【鹿角抄(コラム)】 思い出の玄武 ついに対面 次の大フィーバーには携われない…

明日香村の「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」で展示されている四神の玄武。修復後初めて一般公開された
奈良県教委を担当していた昭和58年11月10日、奈良県庁北側の会社(支局)に戻ると、社内は少し緊張した空気に包まれていた。明日香村で11年ぶりに極彩色壁画が発見されたというのだ。社会部出身のデスクが担当記者と電話でがんがんやりとりし、普段は仕事にはあまり口をはさまなかった温厚な支局長も加わって、どう報道するか、対応を協議していた。
夜になり、現場で取材した先輩の担当記者がわざわざ支局に上がってきて、大発見の原稿を執筆した。しかし、発見された肝心の極彩色壁画の写真はなかった。
このときの調査は当時、最先端技術のファイバースコープを使った調査だった。古墳石室内に盗掘穴からファイバースコープを挿入、北壁に描かれた極彩色壁画を撮影するという画期的な方法だった。調査には大学教授や村民らが参加していたが、放送局も加わっていたので当初、写真は提供されなかった。
「写真がないのに載せるのか」「他紙もいくのか」など侃々諤々(かんかんがくがく)の議論のあと、結局、写真なしで発見の第一報を載せることが決まり、翌11日の朝刊1面には「亀虎(キトラ)古墳で極彩色壁画・玄武発見」の大見出しがおどった。
その日の夕刊も玄武の記事で埋まり、私も、今は国営飛鳥歴史公園になっているキトラ古墳周辺を走り回り、地元の人たちの興奮を伝える記事を送った。忘れられない入社2年目の玄武発見ドキュメントである。
その玄武は今月19日まで、明日香村の四神の館で公開されている。写真は何度も見ていたが、本物を見たのは一般公開に先立つ報道公開(1月19日)が初めてだった。「これが本物か」とちょっと感動し、「玄武の下の獣頭人身の壁画が完璧だったらもっとすごいのに」と思った。
高松塚、キトラにとどまらず明日香村には、まだ壁画古墳が眠っている可能性があり、第3の極彩色壁画が発見されれば、大フィーバーになることは間違いない。だが、そうした古墳が運良く発掘調査されるのは、数十年に一度のこと。今年が定年の私が、その発見報道に携わることは、残念ながらなさそうだ。 (野崎貴宮)
【あっ、これ食べたい!】 旬の素材をギュッと瓶詰め ジャムの店「confiture cotocoto」

色とりどりのジャムやソース
奈良市あやめ池南のジャム店「confiture cotocoto」でコンフィチュール(ジャムやソース)作家の奥田晶子さん(45)が作るコンフィチュールは、無添加で安全安心。旬の素材をギュッと一瓶一瓶に詰め込んでいる。
農家に嫁いだ奥田さん。食卓には無農薬の自家菜園で採れたての野菜を使った料理が常に並び、食べきれない分は加工品にして保存していた。そのおいしさに魅了され、コンフィチュール作りに励む日々という。
取材した日は、三重県の「たかみ農園」のマイヤーレモンを使った「よくばりレモンのマーマレード」を作っているところだった。「このマイヤーレモンは苦みやエグミがなく、酸っぱいけど甘ったるくなく仕上がります」と奥田さん。「おいしい素材を活かしたい」と素材選びにも余念がない。
「のせてよし‼ まぜてよし‼ 万能ネギ塩ごまソース」はエビチリや餃子の調味料としても使え、仕事や子育てで忙しい人にもピッタリ。
月に2日間開催している「オープンデー」は試食をしながら選べる。また、イベント(3月18・19日にポケットマルシェ深北緑地)出店や、インターネットでも通信販売している。
料理にもお菓子作りにも使えるコンフィチュール、お薦めです。 (朋)
【住所】奈良市あやめ池南(詳細は問い合わせ)。3月18、19日のポケットマルシェ深北緑地は大阪府大東市深野北4―284
【連絡先】☎090・8534・9288
【ホームページ】http://confiture-cotocoto.com/
【メニュー】よくばりレモンのマーマレード(800円)、桜の花咲くりんごゼリー(800円)、良い仕事してます‼かぼすピールとキウイのジャム(800円)、のせてよし‼ まぜてよし‼ 万能ネギ塩ごまソース(1200円)、おこわのもと(1200円)など
※すべて税抜き価格
【特典】インターネット通信販売で、産経新聞特別セットを販売
【奈良 風物詩】 112年ぶりに田植歌 大和神社で五穀豊穣祈る伝統神事

田植えの所作を奉納する早乙女
奈良県天理市新泉町の大和(おおやまと)神社で、五穀豊穣を祈る伝統神事「御田植祭」が営まれた。明治時代に途絶えていた「田植歌」も112年ぶりに披露され、関係者らは歴史的瞬間に立ち会えた喜びを分かち合った。
同祭は毎年2月10日に行われ、早乙女や田人にふんした地元の小中学生が境内の前庭を田に見立て、鋤入れから田植えまでの所作を奉納する。田植歌は、早乙女が松苗を稲に見立てて植える際に歌われていたが明治38(1905)年に途絶え、所作のみが代々受け継がれていた。
今回、氏子の森口豊さん(68)が祭りの歴史を調べ、大正時代の文書などから、田植歌の歌詞や抑揚を突き止め、復活にこぎつけた。
10日、早乙女役の小中学生5人が松苗を植える所作をする中、県内で活動する雅楽団体「青丹雅楽会」のメンバーが「わか種植えほよ 苗種植えほよ」と田植歌を披露。復活した歌を聞いた森口さんは「とにかく一安心。これからずっと継承していきたい」と感慨深げな表情を見せていた。
塩谷陸男宮司(73)は、「多くの方の協力で田植歌が復活しありがたい。神事中に晴れ間が訪れ、神様も力を貸してくれた」と笑顔を見せた。
早乙女役を務めた市立朝和小5年、中西楓さん(11)は、「等間隔に松苗を植えるのは難しかったけど、初めての経験で楽しかった」と話していた。
【センバツ】 高田商ガンバレ! 大和郡山市役所に激励の懸垂幕

高田商のセンバツ出場を応援する懸垂幕
第89回選抜高校野球大会に23年ぶりに出場する大和高田市立高田商業高校野球部を応援する懸垂幕が、大和郡山市役所に設置されている。
高田商の選抜出場は3回目。懸垂幕は大和郡山市や高田商野球部OB会、保護者会などで組織する第89回選抜高校野球大会協議会が設置した。「出場を多くの方に知ってもらい、応援していただければ」と同協議会は願いを込めた。
【撮影日記 奈良写真倶楽部】 鬼はしり 迫力の炎 五條市の念仏寺
1月14日、奈良県五條市の念仏寺で営まれた「陀々堂の鬼はしり」。観光化した京都とは違う奈良らしい伝統行事で気に入っている。今回は本当に運がよかった。午後9時からで、1時間前に行ったが人だかり。午後4時ごろから待ち構えている人もいたらしい。それでも運よくすーと正面に入ることができた。雪がちらついていたが、たいまつの近くで熱く、迫力ある会心の1枚を撮ることができた。 (佐藤稔撮影)
【1月例会優秀作品】「廃寺『清水寺』」沼田毱子(奈良市)▽「修学旅行」橋本剛(奈良市)▽「鬼火」佐藤稔(大和郡山市)▽「氷瀑」藤森弘(香芝市)▽「大とんど」橋本常太郎(奈良市)
【奈良 風物詩】白銀の飛火野で「鹿寄せ」 ベートーベンの「田園」、ホルンの音色に100頭がぞ・く・ぞ・く…

ホルンの音色に集まるシカ
ホルンの音色でシカたちを呼び寄せる冬の風物詩「鹿寄せ」が9日朝、奈良市の奈良公園で始まった。奈良地方気象台によると、この日の奈良市は正午に2㌢の積雪を記録、最高気温も3・3度と低く、飛火野(とびひの)が白銀に染まる中、シカが集まる光景に観光客らがカメラを向けていた。
奈良市観光協会が企画する「冬の奈良大和路キャンペーン」の一環として開催。奈良の鹿愛護会の宇津木謙一さん(28)がナチュラルホルンでベートーベンの「田園」の一節を演奏すると、約100頭のシカが一斉に林の奥から駆け寄った。奈良市の無職、野本寛一さん(80)は「雪が降ると、風情が出ていい。シカと人間の交流が見られるのも日本の文化という感じがして、すばらしい」と話していた。
3月12日までの毎朝午前10時から実施(月曜を除く)。問い合わせは奈良の鹿愛護会(☎0742・22・2388)。
【祈りの美 ⑩】杉本健吉 東大寺二月堂修二会(お水取り) 厳かな儀式、臨場感豊かに
東大寺の住職・上司海雲(かみつかさ・かいうん、1906~1975年)と親しくなった作者は、東大寺二月堂で毎年行われる伝統行事「修二会」の様子をスケッチする機会にも恵まれました。
本作は修二会の代名詞となっている「お水取り」の一場面を描いたもの。「お水取り」は二月堂の前にある若狭井と呼ばれる井戸からお香水をくみ上げ、二月堂の本尊である十一面観音にささげる儀式のことです。夜半、参拝者たちが見守る中、練行衆たちが石段を下り、若狭井へと向かう様子が描かれています。暗闇にはたいまつの明かりが灯され、雅楽の演奏とともに儀式が進行する厳かな雰囲気を潤墨によって臨場感豊かに表現しています。
洋画家でありながら油絵の具のみならず、墨やクレヨン、色鉛筆や水彩など、対象に応じてさまざまな画材を使い分け、東洋画の持つ気韻生動の美と西洋画の表現技法とが融合した杉本芸術の真骨頂を示すこの時期の墨絵作品に対し、小説家の志賀直哉は「新しい日本画がうまれた」と賛美を送っています。 (奈良県立美術館学芸課 松川綾子) おわり
【祈りの美 ⑨】杉本健吉 新薬師寺 香薬師如来立像 「骨皮帖」より スケッチに會津の歌添えて
たびたび奈良で制作していた作者は、奈良を訪れるさまざまな文化人と交流しましたが、美術史家で書家、歌人の會津八一(1881~1956年)もその一人です。作者は奈良・大和を詠んだ會津の歌集「鹿鳴集」や「幻想」を愛読し、奈良をスケッチする際は必ず携帯して口ずさみながら各地を回っていたそうです。
二人の交流は會津の歌と杉本の絵からなる歌集「春日野」(昭和29年)で結実することとなり、會津の没後には「大仏讃歌」(昭和42年)、「やまとくにはら」(昭和47年)、「印象」(昭和47年)も出版されています。
作者自身が「骨皮帖」と名付けたスケッチ帖にも、しばしば會津の歌が書き記されています。その1頁である本作では新薬師寺にまつられていた香薬師如来像に「みほとけの うつらまなこに いにしへの やまとくにはら かすみてあるらし」(香薬師のうっとりとした目には古代の大和の国が春の霞にかすんでみえているらしい)という「春日野」所収の歌が添えられています。 (奈良県立美術館学芸課 松川綾子)
【祈りの美 ⑧】杉本健吉 佛頭 色彩抑え、重厚な存在感
奈良を愛し、数多くの奈良風景を描いたことで知られる洋画家の杉本健吉は明治38(1905)年、名古屋市で生まれました。旧制愛知県立工業学校図案科を卒業後、図案業に携わるかたわら絵を志し、岸田劉生、梅原龍三郎という日本洋画壇を代表する二人の画家に師事しました。
各種展覧会に出品するなど研鑽を積む中、昭和15年頃から奈良を頻繁に訪れるようになりますが、そのきっかけとなったのが奈良帝室博物館(現在の奈良国立博物館)の展示ケースで、ケースに反射する「光」を何とか捉えようと通うちに次第に奈良の風土に魅せられていったそうです。
本作は昭和12(1937)年に発見されて間もない興福寺の仏頭(旧山田寺講堂本尊・薬師如来像)を描いたもの。当時博物館に展示されていた仏像の中でも作者のお気に入りの一つでした。特徴的な欠損した頭部や長く垂れる耳を、背後の五重の塔との対比によって捉え、灰褐色を主調とした抑えた色彩によって重厚な存在感を巧みに表現しています。 (県立美術館学芸課 松川綾子)
【あっ、これ食べたい!】 個性的なパンが勢ぞろい 「エアダール」 小さな子供にはモチモチの「チョコラ」がお薦め

手前左から時計回りにアナナスとcoffee、チョコラ、ドイツパンのロッケン・ブロート、ショコラ、ヴァレンティ
奈良市朝日町の住宅街にある「エアダール」は、個性的なパンが勢ぞろい。「エアダールにしかない、エアダールらしいパンを作っています」と話すシェフの丸瀬峰晴さん(32)は、神戸の有名店やドイツで修業を積んだパン職人だ。
チョコレートにブラックオリーブやイヨカンピールなどが入った「ヴァレンティ」はもともとバレンタイン限定だったが、要望が多く冬季限定商品に。ハード系だが、水分量多めの生地はしっとりとしていて、ワインにも合うという。
クルミとカシューナッツのザクザクした食感が特徴の「アナナスとcoffee」も、ホワイトチョコにパイナップル、エスプレッソの入った〝大人の味〟。小さな子供向けには、チョコチップがたくさん入ったモチモチの「チョコラ」がお薦め。
「パンの説明を聞きながら選んでもらいたい」(丸瀬さん)と、対面販売で素材やお薦めの食べ方を説明している。今まで見たこと、食べたことのないパンが、きっと見つかるはず! (朋)
【住所】奈良市朝日町1―2―32
【連絡先】☎0742・93・4410
【営業時間】午前9時~午後6時
【定休日】月曜と火曜
【メニュー】ヴァレンティ(330円)、アナナスとcoffee(280円)、チョコラ(150円)、ショコラ(240円)、ロッケン・ブロート(1/3で270円)、ハチミツとマカダミア(250円)、桃のクリームチーズ(280円)、全粒粉ブロート(1/2で300円)など
【鹿角抄(コラム)】だまされたと思って…奈良県立美術館企画展「祈りの美」
奈良県立美術館(奈良市登大路町)で企画展「祈りの美~清水公照・平山郁夫・杉本健吉…」が開催されている。この展覧会、だまされたと思ってみなさんに足を運んでいただきたい。
三者三様の表現世界が楽しめるのだが、特に公照の作品群には心動かされるものがあった。力強く大胆で、どこかユーモアが感じられ、人間的な優しさにあふれている。
公照が東大寺別当を務めていた昭和50年代前半、東大寺大仏殿昭和大修理の資金集めのお付きとして全国を一緒に奔走した上野道善・東大寺長老(77)は「人間関係で苦労して人の気持ち、人間愛を取得した方。厳格さの中に人間的なやさしさがあり、作品に出てきているのが私にはわかる」という。
公照から書を習っていた上野長老からユニークなエピソードを教えてもらった。近鉄の社長、会長を務めたグループ総帥の佐伯勇(1903~1989年)が親しかった公照の書について、ある書家に「むちゃくちゃくずしているのとちゃうのか」と問うたという。確かに公照の書は素人目にはむちゃくちゃにも見える。しかし、その書家は「基本ができた上で、くずしておられる」と即答。佐伯はそれを聞いてさらに公照にほれ込んだという。
「頭も切れた。絵も書も芸術的なセンスがあり、独特の才能があった」と上野長老は太鼓判を押す。百聞は一見にしかず。企画展は3月15日まで開催している。 (野瀬吉信)
2月12日は新聞休刊日です。
日頃は産経新聞ほか、グループ紙をご購読いただきまして、まことにありがとうございます。
2月12日は「新聞休刊日」となっており、朝刊の配達がございません。大変ご不便をおかけいたしますが、ご理解くださいます様宜しくお願い致します。
普段、インターネットでニュース記事を読んでいただいている皆様、「ニュースはネットで十分」と思っていらっしゃる皆様、紙の新聞を読むと、新しい発見があるかもしれません。
産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html
【やまと人巡り】 日中両国で活躍する女優に 天理大2年、藤本恵理子さん(20)
チャイナドレスで剣を手にし、太極拳やカンフーの華麗な動きで舞う。天理大国際学部で中国語を学ぶ2年、藤本恵理子さん(20)は、昨年開かれた「『漢語橋』世界大学生中国語コンテスト」で中国武術を披露し、パフォーマンス部門1位に輝いた。
北京出身の母親は、かつて女優を志していた。「幼い頃から聞かされていた」という母親の夢はいつしか自分自身の夢となり、中学から演劇を学び、高校から中国語を学び始めた。
「書くのも話すのもまだまだ」と謙遜するが、「将来は日本と中国の両方で喜んでもらえる女優になりたい」と思いは強い。今月から1年間、北京師範大学へ留学する。「多くを学んでくる」と決意している。 (浜)
【やまと人巡り】 観光協会マスコット「しかまろくん」の生みの親 高洋平さん(39)
近鉄奈良駅や観光案内所、奈良市の至る所で見かける同市観光協会マスコットキャラクターの「しかまろくん」。その生みの親が奈良市長寿福祉課の高洋平さん(39)。
子供の頃から絵が好きで、大学時代には風景画を描くために国内外を旅行した。卒業後は学芸員として働きながら地元イベントのポスターデザインなどを手がけた。しかまろくんは平成25年に誕生した。かわいらしく、ほのぼのとする絵柄から人気を集め、今やぬいぐるみなどのグッズも販売している。さらに、観光情報誌の表紙も飾るほど人気キャラクターとなっている。
「自分の描いたキャラがグッズになるのは本当にうれしい。奈良のご当地キャラとしてずっと親しんでもらえたら」 (啓)
【祈りの美 ⑦】清水公照 修中絵日記(部分) さまざまな場面を絵と文字で…貴重な作品
東大寺で営まれるさまざまな行事の中でも「修二会」は「お水取り」の名で一般に最も親しまれている行事です。
正式名称は「十一面悔過(けか)」といい、毎年3月、11人の選ばれた僧侶が参籠し、二月堂の本尊である十一面観音に過ちを懺悔することを意味します。天平勝宝4(752)年に国家安寧、五穀豊穣などを祈願して実忠和尚(じっちゅうかしょう)によって始められて以降、二度にわたる大火の際も「不退の行法」として途切れることなく続けられ、本年で1266回を数える伝統的な宗教行事です。作者も数十回にわたり参籠していますが、この行の躍動的な様子は自身の作品を代表する主題の一つともなっています。
本図は作者が大導師を務めた昭和45(1970)年の修二会の本行中に描かれた絵日記の一部です。巻物を手にした大導師と鈴を振り鳴らす咒師(しゅし)の姿が描かれています。翌年の別火(べっか、修二会の準備期間)の際に描いた絵日記と合わせて2巻一組とされており、行中のさまざまな場面を絵と文字によって表した貴重な作品です。 (県立美術館学芸課 松川綾子)
【インフル】 警報発令 昨季より2週早く 学級閉鎖は43施設に
奈良県内でインフルエンザの流行が拡大しているとして、奈良県は2日、インフルエンザ警報を発令した。県は手洗いやうがい、マスクの着用を呼びかけている。
県によると、1月23~29日の1週間、県内54カ所の定点医療機関から報告された患者数は1782人。1医療機関当たり33人となり、警報発令の基準である30人を超えた。警報は昨シーズンに比べて2週早い。
年齢別では、0~9歳が713人で最多。次いで10~19歳が655人▽60歳以上が111人▽40~49歳が100人―などだった。
1月16~22日の間、インフルエンザにより学年閉鎖や学級閉鎖を実施した県内の保育所や小中高校は43施設に上った。
【バンビシャス通信】 「バンビ女子デー」で盛り上がり 応援ナビゲーターはTAMAKIさんとNANAMIさん

「バンビ女子デー」で応援ナビゲーターを務めた中央左がTAMAKIさん、右がNANAMIさん
バンビシャスを応援する女子が主役のイベント「バンビ女子デー」。ホームゲームにはファミリーや女性のブースターが多い特徴がある。女子限定のフリースロー大会や試合終了後には選手と写真撮影会も実施し、盛り上がりを見せた。
楽しさを女性の目線から発信してもらおうと関西コレクションエンターテイメント奈良橿原校から中学3年のNANAMIさんとTAMAKIさんに応援ナビゲーターになったもらった。試合を観戦したNANAMIさんは「試合終了後に選手とハイタッチできるところがとてもよかった」。TAMAKIさんは「チームキャラクターのシカッチェがとってもかわいい」と話していた。
応援ナビゲーターの主な役割はバンビ女子デーの楽しみ方をフェイスブックやツイッターなどSNSを使ってPRすること。2人はバンビ女子グッズの製作にも関わり、女性に興味をもってもらえるよう発信した。
当日は飲食ブースやグッズ売り場をフェイスブックでライブ配信。また、コートサイドでもPR。NANAMIさんは「バンビ女子デーのヘアアレンジブースは500円、オシャレに決めて試合を楽しみましょう」とブースを紹介してくれた。また、TAMAKIさんは「バンビ女子グッズの中ではチームキャラクターのシカッチェのヘアバンドがオススメ」と商品の紹介をしてくれた。
ホームゲーム会場は試合観戦だけでなく、チームキャラクターが会場内を回ったり、ダンスチームがダンスを披露したり、男性の方だけでなく、女性にも楽しんでいただけます。バスケットボールに興味がない方もぜひ一度お越しください。 (バンビシャス広報 和田真智子)
【試合結果】バンビシャス79―81山形ワイヴァンズ(1月28日)▽バンビシャス66―74山形ワイヴァンズ(1月29日)
【ホーム試合予定】
青森ワッツ戦=4日(土)午後6時、5日(日)午後2時▽ならでんアリーナ
【祈りの美 ⑥】清水公照 鶴の図 「線の交錯」鮮やかに
作者は「泥仏」から派生した釈迦や十大弟子、羅漢といった伝統的な宗教画題とされるものから、還暦(60歳)を契機に始めた「絵日記」に登場するような四季折々の風物を主題としたものまでさまざまな画題で絵を描いています。軽妙な筆さばきを見せる「鶴図」も作者おなじみの主題の一つです。
墨のにじみや濃淡を利用した「付け立て」と呼ばれる運筆技法を生かして鶴を表現していますが、作者はこれを「線の交錯」と捉えて、筆ならしのために頻繁に描いていたそうです。
古来「鶴」は長寿を示す吉祥図案としてよく画題とされてきました。画中の「松影迎福」「松寿千年」という言葉も常緑樹の松葉が千年という長い歳月を経ても風雪に耐えその色を変えることのない長寿を表すものとして記されており、本作は吉祥づくしのおめでたい作品となっています。 (県立美術館学芸課 松川綾子)
【鹿角抄(コラム)】 奈良時代のたくましさ 「端正」「典雅」「剛勁」
古都・奈良のランドマークである興福寺五重塔(国宝)。見慣れた姿だが、1月のある朝、凛とした空気の中で、木組みの美しさ、力強さに改めて見とれてしまった。奈良時代に創建されて以降、焼失、再建を繰り返しながら当初の精神を伝えているわけだが、現代で今後千年も継承される建造物はあるだろうか。
ここ最近、1世紀ぶりの解体修理が進む薬師寺東塔(国宝)、発掘調査が行われた東大寺東塔跡と、塔に関する取材が続いた。薬師寺東塔はこれまで大小の屋根が重なる華麗な姿に目を奪われてきた。今は失われた七重の東大寺東塔で驚くのは何と言っても100㍍に至ったともされる高さだ。古代の寺院でこうした塔が相次いで建てられたのはなぜなのだろう。しかも五重、七重と高く積み重ねられたわけは…。
仏塔は本来は舎利(釈迦の遺骨)を納めた墓とされる。聖なる寺院の象徴的な建造物となるのだが、現存する塔を眺めていると、「美しく造りたい」「技を見せつけてやろう」、さらには「天と地をつなぎたい」といった希求が伝わってくるような気がする。
奈良時代は塔に限らず、東大寺大仏殿(国宝)や興福寺中金堂など巨大建造物が建てられ、荘厳な仏像が祭られた。それらから思うのは当時の人たちの祈り、そしてエネルギー、たくましさだ。先進国、唐(中国)の情報が入る一方、飢饉や災害も相次ぐ中、宗教文化を中心に国力を高めようとした渇望を感じる。
東大寺二月堂の修二会(お水取り)や法隆寺の修正会など国家の安泰や人々の幸福を祈る行が始まったのも当時だ。カリスマ僧侶も登場した。行基は庶民のために架橋、治水を行い、説法をして回った。そんな精神力が育まれた平城京は海外から人と文物が入ってきた刺激的な国際都市だった。だが、今のような機械もライフラインもなかった。それなのに千年後に残るものを築けたのだ。
奈良・天平の時代精神を多川俊映・興福寺貫首は、「端正」「典雅」「剛勁」という3つの言葉で言い表す。千年後、今の時代はどう表されるのだろう。 (岩口利一)
【祈りの美 ⑤】 清水公照 甕 羅漢之図 「煩悩にかられた人間の姿を重ね合わせて…」
昭和50(1975)年、華厳宗管長・東大寺第207世別当に就任した作者は大仏殿昭和大修理(大屋根の瓦の葺き替え工事)のため全国を奔走しました。こうした中、時間を見つけては各地の焼物の産地に立ち寄り、地元の土や釉薬を用いて窯元で焼く作業は楽しみの一つでもありました。
「泥仏」に始まり、地元の陶芸家が制作した器に絵付けをしたり、手びねりによる成形にも挑戦しています。西日本を中心に約100件にものぼる大小さまざまな窯元で制作された作品には各地の焼物の特徴が感じられると同時に、書画で見せる作者独自の世界観も表現されています。
本作は武骨な風貌の羅漢を絶妙なバランスで胴部に配した大甕です。羅漢とは悟りを得た修行者のことですが、作者はしかめ面の羅漢に煩悩にかられた人間の姿を重ね合わせて描き、何ものにもとらわれない悟りの境地を説きました。
成形・焼成した陶芸家の奥田英山は昭和19(1944)年、滋賀県信楽町(現・甲賀市)生まれ。茶陶を中心に制作し、清水公照に師事しました。信楽の土の味を生かした作風に特徴があります。 (奈良県立美術館学芸課 松川綾子)
【あっ、これ食べたい!】 chocolaterie&cafe TRICO ならまち店

2階のカフェで味わえるショコラセット
奈良市薬師堂町のならまちにある「chocolaterie&cafe TRICO ならまち店」。ショコラティエが一粒一粒思いを込めて作るショコラはまさに芸術品で、訪れる価値は十分にある。
2階のカフェスペースで人気の「ショコラセット」は、好みの「ならまち猪口齢糖(ボンボンショコラ)」3つに日替わりのプティフル(小さな菓子)、ドリンクが付く。
「プティフルを先に食べ、その後ならまち猪口齢糖を食べてみて」とオーナーの小西雄大さん(39)。「18度くらいの温度で食べるのが一番オススメ」だからと言う。ショコラに合うようブレンドされたコーヒーも相性抜群だ。
選んだ「シチリア産ピスタチオ」は、中のガナッシュに最高品質のシチリア島ブロンテ村産ピスタチオペーストを使用している。食べると中から香りが広がる。
フランス、ベルギーだけでなくさまざまな国のチョコレートを使い、素材をより活かすため外側のコーティングの厚さも変えている。妥協を許さないショコラティエのショコラ、本命にはもちろん、自分のご褒美チョコにぜひお薦めです。 (朋)
【住所】奈良市薬師堂町20-2
【連絡先】☎0742・25・2788
【ホームページ】http://trico-az.com/
【営業時間】午前11時~午後6時
【定休日】不定休
【メニュー】カフェメニューはショコラセット(1200円)、ケーキセット(1200円)など。持ち帰りのならまち猪口齢糖(ボンボンショコラ)は、シチリア産ピスタチオ(320円)、生駒産はちみつ(308円)、春鹿ショコラ(302円)、フランス栗(308円)、自家製オランジェット(308円)など。他に生チョコレート(40粒入り1380円)も。
【祈りの美 ④】 清水公照 書「自分にな」 人柄、人生観わかる作品
作者にとって書は創作活動以前に宗教家として必要とされる素養の一つでしたが、本格的に書を学んだのは応召でわたった中国で漢字の文化に肌で触れたことがきっかけだったそうです。中国・唐時代の書家の作品を手本に楷書体や草書体を学び、寺門の扁額や茶掛けにとさまざまな書体を重ねるうちに、おおらかで奔放ともいえる独自の書風を身につけてゆきました。
「自分にな 一、なまけるな 一、おこるな 一、いばるな 一、あせるな 一、くさるな 一、おごるな 右條々自戒自守 別当公照」
と柔らかな文字を書き連ねた本作は「泥仏放語百カ条」と題した作者の100の信条を締めくくる自戒の言葉を表したものです。もともと依頼により書いた6カ条に押しつけがましく感じられたため、「自分にな」という表題を付けてできたといいます。「昭和の良寛」と親しまれた作者のあたたかな人柄とともにおおらかな人生観が読み取れる作品です。 (県立美術館学芸課 松川綾子)
【センバツ】 連覇を狙う智弁学園、23年ぶりの高田商 ともに頑張れ!
第89回選抜高校野球大会の選考委員会が開かれた27日、奈良県内からは智弁学園(五條市)の2年連続11回目の出場と高田商(大和高田市)の23年ぶり3回目の出場が決まった。大会は3月19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。

連覇に向け、気合十分の智弁学園の選手
智弁学園には午後3時半ごろ、選考委から出場決定を伝える電話が。手塚彰校長(54)は「ありがたくお受けいたします」と答えた後、野球場に集まった選手らに「甲子園で頑張って」と激励した。
昨年の選抜大会では初優勝を果たし、今大会は連覇がかかっている。昨秋の近畿地区大会は県予選では優勝したものの、本大会では準々決勝で大阪桐蔭(大阪府)に敗れ、ベスト8にとどまった。
小坂将商監督(39)は「秋季大会で、上には上がいることがわかった。打力と走力を売りに、ひとつひとつ上を目指したい」。福元悠真主将(17)は「攻めの気持ちで連覇を目指したい」と力を込め、「バッティングがチームの持ち味なので、主将としては打撃でチームを引っ張りたい」と意気込みを語った。

帽子を投げて喜びを爆発させる高田商の選手
高田商に23年ぶりの吉報を知らせる電話が鳴ったのは午後3時半ごろ。桜井重宏校長(60)は選考委から出場決定を知らされると、「謹んでお受け致します」と答え、グラウンドに集まった選手に「高校生らしい全力プレーを期待する。これからも練習頑張って」とエールを送った。
高田商は昨秋の県大会決勝で智弁学園に惜敗したが、エースの古川響輝投手(17)を中心とした守りと、県大会6試合で23盗塁を記録した機動力で準優勝。近畿地区大会ではベスト8の戦績を残した。昨年まで横浜DeNAベイスターズでプレーした三浦大輔さん(43)の母校でもある。
赤坂誠治監督(40)は「冬に鍛えた打撃がどれだけ通用するかを試すいい機会」と気合十分。4番の大久保拓海主将(17)も「甲子園では高田商の走塁と元気な野球を見てほしい」と意気込んだ。
【県立美術館企画展 祈りの美 ③】 清水公照 麗人
飛天や麗人といった独特の女神像も作者の作品におなじみのモチーフです。鮮やかな衣装をまとって宙を舞い、微笑みを浮かべるその風貌は愛嬌たっぷりですが、そのかたわらには「華厳経」や「阿弥陀経」などの経文や人生を歌った「いろは歌」、自然界を賛美する漢詩などの文字や詩句が添えられています。
作者はしばしば「華で飾られた仏の教え」とされる「華厳経」を世界や人生にたとえ、作品には常に華厳の教えにもとづく独自の世界観が表現されています。とりどりの色彩で描かれた女神たちは仏の化身となってその教えを体現しながら、書画一体となった作者の表現世界に彩りを添えています。
画中の漢詩は、中国・唐時代の詩人・盧照鄰(ろしょうりん)による「長安古意」の一文です。唐の都・長安の繁栄を詠んだ歌ですが、その真意は世の無常をよそに孤高の生活を送る人々を讃えることにあります。花の精のような麗人たちが一時の栄華を象徴しているかのようです。 (県立美術館学芸課 松川綾子)
【県立美術館企画展 祈りの美 ②】清水公照 泥仏(どろぼとけ) 釈迦十大弟子(しゃかじゅうだいでし)のうち 優波離(うばり)
宗教家である清水公照が創作活動を展開するきっかけとなったのが、「泥仏」と称する焼物の人形作りです。作者は52歳の時に東大寺幼稚園の園長を務めることになりますが、そこで園児たちが自由に紙粘土で遊んでいるのを目にし、その躍動感溢れる表現に触発されて、自らも陶土を使った手びねりによる人形作りを始めました。
幼少期に見た五百羅漢(らかん)やインドの人々の風貌などの記憶を頼りに制作したという泥仏は、「仏」とはいうものの表情豊かで人間味溢れる姿・形をしています。作者は、「泥仏を作る時間はどろどろの泥をはく時間だった」と語っていますが、泥仏作りは自身の内面と向き合う日課となってゆきました。
本作は釈迦の10人の高弟のうちの1人「優波離」を象ったもの。生涯1万点あまりもの作品を生み出したという泥仏は、作者の自画像であると同時に、作者の関わったさまざまな人々の姿が投影されています。 (県立美術館学芸課 松川綾子)
【教育】奈良の魅力を発信! 奈良女子大付小児童がパズルや広告作成に挑戦

アイデアを出し合う児童
電車の広告、フリーペーパー、テレビ…さまざまな媒体を使って「奈良の魅力を発信しよう」というプロジェクトが小学校で進行中だ。取り組んでいるのは奈良女子大付属小(奈良市)6年星組の児童。昨年は内閣府の政策アイデアコンテストで小学生では初めて地方予選を通過するなど大奮闘した。3月の卒業までに成果を形にしようと、懸命の取り組みが続いている。
「広告の余白がもったいないと思う」「住所も載せなあかんのちゃう?」。今月中旬、同校では6年星組の児童37人が複数のグループに分かれ、活発に意見を出し合っていた。
このクラスでは昨年4月から総合学習の時間を使い、「奈良の魅力発信プロジェクト」に取り組んでいる。奈良の良さを県内外に発信することがテーマで、目指すのは観光客を増やすことと、県民に奈良に住み続けたいと思ってもらうことだ。
「奈良が好きな人」。担任の中垣州代教諭(45)が4月にそう尋ねたとき、手を挙げた児童は2、3人しかいなかったという。「いいところが思い浮かばない」「大阪みたいなテーマパークがなくてしょぼい」。そんな意見が多かった。だが、今、子供たちは生き生きと奈良を語る。
「お寺しかない」と思っていたという田中生萌(いくも)さん(12)は、「自然と歴史こそが魅力。吉野は日本一の桜の名所だとか、いろんな奈良を説明できるようになった」という。他の児童も、「PR不足で県外の人には知られていないけど、十津川村の谷瀬の吊り橋はどきどきしながら渡るのが楽しい」「県南部は春は桜、秋は紅葉を眺めながら食事ができるいい場所がある」と教えてくれた。
■アイデアは鉄道会社などへ売り込み
プロジェクトはフィールドワークを重視して進められている。県や旅行会社への取材のほか、昨年9月には東京合宿を実施。県選出の高

魅力発信のツール、クロスワードパズル
市早苗総務相に地方創生の話を聞き、外国人や日本人計約200人への路上インタビューにも挑戦した。
その結果、「奈良市外の名所が知られていない」との問題が浮き彫りとなり、県南部・東部の秘境をめぐるツアーや奈良の写真コンテストなど、いくつかの企画を提案。昨年、内閣府地方創生推進室の「地方創生政策アイデアコンテスト」に応募し、小学生では初めて地方予選を通過する快挙を成し遂げた。
最終審査には残ることができなかったため、今年に入り、アイデアの練り直しを決意。新たな企画をさまざまな媒体を使って発信することを目標に据えた。
たとえば、奈良の名所や特産品が答えになるクロスワードパズル。既存のフリーペーパーへの掲載を考えている。企画チームの遊田梨々華さん(12)は、「答えには難しいものを選んだ。答えが何かをインターネットで調べることで、それがどんな名所や食べ物なのか、詳しく知ってもらえると思う」と話す。
他のチームでは外国人観光客向けの交通アクセスの紹介動画作成や、電車の中吊り広告のデザインなどに取り組んでいる。
アイデアは1月中に完成させ、自分たちで鉄道会社やフリーペーパーの発行元など各所に売り込みに行く予定だ。中垣教諭は、「卒業までに何らかの形にしたい。奈良のために一生懸命になっている子供たちの思いが届けばうれしい」と話した。
【県立美術館企画展 祈りの美 ①】 清水公照 紅富士(べにふじ)

清水公照(しみず・こうしょう 1911~1999)は、東大寺別当(住職)を務め、その温かい人柄から「昭和の良寛」と親しまれた宗教家ですが、一方で、独特の味わいを持つ書画、陶芸を制作したことでも知られています。
本作は、青雲たなびく赤富士に「和風被八方(和風八方に被う)」(のどかな風が国の八方へ吹きあまねく及ぶ)という一文を記したもの。天下泰平の世を祝う晴れやかな気分に満ちた作品です。力強く大胆な画面からは、手近に筆がなければバケツの墨と雑巾の筆で描いたという豪快な創作態度もうかがえます。赤富士は、富士山が朝日に染まって起こる現象で、一般に縁起の良い事とされており、古くから画題とされてきました。 (県立美術館学芸課 松川綾子)
「祈りの美~清水公照、平山郁夫、杉本健吉…」は、奈良にゆかりの深い3人の作家の作品を展示し、三者三様の表現世界を鑑賞していただくと同時に、作品の根底に流れる祈りの心や奈良の歴史・文化の魅力を感じ取っていただこうという企画展です。いくつかの作品を順次紹介します。3月15日(水)まで開催中。
【あっ、これ食べたい!】 毎朝、新鮮なきのこを直送 驚き何度も… きのこ料理店「創士庵」

コース料理に使われるきのこ
奈良県生駒市真弓にあるきのこ料理店「創士庵(そうしあん)」では、15種類ほどのきのこを使った料理がコース仕立てで楽しめる。
人気の「花コース」は「キヌガサタケのかさを纏った焼売」、ピンク色のトキイロヒラタケなどを使った「きのこの刺身とエリンギのローストビーフ巻き」、ヤマブシタケやアワビタケの「きのこの天麩羅ウニのクリームソース」、ポルチーニと鴨で出汁を取った「きのこ鍋」に、おかわりができる「マイタケ御飯」。デザートと抹茶も付く。
「日本で1人しか栽培していない珍しいきのこもある。毎朝新鮮なきのこを直送してもらっています」と、〝きのこ愛〟あふれるオーナーの西野由紀子さん(45)は自信満々で話す。
コース中は、使ったきのこを別に盛りつけて説明してくれる。なじみ深い「エノキ」も茶色でとても大きく、びっくりした。クラゲのような不思議な形のものもあり、種類の多さに何度も驚いた。
いずれも最高級のものが使われ、噛み応えのある食感を楽しめる。店内はガラス工芸の照明やステンドグラスで彩られ、落ち着いた雰囲気でゆったりくつろぐこともでき、お薦めです。 (朋)

(上から時計回りに)マイタケ御飯、きのこ鍋、焼売、きのこの刺身
【住所】生駒市真弓2―4―21
【連絡先】☎0743・78・5953
【ホームページ】http://www.sousian.com/
【営業時間】午前11時~午後3時(ラストオーダー午後2時)と午後5時半~午後10時(ラストオーダー午後8時半)
【定休日】月曜日(祝日の場合は営業)
【メニュー】花コース(2800円)、風コース(3800円)、月コース(4500円)、ランチステーキコース(3000円)、ディナーステーキコース(3620円)など。
※全て税抜き価格
【交通安全】 便利さよりも安全を確保した国道369号 ポール設置で事故ゼロを確保

ポールが設置された現場。事故がゼロになった
奈良市中心部を東西に走る「大宮通り」(国道369号)。道路沿いの北側に立つ大型商業施設「イトーヨーカドー奈良店」前はかつて、奈良県内の交通事故発生件数ワースト3位の〝危険箇所〟だった。だが、死亡事故を機に住民と警察が県に働きかけ、無理な横断を防ぐポールを設置。その後事故はゼロとなり、安全な道路へと生まれ変わった。
□最悪の事故発生地
現場の道路は片側2車線。店の東側を流れる川沿いの道路との結束部分では中央分離帯が途切れており、無理な横断をする車が後を絶たなかった。店の前に歩道橋はあるが、道路を横断できる信号は約100~200㍍先と少し離れているため、車の合間をぬって横断を試みる買い物客も多かったという。
約150㍍東に市役所があり、車だけでなく通行人も多い付近では平成24年~28年の5年間で、死亡事故1件、人身事故33件を含む76件の交通事故が発生した。これは県下ワースト3位、管轄する奈良署では最悪の事故件数現場だった。
奈良署は防止策をとりたかったが、横断を防ぐポールを設置するには、地元住民や県土木事務所の同意が必要だった。大宮地区自治連合会長の吉岡正志さん(80)は「『危険だ』という声もあったが、『便利だからそのままにしておいてほしい』という声も根強かった」と明かす。
□ついに死亡事故発生
住民と警察の協議が平行線をたどっていた昨年2月、ついに死亡事故が発生した。道路を横断しようとした歩行者と、車の接触事故だった。
「一刻も早く対策をとらなければ」と、警察は現場でこれまで起きた交通事故について、自治会や地元住民に説明。中央分離帯が途切れた部分が原因だった事故について詳細を聞いた吉岡さんは、「昔から危険だという認識はあったが、事故の数や状況を目の当たりにすると、対策をとるしかないと思った」と、5月には自治会としてポール設置の要望書を県土木事務所に提出。8月には、約40㍍の全区間でポール設置が完了した。

ポールが設置される前の国道369号
□便利さよりも安全確保
設置から5カ月が経過した現在、付近での交通事故はゼロ。通勤時間帯に「抜け道」として利用していた他府県ナンバーの車もみられなくなった。「この地区は高齢者も子供も多く、便利さよりも安全を確保したいと思った。安全が保たれてよかった」と吉岡さん。奈良署の松田健嗣・交通1課長は「自治会の協力がなければできなかったこと。今後もあらゆる面で綿密な関係を築きたい」と話した。
【ハーボニー偽造】 奈良県が県内全薬局に注意喚起 「患者の前で確認を」

C型肝炎治療薬ハーボニー(左)と偽薬(真ん中、右)
奈良県内の薬局チェーンでC型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が見つかった問題は23日、東京の卸売り販売業者からさらに9ボトルの偽造品が見つかるという新たな展開を迎えた。だが全容解明には至っておらず、奈良県は同日、県内の全処方箋薬局約500店に対し、処方する際はハーボニーのボトルの中身を患者の前で開封確認することなどを求める通知を出した。
13日に奈良県内で偽造品が見つかって以降、奈良県は偽造品が見つかった薬局チェーン「関西メディコ」(平群町)が展開する「サン薬局」全59店舗を調査した。結果、現在同社が保有している15ボトルはすべて正規品であることが確認された。
奈良県によると、同社は以前はハーボニー製造販売元の「ギリアド・サイエンシズ」(東京)が直接取引する卸売業者からのみ購入していたが、昨年5月からは東京や大阪の卸売業者計4社からも仕入れを開始した。厚労省の調査では、この4社もそれぞれ東京の複数の卸売業者からハーボニーを仕入れており、このうちの2社から新たに計9ボトルの偽造品が見つかった。
奈良県は今後、調査範囲を県内全処方箋薬局に拡大し、偽造品の有無や流通経路の確認をする方針だ。
関西メディコは、「仕入れ先は卸売り販売業の許可をもった会社だったので信用していた。二度と同じようなことがないよう、処方の際は十分注意する」と話した。


































