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大和郡山城で凧揚げ 厩跡広場を特別開放

凧揚げを楽しむ園児たち=大和郡山市


 大和郡山市は22日、郡山城跡にある「厩跡広場」を市立郡山西幼稚園の園児らに特別開放した。園児らは元気いっぱいに広場を駆け回り、空高く凧を揚げた。
 大和郡山市は城跡の一部で公園の整備を進めており、厩跡広場は今年11月にオープンする予定。この日は、郡山西幼稚園の園児と保護者の計約50人が参加。手作りの凧を揚げ、思い思いの時間を過ごした。
 長女の莉子ちゃん(4)とともに参加した会社員、服部廉さん(26)は「凧揚げは生まれて初めてでしたが、高く上がったので父親の面目躍如。風が気持ちいいですね」と笑顔を見せた。
 木下育子園長は「新型コロナウイルス下で子供たちの外遊びが減っている中で、今日の体験は大きな学びにつながる」と期待を込めた。

スケボー盛り上げに専用施設 奈良市、今夏オープン

スケートボード施設の完成予想図


 東京五輪で正式種目に採用されたスケートボードの人気の高まりを受け奈良市は今夏、ロート奈良鴻ノ池パーク(鴻ノ池運動公園、法蓮佐保山)の北側に専用施設を開設する。
 建設は今月中旬から始まっており、敷地面積は約2千平方㍍。子供たちが安心して練習できるビギナーズコースや、障害物を設置し本格的な練習も可能なプレーヤーコースなど、熟練度に応じた4コースを設ける。
 市外の愛好家や夜間の利用も可能にする予定で、管理施設ではスケートボードのレンタルや販売も行う。近隣には来夏にホテルとして開業予定の旧奈良監獄(重要文化財、般若寺町)もあり、市の担当者は「新設するパークとにぎわいの相乗効果も期待したい」と話す。

橿原線100周年 近鉄が記念イベント

畝傍線(現在の橿原線)全線開通時の橿原神宮前駅(近畿日本鉄道提供)


 近畿日本鉄道は、橿原線の全線開通から3月で100年となるのを記念し、式典やツアーなどの関連イベントを開催する。オリジナルのヘッドマークをつけた列車の運行などで、記念ムードを盛り上げる。
 大和西大寺駅と橿原神宮前駅を結ぶ橿原線は、大正12年3月21日に全線開通した(当時は畝傍線)。現在は奈良から大阪や京都、三重方面へ向かう連絡ルートとして、利用客が多い。
 全線開通100年の記念式典は、来月21日に大和八木駅で開催。翌22日から4月9日まで沿線の中・高校生がデザインした100周年記念ヘッドマークをつけた列車を運行する。
 さらに団体貸し切り専用車両「あおぞらⅡ」によるミステリーツアー(3月21日)のほか、特急「ひのとり」に乗車して橿原線を巡るツアー(4月8日)も開催。
 近鉄百貨店橿原店では3月15日~6月14日にキーホルダーなどの記念グッズを、橿原神宮前、天理、大和八木の各駅では3月21日~31日に記念入場券をそれぞれ販売する(いずれも売り切れ次第終了)。
 ツアーは事前申し込みが必要。問い合わせは、近鉄旅の予約センター(06・6775・3636)。

日本酒の良さ知って 新成人にプレゼント

梅乃宿の吉田佳代社長(右)と目録を手にする「二十歳の集い」実行委員会のメンバー=葛城市


 若者に日本酒のおいしさを知ってもらおうと、梅乃宿酒造(葛城市)は、1月に同市内で開かれた式典「二十歳の集い」に参加した新成人に、日本酒の引換券を贈呈した。
 取り組みは令和3年から始め、今年で3回目。辛口の「葛城 純米大吟醸」の引換券を、新成人を代表して式典の実行委員会メンバーが受け取った。今後、式典参加者325人に送付する。
 実行委の大学2年の中村陽紀さんは「家族や親類など近しい人が集まったときに、この一本を飲みたい」。奈良高専5年の池田滉さんも「両親が地酒が好きなので家族で楽しみたい」と喜んだ。
 吉田佳代社長は「初めての一杯はずっと記憶に残るものなので、おいしい日本酒を飲んでもらいたい。若者の日本酒離れが進む中、取り組みが全国の酒蔵に広がればうれしい」と話した。

サッカー奈良クラブ ラッピングポストで応援、三郷町

クラブカラーに彩られたポストに手紙を投函する奈良クラブの平松遼太郎選手=三郷町


 今季からサッカーJ3に参入する奈良クラブの新たな練習拠点「ナラディーア」が三郷町に開設されたことを記念し、同町は奈良クラブのエンブレムなどがデザインした郵便ポストの設置を進めている。3月上旬までに町内11カ所に設置する予定。
 デザインは8パターン。ポスト全体をクラブカラーの青と赤で彩り、クラブのロゴやエンブレム、ユニフォームを着た同町イメージキャラクター「たつたひめ」などをあしらった。側面には「三郷町」にちなんで、「35」の数字も。
 同町の森宏範町長は「昨年にJリーグ昇格、JFL(日本フットボールリーグ)優勝を果たした奈良クラブを、町が一体となって力を込めて応援していきたい」と話す。
 三郷町役場前でのポスト除幕式では奈良クラブの浜田満社長が「身近な郵便ポストがラッピングされてうれしく思っている。8種類の異なるデザインを楽しんでもらいたい」とあいさつ。平松遼太郎選手は「新たな舞台で駆け上がり、スポーツで県全体を活性化していきたい」と意気込みを語った。

東大寺お水取り 新大導師と新入が「試別火」入り

別火坊に入る新入の上司永観さん=東大寺


 東大寺二月堂の修二会(お水取り)で参籠する練行衆(れんぎょうしゅう)11人のうち、新大導師の森本公穣さんと初めて籠る新入(しんにゅう)の同寺上院詰、上司永観さんが15日、他の練行衆より5日早く同寺戒壇院に設けられた別火坊で前行前半の「試別火(ころべっか)」に入った。他の練行衆は20日に試別火入りする。
 別火では、火打ち石で起こした新たな火を使って生活し、心身を清める。お経に節をつけて唱える「声明」の稽古をしたり、本尊に供えるツバキの造花を作ったりし、3月1日から2週間にわたる本行に備える。

飛鳥大仏をポスターに 奈良の歴史・文化PR


 県は「飛鳥大仏」として知られる飛鳥寺(明日香村)の本尊・釈迦如来坐像(重要文化財)を紹介する「奈良大和路仏像ポスター」を製作した。
 県は昭和29年から、国宝や重要文化財の仏像を取り上げてポスターを製作している。今回の飛鳥寺の釈迦如来坐像は、飛鳥時代の名工、鞍作鳥により造られ、国内最古の仏像とされる。撮影は写真家、三好和義さん。
 ポスターはJR西日本と近鉄の主要駅などで掲示するほか、県ビジターズビューロー(0742・23・8288)と奈良市総合観光案内所(0742・27・2223)で販売する。1枚1千円で限定100枚。

コロナ終息・世界平和祈り 橿原神宮で「紀元祭」

神前に供える御幣物を運ぶ勅使の一行=橿原神宮


 「建国記念の日」の11日、神武天皇を祭る橿原神宮(橿原市)で「紀元祭」があり、国家や世界の平安を願い、厳かに神事が執り行われた。
 紀元祭は、初代の神武天皇が橿原宮で即位した日にちなみ毎年行われている。例年全国から4千人を超える参列者が集まっていたが、新型コロナウイルスの影響で令和3、4年はそれぞれ30人限定で行うなど大幅に人数を制限。今年は県内の崇敬者限定で900人が参列した。
 儀式は内拝殿で行われ、神前に供える御幣物を運ぶ天皇陛下の勅使を迎え、4人の巫女が神楽の扇舞を奉納。陸上自衛官でソプラノ歌手の鶫真衣さんが君が代の独唱を披露した。
 同神宮の久保田昌孝宮司は「コロナ禍やウクライナの戦火が終息し、国内外が平和になるよう祈りたい」と語った。

マンホールの魅力、Tシャツに 生駒市と斑鳩町

各地のマンホールをモチーフにしたTシャツを作り続ける足立拓海さん=斑鳩町


 各地のマンホールをモチーフにしたTシャツを作り続けているアパレルブランド「JAPAN UNDERGROUND」(京都市)が、生駒市と斑鳩町のマンホールTシャツを製品化した。地域の土産物店などで販売する。代表の足立拓海さん(26)は「地域ごとに特色があり、デザイン性に富んだマンホールの魅力をアピールしたい」と話している。
 足立さんは同志社大3年のときにイギリスへ留学し、その後南米やアフリカなど世界40カ国をバックパッカーとして旅した。帰国した際、足元にあったマンホールのデザインにひかれた。「世界各地を旅しても日本のマンホールのように地域をPRするものはない。日本が世界に誇れる文化といえるのでは」
 大学卒業後、専門商社を経て、令和3年7月にブランドを立ち上げ。使用許可を受けて小樽市や東京都などの自治体のマンホールTシャツを次々と製作した。今月1日に生駒市、斑鳩町に進出。同町の担当者は「わが町自慢のデザインがTシャツになることはとてもうれしい」と喜んだ。
 47都道府県のマンホールTシャツの完成を目指すという足立さん。「地域の魅力をPRするこの取り組みは、地方創生にもつながるはずだ。Tシャツを手に取り、その地を実際に訪れてみたいと思ってもらえたらとてもうれしい」と意気込む。
 TシャツはS、M、L、XLの4サイズ。色は白と黒の2色。税込み4100円。各地の土産物店などで取り扱うほか、同社ホームページ(https://japanunderground.shop/)でも販売する。

おかねの作文で文部科学大臣賞 三郷中の藤本瑛亘さん

表彰を受ける三郷中1年の藤本瑛亘さん(左)=三郷町


 中学生がお金についての考えをつづる「第55回 おかねの作文コンクール」(金融広報中央委員会主催)で、三郷町立三郷中学1年の藤本瑛亘さんの「あの時五千円を財布から出していたら」が文部科学大臣賞に選ばれた。
 家族旅行で毎年沖縄を訪れていた藤本さんは、沖縄のシンボルである首里城が令和元年の火災で焼失したことに心を痛め、復興を支援する募金に寄付することを決意。ためていたお小遣いから5千円を出そうと考えた。だが、母親から「自分で努力して得たお金から出す方が大切」と言われ、家族の布団を畳むなど1回につき10円の手伝いをしてためたお金を寄付した。作文では、お金を稼ぐことの大変さや両親への思いがつづった。
 表彰式で藤本さんは「多くの人に広く知ってもらい、首里城修復の支援金が少しでも集まったらうれしい」と話した。1回10円の手伝いは今も続けており、ためたお金は家族旅行で沖縄を訪れた際に寄付するつもりだという。

バレンタインには「身体にいいスイーツ」を 帝塚山大生らが開発

開発した焼き菓子をアピールする学生たち=奈良市


 バレンタインデーに合わせ、帝塚山大の学生たちが奈良市内のハトムギ専門店と連携して、卵やバターなどの動物性食材を使わない焼き菓子を共同開発した。カロリーが気になる人やヴィーガン(菜食主義者)にも食べてもらいたいという。学生たちは「食べる人を笑顔にするスイーツ。バレンタインを楽しんでもらいたい」と話している。奈良市の近鉄百貨店奈良店で14日まで販売している。
 開発に携わったのは、同大現代生活学部食物栄養学科の1、2年生10人と、ハトムギを使用した食品や健康食品を展開する「はとむぎの杜」。学生たちは、昨年9月から同社のハトムギ畑を見学したり、アンケートで学生に人気の高い菓子を調査したりして、テーマを「身体によいスイーツ」に設定。ハトムギ粉と小麦粉、豆乳、ココアなどを使って仕上げた。
 チョコレートマフィン、マドレーヌ(抹茶味・イチゴ味)、フィナンシェ、パウンドケーキの5種類で価格はそれぞれ240~380円(税抜き)。パッケージデザインは1年の松原真理奈さんが担当し、大仏やシカなど奈良らしいイラストをあしらった。期間中、各日各種個限定で近鉄百貨店5階「奈良に良し」コーナーで販売している。
 チームリーダーの2年、丸谷香奈さんは「罪悪感なく味わえる、ナチュラルで身体にやさしいスイーツが出来上がりました」と満足した様子。2年の安田早織さんも「サイズが少し大きめなので食べ応えもあります」とアピールする。3月に生駒市内にオープンする「はとむぎの杜 東生駒店」でも、学生たちが開発したスイーツを取り扱う予定だ。

大和郡山にバスケ新コート バンビシャス公式戦に

整備されたばかりのコートで感覚を確かめるバンビシャス奈良の三森啓右選手=大和郡山市


 大和郡山市は総合公園多目的体育館(金魚スクエア)にバスケットコートを整備し、報道陣に公開した。令和5年度から、プロバスケットボールチーム「バンビシャス奈良」が公式戦会場として使用する。
 ロート製薬(大阪市生野区)から企業版ふるさと納税を受け、整備費に充てた。床を磨いて塗装を施し、取り外し可能なゴール用金具を新たに設置するなどした。
 コートでは早速、バンビシャス奈良の三森啓右選手がダンクシュートを次々と披露。チームの加藤真治社長は「豪快なプレーができるコートはとてもうれしい。迫力あるプレーを観客にお見せできる」と喜んだ。
 バンビシャス奈良は主にロートアリーナ奈良(奈良市)で公式戦を行い、金魚スクエアを使用するのはシーズン中に1、2試合となる見込み。市の担当者は「市内のバスケットボールチームに所属する子供たちにも活用してもらいたい」と話している。

記憶力大会に300人 大和郡山で3年ぶり開催

ボードゲーム「ブロックス」で戦術を競う参加者ら=大和郡山市


 並外れた記憶力で古事記の編纂に貢献した稗田阿礼にちなんだ「第17回記憶力大会」(同実行委主催)がDMG MORIやまと郡山城ホールで開かれた。イラスト記憶や間違い探しなどに約300人が挑戦した。稗田阿礼は現在の大和郡山市稗田町出身とされる。大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が続いていたが、3年ぶりの開催となった。
 フランス発祥の陣取りゲーム「ブロックス」による「頭脳スポーツの部」に知人とペアで出場した大和郡山市立郡山西中学校1年の藤谷佳穂さんは「大会を心待ちにしていた。ダブルスは相手に対する信頼関係が大事で楽しかった」と話していた。
 頭脳スポーツの部の審判長を務めた山梨学院大のウィリアム・リード専任教授は「出場する皆さんからパワーをもらいました」と笑顔を見せた。

ウクライナ支援に3万足 靴下のまち・広陵町から

支援の靴下の発送に立ち会う山村吉由町長(右)ら=広陵町


 ロシアによる侵攻で、避難生活を余儀なくされているウクライナの人々を支援しようと、「靴下のまち」で知られる広陵町が町民や町内の事業者などから募った靴下を現地に送った。厳しい冬の寒さを少しでも快適に過ごしてもらいたいと呼びかけたところ、約3万足が集まった。駐日ウクライナ大使館を通じて船便で現地に届けられる。
 きっかけは、山村吉由町長のもとに昨年11月に届いた一通のメールだ。「町の地場産品である靴下を送りたいが、一人の力では限界がある。町をあげて協力できないだろうか」
 送り主は、同町に住む会社員の女性。インターネットに投稿された動画で、ウクライナの人々がマイナス20度の極寒の中、暖房も使えず不便な思いをしていることや、ウクライナの兵士が濡れた靴下をしぼって履いているのを知ったことがきっかけだった。
 メールを受け、町が駐日ウクライナ大使館に問い合わせたところ、現地で日常生活品が不足していることが分かった。町は同町靴下組合や同町商工会にも協力を呼びかけ、靴下を現地に送るプロジェクトを始めた。
 1月13日から同31日にかけて、町役場や図書館など町内の11施設に靴下を入れる箱を設置。支援の輪は口コミなどで町内だけでなく県外にも広がり、約3万足の靴下が集まった。
 今月1日、ボランティアや担当職員が靴下を仕分けしながら荷造り。箱には、ウクライナの国花であるヒマワリが町の花でもあることにちなんで英語とウクライナ語で「ひまわりの町からひまわりの国へ」と書いた。
 山村町長は「電気やガスが不足しているウクライナの人々が、我が町の靴下をはいて寒い冬を乗り越えてもらえたら」。自身も靴下を寄付したという女性は「多くの人がプロジェクトに賛同してくれたことをとても嬉しく、誇りに思う」と話した。

バドミントン、メダリストが次世代発掘 橿原に小学生向けアカデミー 

子供たちの動きをチェックする高橋礼華さん(中央右)と藤井瑞希さん=橿原市


 2016年リオデジャネイロ五輪バドミントン女子ダブルス金メダリストで、橿原市出身の高橋礼華さんが、次世代の選手育成を目指して4月からスタートするバドミントンアカデミー「M|BASE」の第1期生セレクションが、同市の曽我川緑地体育館で行われた。県内の小学2~5年の29人が参加し、高橋さんの前で日ごろの練習の成果を披露した。
 地元・奈良のバドミントンの実力の底上げにつなげようと高橋さんは、自身の名前を冠した小学生向けの大会「高橋礼華ドリームカップ」を昨年から橿原で開催するなど、ジュニア世代の育成に力を入れている。
 アカデミーは、2012年ロンドン五輪女子ダブルス銀メダリストの藤井瑞希さんと計画。セレクションを通過した子供たちを対象に、4月から月に1度程度、1年間にわたって指導にあたる。
 セレクションでは、高橋さんが準備運動や練習の時間から子供たちの様子を精力的にチェック。男女混合で行われた試合では、藤井さんとともに体育館の2階に上がり、プレーを見ながらメモをとるなど、熱心に見入っていた。
 終了後、高橋さんは「奈良のバドミントンのレベルを上げ、1人でも多く全国で戦える選手を出したい」と語った。セレクションの合否は2月中旬ごろ決定する。

奈良高専生と下宿をマッチング 大和郡山リゾデールが始動

「大和郡山ソリデール」について説明を受ける地元住民ら=大和郡山市


 大和郡山市は令和5年度から、高齢者宅の空き部屋を国立奈良工業高等専門学校(同市)の学生向けの下宿にする「大和郡山ソリデール」を始める。県内では初めての取り組み。高齢者と学生らが互いに助け合う仕組みを目指す。
 「ソリデール」はフランス語で「連帯の」を意味し、2004年にパリで始まった下宿サービス。日本では学生の多い京都府などが取り入れている。部屋を貸し出す高齢者にとっては孤独や日常生活の不便の解消、借りる学生側には家賃が低く抑えられることや、通学時間の短縮、他の人と暮らす経験などのメリットがあるという。
 奈良高専は、学生1020人のうち通学に片道2時間以上かかる学生に寮を提供しているが、定員は約130人。関西圏以外からの入学が増えており、3~4年後に学生寮が定員超過になる見通しで、大和郡山ソリデールは新たな受け皿として期待される。
 学生は18歳以上、受け入れ側は世帯構成員全員が歳以上で、要介護ではなく自立していることが条件。希望する学生は高専、高齢世帯は市に登録するとマッチングが行われ、1週間試験的に同居をした後に双方の合意を得てから本契約となる。
 1月28日に開かれた説明会には、近隣の住民や学生など計約30人が参加。京都府でのソリデールの様子が紹介された後、市の担当者が事業について説明した。同山市出身で京都工芸繊維大(京都市左京区)の学生時代に2年間ソリデールを活用した会社員、岡本和哉さんは、「血縁でもなく友人でもない人と生活を共にした経験は大きな財産。就職活動などでも相談に乗ってもらった」と振り返った。
 一方、地元・東城自治会の介護職、大橋康清さんは「同居は互いの信頼関係がないと成り立たない。実際にマッチングがうまくいくか、希望者がいるのかは分からないが、新鮮な取り組みだ」と興味を示す。
 市は学生を受け入れる世帯に光熱費の一部として月5千~1万円程度を補助する。家賃は月1万~2万円程度。今年4月から希望者の登録が始まり、8月以降事業が本格的にスタートする予定。

曽爾高原のススキを守ろう 村が魅力アピール

かやぶき屋根をつくるために刈ったススキを束ねる児童たち(曽爾村役場提供)


 曽爾高原で生育するススキを守ろうと、曽爾村が地域住民とともに魅力のアピールに乗り出した。茅葺き屋根の小屋を作るワークショップを子供たちのために開催。今年度は村外の人を呼び込むための体験ツアーなども計画している。
 曽爾村は昭和のころから茅葺き屋根用のススキを育て、収穫する茅場として栄えた。太良路地区にはススキの出荷組合があり、地域の民家のほか、伊勢神宮など村外の文化財にも活用されてきた。
 十数年前に、組合員の高齢化やススキの生育不良により組合が解散。以降、ススキの保存活動は地域住民有志が担っている。
 同村は地元の子供たちにススキの良さを知ってもらおうと、国立曽爾青少年自然の家と1月20、21日にワークショップを開催。曽爾小中の4~7年の児童生徒約30人が、神戸市の茅葺き職人、相良育弥さん(43)の指導を受けながら、鎌で刈り取ったススキで、茅葺き小屋を完成させた。
 子供たちは小屋の中に入って「意外と暖かい」と喜んだ。同村で生まれ育ち「子供のころは高原は格好の遊び場だった」という寺前健史さん(61)は「ワークショップがススキに関心を持ってもらうきっかけとなる」と期待する。
 さらに同村は来年度以降、地域住民や国立青少年自然の家とともに、茅刈りや茅葺き屋根作りの体験ツアーを開催する予定。村外の茅葺き職人らにススキを提供することも検討している。
 同村の担当者は「ヨーロッパで茅は屋根以外にも、室内装飾のインテリアとして受け入れられている。高原に広がるススキの風景を守るためにも、多くの人に曽爾村のススキにふれてもらい、認知度を高めたい」と話している。

奈良クラブ新拠点「ナラディーア」完成 三郷町

完成したクラブハウスの前で撮影に応じる奈良クラブの選手ら=三郷町


 サッカーJリーグに昇格し、今季J3初挑戦となる奈良クラブの新拠点「ナラディーア」が三郷町に完成した。選手らが寝泊まりするクラブハウスは、トップ選手と育成選手の距離が近くなるよう設計され、双方の交流を通じて育成チームのレベルアップを目指す。
 奈良学園大の跡地(約5万平方㍍)を活用して昨年5月に着工し、今年1月26日に第1期工事が完成した。今年度中に着工予定の第2期工事と合わせ、総工費は約7・4億円の見込み。拠点名「ナラディーア」は、公募で選ばれた長崎市の会社員、吉岡浩幸さんの案で、奈良の「鹿(ディアー)」と「愛しい(ディアー)」をかけている。
 主な施設は、人工芝のサッカー場2面とフットサル場1面、クラブハウス(約1200平方㍍)。クラブハウスはロッカーやシャワー室のほか、中高生の育成選手用の寮部屋や県内外からの対戦相手用の合宿部屋を備えている。
 グラウンドで練習するトップ選手らを眺められるよう寮部屋の窓を大きくしたり、食堂でトップ選手と育成選手が一緒に食事がとれるようにしたりと、育成選手がトップ選手と交流できるような工夫も凝らしている。グラウンドは一般向けに時間貸しするほか、スポーツ教室なども実施する予定。
 奈良クラブの浜田満社長は「沢山の方々がグラウンドに集い、将来ワールドカップに出場するような選手が出ることを期待したい」と抱負を述べた。今春から同施設に入寮予定の中学3年、正司珀天さん=岡山市=は「間近でプロの選手を見られるので自分に足りない点に気付けそう。施設もきれいでサッカーに集中できそうです」と話した。

お水取り「籠松明」3年連続非公開 東大寺

 東大寺(奈良市)は、「お水取り」の名で知られる二月堂の修二会について、新型コロナウイルス対策を発表した。二月堂に3月1~14日に上がる「お松明」のうち11日と、ひときわ大きな「籠松明」が登場する12日は非公開とし、他の日の拝観も混雑回避のため人数制限する。コロナ対策で籠松明が非公開となるのは令和3年から3年連続。
 お松明は、夜の行を勤めるため二月堂に向かう練行衆と呼ばれる僧侶の足元を照らす道明かり。その荘厳な炎を見ようと二月堂周辺には、例年コロナ前の多い日で1万人以上が訪れた。
 今回は土曜日の11日は午後5時半以降、12日は午後4時以降、二月堂周辺の設定区域にとどまることはできない。他の日は基本的にお松明を見ることはできるが、二月堂周辺の拝観者が一定数以上になれば第2拝観所に誘導する。具体的な人数については感染状況などをみながら決める。また、練行衆が行を勤める二月堂内へは全期間入ることができない。

30人が警察官へ第一歩 県警察学校で卒業式

卒業証書を受け取る斎藤大龍巡査=奈良市


 県警察学校の初任科長期課程の卒業式が26日、奈良市南永井町の同校体育館で行われた。同日付で30人(男性26人、女性4人)が県内10署に配属され、警察官としての第一歩を踏み出した。
 30人は昨年4月から約10カ月間、法律や逮捕術など警察官として必要な知識と技能を学んできた。
 式で安枝亮本部長は「初心を忘れることなく、一日も早く大きな戦力となることを祈念する」と訓示。その後、総代の斉藤大龍巡査が「自覚、誇り、使命感を持って精一杯努力することを誓います」と答辞を述べた。
 亀田沙耶佳巡査は「常に相手の立場に立って考え、温かく思いやりのある警察官になりたい」と意気込みを話した。

在宅医療の最前線描く 映画「明日香に生きる」完成

ドキュメンタリー映画「明日香に生きる」の1シーン。介護を受けながら孫と対面する男性(ディンギーズ提供)


 移り変わる明日香村の四季を背景に、在宅医療に携わる医師らと患者、その家族との交流を描いたドキュメンタリー映画「明日香に生きる」(製作・配給‖ディンギーズ)の完成披露試写会が、県立万葉文化館(同村)で開かれた。「いのち」と向き合う医療介護の現場を追い続けた作品に、集まった村民ら約200人は真剣な表情で見入っていた。
 高齢者医療や終末期医療をテーマにした作品を手掛ける生駒市在住の映画監督、溝渕雅幸さんが制作した。舞台となったのは同村国民健康保険診療所。令和3年月から約1年かけて診療所の武田以知郎医師らの姿を追った。
 映画では、人生の終わりを自宅で迎えたいと願う患者や家族に寄り添いながら訪問診療を続ける武田医師ら医療スタッフたちの姿を、明日香村の日常の風景なども織り交ぜながら描写。予防接種で診療所を訪れるたびに成長していく乳児の姿も記録され、明日香で暮らすさまざまな人の「いのち」と向き合う診療所の医師たちの姿が映し出されている。
 試写会終了後に行われたトークショーで武田医師は「若い世代が医療介護に魅力を感じ、後に続いてもらう地域作りを明日香で見せていかないといけない」と指摘。溝渕監督は「医療介護は持続性が重要。人が代わっても次の人につないでいける仕組みづくりが大事だ」と語った。

 「明日香に生きる」は2月24日から橿原市のTOHOシネマズ橿原、3月31日から京都市の京都シネマで上映。その後、全国でも順次公開される。

2年ぶりJR臨時特急「まほろば」運行 3月から奈良ー大阪間

特急「まほろば」の運行で使用される「287系」(JR西日本提供)


 JR西日本は、3月に大阪駅北側の「うめきたエリア」に地下ホームが開業するのに合わせ、大阪駅・新大阪駅と奈良駅を結ぶ期間限定の臨時特急「まほろば」を運行する。3月25日~6月11日の土日・祝日(ゴールデンウイークなどを除く)に1日1往復運行する。
 運行は令和2年以来、2年半ぶり。JR西の特急「くろしお」や「こうのとり」などで使用されている「287系」を使い、3両(約180席)編成で運行する。全席指定席。
 往路は午前9時58分に大阪駅を出発し、同10時56分に奈良駅に到着。復路は午後5時41分に奈良駅を出発、同6時43分に大阪駅着。いずれも新大阪駅に停車する。
 乗車券のほかに特急券が必要で、窓口では大人は片道1730円だが、JR西の予約サイトからは860円で購入できる。1カ月前から購入可能で、2月25日から販売を開始する。
 同社の担当者は「この機会に多くの人に文化財をはじめとした奈良の魅力に触れてもらい、奈良観光が盛り上がってほしい」と話している。

「笹酒」で健康長寿祈願 大安寺

参拝者に笹酒を振る舞う着物姿の女性ら=奈良市の大安寺


 奈良市の大安寺で23日、青竹の筒に入れた「笹酒」を飲み、健康長寿を祈願する「光仁会・笹酒祭り」が行われた。
 奈良時代に、光仁天皇が境内に生えていた竹に酒を入れて飲み健康を保ったという故事にちなむ行事。過去2年間は、新型コロナウイルスの感染防止のため参拝者に酒を持ち帰ってもらっていたが、行動制限が緩和された今年はその場で飲めるようになった。
 竹筒に入れて温めた笹酒をビニールカーテン越しに提供。参拝者は竹製の杯で飲み、健康を願った。名古屋市から訪れた男性は「初めてきたが、笹酒はおいしかった。がん封じをお願いしました」と話していた。

「春日権現験記」の燈籠復元 春日大社

本宮神社遥拝所横に設置された燈籠(春日大社提供)


 春日大社(奈良市)の摂社、若宮神社の20年に1度の修理「式年造替」を記念し、鎌倉時代の「春日権現験記絵」で本社から若宮に続く参道「御間道」に描かれた燈籠2基が復元された。2月3日の「節分万燈籠」などで点灯される。
 鎌倉時代後期から奉納された燈籠が並び始め、参道に燈籠を並べる習慣が全国に広がったとされる。そのきっかけになったと考えられる2基は今はないが、春日権現験記絵第16巻にその姿が描かれている。
 今回復元し2基のうち1基は本宮神社遥拝所横にもう1基は一童社前に設置。春日大社の担当者は「春日大社の燈籠の歴史を伝える重要な燈籠を復元したので、ぜひご覧いただきたい」と話している。

高円宮久子さま 春日若宮をご参拝

春日若宮に参拝し、説明を受けられる高円宮妃久子さま


 高円宮妃久子さまは19日、20年に1度の修理「式年造替」が完了した春日大社(奈良市)の摂社、若宮神社を参拝し、大社国宝殿などで開催中の現代美術作家、杉本博司さん監修の特別展を視察された。
 大社によると、久子さまが春日若宮を参拝されるのは初めて。この日は、修理により色鮮やかによみがえった若宮本殿の前で拝礼し、花山院弘匡宮司から説明を受けられた。
 特別展は「春日神霊の御生 御蓋山そして江之浦」と題して開かれ、春日信仰の古神宝や杉本さんの作品を展示している。若宮神楽殿でも、写真を屛風に仕立てた杉本さんの作品を展示しており、久子さまは杉本さんの話を聞きながら鑑賞された。

太鼓の達人と演奏 天理・柳本小でワークショップ

指導を受けながら、和太鼓をリズミカルにたたく児童たち=天理市


 国内外で活動する「和太鼓グループ彩|sai|」が、天理市立柳本小学校で太鼓演奏を指南するワークショップを開いた。特別支援学級の児童14人が参加し、迫力ある太鼓の音を楽しんだ。
 グループメンバーの酒井智彬さんが和太鼓の歴史や特徴について説明。舞台の上で斎英俊代表が演奏の手本を示した後、児童たちが宮太鼓や桶胴太鼓などをバチで元気よくたたいた。
 6年生の男児は「音が大きくてお腹に響いた。太鼓の音で元気な気持ちになる。またやりたい」とにっこり。斎さんは「太鼓は難しい指使いなどもなく、誰もが音を出せる楽器。日本の伝統楽器の楽しさを感じてもらいたい」と話している。

今年のできばえは? 大和郡山でイチゴ品評会

出品されたイチゴの色つやなどを審査する人たち=大和郡山市


 地元産イチゴのできばえを競う果実品評会が17日、大和郡山市の三の丸会館で開かれた。金賞には、片桐地区の小塩大策さんの「古都華」と矢田地区の佃善憲さんの「アスカルビー」が選ばれた。この日はイチゴ即売会も同館で3年ぶりに行われ、多くの人でにぎわった。
 JAならけん大和郡山市イチゴ部会が主催し、同市内の農家が5品種27点を出品。上田清市長やJA関係者、市民ら計8人が審査した。色つやなどの見た目から10点に絞り込んだ後、糖度を計測して甘みや風味などを確かめた。
 審査に参加した同市の主婦、千賀茂世さんは「普段は見た目と値段でしかイチゴを買わないが、品種や生産者によって食感や味わいも異なる。甘みと酸味のバランスがよいものを選びました」と話した。
 JAならけん青壮年部の堀川真さんは「昨年12月に冬らしい寒さが戻り、ぎゅっと糖分を内側に閉じ込めたジューシーなできばえになった。多くの人に大和郡山のイチゴを味わってもらいたい」とアピールしている。

西大寺・大茶盛式 ことしは1人1碗で

大きな茶碗で茶を飲む参加者ら=奈良市の西大寺


 西大寺(奈良市)で16日、恒例の「新春初釜大茶盛式」が行われた。本来は特大の茶碗でお茶を回し飲みするが、新型コロナウイルス対策のため1人が1碗で飲む形で楽しんだ。
 大茶盛は延応元(1239)年1月16日に、西大寺を再興した叡尊上人が近くの八幡神社に献茶した際に、残りを人々に振る舞ったことが起源とされる。
 この日は、八幡神社で献茶式を行った後、西大寺で大茶盛式。関係者らに続き、一般参加者は1席20人に制限して実施した。僧侶がともに味わい、心を一つにする「一味和合」の精神を説明した後、参加者は大きな茶碗を1人で抱え、新春の妙味を堪能した。
 東京都から訪れた美術館職員の女性は「お茶には勇気と希望が入っているように感じました」と話していた。

明日香村産素材でコスメ開発 クラブコスメチックスが協定

新商品開発に期待を寄せる明日香村の森川裕一村長(左)とクラブコスメチックスの中山ユカリ社長=同村


 明日香村と化粧品メーカー「クラブコスメチックス」(大阪市)は、村内の地域資源を活用して商品を開発・販売するための協定を結んだ。3月には村産の古代米を使用したスキンケア商品の販売をスタートし、地産地消の取り組みを進める。
 クラブコスメチックスは、県内では五條市に自社工場、生駒市に研究所を置き、県薬事研究センターと共同開発した化粧品「ならこすめ」シリーズなどを販売している。今後、協定により村内で収穫された古代米の一種、赤米のエキスを使ったスキンケア商品を3月にも販売する予定。
 森川裕一村長は「明日香から全国、世界へと発信できる商品を開発していただきたい」と期待を寄せ、同社の中山ユカリ社長は「歴史ある村の地域資源を活用し、価値ある商品を開発したい」と語った。

がんばれ受験生 王寺町で「合格だるまストリート」

受験生へ応援メッセージを送る駅員ら=JR王寺駅


 受験シーズンの本格化を前に、王寺町で受験生を応援する「合格だるまストリート」が開かれている。王寺町観光協会や町内にあるJRと近鉄の各駅、奈良交通、ショッピングセンター「りーべる王寺東館商店会」などが連携。同町の達磨寺で祈禱を受けただるまと応援メッセージを駅や商業施設などに展示する。3月16日まで。
 JR王寺駅では、大きなだるまが飾られ、電光掲示板に若手駅員が考えた「努力は裏切らない。『夢』への切符をつかみにいきましょう」とのメッセージを表示している。今月10日には、電車の「滑り止めの砂」500セットを無料配布した。受け取った同町の中学3年の女子生徒は中学受験を控えた小学6年の弟に砂を渡すといい、「体に気を付けて頑張ってもらいたい」と話した。
 近鉄王寺駅・新王寺駅では、合格祈願のだるまと達磨寺などが印刷された記念台紙付き入場券(320円)を限定販売。りーべる王寺駅東館商店会の約40店舗は店先にだるまを設置し、入り口に来館者が受験生への応援メッセージを自由に書き込めるノートを設置している。

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