三輪そうめん 売り上げ好調 大神神社で感謝祭

拝殿前で披露された三輪素麺掛唄=桜井市の大神神社
三輪そうめんの夏季の販売に感謝する「三輪素麺(そうめん)感謝祭」が26日、そうめん作りの「守り神」として信仰される大神(おおみわ)神社(桜井市三輪)で行われた。今年は例年以上の厳しい暑さに見舞われ、冷やしそうめんの売り上げも好調という。
祭典には県三輪素麺工業協同組合(小西幸夫理事長)と県三輪素麺販売協議会(池田利一会長)などの関係者が出席。神職が祝詞(のりと)を奏上し、巫女(みこ)が神楽(かぐら)「浦安の舞」を奉納した。拝殿前では、赤いたすきに前掛け姿の保存会の女性たちが、そうめん作りを再現した三輪素麺掛唄(かけうた)や三輪そうめん音頭を披露した。
同組合と同協議会は17日に大阪・関西万博で開かれた関西地域のブランドの魅力を伝えるイベントで三輪そうめんをPRしており、池田会長は「万博でもアピールでき、世界の人たちにも広く知ってもらえたと思う」と話した。
西大寺造営「中国の女帝影響」 奈文研・今井氏が講話
鎌倉時代に西大寺(奈良市)を中興した興正菩薩叡尊(こうしょうぼさつえいそん)上人をしのぶ「興正菩薩忌のつどい」が命日に当たる25日、同寺であった。奈良文化財研究所の今井晃樹・都城発掘調査部副部長が講話を行い、奈良時代の西大寺造営に中国・唐文化の影響が色濃くみられることについて詳しく語った。

西大寺について講話を行う今井晃樹氏=奈良市の同寺
西大寺では毎年、同日に叡尊上人の遺徳をしのび、奥の院御廟所に献灯などを行っている。
近年、現在の西大寺周辺では発掘調査によって奈良時代の遺構の出土が相次いでいる。薬師、弥勒(みろく)の2つの金堂が並ぶなど、壮大だった西大寺の様相が浮かび上がりつつあり、書籍「称徳天皇とよみがえる古代寺院 発掘された西大寺と西隆寺」(今井氏編、同成社)も出版された。
今井氏は講話で、西大寺を創建した称徳天皇は父の聖武天皇と同様に仏教をあつく尊び、西大寺が特に唐の影響を受けたとみられることを強調。跡が残る東塔が当初は唐の寺院の影響から八角形で計画されたと推測されることなど造営について解説した。
その上で今井氏は、唐の皇帝の皇后で中国史上唯一の女帝となる則天武后(そくてんぶこう)が弥勒信仰を治世に利用した影響から、「(同じ女帝)の称徳天皇は(衆生を救済する)弥勒下生(げしょう)信仰により弥勒金堂を建てたのだろう」と指摘した。
世界遺産へ藤原宮跡の史跡指定率98%超 橿原市長「来年今頃には勝ち取る」
来年夏の世界文化遺産登録をめざす「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県明日香村、橿原市、桜井市)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「イコモス」の専門家が今秋頃にかけて視察するとみられる中、亀田忠彦・橿原市長は22日の記者会見で「大詰めの時期を迎え、万全の準備を進めている。来年の今頃は登録を勝ち取れるよう全力を尽くす」と改めて決意を語った。

世界遺産について語る亀田忠彦・橿原市長=同市役所
登録にあたって懸案とされる藤原宮跡(約103㌶)についても言及。「史跡指定率は98%以上に達した。(保護のために)地権者の同意を得て100%になるよう努めている」とし、将来構想として平城宮跡(奈良市)のような国営公園化を目指す意向を示した。
「飛鳥・藤原の宮都」は飛鳥時代の宮殿跡や古墳、寺院跡の計19資産で構成され、政府が今年1月にユネスコに推薦書の正式版を提出。今年秋頃にかけてイコモスの専門家が現地調査を行い、来年5月頃にイコモスがユネスコに勧告し、夏頃に世界遺産委員会が登録の可否を決定するとみられている。
橿原市には藤原宮跡、本薬師寺(もとやくしじ)跡、菖蒲池(しょうぶいけ)古墳、明日香村にまたがる大官大寺跡(だいかんだいじあと)がある。なかでも約1㌔四方に及ぶ藤原宮跡には民家や小学校などもあり、地下に宮殿跡などが埋まっているとされ、保存が大きな課題。世界遺産登録には史跡として指定されることが前提となっている。
亀田氏は「藤原宮跡には民間の土地があるが、世界遺産への住民理解は深まっている。地下遺構を守る環境は整っており、課題は解消されたと認識している」と強調した。
同市は今年6月、藤原宮跡を含めた遺跡の重要性や保護・活用の推進などを盛り込んだ県内初の世界遺産条例を制定し、市民に理解を呼びかけている。世界遺産登録について「まさに大詰め。小石にもつまずかないよう、繊細な作業が進んでいる」と指摘した。
藤原宮跡の活用については「現状では少し雨が降ると水たまりができて歩きにくい。遊歩道など公園としての機能を持たせたい。将来的には平城宮跡のような国営公園を目指す」と述べた。
政府の推薦書提出の際に構成資産から外れた大和三山にも触れ、「山の上から藤原宮跡を眺めたいという観光客は多い。眺望が楽しめるような整備も必要」とした。
旧吉川家住宅で戦時下のくらし展 「モノとコトバ」当時の日常語る

出征旗を持つ子供のマネキンなどで戦時下の様子を再現している=大和郡山市
県立民俗博物館(大和郡山市)は、隣接する大和民俗公園の旧吉川家住宅で、戦時中に実際に使われたものや当時を生きた人々の証言を紹介するスポット展「戦時下のくらし|モノと証言から80年前の生活をみる|」を開催している。30日まで。
同館は毎年この時期に同展を開催しており、今年は戦後80年という節目に合わせて、旧吉川家住宅すべてを使って「モノとコトバ」をテーマに展示している。
住宅内では、真珠湾攻撃(1941年)、マレー作戦(同)、サイパン玉砕(1944年)など戦局を伝える音声を放送。さらにマネキンで、出征旗を持ちながら「バンザイ」と言って兄を戦地に送り出す子供や、戦場での無事を祈る「千人針」をたすきにさす母親の傍らで無邪気に絵本を読む子供の姿を再現しており、戦局とともに変わりゆく戦時中の日常を体感することができる。
また、県立図書情報館が所蔵する「戦争体験文庫」から地域の記録を抜粋したパネルも展示し、「男は背広が国民服と戦闘帽に変わり、女は筒袖にモンペ姿となって、色どりのない灰色の世界となりました」「登校するにも教科書は必要なく、モンペ姿に防空頭巾、肩からは救急薬品を入れた雑納袋を下げ通学」などと当時の様子を紹介している。さらに、出征軍人の家の表札や国防婦人会のたすき、金属回収によって鉄釜の代わりに使われていた土釜なども並ぶ。
学芸員の石橋諒さんは「当時の様子を語る人が減る中、展示を通して改めて平和について考えてもらうきっかけになれば」と話している。
開館は午前9時~午後4時。23、24、30日の午前11時と午後2時からは学芸員による30分間の解説あり。25日休館。無料。問い合わせは県立民俗博物館(0743・53・3171)。
奈良育英、関西地区大会でグランプリ スニーカーエイジ

演奏する奈良育英のメンバー=大阪市中央区の松下IMPホール(恵守乾撮影)
大阪市中央区の松下IMPホールで22日に開催された「第5回全国高校軽音楽部大会 we are SNEAKER AGES(スニーカーエイジ)」(産経新聞社、スニーカーエイジ実行委員会、三木楽器主催、大阪芸術大学など協賛)の関西地区グランプリ大会。県勢は奈良育英がグランプリに輝いた。
奈良育英のリーダーで3年の中嶋一陽(かずはる)さん(17)は「全国の出場権が得られてうれしい。まだ粗いところがあり、細かい部分を徹底したい」と成長を誓った。
ヘビメタバンド、LOVEBITESの「Unchained」を演奏。中嶋さんは「しばられている世の中を解き放つ意味をこめた」と説明。黒の衣装でヘッドバンキングを繰り返し、指先を銃口のように突きつけるパフォーマンスで曲の世界観を表現した。
昨年も出場した中嶋さんは「全国では誰が聞いてもグランプリだと思ってもらえるような、人の心を打つ演奏をしたい」と語った。
また県勢では奈良高専も出場し、ロックバンド、緑黄色社会の「恥ずかしいか青春は」を歌い上げた。
中国の鋳造鉄斧、県内初出土 加工して工具に 田原本の唐古・鍵遺跡

弥生時代の大規模環濠(かんごう)集落として知られる奈良県田原本町の唐古(からこ)・鍵遺跡で、同時代中期末~後期初め(紀元前1世紀末~紀元後1世紀)の鋳造鉄斧(てっぷ)の一部が見つかり、町教育委員会などが21日発表した。中国製の鋳造鉄斧の破片を加工して工具として再利用したと推定。同遺跡は銅鐸(どうたく)などの生産が行われたことから、青銅器を作るための工具だった可能性が高いという。

県内で初めて見つかった弥生時代の鋳造鉄斧の加工品=田原本町
鋳造鉄斧は県内初の出土で、鉄製品としても県内最古級となり、同遺跡が大陸の技術を積極的に導入した先進的な集落だったことを改めて示すことになった。

鋳造鉄斧加工品のエックス線写真(田原本町教委提供)
調査は今年2~3月、復元楼閣のある唐古池の南約300㍍で実施。縦横1・5~2㍍、深さ1・2㍍の井戸の底で土器やガラス玉などとともに出土した。鋳造鉄斧の破片は長さ7・7㌢、幅3・7㌢。ほぼ全面に周囲の砂や土器の破片などが付着し、鉄の表面はほとんど見えなかったが、エックス線撮影によって刃先が確認されたことなどから鉄製品と判明した。
弥生時代には製鉄の技術はなかったとされ、鉄器は中国東北部や朝鮮半島から鋳造鉄斧の破片などを入手して加工したと考えられている。鋳造鉄斧の破片は、北部九州や山陰などを中心に100点以上見つかっており、今回の鉄製品も中国東北部のものを加工したとみられる。
発掘現場の数十㍍北東では、過去の調査で銅鐸や青銅器の炉跡などが見つかっており、青銅器の工房があったとされている。今回の鉄製品は、銅鐸の鋳型を削ったり青銅製品の表面を磨いたりするために使われたともみられている。
藤田三郎・町埋蔵文化財センター長は「青銅器生産にあたって、鉄器がどのように使われたかを考える上で重要な手掛かりになる」と話す。鉄製品は9月7日まで、同町阪手の唐古・鍵考古学ミュージアムで展示される。発掘現場はすでに埋め戻されている。
サマルカンド特別交流展で覚書 奈良博で9年夏開催へ

覚書を締結した(左から)仲川げん市長、ガヤネ・ウメロワ理事長、井上洋一館長(奈良市提供)
令和9年に奈良国立博物館で予定されている奈良市と姉妹都市のウズベキスタン共和国サマルカンド市の特別交流展に向け、奈良市と同博物館、ウズベキスタン共和国大統領府文化芸術発展基金が覚書を締結した。
締結式は17日、大阪・関西万博会場(大阪市此花区)のウズベキスタンパビリオンであり、仲川げん市長と同博物館の井上洋一館長、同基金のガヤネ・ウメロワ理事長が出席。覚書にサインし、同博物館で9年7~9月に交流展を開催することを確認した。
「農業に誇りを」大和郡山の米農家、米粉で麺開発 大和野菜も使用

田んぼの前で米麺を手にする植田早苗さん(左)と三男の那臣希さん=大和郡山市
大和郡山市の米農家、植田早苗さん(48)が、米の品種「ヒノヒカリ」の独自ブランド「三男米(さんおとこまい)」や規格外の大和野菜などを使った米麺を開発した。ただ、米の収穫量が少ないため、なかなか安定して商品化できないのが実情だ。植田さんは「子供たちに農業に誇りをもってもらうため、新たなモデルにしたい」とクラウドファンディング(CF)で支援金を募集している。(木村郁子)
植田さんは夫の会社員、和彦さん(48)と3人の息子とともに約3万平方㍍の田んぼで米を栽培している。先祖代々引き継いだ田んぼに加えて、地域の米農家が高齢化や担い手不足のため耕せなくなった田んぼを引き継ぎ、この広さになったという。植田さんは「米農家のなかでも小規模農家は高齢化や経営難が続いており、生活が立ち行かない。農家は先行きが見えないのが現状なんです」と熱く語る。
米は田んぼの持ち主や息子たちを通じて知り合った家庭に譲っていたが、約10年前に「今後も継続して米が作れるように」と栽培したヒノヒカリを、3人の息子にちなんで「三男米」としてブランド化して販売するように。さらに昨年9月から市商工会の創業スクールに参加し、低アレルゲンの米粉製品を開発することにした。
ヒノヒカリは水分量が多いため、パンには不向きだが、その特性を生かそうと、米粉にして唐揚げや天ぷら、菓子などを作り、試行錯誤を繰り返した。たどり着いたのが、うどんとそばの中間の食感が楽しめる米麺だった。
また、三男の県立磯城野高校農業科学科2年、那臣希(なみき)さん(16)から「苦労して作った野菜も傷がついたり、すぐしなびて売れなくなる。何とかならないかな」と言われ、食品ロスの課題に着目。野菜嫌いの子供たちに季節関係なく野菜を食べてもらえるよう、規格外の大和野菜をパウダーにして練りこんだ。
出来上がったのは、野菜がほんのりと香る「大和まな」「大和丸ナス」「片平あかね」といった麺と、米の力強い味わいが特徴の「玄米」の麺。もっちりとした味わいが特徴で、1分ほどゆでて冷水でしめてざるそばのように食べるのがおすすめという。

「三男米」や大和野菜などを使った米麺とポン菓子
麺は9月19~21日にイオンモール大和郡山(同市)で開かれるイベント「スタートアップマルシェ」で販売される。今後は他の大和野菜や、市特産の治道(はるみち)トマトを使った麺の開発にも着手し、フィナンシェなどの菓子やライスペーパーにも手を広げるという。
植田さんは「持続可能な農業経営ができる基盤づくりを行い、将来農家をやりたいという人が増えるよう、事業モデルとなりたい」と笑顔をみせる。
CFでは、コンバインなどの機械の修理や購入費の一部に充てる予定。返礼品として麺やポン菓子などがある。詳細はCFサイト「エールレール」(https://yell-rail.en-jine.com/projects/sanotokomai)。9月5日まで。
県内住みここちランキング 王寺町が7年連続1位 以下生駒市、広陵町…
賃貸住宅大手の「大東建託」は「いい部屋ネット 街の住みここちランキング2025<奈良県版>」を発表した。自治体のランキングでは、「交通利便性」「行政サービス」などで高い評価を得た王寺町が7年連続でトップとなった。

令和3~7年(一部平成31年、令和2年を含む)に県内の男女9680人にインターネットでアンケートを実施し、集計した。
自治体のランキングで、アンケートの回答を分析したところ、7年連続1位となった王寺町が「交通利便性」「親しみやすさ」で1位、「行政サービス」で2位、「賑わい」で3位と高い評価を受けた。2位は昨年3位だった生駒市が入り、「静かさ治安」で1位、「交通利便性」で2位、「行政サービス」で3位という評価だった。昨年2位だった広陵町は3位となった。
王寺町政策推進課の担当者は「小さい町だが、スーパーや病院が充実していることや、町の子育て施策、大阪へのアクセスのよさなどが評価されたのではないか」としている。
一方、駅のランキングでは、近鉄南大阪線の磐城(葛城市)が初登場で1位となった。同駅は急行などは停車しないが、新しい住宅供給が増えているという。2位は近鉄生駒線の菜畑(生駒市、昨年3位)、3位は近鉄けいはんな線の学研奈良登美ケ丘(奈良市、昨年1位)、4位は同線の白庭台(生駒市、昨年4位)、5位は近鉄奈良線の学園前(奈良市、昨年2位)だった。
障害者雇用の農場でスイカ収穫 ICT農法で ホテルでかき氷提供も
障害者雇用に力を入れるNPO法人「エムワイピー農場」(奈良市)は、近畿大学農学部のICT(情報通信技術)農法を活用し、種まで食べられるスイカをこの夏、初めて収穫した。このスイカで作られたシロップ入りのかき氷が、ノボテル奈良(奈良市)のレストランで8月末まで提供されている。

収穫したスイカを手にするエムワイピー農場の増井義久理事長(中央)ら=奈良市

ノボテル奈良で提供されるICTスイカを使ったかき氷
同農法は、農作物の栽培に必要な温度調整などの管理にICTを導入することで、農業初心者でも容易に栽培管理ができる。同法人ではこれまで障害のあるメンバーがリーフレタスやメロン、イチゴを同農法で栽培していたが、スイカは今回が初めて。
スイカの品種は、萩原農場(奈良県田原本町)の商標登録商品「タネまで美味しい ぷちっと」。種が従来のスイカより極めて小さく、嚙んだときにぷちっとはじける食感が特徴。法人ではすでに今夏、100個の収穫を終えており、現在は12月ごろの収穫に向けて準備をしている最中という。
かき氷は、ムース状にした植村牧場(奈良市)の練乳とシロップと、カットスイカがトッピングされ、なめらかさとさわやかな味わいが楽しめる。1杯1800円。同法人の増井義久理事長は「奈良といえばスイカ。こうしてホテルで提供してもらえることは、日々農作業にいそしむ作業所のメンバーにとってもやりがいを感じるはず」と話す。
同法人は今後、年間を通してスイカ栽培を可能にし障害者の就労支援をするとともに、農園を一般開放して収穫体験をしてもらい、観光資源としたい考えだ。
盾持人埴輪のミニチュア土製品など展示 橿考研で企画展 9月7日まで
県内の昨年度の発掘成果を紹介する恒例の企画展「大和を掘る」が、橿原市畝傍町の県立橿原考古学研究所付属博物館で開かれている。御所市の古墳で見つかった全国的に類例のない「盾持人埴輪(たちもちびとはにわ)」の形をしたミニチュア土製品、中国の精巧な龍泉窯(りゅうせんよう)系の青磁碗(平安時代末~鎌倉時代)など約500点が並ぶ。9月7日まで。

盾持人埴輪のミニチュア土製品
盾持人埴輪のミニチュア土製品は高さ約10㌢で、御所市の出屋敷北十三遺跡の方墳(4世紀末~5世紀初め)で出土。粘土板に模様を施して盾を表現し、人物の頭部が欠けた状態で見つかった。古墳祭祀(さいし)に用いられたとみられる。
香芝市の前方後円墳、狐井(きつい)稲荷古墳(5世紀後半、全長80~90㍍)からは円筒埴輪が並んだ状態で出土。同古墳は23代顕宗(けんそう)天皇の墓とされ、被葬者を探る重要な資料として注目される。

完全な状態で発掘された中国製の青磁碗=橿原市の橿原考古学研究所付属博物館
明日香村の島庄(しまのしょう)遺跡では、飛鳥時代の石組み溝や掘っ立て柱建物跡が発掘された。同遺跡は蘇我馬子の邸宅や草壁皇子の嶋宮があったとされ、写真パネルで紹介。調査では、馬子邸か嶋宮に関わるかは判断できなかったといい、今後の調査に期待がかかる。
桜井市内では、縄文時代後期(約4千年前)の祭祀用とされる分銅形土偶が完全な状態で出土。近畿で10例ほどしか見つかっておらず、展示を通じて縄文人の思想に迫ることができる。
月曜休館。入館料は大人400円、高校・大学生300円、小中学生200円。ただし、国内の18歳未満と高校生は無料。今月30日、9月6日は同研究所講堂で発掘成果の報告会が開かれる。いずれも午後1時からで聴講無料。問い合わせは同博物館(0744・24・1185)。
奈良市、市議にクリーンセンターを説明 市長「調査は3カ所で」
奈良市が進める新ごみ処理施設「クリーンセンター」建設計画について、市は18日、市議にこれまでの経過などを説明する懇談会を開いた。市議は今夏の市議選(定数38)で新人10人が当選しており、市は最優先課題となっている同計画に対する理解を求めた。仲川げん市長は懇談会後に報道陣の取材に答え、市の策定委員会が選んだ候補地3カ所すべてで地質などの調査を行う考えを示した。

クリーンセンター建設計画について説明を受ける市議ら=奈良市役所
市が現行施設の移転を周辺住民と約束した公害調停から約20年が経過しているが、候補地選定はごみ処理の広域化の断念や議会との対立などで紆余曲折し、策定委が6月、候補地を3カ所に絞り込んだ。だが同計画については予算が組まれておらず、今後本格的な議論をひかえている。
懇談会には市議35人が参加。担当部局がこれまでの経過や公害調停の効力、市が目指すクリーンセンターの基本構想などを説明した。仲川氏は懇談会後、「候補地を巡ってはこれまで机上の議論だったが、今後は測量や地質調査をしなければ踏み込んだ議論ができない」と述べ、「市が結果ありきで進めていると言われないためにも、調査は3カ所で実施する」と話した。
香芝市が複合施設整備へ 音楽ホールや図書館など 11年度完成目指し
香芝市は、音楽ホールや図書館、博物館、貸室などの機能を併せ持つ複合施設を市役所庁舎の隣接地(同市本町)に整備する基本構想を発表した。今年度中に基本計画を策定し、令和8年度に着工、11年度の完成を目指す。

複合施設の整備イメージ(香芝市提供)
市民が音楽会などに利用してきた市モナミホール(約千席)は、老朽化のために4年に解体撤去された。これで市内に大規模なホールがなくなり、市民が音楽会などの発表を行う場合でも市外のホールを使わざるをえなくなっていた。
さらに市民図書館や市二上山博物館、市民ホールが入る市ふたかみ文化センターと市中央公民館も老朽化していることから、市はこれらの機能を備えた複合施設を整備する方針を決めた。
基本構想では、音楽ホールは演劇などにも対応し、千~1200席程度を確保。図書館は約30万冊を備え、映像機器を備えたプレゼンテーションエリアを設置する。博物館は市の歴史、文化、地理などに関する資料を体系的に展示。貸室は和室も併設する。このほか多目的スペースや商業施設誘致スペースも設ける。具体的な内容は基本計画で決める。
整備場所は現在駐車場になっている庁舎隣接の市役所敷地内と民有地。4階建てを想定し、延べ床面積約1万4500平方㍍。工事費は80億~110億円程度で、40~45%程度を国の支援でまかなう見込み。モナミホール跡を複合施設の立体駐車場にする。
三橋和史市長は「複合施設は多くの市民が待ち望んでおり、早期の整備を目指していく」などとコメントした。
「二十歳のつどい」成人の日前日に開催へ 生駒市が令和9年から
生駒市は、20歳の若者が集まる「二十歳のつどい」の開催日を令和9年以降、現行の成人の日から成人の日の前日の日曜とする。成人の日は1月の第2月曜日で、翌日が平日のため、出席する若者が友人と再会できる時間が限られることなどから決めた。20歳を祝う式典を同様に前日の日曜に開催する自治体は増えているが、県内12市では少ないという。

成人の日に開かれた生駒市の「二十歳のつどい」=1月13日、同市(市提供)
同市では長く成人の日に「成人式」として開催。成年年齢が令和4年4月に20歳から18歳に引き下げられたことから、5年1月からは「二十歳のつどい」として、前年の4月2日から開催年の4月1日までに20歳となる若者を対象に、式典が行われている。
友人との再会の時間確保のほか、遠方に住む若者が参加しやすくするために日曜開催とした。今年4月に正式決定したが、美容院の着付けの予約を考慮して2年後の9年から実施する。9年は日曜の1月10日午後1時半から近鉄生駒駅前のたけまるホールで開催する。
同市の「二十歳のつどい」は対象の若者が運営委員会を組織して内容を決める。9年はまだ発足しておらず内容は未定。市教育委員会生涯学習課の担当者は「余裕を持って同級生との再会を楽しんでほしい」と話している。
県内では、大和高田市、五條市、宇陀市が成人の日の前日の日曜に20歳を祝う式典を開催している。
奈良市、31日にスマホで避難所登録の訓練
奈良市は、災害発生時に避難者自身がスマートフォンなどを使って避難所の入所や退所に必要な情報を登録するオンライン訓練を31日に終日、実施する。手続きのデジタル化で市災害対策本部が混雑状況をリアルタイムに把握し、一部の避難所に避難者が集中する事態を回避する。
市の広報やホームページなどに記載されている2次元コードを読み取って利用する。入所用画面では氏名、生年月日などのほか、アレルギー、妊娠中といった配慮してほしいことがらを選択式で入力。また、車中泊など避難所以外に避難している場合の選択項目もあり、災害発生時には市民の避難状況の実態把握に活用する。
当日の参加が難しい人は事前登録もできる。
富雄丸山古墳の蛇行剣展示施設建設へふるさと納税で寄付募る 奈良市

クリーニングによってさびが落とされた蛇行剣。左下方に黒漆塗りの柄が確認できる=橿原市(彦野公太朗撮影)
奈良市は、日本最大の円墳、富雄丸山古墳(4世紀後半、直径109㍍)から出土した東アジア最大の蛇行剣、類例のない盾形銅鏡などを展示する「同市文化財センター(仮称)」の建設に向け、15日からふるさと納税で寄付を募る。国宝級ともいわれる異形の出土物を後世に継承するため、市の予算を補強する目的で1億円の調達を目指す。
予定地は道の駅「クロスウェイなかまち」南側で、同古墳の近くに位置する奈良市石木町の約7千平方㍍。既存の埋蔵文化財調査センター(大安寺西)が老朽化し、収蔵スペースが不足したため新たな施設を建設する。令和11年度の完成を目指している。
今年度中に用地買収と基本設計を予定しているが、物価高騰の影響などにより総工費が見通せず、寄付を募り予算を増強することにした。
同古墳からは、全長237㌢、装具を含めると285㌢に及び、うねるように屈曲する刃を持つ蛇行剣のほか、精緻な文様が施された国内最大級の銅鏡「鼉龍文盾形(だりゅうもんたてがた)銅鏡」(長さ64㌢、幅31㌢)、逆S字形の文様が特徴で国内最大の「虺龍文(きりゅうもん)鏡」(直径19・1㌢)、保存状態の良い木棺など、ほかに例のない出土物が相次いで見つかっている。4世紀の倭国の歴史を記した史料は少なく「空白の4世紀」と呼ばれるが、同古墳での一連の発見は謎を解き明かす手掛かりとして考古学者の関心を集めている。
仲川げん市長は「考古学ファンをはじめ、国民の関心を集める希少な発見が続いている。適切に公開できる施設を建設したい」と話した。
「多くの国民が犠牲となった歴史ここにある」 香芝で戦没者の遺品を展示
平和の大切さを知ってもらおうと、戦没者の遺品や戦時中の生活用品などを展示する「第24回平和のための香芝戦争展」(NPO法人・平和のための香芝戦争展主催)が9、10日に奈良県香芝市のふたかみ文化センターで開催された。

展示された軍用ラッパなどの遺品=香芝市
会場では、同市在住の約世帯の遺族らから寄贈された軍隊手帳やラッパ、水筒のほか、復員した日本兵が記した手記なども展示した。訪れた桜井市の鍛冶結花さん(51)は「当時の暮らしぶりや、家族を思う気持ちはいつの時代も変わらぬことが伝わってくる。若い世代に平和の大切さを訴えることにつながる」と見入っていた。
また、沈没した学童疎開船のアニメの上映会や、識者の講演会なども開催。同法人の西嶋拓郎事務局長は「多くの国民が犠牲となった歴史がここにはある。小さな市であっても、戦争に翻弄された人々がいたことを忘れないでほしい」と話していた。
昨年の奈良市宿泊客、200万人超 観光復調、過去15年で最多
奈良市の令和6年「観光入込客数調査報告」によると、年間の宿泊客数は203万8千人で5年から16・6%増加し、過去15年間で最多となった。宿泊客の少なさが市の長年の課題となっており、担当者は「観光需要が復調し、インバウンド(外国人観光客)効果で宿泊客数が押し上げられた」としている。
観光客全体は21・9%増の1487万人となり、新型コロナウイルス禍前の元年(1741万1千人)に迫っている。一方、観光客全体に占める宿泊客数の割合「宿泊率」は13・7%で前年(14・3%)を下回った。
宿泊客のうち外国人は過去最多の44万5千人で、5年の約1・7倍に達した。外国人観光客の宿泊率は14・9%。内訳では中国、米国、台湾の順に多かった。
奈良市観光協会が公表している市内宿泊施設の客室稼働率(推計)は今年4月に85%に達しており、繁忙期によっては客室が不足する事態もありそうだ。
東大寺学園中が初優勝 小・中学校将棋団体戦

決勝で東京都代表の海城中(右)と対戦する県代表の東大寺学園中=東京・大手町(相川直輝撮影)
東京都千代田区の大手町サンケイプラザで8日に行われた「文部科学大臣杯 第21回小・中学校将棋団体戦」(主催・産経新聞社、日本将棋連盟、後援・文部科学省、特別協賛・ヒューリック)の決勝大会で、県代表の東大寺学園中が初優勝を飾った。
同中3年の田畑優さんは「決勝は苦しい戦いだったが、勝ててうれしい。優勝を狙っていたので喜びもひとしおです。厳しい状況でも落ち着いてできたのがよかった。後輩は2連覇をしてほしい」と喜びを語った。
◇準決勝(敬称略)
東大寺学園中(松岡輝真、末浪佑二郎、田畑優)○2−1●攻玉社中(東京)
◇決勝
東大寺学園中○3-0●海城中(東京)
奈良のシカ 最多1465頭 4年連続で増加 愛護会調査

奈良公園に生息する奈良のシカ=奈良市
奈良公園(奈良市)に生息する「奈良のシカ」(国天然記念物)は前年に比べ140頭多い1465頭で、記録のある昭和28年以降で最多であることが奈良のシカを保護する一般財団法人「奈良の鹿愛護会」の調査で分かった。
7月15、16日に調査を行った。雄ジカは前年比で2頭多い315頭、雌ジカは18頭増の816頭、子ジカは120頭増加の334頭。全体の頭数は令和4年から4年連続で増え続けている。同会の施設「鹿苑」で保護されているシカは247頭で、21頭減った。
また、昨年7月から今年6月までに死亡したシカは前年比10頭増の140頭。内訳は雄ジカ30頭、雌ジカ41頭、子ジカ69頭だった。死亡原因で最も多いのは「死因不明」などその他の74頭で、次いで交通事故の36頭、疾病の30頭だった。
シカがからんだ交通事故発生件数は、前年より8件多い72件。県庁東交差点~近鉄奈良駅前が最多で23件、次いで大仏殿交差点~高畑交差点の16件、県庁東交差点~福智院交差点の13件だった。
頭数が増えた理由についてはこれまで新型コロナウイルス禍で減少した観光客が戻り、鹿せんべいをもらう機会が増えたことが一因とも考えられている。
一方、交通事故の発生件数が増えていることを踏まえ、奈良の鹿愛護会は「生まれて間もない子ジカは小さくて見えにくいので、注意して運転していただきたい」と呼びかけている。
夏の高校野球 天理、粘り及ばず初戦敗退

試合に敗れた天理ナイン=甲子園球場(水島啓輔撮影)
第107回全国高校野球選手権大会第2日の6日、県代表の天理は鳴門(徳島)と対戦。暑さ対策で試合開始が午後6時半からのナイターとなり、序盤から1点を争う好ゲームになった。中盤に逆転された天理は懸命の粘りをみせたがあと一歩及ばず、3年ぶり30回目の夏の甲子園は初戦で涙をのんだ。
天理は一回、先頭の冨田の右前打などで一、三塁とし、赤埴が右前適時打で1点を先制。さらに1死二、三塁から内野ゴロの間に2点目を挙げた。二回には吉田の左前打や犠打などで2死二塁。好調の冨田が左越え二塁打を放ち1点を追加した。

【天理―鳴門】二回、適時二塁打を放つ天理・冨田(泰道光司撮影)
先発松村は、コースを狙う丁寧な投球をみせたが四回に2点本塁打で追いつかれる。橋本、長尾の継投で相手打線をかわそうと粘りの投球をみせたが逆転を許した。
2点リードされた七回、四球と犠打などで1死三塁とし、4番永末の犠飛で1点差。九回には、2死から伊藤の四球、赤埴が中前にしぶとく弾き返して一気に逆転のチャンスをつかんだ。三塁側アルプススタンドから「ワッショイ、ワッショイ」と大歓声が響くなか、永末が外野へ大きな飛球を放ったが及ばずゲームセット。最後まで息詰まる熱戦に温かい拍手が送られた。
夏の高校野球開幕、天理の選手たち力強く行進

元気よく入場行進する天理ナイン=甲子園球場(成田隼撮影)
第107回全国高校野球選手権大会は5日、甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕した。開会式では、県代表として、3年ぶり30回目の夏の甲子園出場となる天理の選手たちが力強く入場行進した。
天理は大会2日目の第4試合(6日午後6時45分開始予定)で鳴門(徳島)と対戦する。
被爆医師の思い次世代に 上牧町が8,9日に朗読劇 15日までパネル展も

朗読劇「響け! 長崎の鐘」に出演する町職員ら=上牧町
戦争の悲惨さや命と平和の尊さを知ってもらうため、奈良県上牧町は町文化センターペガサスホールで8、9日、朗読劇「響け! 長崎の鐘」を上演する。長崎原爆で重傷を負いながら被爆者救護に奔走し、多くの人に平和を訴えた医師、永井隆博士(1908~51年)の軌跡を描く。
同町は令和4年から毎年この時期に、職員が「戦争」をテーマにした朗読劇を開催している。今回は総務部の高木真之理事(59)が、永井博士の著書「長崎の鐘」「この子を残して」をもとに脚本を執筆。永井博士の孫で長崎市永井隆記念館長の永井徳三郎さんが監修に当たった。職員だけではなく、町立小学校の児童3人も子役として舞台に上がる。
劇では、放射線医学の研究中に白血病を発症し、余命3年の診断を受けた永井博士が、約2カ月後に長崎原爆で妻を亡くし、自らも被爆しながらも原爆被災者らの救護に尽力する姿を伝える。幼いわが子2人を残してこの世を去らねばならない永井博士の悔しさや、平和への思いも表現している。
永井博士を演じる総務課の大谷湧希さん(29)は「平和の大切さを訴え続けた博士の思いを次の世代につなぐバトンの役目を担っていると思っている。心に響く思いやメッセージを感じてもらいたい」と話している。
上演は8日午後3時からと9日午前11時からで、それぞれ約1時間。入場無料で全席自由席。手話通訳がある。ホール前ロビーでは、長崎や広島の被爆の実相を写真パネルなどで伝える資料展を15日まで開催している(午前9時~午後5時、15日は正午まで。4日と12日は休館)。
問い合わせは上牧町秘書人事課(0745・76・2501)。
県、歳入・歳出ともに増加 令和6年度一般会計決算
県は5日、令和6年度一般会計決算の概要を発表した。歳入・歳出ともに前年度より増加した。翌年度への繰り越し分を引いた実質収支は、前年度より19億円少ない30億円の黒字となった。
歳入は前年度比5・4%増の5814億円。主な財源の県税等は、株式市況の好調などから8・3%増の2307億7千万円。国庫支出金は、新型コロナウイルス感染症対策関連が減少し、14・2%減の700億9千万円だった。
県民の借金に当たる県債残高は8665億円で、ピークの平成26年度から10年連続の減少となった。
歳出は前年度比5・9%増の5765億円。6年度は職員の退職者が多く、退職手当が80・3%増の105億6千万円となった。普通建設事業費のほか医大・病院機構整備等基金など積立金や繰出金などが増加した。
財政状況の指標(速報値)は、借金の割合を示す実質公債費比率が前年度比0・5㌽減少の8・8%となるなど、いずれも健全であることを示す基準をクリアした。
河瀬監督「後進たちを育てたい」 奈良を舞台に若者に映画づくり教えるワークショップ開催
次世代を担う映画人を発掘する「なら国際映画祭 for Youth 2025」(9月21~23日)に先立ち、映画祭の実行委員会は今月7~12日、若者たちが古都奈良の神社仏閣などを舞台に映画制作を体験する「ユース映画制作ワークショップ」を開く。映画祭のエグゼクティブディレクターを務める河瀬直美監督らプロの映像制作スタッフがサポートに入るといい、河瀬監督は「これからの映画にかかわる後進たちを育てたい」と意気込み、参加者を募集している。

同ワークショップは、令和2年から開催。河瀬監督が「関東や世界では美術館でもワークショップが行われ、興味がある分野についてより深く知見を広めるきっかけになっているが、奈良では圧倒的に少ない」と感じたことがきっかけだ。
期間中は、ロケハンから企画・撮影上映までの映画づくりの流れを学んでもらう予定で、河瀬監督は「奈良にはいっぱい、いいものがある。若い人たちが本物に触れる機会を作るとともに、発信する力を培ってもらいたい」と話す。
対象となるのは、13歳~18歳(海外からの参加も可能で高校生まで)。定員は若干名。参加費は3万3千円(交通費・宿泊費は別途必要)。制作した映画は今秋、奈良市内で開かれる「なら国際映画祭 for Youth 2025」のほか、大阪・関西万博の会場内でも公開される。
また実行委は、世界の映画賞の作品などを鑑賞し審査する「ユース映画審査員」や、映画祭の広報・運営に携わり、映画祭づくりの戦略を学ぶ「ユースシネマインターン」の参加者も募集している。「ユース映画審査員」は対象は13~23歳で参加費5500円、定員8人、「ユースシネマインターン」は対象は15~23歳で参加無料、定員7~10人。いずれも申し込みは先着順。
詳細は、なら国際映画祭ホームページ(https://nara-iff.jp/news/3309/)。
「飛鳥・藤原」世界遺産へ民間が後押し 商議所など「応援する会」設立
飛鳥時代の遺跡で構成され、来年の世界文化遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都」(橿原市、桜井市、明日香村)について、民間から登録の機運を盛り上げようと、地元の橿原商工会議所や観光協会などが、「応援する会」を結成した。登録の可否は来年夏ごろに決まるとみられ、会長の佐藤進・同商工会議所会頭は「このタイミングで設立することで、地域や民間の立場からさらに後押ししたい」と意欲をみせている。

世界遺産登録へ意欲をみせる「応援する会」の佐藤進会長(左)と中谷昌紀副会長=橿原市内
世界遺産登録については政府が今年1月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦書を提出し、夏か秋ごろにユネスコの諮問機関「イコモス」の専門家が現地を視察する予定。イコモスの判断を経て、来年夏ごろにユネスコの世界遺産委員会で審議される見込みとなっている。
応援する会は、3市村の商工会議所や商工会、観光協会、近鉄百貨店橿原店で構成し、民間ならではの柔軟な発想やノウハウを生かして活動する。ボランティアガイドの育成や啓発ポスターの掲示、今秋をめどにホームページに特設サイトを設けて市民らの応援メッセージなどを掲載する予定。

飛鳥時代の都の藤原宮跡。奥は香具山=橿原市
7月10日に設立総会が橿原市内で開かれ、会長に選任された佐藤氏は「飛鳥・藤原の地から日本の国が形成されたことを、国内外の人たちに知ってもらえるよう地域全体で応援したい」と述べた。
「飛鳥・藤原の宮都」は国内初の本格的都城の藤原宮跡(橿原市)、飛鳥美人壁画で知られる高松塚古墳(明日香村)、山田寺跡(桜井市)など19の資産で構成されている。
シルクロードの文化交流示す資料 富雄丸山古墳とウズベク出土の虺龍文鏡を同時展示へ

左から「富雄丸山虺龍文鏡」(奈良市教育委員会提供)、「サマルカンド虺龍文鏡」(ウズベキスタン共和国芸術文化振興財団提供)
奈良市は7月31日、奈良国立博物館で令和9年7~8月の開催を予定している姉妹都市のウズベキスタン・サマルカンド市との特別交流展で、富雄丸山古墳(4世紀後半)から出土した国内最大の虺龍文鏡(きりゅうもんきょう、直径19・1㌢)と、サマルカンド市のコクテパ墳墓(紀元前1世紀)で出土した同形の鏡(直径18・7㌢)を合わせて展示すると発表した。シルクロードの文化交流を示す貴重な資料としており、コクテパ墳墓の鏡は日本初公開という。
中国では紀元前の前漢時代、武帝が外交官の張騫(ちょうけん)を西域に派遣して中国と中央・西アジアの文化交流が始まり、シルクロードが開拓されたとされる。ウズベキスタン国内でも前漢の青銅器などが出土し、コクテパ墳墓の虺龍文鏡はシルクロードの開拓時代を物語る資料として国宝級の扱いをされているという。同墳墓はサマルカンド市中心部から約30㌔北に位置し、人骨と金の装飾品があったことから、地位の高い女性が埋葬されたとみられている。
国内で虺龍文鏡が古墳から出土するのは珍しい。市ではシルクロードによるサマルカンド市とのつながりを知り、鏡の対比ができる貴重な機会としている。
交流展は令和9年7~8月の開催が予定されており、市は展示を充実させるため今年9月末までふるさと納税で寄付を募っている。詳細はホームページ。
全国学力テスト 奈良は中学校全教科に課題 小学校はほぼ全国並み
文部科学省が小学6年と中学3年を対象に行った令和7年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が公表された。県内公立の小学校は実施した3教科ともにほぼ全国平均と同レベルだが、中学校はいずれも全国より低く課題がみられた。
調査は4月中旬に行い、小学校178校、中学校94校と義務教育学校、特別支援学校が参加した。
平均正答数は、小学校国語は14問中9・4問、同算数は16問中9・3問、同理科は17問中9・7問で、いずれも全国と同じだった。
中学校国語は14問中7・4問で、全国(7・6問)を0・2、同数学は15問中7・1問で、全国(7・2問)を0・1それぞれ下回った。同理科はオンライン方式による実施で500を基準にしたスコアで表され、全国の503に対し奈良県は492だった。
学習状況調査では、「授業では各教科などで学んだことを生かしながら、自分の考えをまとめる活動を行ったか」との問いで肯定的な回答は中学校で55・6%で、全国の70・6%を大きく下回るなどの結果となった。
県教育委員会は結果を受け、指導を改善するため今後、市町村教育委員会の担当者や教員を対象にした説明会を実施する。県教委の担当者は「小学校は全国とほぼ同じような分布だが、中学校は正答が少ない生徒の割合が高い傾向がみられる。今後分析を進め、各校で指導できるよう県として方向性を示したい」と話している。
奈良「正論」懇話会詳報 なぜ石破首相は退陣しないのか 有元特別記者

「参院選後の政局」をテーマに開かれた奈良「正論」懇話会の講演会=奈良市
奈良市で28日に開かれた奈良「正論」懇話会の第96回講演会。「参院選後の政局」と題して講演した産経新聞特別記者の有元隆志氏は、参院選で自民、公明両党が大敗した原因を「保守層の期待を裏切っている」と断じた。自民党内で退陣要求が高まりながらも石破茂首相が続投に意欲を示す理由やポスト石破の見通しを語り「自民党を立て直し、安全保障や国内の諸課題への対策に早急に取り組まなければならない」と主張した。詳細は次の通り。
◆保守層への裏切り
参院選の比例代表の結果を見ると、自民、公明は大幅に票を落とし、共産党は日本保守党に負けた。日本維新の会は踏ん張ったが国民民主党、参政党を下回ったのが衝撃的。自民の選挙は支持層を固めないと勝てないが、大幅に減って参政や国民に流れている。
日本会議は7月24日付の声明で「リベラル化した自民に対し、保守層がノーを突き付けた結果」としている。本来、保守層が期待している憲法改正や外国人による土地買収の規制などを進めず、「LGBT理解増進法」を制定し、夫婦別姓の議論を進めようとしている。日本会議は「保守政党の中核としての矜持(きょうじ)を取り戻し、果断に国家政策を提案し実現することが党再生の道筋」としている。まさにその通りだ。
石破首相と国民意識との乖離(かいり)がひどい。「官邸病」にかかっていて、自分がやらなければ国が成り立たないと思い込んでいる。
石破政権の迷走は参院選直前に決めた国民1人当たり2万円給付だ。選挙向けのばらまきが見え見え。財務省寄りの立憲民主党の野田佳彦代表ですら食料品の消費税率0%を打ち出し、維新、国民なども消費税に手を付けろと言っているのに、石破首相は森山裕幹事長に止められて消費税に手を付けなかった。
これは森山氏が自民党税調のドンと呼ばれ、消費税導入を進めた故・山中貞則氏の議席を引き継いだことに理由がある。
石破氏は参院選でにっちもさっちもいかなくなって給付金を打ち出したが、評判を落とした。
◆石破首相が退陣しない理由
石破首相は8月15日の戦後80年の談話をやりたいと周辺に語っている。戦後70年で安倍晋三元首相が出した談話を上書きしようとする思惑ではないか。
安倍元首相の談話は侵略、おわびに言及しているが、一番言いたかったのは謝罪を次世代に背負わせないことだ。だが石破首相は「なぜあの戦争にわが国は突っ込んでいったのか。もう一度歴史に謙虚に学び、日本の平和は尊い犠牲の上にある、そのことに思いをいたしたい」と語り、戦争責任にこだわっている。
石破首相が懸念するのは8月15日に談話が出せなくなること。だから8月下旬まで引きずっているのではないか。
◆ポスト石破
昨年の総裁選に立候補したメンバーをみると有力候補は高市早苗氏だと思う。
安倍元首相が殺害され、昨年の総裁選は旧安倍派が政治とカネの問題でガタガタになって、高市氏は推薦人20人を集めるのにも苦労した。ところが地方遊説は非常に反応が良かった。党員・党友票は石破首相を上回って1位だった。
当初最有力とみられていた小泉進次郎氏は国会議員票は1位だが、党員・党友票は2人に差を付けられた。小泉氏の敗因は、最初の会見で選択的夫婦別姓に決着をつけると言い出したこと。再び総裁選に出ても夫婦別姓などに言及すると自民から票がはがれる。
日本を取り巻く安全保障環境は危うい。中国は軍備を増強し、北朝鮮は核開発だけでなく、ウクライナで実戦経験を積んでいる。自民は党を立て直し、安全保障や国内課題への対策に早急に取り組まなければならない。それが日本を立て直すことになると思う。
近鉄大和高田駅開業100周年 市内3主要駅で鉄道写真など展示
大和高田市の近鉄大和高田駅が開業100周年を迎えたのを記念した「なつかしの鉄道写真展」が同市西町の市立図書館で開かれている。同駅、近鉄高田市駅、JR高田駅の市内主要3駅などの貴重な写真約80点が展示されている。

近鉄大和高田駅など3駅の貴重な写真を集めた「なつかしの鉄道写真展」=大和高田市
同市のまちづくりボランティア団体「夢咲塾(ゆめさきじゅく)」が主催し、同図書館が協力して開催。写真は同市や元市職員の鉄道愛好家、夢咲塾が提供した。
近鉄大和高田駅は大正14年に大阪電気軌道の高田駅として開業し今年で100周年を迎えた。現在は近鉄大阪線の駅として利用されている。写真展では、昭和年代とみられるホームの写真が展示されており、「榛原」「大阪」と書かれた電車と、通勤時とみられるスーツ姿の人や制服の女子生徒が写っている。

昭和20年代の近鉄高田市駅の駅舎。旧字体の「驛」と書かれている
また近鉄高田市駅では、昭和20年代の駅舎とその周りの制服姿の男子生徒をとらえた写真を展示。駅名の看板は旧字体の「驛」と記されている。JR高田駅関連では、3つの車輪で走る「オート三輪」が停車した国鉄時代の駅の写真や、人々で混雑する駅前の商店街の写真などが展示されている。
夢咲塾企画委員で元市職員の阪本昌敏さん(66)は「大和高田の発展に寄与した鉄道の歴史を知ってほしい」と話している。
8月13日まで。無料。同図書館は月曜休館(祝日の場合は火曜休館)。


































