪雨「災害の教訓伝える義務ある」 五條南小で支局長が出前授業

新聞の読み方を学ぶ児童=五條市立五條南小学校
新聞を教育現場で活用する「NIE」の一環として、五條市の市立五條南小学校で11月28日、産経新聞奈良支局の篠田丈晴支局長が「新聞の読み方と舞台裏」をテーマに本紙朝刊を教材に用いた出前授業を行い、4年生と5年生の児童約70人が聞き入った。同校は日本新聞協会のNIE実践校に指定されている。
篠田支局長は新聞を読み慣れていない子供が増えていることも踏まえ、「全部読まなくても、ざっと見れば、その日にどんなニュースがあるのかつかめる。パラパラめくり、目に留まった記事から読めばいい」と呼びかけた。また、興味のある分野の新聞記事を切り抜いてスクラップする習慣をつけると学習にも役立つと指摘。「なぜこの記事を切り抜いたかなど、理由や感想を書き添えると記憶にも残りやすい」と勧めた。
さらに新聞が担う意義の一つに、「『忘れない』重要性」があると紹介。五條市も被災した平成23年の紀伊半島豪雨を例に、「風化させないために、メディアとして災害の教訓をのちの世代まで伝えていく義務がある」と話した。
授業後、4年の女子児童は「自主学習でスクラップブックを作りたい」、同じく男子児童は「新聞社にいろいろな仕事があることがわかった」と振り返った。
特別部隊が歳末警戒 県警が出発式 知事「安心して新年を」激励

白バイ隊を見送る宮西健至県警本部長や山下真知事ら=奈良市
師走に入り、事件・事故の抑止に向けて治安体制を強化しようと、県警は1日、奈良市の県庁前広場で「年末特別部隊」の合同出発式を行った。県民や観光客らが見守る中、「出発!」という号令や県警音楽隊の演奏を合図に、白バイ隊やパトカーなどで編成された部隊が県内各地へ歳末警戒に繰り出した。
式典で宮西健至・県警本部長は、今年は交通事故や刑法犯認知件数が前年同期比で増加傾向にあるとして、①交通死亡事故の抑止や飲酒運転ゼロ②凶悪犯罪や特殊詐欺など各種犯罪の抑止や検挙|のため「事故多発路線や交差点で(取り締まりを)『見せる』『知らせる』活動の強化や、犯罪抑止で的確な初動対応に努めてほしい」と訓示。山下真知事は「県民の皆さんが安心して新年を迎えられるよう、ご尽力お願い申し上げたい」と激励した。
県、60億円補正予算案 ツキノワグマ対策など
県は12月1日開会の定例県議会に提案する総額60億7千万円の一般会計補正予算案などを発表した。県内でも出没が増えているツキノワグマ対策に470万円を充てる。
自治体判断で人の生活圏にいるクマを駆除する「緊急銃猟」を可能にする改正鳥獣保護管理法が9月に施行されたことを受け、緊急銃猟を行うハンターの手当や弾薬代などを市町村に補助する。ツキノワグマの対処方針を設定するゾーニングも実施。保護を優先する「森林ゾーン」▽人命を優先する「集落ゾーン」▽緩衝地帯に当たる「集落周辺ゾーン」の3つで、集落ゾーンでは原則殺処分、森林ゾーンでは捕獲して放獣、集落周辺ゾーンでは同じ個体が2回以上現れた場合は原則殺処分とする方向で検討する。ゾーニングは8年度にかけて行う。
新規事業では「県民暮らし相談センター」整備事業に8541万円。消費生活センター、女性センター、スマイルセンター、外国人支援センター、県人権施策課のLGBTQ相談窓口を近鉄高天ビル(奈良市高天町)に集約する。来年4月に業務開始予定で、関連する条例改正案も提案する。
このほか、奈良市の猿沢池に隣接する外国人観光客交流館「猿沢イン」を来年4月1日に廃止する条例案を提案する。赤字と老朽化のため有識者による検討委員会が廃止が望ましいと答申していた。検討委は解体後の活用策として宿泊施設や、観光客と地域をつなぐ交流拠点、地域回遊性を高めるシェアモビリティ施設などを提言している。
大和広陵高文化祭 ОBの森本さん曲披露 在校生に「夢持つ大切さ」訴え

体育館のステージで在校生を前に曲を披露する森本爵さん=広陵町
県立大和広陵高校(広陵町)のOBでミュージシャンの森本爵(つかさ)さん(30)が、在校生に夢を持つ大切さを知ってもらおうと、今月開かれた同校の文化祭で自身の体験を話したり、曲を披露したりした。同校OBが文化祭のステージに上がるのは初めてといい、生徒からは「勇気づけられた」などの声が上がった。
大和高田市出身の森本さんは令和4年から首都圏を拠点にシンガー・ソングライターとして活動。広島県のローカル局「テレビ新広島(TSS)」のCMソングなどを手掛けている。
11月6日の文化祭では在校生約250人を前に、高校2年のときに初めてバンドを組んで文化祭で歌ったことや、当時の夢がアイドルになることだったとのエピソードを披露。「新型コロナウイルス禍でライブ活動ができないなどつらいことも多かったが、高校生のときにみんなが拍手をして応援してくれたことを思い出し(音楽を)一生の仕事にしようと踏ん張った」と夢を持ち、追い続けることの大切さを訴えた。
森本さんは故郷を思って作ったという「さざんか」や、母への感謝をつづった「ねぇママ」などの曲を熱唱。スポーツ科3年の倉田虹輝さん(18)は「この道でやり切ると頑張る姿に力強さを感じ、勇気づけられた」と笑顔で話した。
私立高校の授業料無償化に伴い、同校を含む県立高校は一部の進学校を除いて定員割れが続くなど厳しい状況にある。森本さんの恩師のひとりである真野功太郎校長は「高校在学中に夢を心に強く決めた森本さんの活躍は在校生の希望の星になる」と強調。「県立高ならではのおおらかさを、進路を考える子供たちに知ってもらえたら」と期待を寄せた。
藤原宮、東西は117メートル 大極殿院の規模が確定

藤原宮大極殿院の調査区域。人が立っている前方部分が西門=橿原市
奈良文化財研究所は11月27日、橿原市の藤原宮跡(特別史跡)で、飛鳥時代に天皇が国家的な儀式を行った「大極殿院(だいごくでんいん)」を調査した結果、東西の幅が約117㍍と分かったと発表した。これまでも同じ幅が想定されていたが、確定した。すでに南北の幅は約158㍍と判明しており、全体規模も確定した。
昭和52年度に調べた大極殿院の西門南側と西面回廊の部分を中心に約400平方㍍を対象に発掘調査を実施。柱を据える礎石の痕跡3カ所と礎石1カ所を見つけた。すでに判明している東門付近の調査結果と合わせることで、西門と西面回廊の位置を確認し、東西の幅を明らかにした。
一方、西門外側で多数の瓦片や小石が出土した。奈文研は通路として特別な舗装が施された可能性があるとしている。
大極殿院は、藤原宮の中心建物である大極殿の四方を回廊が囲むことで形成される空間。西門のほか、北門、東門、南門があった。
奈文研都城発掘調査部の箱崎和久部長は「調査研究の基礎データが得られたことは大きい。研究をより深めていきたい」と話した。
現地説明会は29日午前11時と、午後1時半からの2回ある。
奈良「正論」懇話会詳報 李大統領の実用外交とは 神戸大院の木村幹教授

熱心に耳を傾ける参加者たち=奈良市の奈良ホテル
奈良市の奈良ホテルで10日に開かれた奈良「正論」懇話会の第97回講演会。6月に就任した韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が掲げる「実用主義」と対日関係をテーマとした木村幹・神戸大学大学院教授は「左派の政権だが、考えていることは意外と高市早苗首相と似ているかもしれない」と指摘した。詳細は次の通り。

実用主義と対日関係をテーマに話す木村幹教授
皆さんは、韓国が米国につくか、中国につくかで、中国でないなら米国と考えるが、どちらとも距離を置くという選択がある。
そうした環境の中で、李氏について紹介したい。貧しい家の生まれで、工場でも働いた。でも優秀で、大学に入るとひたすら勉強して卒業し、あっという前に司法試験に合格した。弁護士になったが、検察官か裁判官になりたかった。
2010年に京畿(キョンギ)道城南(ソンナム)市長になり、破綻寸前だった市の財政を立て直して、すごくできる地方自治体の市長だった。それで有名になり、大統領選挙に立候補して負けるが、京畿道の知事になった。左派だが、学生運動や労働運動でのし上がってきた人ではない。
言葉遣いは高市首相と似ているところがある。外交については「進歩か、保守かではなく、国益かどうかだけが唯一の判断基準」といい、皆さんが考える左派のイメージとは違う。左派は理想を語るが、李氏は理想を語らない。
「イデオロギーやスローガンではなく、経済と国民の生活を救う実践こそが新政府の進むべき方向」とし、要は経済。政権の眼目の「実用外交」は自分たちの利益になるかどうかだ。
経済問題の解決を重視する政権の課題が、トランプ関税などを巡る対米関係であることは明らか。
韓国はこれまでむしろ左派のほうが軍事費がのびている。右派は米国との関係で国を守るが、左派は米国にも頼りたくない。武器も自分で開発するので、今回のトランプ米大統領の原子力潜水艦の話は渡りに船だ。韓国は原子力潜水艦を持ちたい。トランプ氏は在韓米軍の負担を減らし、韓国に軍事負担を増やしてほしい。
高市首相が目指すものは日本の国益や安全保障。意外と「左」の李氏と「右」の高市首相は話が合うかもしれない。
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きむら・かん 昭41年大阪府生まれ、京都大学法学部卒業。専門は比較政治学、朝鮮半島地域研究。愛媛大学講師、神戸大学大学院助教授などを歴任。著書に『韓国現代史』『韓国愛憎』(いずれも中公新書)など。
薬師寺に海外EV集結 JAIA60周年記念イベント

薬師寺の本坊前会場に展示された海外メーカーの電気自動車=奈良市(土井繁孝撮影)
日本自動車輸入組合(JAIA)は26日、法相(ほっそう)宗大本山・薬師寺(奈良市)で、同組合の創立周年を記念したイベントを開催。自動車評論家が運転する電気自動車(EV)の試乗会や、EVの未来とデジタル技術についてのトークショーなどが行われた。
輸入車市場の発展をめざすJAIAは海外メーカーのEVの知名度向上を通じて脱炭素に貢献しようと令和3年から毎年、普及促進イベントを開いている。
今回は自動運転技術などのデジタル技術を指すDX(デジタル・トランスフォーメーション)と、脱炭素社会に向けて再生可能なクリーンエネルギーに転換していくGX(グリーン・トランスフォーメーション)がテーマ。薬師寺の本坊前などにベンツやBMW、アウディなど9社25台のEVが展示され、自動車評論家人が運転するEVの同乗試乗会も行われた。参加者は自動運転やバッテリーの充電についての説明を受けながらドライブを楽しんだ。

薬師寺の食堂で行われたトークショー
食堂(じきどう)では自動車ジャーナリストの清水和夫さんらによるDX、GXに関するトークショーが開かれた。清水さんらは二酸化炭素削減への取り組みなどを説明。進化を続けるデジタル技術について「自動運転を活用して交通事故を減らしていくような取り組みを進めることが大切だ」と話した。
また、会場では充電・リサイクル関連の企業が最先端技術や商品などを紹介する展示会も行われた。
【近畿の警察官】県警少年課 岩森祐二警部補「悪いやつは放置できない」

少年らの心情を踏まえた捜査に定評がある県警の岩森祐二警部補=奈良市の県警本部
近畿2府4県の優秀な警察官をたたえる第139回「近畿の警察官」(産経新聞社提唱、県信用金庫協会など協賛)に県警生活安全部少年課少年事件第1係(少年事件特別捜査隊)の岩森祐二警部補(47)が選ばれた。勤続22年余りのうち16年以上を生安部門で過ごし、数々の事件解決に尽力。「悪いやつは放置できない。容疑者を捕まえると被害者に喜んでもらえる」との思いで、同課事件担当係長として捜査に当たる。表彰式は27日、大阪・上本町の大阪国際交流センターで行われる。(西川博明、写真も)
「賞をもらえると思わなかった。光栄。上司や同僚ら周りのおかげです」。謙虚な口調で喜びを語る。
三重県名張市出身。龍谷大(京都市)で経済を学んだ。企業の正社員雇用が絞られた「就職氷河期世代」で「思うような就職先が見つからなかった」と就職浪人を約1年間経験。警察官を志す友人の影響で自身も受験。24歳だった平成15年4月、県警に採用された。
今や天職となった警察官人生の大半を、希望部署の生安畑で過ごす。「少年に携わる事件をやりたい」と思うようになったのは、初任地の宇陀署地域課で勤務していた頃。少年らの補導などに関わった経験からだ。
非行少年らに「更生してもらいたいという、私たち警察官の思いを伝えるのが難しい」とじくじたる思いもある。再犯を繰り返すケースもあり、原因を「家庭環境や友人関係の影響がある」と分析。少年らの気持ちも踏まえた捜査や対応が肝要と心掛ける。
一方で、担当した非行少年らが更生したという話を聞くと「やりがいを感じる」。これまで担当した事件で深く心に残っているのも、少年が関わった桜井署管内の重過失致死事件。川遊びをしていた弟が投げた銛(もり)が兄の頭に刺さり、亡くなった。「心に深い傷をもった少年にどう向き合うかも学んだ」と振り返る。
殺人や放火といった凶悪事件などを担当する刑事部とは少し異なり、生安部の仕事には、刑法以外の法律・条例も踏まえ「事件がどう抵触するのかを考え、摘発する」という面もあり、法律の勉強も欠かせない。
近年力を入れている捜査は、インターネット上でのサイバーパトロール。今回の表彰理由のひとつだ。
パソコンでSNS投稿を見回り、犯罪に巻き込まれている可能性がある県内の未成年を見つけると「(被害に遭うのを)止めたらないかんと思う」。各署と連携し、事件摘発に動く。SNSでパパ活を募集していた未成年に買春行為を行った容疑者16人を摘発するなどの実績をあげた。
定年を見据え、残りの警察官人生では後輩らの育成に注力したいと語る。「自分がやってきたことを少しでも若い警察官に引き継ぎ、尻込みせずに事件を検挙していってほしい」。穏やかな口調ながらも、悪を見逃さない熱血漢である。
大和郡山市とイオンが連携協定 ご当地「WAОN」 来年1月販売開始
大和郡山市は、流通大手のイオンと包括・地域連携協定を締結した。特産品の販売促進や地域防災の取り組みを強化するほか、利用金額の一部を地域貢献に役立てる電子マネー「WAON」のご当地カードを、来年1月から販売する。

協定を締結した大和郡山市の上田清市長(左)と川本昌彦・イオンリテール西日本カンパニー支社長=同市
市とイオンモール大和郡山(同市)はこれまで、地元農産物や特産品を紹介・販売する「大和郡山フェア」のほか、認知症への理解を促す「認知症カフェ」を開催。協定の締結に伴い、特産品の販売促進をはじめ、地域防災や環境政策といった分野でのさらなる連携が期待できる。
同社は各自治体と連携し、平成21年から利用金額の一部が地域社会への貢献につながるご当地カードを発行。大和郡山市の「やまとこおりやま(元気城下町)WAON」には、郡山城跡と桜、金魚をあしらった。全国約430万カ所の加盟店などで利用できる。利用金額の0・1%を同社が市に寄付。まちづくり事業などに活用される。
21日の連携協定式で、イオンリテール西日本カンパニーの川本昌彦支社長は「子育てや地産地消などの発信をともに行うことで、関係をより強固なものにしていきたい」と期待した。
アフガン女性に心寄せて 天理市立北中・夜間学級の文化祭 生徒が作文で訴え

校歌を歌うカゼミ・セディゲさん(前列中央)=天理市
「夜間中学生に見る多様な文化」をテーマにした天理市立北中学校夜間学級(同市丹波市町)の文化祭が開かれた。生徒によるワークショップが行われたほか、作文や書の作品を展示。作文発表では、アフガニスタン出身の生徒が現地の女性の状況を説明し「心を寄せてほしい」と呼びかけた。(木村郁子)
生徒の発表の場として、平成8年から文化祭を開催。新型コロナウイルス禍で一時中断したが、昨年から再開した。現在の夜間学級の生徒数は33人。ベトナムや中国などから来日した生徒、事情があり小中学校で学ぶ機会を逃した日本人の生徒も在籍している。
アフガニスタンで女性教育に携わったカゼミ・セディゲさん(48)は、イスラム原理主義組織タリバンへの抵抗を描いた作品の前で作文を読み上げた。タリバンが実権を握る同国では命の危険があると感じ、令和元年夏に家族とともに来日。国際情勢が変化する中「アフガニスタンの現状は忘れ去られているのではないか」と訴えた。
タリバンによる女子教育の制限で学ぶ機会を奪われ、不安や絶望感を抱える女性も多いという。カゼミさんは、現地ではインターネットを活用して水面下で学習する環境が整ってきたとし、「どうか、女性や子供たちが希望に満ちた生活が送れるよう、心を寄せてほしい」と続けた。
また、勉強が苦手で小学校で不登校を経験したという奥田美代さん(74)は「文字を書けない、読めないことがコンプレックスで目立たぬように生活してきた。退職を機に夜間中学に入学し、勉強して経験を積むことで自信につながった」と発表した。
生徒が合唱を披露し、生徒の故郷に関するクイズも行われた。吉村和晃教諭は「生徒それぞれが問題を抱えてこの学校に通っていることを多くの人に知ってもらいたい」と話した。
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イオンモール橿原(橿原市)3階で24日まで開催された「奈夜中生徒会合同展示会」で同校と奈良市立春日中学校夜間学級、橿原市立畝傍中学校二部(夜間学級)の生徒の作文などを展示。12月13日に川西町コスモスホールで開かれる「識字合同学習会」でも展示する。


































