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【鹿角抄(コラム)】 全盲の文化人類学者、広瀬浩二郎さん(49)に学ぶ

「自分の容姿の変化を『見る』ことができないのは、幸せでもあり、不幸でもあると思います」。先日取材した、全盲の文化人類学者で国立民族学博物館(大阪府吹田市)准教授、広瀬浩二郎さん(49)の言葉が印象に残っている。13歳で失明した広瀬さんに、年齢とともに変化していく自身の容姿が、実感として分かるものなのかどうか―と、取材後にメールで送った質問に返ってきた文章の一部だ。
全盲とはどんな世界なのか。想像したとき、記者が思い浮かんだのは、自分の姿形が分からない、つまり、自分が人からどう見られているかが分からない、という不安だった。人の目や評価を気にしがちな性格が透けてみえて嫌気が差したが、広瀬さんからの返信は明るくユーモアに満ち、読みながら吹き出した箇所もあった。
「容姿の変化は、やはり触覚的な印象が中心でしょうか。たとえば『ああ、前髪がだいぶ減ったなあ』とか『顔のしわが増えたなあ』といった感じです」
「容姿の衰えよりも、最近の僕の課題は肥満防止でしょうか。腹が出てきたこと、筋肉が落ちたことなどは触覚で確認すると、時々愕然とさせられます。『これって、ほんとうに俺の腹か…』」
目が見えなくても、容姿の変化は実感として分かるものなんだ―と、考えてみれば当然のことに納得しつつ、それ以上に印象的だったのは、文章全体にただよう広瀬さんの明るさだ。
当然、見えないことによる「幸せ」に限らず、口にしないが人知れない苦悩や「不幸」は多々あっただろう。だが、それを感じさせない陽気さとユーモアに、精神の強さと人間的な魅力を感じる。
広瀬さんの明るさに、人の目や評価なんか気にするな、それで自分の実質が変わるわけではない―と教わったような気がして、少し心が晴れた気がした。   (浜川太一)

海龍王寺本尊の十一面観音菩薩立像の模造に触る広瀬浩二郎さん

海龍王寺本尊の十一面観音菩薩立像の模造に触る広瀬浩二郎さん

【学童野球】奈良ライオンズクラブ杯奈良市学童野球が開幕 21チームが全力プレー

力強く選手宣誓する西大寺ドリームズの橘遼主将

力強く選手宣誓する西大寺ドリームズの橘遼主将

第40回記念奈良ライオンズクラブ杯奈良市学童軟式野球大会が26日開幕し、奈良市のならでんスタジアム(市鴻ノ池球場)で開会式が行われた。大会には21チームが出場し、選手たちは熱戦を繰り広げた。
開会式では、同市立佐保小学校マーチングバンドの演奏に合わせて、選手たちが元気いっぱいに行進した。前回優勝の奈良チャレンジャーズと準優勝の大宮ホワイトベアーズから、優勝杯などが返還された。
その後、仲川げん市長が「日頃の練習の成果を思う存分発揮してください」と激励。西大寺ドリームズの橘遼主将が「保護者やコーチ、野球ができる環境に感謝し、優勝という目標に向かって大好きな仲間とともに全力でプレーすることを誓います」と宣誓した。
この日は、1回戦5試合が行われ、3月4日に2回戦と準々決勝、5日に準決勝と決勝が行われる。
26日の試合結果は次の通り。

登美ケ丘フェニックス5―3東辰ツインズ▽奈良伏見イーグルス5―2平城東スポーツ少年団▽飛鳥紀寺スポーツ少年団5―3奈良北ゴールデンカイト▽奈良ジュニアファイターズ4―1五条山レパード▽帝塚山スポーツ少年団5―3若草ベースボールクラブ

【あっ、これ食べたい!】 大和野菜イタリアン 「ナチュラ」  彩り豊か、ディップで贅沢に

人気の「ナチュラランチ」

人気の「ナチュラランチ」

「大和野菜イタリアン ナチュラ」は奈良市学園北にある。料理に使う野菜の多くは奈良県内の無農薬・減農薬・有機野菜を中心に、農家から直接買い付けている。オーナーシェフで、ワインのソムリエでもある野村武司さん(44)は「顔と顔が繋がっている農家さんの野菜なので安全、安心です」と話す。
人気の「ナチュラランチ」はボリューム満点。前菜はバーニャカウダ・前菜3種の盛り合わせ・生ハムとサラミの盛りあわせから1品、日替わりのスパゲッティ・生パスタ・ピザから1品が選べる。
取材では、15種類以上の野菜が楽しめるバーニャカウダを選択した。彩り豊かな赤・白・黄色のニンジンや、なかなか見ることがない黒大根、紅くるり大根などが盛りだくさん。ニンニクをミルクで煮たディップに付けると、野菜の味がより際立つ。
パスタは「曽爾高原の大和寒熟ほうれん草サーモンのクリームソースタリアテッレ」を。厳しい寒さの中で育ったほうれん草は甘みが強く、この時季にしか食べられない限定品だという。
大和野菜がたっぷり味わえるイタリアン、お薦めです。  (朋)

【住所】奈良市学園北1―14―5
【連絡先】☎0742・48・1183
【ホームページ】http://www.yamatoyasai-natura.jp/
【営業時間】午前11時半~午後3時(ラストオーダー2時)と午後6時~午後10時半(ラストオーダー10時)
【定休日】日曜と祝日
【メニュー】ランチはナチュラランチ(1800円)、ベジットリアランチ(1500円)、季節のランチ(2500円)など
ディナーはAコース(3500円)、Bコース(5千円)など
※すべて税別

【お水取りの記】 練行衆10人「試別火」入り 3月1日からの本行に備える

東大寺二月堂(奈良市)の修二会(しゅにえ、お水取り)に参籠する練行衆10人が20日、同寺戒壇院の別火坊(べっかぼう)で心身を清める前行の「試別火(ころべっか)」に入った。
「別火」は普段とは用いる火を別にすること。この期間中、練行衆は精進潔斎するとともに二月堂本尊に供える造花をつくったり、声明の稽古をしたりする。
近畿地方に「春一番」が吹いたこの日の午後6時ごろから、戒を授ける和上を務める平岡昇修さんや祈りの中心となる大導師の橋村公英さんら10人が次々と別火坊に着き、静かに中へと入っていった。
初めて籠もる新入1人は先に試別火入りしており、この日から一段と厳しい「総別火」入り。10人は26日から総別火となり、3月1日からの本行に備える。

【やまと人巡り】 役所の堅いイメージ変える  「まるごっと奈良」出演の胎中謙吾さん、吉田愛さん

「まるごっと奈良」に出演する胎中謙吾さん(左)と吉田愛さん

「まるごっと奈良」に出演する胎中謙吾さん(左)と吉田愛さん

インターネットの動画配信サービス「ユーストリーム」を通じて、奈良の魅力を発信する「まるごっと奈良」を放送している胎中謙吾さん(32)と吉田愛さん(24)。2人は奈良市役所の職員だ。
番組は平成25年12月26日に始まった。毎月1回午後10時から1時間、奈良市のインターネット放送局「DEERs NARA Channel(ディアーズナラチャンネル)」のスタジオから生放送する。季節ごとの特集やおすすめのデートスポット、翌月のイベント紹介など2人が事前に撮影した動画を交えて奈良の魅力を発信している。
発起人は胎中さん。それまでソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使って、奈良のイベント紹介や告知を個人的に行っていたが、「もっと分かりやすく、奈良の魅力を発信できないか」ともどかしさを感じていた。そんな時、知人から「ネットで番組を配信してみないか」と誘いを受けた。もともと目立ちたがり屋だったという性格もあって快諾、放送を始めた。「始めは1時間もぶっ続けで話すのは大変だった」と振り返る。
一方、吉田さんは平成27年度の入庁後、すぐに番組に出演し始めた。きっかけは奈良女子大での学生時代、公務員を目指していた頃に番組を知った。「学生が職員の生の声を聞ける機会なんてそうそうないし、面白くて毎月聞いてました」といい、番組を通じて奈良への理解を深め、採用試験に合格したという。
新人研修で胎中さんを見かけ、声を掛けた。「一緒にやろうや」と胎中さんに出演を勧められ、不安だったが決意した。今は仕事の後、一緒にイベントを取材したり、それぞれが外出先で動画を撮影したりと、二人三脚で番組を制作している。
最近の放送では奈良のイチゴ「古都華」をカメラを前に試食してそのおいしさを紹介したり、おすすめデートスポットとして近鉄奈良駅周辺のカフェやレストラン、奈良の夜をイルミネーションで飾る「なら瑠璃絵」を紹介した。
「市役所職員がプライベートで奈良の魅力を発信することにこだわって、もっとPRしていきたい」と胎中さん。吉田さんも「若い人に週末も奈良で過ごしてもらえるように面白い情報を伝えたい。市役所の堅いイメージも変えて、職員になりたい人が増えるようにも頑張ります」と声を弾ませた。  (啓)

【バンビシャス通信】 〈選手丸はだか〉 バッシュが相棒 ポイントガードの平尾充庸選手(27)

バンビシャス通信 選手丸はだか 平尾充庸(ひらお・あつのぶ) 1989年4月4日生まれ、徳島県出身。身長178㌢。

バンビシャスで日本人選手のトップスコアラー。ポイントガードは司令塔で、ゲームをコントールする役割を持ちながら、積極的に得点も狙う。相手チームからは最も警戒される存在の一人だ。
3人兄弟の一番下。小学1年から始めたバスケットボールは兄弟の影響だった。「本当はサッカーにも興味があった。兄弟と送り迎えが一緒の必要があったのでバスケットに。最後まで夢中になっていたのが僕でした」
プロバスケットボール選手になって2年目の2013年、中学時代の同級生と結婚した。今は3歳の娘と1歳の息子のお父さんだ。
高校はスポーツの名門・明徳義塾。同級生にはプロ野球オリックスバファローズで活躍する伊藤光選手などがいる。
天理大学に進み、大学4年の時にはインカレで歴代最高の3位にチームを導き、自らも得点王となった。昨季まで所属した広島ドラゴンフライズではキャプテンとして創設2年目のチームを天皇杯準優勝に導いた。
バッシュが相棒。自由にカラーをカスタマイズできるナイキのバッシュを何足も持っている。並行して履くことで、常に足にフィットしたバッシュでプレーできるという。
この日はジーンズに白いスニーカー、ブルゾン。ポイントは茶色いメガネで、「伊達メガネでレンズはありません。普段はメガネをかけないと落ち着かないんです」と屈託なく笑う。
チームの勝敗の鍵を握る男は私生活では違う自分になって試合に備える。  (バンビシャス広報 和田真智子)

お気に入りのバッシュを手に笑顔の平尾選手

お気に入りのバッシュを手に笑顔の平尾選手

【確定申告】 柔道の篠原信一さん、奈良納税協会でPR

平成28年度分の所得税などの確定申告の受け付けが16日から全国一斉に始まった。奈良市の奈良納税協会では、天理大学出身で平成12年のシドニー五輪柔道男子100㌔超級の銀メダリスト、篠原信一さん(44)がパソコンを使った確定申告を体験した。
篠原さんは奈良税務署員の説明を受けながら、国税庁専用ホームページの「確定申告等作成コーナー」でのデータの入力などの申告操作を模擬体験を行った。
篠原さんは「確定申告は複雑なイメージがあったが、ホームページ上には説明もあり非常に簡単。効率よく便利に納税ができます」と話した。
また、納金の使い方について問われると、「スポーツ振興や教育など、未来の子供たちのために使ってほしい」とした。確定申告の受け付けは、来月15日まで。

インターネットによる確定申告を体験する篠原信一さん

インターネットによる確定申告を体験する篠原信一さん

【鹿角抄(コラム)】 思い出の玄武 ついに対面  次の大フィーバーには携われない…

明日香村の「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」で展示された四神の「玄武。修復後初めて一般公開された

明日香村の「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」で展示されている四神の玄武。修復後初めて一般公開された

奈良県教委を担当していた昭和58年11月10日、奈良県庁北側の会社(支局)に戻ると、社内は少し緊張した空気に包まれていた。明日香村で11年ぶりに極彩色壁画が発見されたというのだ。社会部出身のデスクが担当記者と電話でがんがんやりとりし、普段は仕事にはあまり口をはさまなかった温厚な支局長も加わって、どう報道するか、対応を協議していた。
夜になり、現場で取材した先輩の担当記者がわざわざ支局に上がってきて、大発見の原稿を執筆した。しかし、発見された肝心の極彩色壁画の写真はなかった。
このときの調査は当時、最先端技術のファイバースコープを使った調査だった。古墳石室内に盗掘穴からファイバースコープを挿入、北壁に描かれた極彩色壁画を撮影するという画期的な方法だった。調査には大学教授や村民らが参加していたが、放送局も加わっていたので当初、写真は提供されなかった。
「写真がないのに載せるのか」「他紙もいくのか」など侃々諤々(かんかんがくがく)の議論のあと、結局、写真なしで発見の第一報を載せることが決まり、翌11日の朝刊1面には「亀虎(キトラ)古墳で極彩色壁画・玄武発見」の大見出しがおどった。
その日の夕刊も玄武の記事で埋まり、私も、今は国営飛鳥歴史公園になっているキトラ古墳周辺を走り回り、地元の人たちの興奮を伝える記事を送った。忘れられない入社2年目の玄武発見ドキュメントである。
その玄武は今月19日まで、明日香村の四神の館で公開されている。写真は何度も見ていたが、本物を見たのは一般公開に先立つ報道公開(1月19日)が初めてだった。「これが本物か」とちょっと感動し、「玄武の下の獣頭人身の壁画が完璧だったらもっとすごいのに」と思った。
高松塚、キトラにとどまらず明日香村には、まだ壁画古墳が眠っている可能性があり、第3の極彩色壁画が発見されれば、大フィーバーになることは間違いない。だが、そうした古墳が運良く発掘調査されるのは、数十年に一度のこと。今年が定年の私が、その発見報道に携わることは、残念ながらなさそうだ。   (野崎貴宮)

【あっ、これ食べたい!】 旬の素材をギュッと瓶詰め ジャムの店「confiture cotocoto」

色とりどりのジャムやソース

色とりどりのジャムやソース

奈良市あやめ池南のジャム店「confiture cotocoto」でコンフィチュール(ジャムやソース)作家の奥田晶子さん(45)が作るコンフィチュールは、無添加で安全安心。旬の素材をギュッと一瓶一瓶に詰め込んでいる。
農家に嫁いだ奥田さん。食卓には無農薬の自家菜園で採れたての野菜を使った料理が常に並び、食べきれない分は加工品にして保存していた。そのおいしさに魅了され、コンフィチュール作りに励む日々という。
取材した日は、三重県の「たかみ農園」のマイヤーレモンを使った「よくばりレモンのマーマレード」を作っているところだった。「このマイヤーレモンは苦みやエグミがなく、酸っぱいけど甘ったるくなく仕上がります」と奥田さん。「おいしい素材を活かしたい」と素材選びにも余念がない。
「のせてよし‼ まぜてよし‼ 万能ネギ塩ごまソース」はエビチリや餃子の調味料としても使え、仕事や子育てで忙しい人にもピッタリ。
月に2日間開催している「オープンデー」は試食をしながら選べる。また、イベント(3月18・19日にポケットマルシェ深北緑地)出店や、インターネットでも通信販売している。
料理にもお菓子作りにも使えるコンフィチュール、お薦めです。  (朋)

【住所】奈良市あやめ池南(詳細は問い合わせ)。3月18、19日のポケットマルシェ深北緑地は大阪府大東市深野北4―284
【連絡先】☎090・8534・9288
【ホームページ】http://confiture-cotocoto.com/
【メニュー】よくばりレモンのマーマレード(800円)、桜の花咲くりんごゼリー(800円)、良い仕事してます‼かぼすピールとキウイのジャム(800円)、のせてよし‼ まぜてよし‼ 万能ネギ塩ごまソース(1200円)、おこわのもと(1200円)など
※すべて税抜き価格
【特典】インターネット通信販売で、産経新聞特別セットを販売

【奈良 風物詩】 112年ぶりに田植歌 大和神社で五穀豊穣祈る伝統神事

田植えを奉納する早乙女

田植えの所作を奉納する早乙女

奈良県天理市新泉町の大和(おおやまと)神社で、五穀豊穣を祈る伝統神事「御田植祭」が営まれた。明治時代に途絶えていた「田植歌」も112年ぶりに披露され、関係者らは歴史的瞬間に立ち会えた喜びを分かち合った。
同祭は毎年2月10日に行われ、早乙女や田人にふんした地元の小中学生が境内の前庭を田に見立て、鋤入れから田植えまでの所作を奉納する。田植歌は、早乙女が松苗を稲に見立てて植える際に歌われていたが明治38(1905)年に途絶え、所作のみが代々受け継がれていた。
今回、氏子の森口豊さん(68)が祭りの歴史を調べ、大正時代の文書などから、田植歌の歌詞や抑揚を突き止め、復活にこぎつけた。
10日、早乙女役の小中学生5人が松苗を植える所作をする中、県内で活動する雅楽団体「青丹雅楽会」のメンバーが「わか種植えほよ 苗種植えほよ」と田植歌を披露。復活した歌を聞いた森口さんは「とにかく一安心。これからずっと継承していきたい」と感慨深げな表情を見せていた。
塩谷陸男宮司(73)は、「多くの方の協力で田植歌が復活しありがたい。神事中に晴れ間が訪れ、神様も力を貸してくれた」と笑顔を見せた。
早乙女役を務めた市立朝和小5年、中西楓さん(11)は、「等間隔に松苗を植えるのは難しかったけど、初めての経験で楽しかった」と話していた。

【センバツ】  高田商ガンバレ! 大和郡山市役所に激励の懸垂幕

高田商のセンバツ出場を応援する懸垂幕

高田商のセンバツ出場を応援する懸垂幕

第89回選抜高校野球大会に23年ぶりに出場する大和高田市立高田商業高校野球部を応援する懸垂幕が、大和郡山市役所に設置されている。
高田商の選抜出場は3回目。懸垂幕は大和郡山市や高田商野球部OB会、保護者会などで組織する第89回選抜高校野球大会協議会が設置した。「出場を多くの方に知ってもらい、応援していただければ」と同協議会は願いを込めた。

【撮影日記 奈良写真倶楽部】 鬼はしり 迫力の炎  五條市の念仏寺

奈良写真クラブ「だだ押し」鬼走り 1月14日、奈良県五條市の念仏寺で営まれた「陀々堂の鬼はしり」。観光化した京都とは違う奈良らしい伝統行事で気に入っている。今回は本当に運がよかった。午後9時からで、1時間前に行ったが人だかり。午後4時ごろから待ち構えている人もいたらしい。それでも運よくすーと正面に入ることができた。雪がちらついていたが、たいまつの近くで熱く、迫力ある会心の1枚を撮ることができた。      (佐藤稔撮影)
【1月例会優秀作品】「廃寺『清水寺』」沼田毱子(奈良市)▽「修学旅行」橋本剛(奈良市)▽「鬼火」佐藤稔(大和郡山市)▽「氷瀑」藤森弘(香芝市)▽「大とんど」橋本常太郎(奈良市)

【奈良 風物詩】白銀の飛火野で「鹿寄せ」  ベートーベンの「田園」、ホルンの音色に100頭がぞ・く・ぞ・く…

ホルンの音色に集まるシカ

ホルンの音色に集まるシカ

ホルンの音色でシカたちを呼び寄せる冬の風物詩「鹿寄せ」が9日朝、奈良市の奈良公園で始まった。奈良地方気象台によると、この日の奈良市は正午に2㌢の積雪を記録、最高気温も3・3度と低く、飛火野(とびひの)が白銀に染まる中、シカが集まる光景に観光客らがカメラを向けていた。
奈良市観光協会が企画する「冬の奈良大和路キャンペーン」の一環として開催。奈良の鹿愛護会の宇津木謙一さん(28)がナチュラルホルンでベートーベンの「田園」の一節を演奏すると、約100頭のシカが一斉に林の奥から駆け寄った。奈良市の無職、野本寛一さん(80)は「雪が降ると、風情が出ていい。シカと人間の交流が見られるのも日本の文化という感じがして、すばらしい」と話していた。
3月12日までの毎朝午前10時から実施(月曜を除く)。問い合わせは奈良の鹿愛護会(☎0742・22・2388)。

【祈りの美 ⑩】杉本健吉 東大寺二月堂修二会(お水取り)   厳かな儀式、臨場感豊かに

東大寺二月堂修二会 東大寺の住職・上司海雲(かみつかさ・かいうん、1906~1975年)と親しくなった作者は、東大寺二月堂で毎年行われる伝統行事「修二会」の様子をスケッチする機会にも恵まれました。
本作は修二会の代名詞となっている「お水取り」の一場面を描いたもの。「お水取り」は二月堂の前にある若狭井と呼ばれる井戸からお香水をくみ上げ、二月堂の本尊である十一面観音にささげる儀式のことです。夜半、参拝者たちが見守る中、練行衆たちが石段を下り、若狭井へと向かう様子が描かれています。暗闇にはたいまつの明かりが灯され、雅楽の演奏とともに儀式が進行する厳かな雰囲気を潤墨によって臨場感豊かに表現しています。
洋画家でありながら油絵の具のみならず、墨やクレヨン、色鉛筆や水彩など、対象に応じてさまざまな画材を使い分け、東洋画の持つ気韻生動の美と西洋画の表現技法とが融合した杉本芸術の真骨頂を示すこの時期の墨絵作品に対し、小説家の志賀直哉は「新しい日本画がうまれた」と賛美を送っています。  (奈良県立美術館学芸課 松川綾子)     おわり

【祈りの美 ⑨】杉本健吉 新薬師寺 香薬師如来立像 「骨皮帖」より  スケッチに會津の歌添えて

新薬師寺 香薬師如来 たびたび奈良で制作していた作者は、奈良を訪れるさまざまな文化人と交流しましたが、美術史家で書家、歌人の會津八一(1881~1956年)もその一人です。作者は奈良・大和を詠んだ會津の歌集「鹿鳴集」や「幻想」を愛読し、奈良をスケッチする際は必ず携帯して口ずさみながら各地を回っていたそうです。
二人の交流は會津の歌と杉本の絵からなる歌集「春日野」(昭和29年)で結実することとなり、會津の没後には「大仏讃歌」(昭和42年)、「やまとくにはら」(昭和47年)、「印象」(昭和47年)も出版されています。
作者自身が「骨皮帖」と名付けたスケッチ帖にも、しばしば會津の歌が書き記されています。その1頁である本作では新薬師寺にまつられていた香薬師如来像に「みほとけの うつらまなこに いにしへの やまとくにはら かすみてあるらし」(香薬師のうっとりとした目には古代の大和の国が春の霞にかすんでみえているらしい)という「春日野」所収の歌が添えられています。  (奈良県立美術館学芸課 松川綾子)

【祈りの美 ⑧】杉本健吉 佛頭  色彩抑え、重厚な存在感

佛頭奈良を愛し、数多くの奈良風景を描いたことで知られる洋画家の杉本健吉は明治38(1905)年、名古屋市で生まれました。旧制愛知県立工業学校図案科を卒業後、図案業に携わるかたわら絵を志し、岸田劉生、梅原龍三郎という日本洋画壇を代表する二人の画家に師事しました。
各種展覧会に出品するなど研鑽を積む中、昭和15年頃から奈良を頻繁に訪れるようになりますが、そのきっかけとなったのが奈良帝室博物館(現在の奈良国立博物館)の展示ケースで、ケースに反射する「光」を何とか捉えようと通うちに次第に奈良の風土に魅せられていったそうです。
本作は昭和12(1937)年に発見されて間もない興福寺の仏頭(旧山田寺講堂本尊・薬師如来像)を描いたもの。当時博物館に展示されていた仏像の中でも作者のお気に入りの一つでした。特徴的な欠損した頭部や長く垂れる耳を、背後の五重の塔との対比によって捉え、灰褐色を主調とした抑えた色彩によって重厚な存在感を巧みに表現しています。      (県立美術館学芸課 松川綾子)

【あっ、これ食べたい!】 個性的なパンが勢ぞろい 「エアダール」 小さな子供にはモチモチの「チョコラ」がお薦め

手前左から時計回りにアナナスとcoffe、チョコラ、ドイツパンのロッケン・ブロート、ショコラ、ヴァレンティ

手前左から時計回りにアナナスとcoffee、チョコラ、ドイツパンのロッケン・ブロート、ショコラ、ヴァレンティ

奈良市朝日町の住宅街にある「エアダール」は、個性的なパンが勢ぞろい。「エアダールにしかない、エアダールらしいパンを作っています」と話すシェフの丸瀬峰晴さん(32)は、神戸の有名店やドイツで修業を積んだパン職人だ。
チョコレートにブラックオリーブやイヨカンピールなどが入った「ヴァレンティ」はもともとバレンタイン限定だったが、要望が多く冬季限定商品に。ハード系だが、水分量多めの生地はしっとりとしていて、ワインにも合うという。
クルミとカシューナッツのザクザクした食感が特徴の「アナナスとcoffee」も、ホワイトチョコにパイナップル、エスプレッソの入った〝大人の味〟。小さな子供向けには、チョコチップがたくさん入ったモチモチの「チョコラ」がお薦め。
「パンの説明を聞きながら選んでもらいたい」(丸瀬さん)と、対面販売で素材やお薦めの食べ方を説明している。今まで見たこと、食べたことのないパンが、きっと見つかるはず!  (朋)

【住所】奈良市朝日町1―2―32
【連絡先】☎0742・93・4410
【営業時間】午前9時~午後6時
【定休日】月曜と火曜
【メニュー】ヴァレンティ(330円)、アナナスとcoffee(280円)、チョコラ(150円)、ショコラ(240円)、ロッケン・ブロート(1/3で270円)、ハチミツとマカダミア(250円)、桃のクリームチーズ(280円)、全粒粉ブロート(1/2で300円)など

【鹿角抄(コラム)】だまされたと思って…奈良県立美術館企画展「祈りの美」

奈良県立美術館(奈良市登大路町)で企画展「祈りの美~清水公照・平山郁夫・杉本健吉…」が開催されている。この展覧会、だまされたと思ってみなさんに足を運んでいただきたい。
三者三様の表現世界が楽しめるのだが、特に公照の作品群には心動かされるものがあった。力強く大胆で、どこかユーモアが感じられ、人間的な優しさにあふれている。
公照が東大寺別当を務めていた昭和50年代前半、東大寺大仏殿昭和大修理の資金集めのお付きとして全国を一緒に奔走した上野道善・東大寺長老(77)は「人間関係で苦労して人の気持ち、人間愛を取得した方。厳格さの中に人間的なやさしさがあり、作品に出てきているのが私にはわかる」という。
公照から書を習っていた上野長老からユニークなエピソードを教えてもらった。近鉄の社長、会長を務めたグループ総帥の佐伯勇(1903~1989年)が親しかった公照の書について、ある書家に「むちゃくちゃくずしているのとちゃうのか」と問うたという。確かに公照の書は素人目にはむちゃくちゃにも見える。しかし、その書家は「基本ができた上で、くずしておられる」と即答。佐伯はそれを聞いてさらに公照にほれ込んだという。
「頭も切れた。絵も書も芸術的なセンスがあり、独特の才能があった」と上野長老は太鼓判を押す。百聞は一見にしかず。企画展は3月15日まで開催している。   (野瀬吉信)祈りの美④ 清水公照 「自分にな」

2月12日は新聞休刊日です。

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2月12日は「新聞休刊日」となっており、朝刊の配達がございません。大変ご不便をおかけいたしますが、ご理解くださいます様宜しくお願い致します。

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【やまと人巡り】 日中両国で活躍する女優に  天理大2年、藤本恵理子さん(20)

【やまと人巡り】藤本恵理子さん① ポーズチャイナドレスで剣を手にし、太極拳やカンフーの華麗な動きで舞う。天理大国際学部で中国語を学ぶ2年、藤本恵理子さん(20)は、昨年開かれた「『漢語橋』世界大学生中国語コンテスト」で中国武術を披露し、パフォーマンス部門1位に輝いた。
北京出身の母親は、かつて女優を志していた。「幼い頃から聞かされていた」という母親の夢はいつしか自分自身の夢となり、中学から演劇を学び、高校から中国語を学び始めた。
「書くのも話すのもまだまだ」と謙遜するが、「将来は日本と中国の両方で喜んでもらえる女優になりたい」と思いは強い。今月から1年間、北京師範大学へ留学する。「多くを学んでくる」と決意している。  (浜)

【やまと人巡り】 観光協会マスコット「しかまろくん」の生みの親 高洋平さん(39)

【ポーズ】高洋平さん1近鉄奈良駅や観光案内所、奈良市の至る所で見かける同市観光協会マスコットキャラクターの「しかまろくん」。その生みの親が奈良市長寿福祉課の高洋平さん(39)。
子供の頃から絵が好きで、大学時代には風景画を描くために国内外を旅行した。卒業後は学芸員として働きながら地元イベントのポスターデザインなどを手がけた。しかまろくんは平成25年に誕生した。かわいらしく、ほのぼのとする絵柄から人気を集め、今やぬいぐるみなどのグッズも販売している。さらに、観光情報誌の表紙も飾るほど人気キャラクターとなっている。
「自分の描いたキャラがグッズになるのは本当にうれしい。奈良のご当地キャラとしてずっと親しんでもらえたら」  (啓)

【祈りの美 ⑦】清水公照 修中絵日記(部分) さまざまな場面を絵と文字で…貴重な作品

東大寺で営まれるさまざまな行事の中でも「修二会」は「お水取り」の名で一般に最も親しまれている行事です。
正式名称は「十一面悔過(けか)」といい、毎年3月、11人の選ばれた僧侶が参籠し、二月堂の本尊である十一面観音に過ちを懺悔することを意味します。天平勝宝4(752)年に国家安寧、五穀豊穣などを祈願して実忠和尚(じっちゅうかしょう)によって始められて以降、二度にわたる大火の際も「不退の行法」として途切れることなく続けられ、本年で1266回を数える伝統的な宗教行事です。作者も数十回にわたり参籠していますが、この行の躍動的な様子は自身の作品を代表する主題の一つともなっています。
本図は作者が大導師を務めた昭和45(1970)年の修二会の本行中に描かれた絵日記の一部です。巻物を手にした大導師と鈴を振り鳴らす咒師(しゅし)の姿が描かれています。翌年の別火(べっか、修二会の準備期間)の際に描いた絵日記と合わせて2巻一組とされており、行中のさまざまな場面を絵と文字によって表した貴重な作品です。  (県立美術館学芸課 松川綾子)修二会絵日記

【インフル】 警報発令 昨季より2週早く  学級閉鎖は43施設に

奈良県内でインフルエンザの流行が拡大しているとして、奈良県は2日、インフルエンザ警報を発令した。県は手洗いやうがい、マスクの着用を呼びかけている。
県によると、1月23~29日の1週間、県内54カ所の定点医療機関から報告された患者数は1782人。1医療機関当たり33人となり、警報発令の基準である30人を超えた。警報は昨シーズンに比べて2週早い。
年齢別では、0~9歳が713人で最多。次いで10~19歳が655人▽60歳以上が111人▽40~49歳が100人―などだった。
1月16~22日の間、インフルエンザにより学年閉鎖や学級閉鎖を実施した県内の保育所や小中高校は43施設に上った。

【バンビシャス通信】 「バンビ女子デー」で盛り上がり 応援ナビゲーターはTAMAKIさんとNANAMIさん

バンビシャス①

「バンビ女子デー」で応援ナビゲーターを務めた中央左がTAMAKIさん、右がNANAMIさん

バンビシャスを応援する女子が主役のイベント「バンビ女子デー」。ホームゲームにはファミリーや女性のブースターが多い特徴がある。女子限定のフリースロー大会や試合終了後には選手と写真撮影会も実施し、盛り上がりを見せた。
楽しさを女性の目線から発信してもらおうと関西コレクションエンターテイメント奈良橿原校から中学3年のNANAMIさんとTAMAKIさんに応援ナビゲーターになったもらった。試合を観戦したNANAMIさんは「試合終了後に選手とハイタッチできるところがとてもよかった」。TAMAKIさんは「チームキャラクターのシカッチェがとってもかわいい」と話していた。
応援ナビゲーターの主な役割はバンビ女子デーの楽しみ方をフェイスブックやツイッターなどSNSを使ってPRすること。2人はバンビ女子グッズの製作にも関わり、女性に興味をもってもらえるよう発信した。
当日は飲食ブースやグッズ売り場をフェイスブックでライブ配信。また、コートサイドでもPR。NANAMIさんは「バンビ女子デーのヘアアレンジブースは500円、オシャレに決めて試合を楽しみましょう」とブースを紹介してくれた。また、TAMAKIさんは「バンビ女子グッズの中ではチームキャラクターのシカッチェのヘアバンドがオススメ」と商品の紹介をしてくれた。
ホームゲーム会場は試合観戦だけでなく、チームキャラクターが会場内を回ったり、ダンスチームがダンスを披露したり、男性の方だけでなく、女性にも楽しんでいただけます。バスケットボールに興味がない方もぜひ一度お越しください。  (バンビシャス広報 和田真智子)

【試合結果】バンビシャス79―81山形ワイヴァンズ(1月28日)▽バンビシャス66―74山形ワイヴァンズ(1月29日)
【ホーム試合予定】
青森ワッツ戦=4日(土)午後6時、5日(日)午後2時▽ならでんアリーナ

【祈りの美 ⑥】清水公照 鶴の図   「線の交錯」鮮やかに

祈りの美鶴⑥ 清水公照 鶴の図作者は「泥仏」から派生した釈迦や十大弟子、羅漢といった伝統的な宗教画題とされるものから、還暦(60歳)を契機に始めた「絵日記」に登場するような四季折々の風物を主題としたものまでさまざまな画題で絵を描いています。軽妙な筆さばきを見せる「鶴図」も作者おなじみの主題の一つです。
墨のにじみや濃淡を利用した「付け立て」と呼ばれる運筆技法を生かして鶴を表現していますが、作者はこれを「線の交錯」と捉えて、筆ならしのために頻繁に描いていたそうです。
古来「鶴」は長寿を示す吉祥図案としてよく画題とされてきました。画中の「松影迎福」「松寿千年」という言葉も常緑樹の松葉が千年という長い歳月を経ても風雪に耐えその色を変えることのない長寿を表すものとして記されており、本作は吉祥づくしのおめでたい作品となっています。   (県立美術館学芸課 松川綾子)

【鹿角抄(コラム)】 奈良時代のたくましさ 「端正」「典雅」「剛勁」

興福寺 古都・奈良のランドマークである興福寺五重塔(国宝)。見慣れた姿だが、1月のある朝、凛とした空気の中で、木組みの美しさ、力強さに改めて見とれてしまった。奈良時代に創建されて以降、焼失、再建を繰り返しながら当初の精神を伝えているわけだが、現代で今後千年も継承される建造物はあるだろうか。
ここ最近、1世紀ぶりの解体修理が進む薬師寺東塔(国宝)、発掘調査が行われた東大寺東塔跡と、塔に関する取材が続いた。薬師寺東塔はこれまで大小の屋根が重なる華麗な姿に目を奪われてきた。今は失われた七重の東大寺東塔で驚くのは何と言っても100㍍に至ったともされる高さだ。古代の寺院でこうした塔が相次いで建てられたのはなぜなのだろう。しかも五重、七重と高く積み重ねられたわけは…。
仏塔は本来は舎利(釈迦の遺骨)を納めた墓とされる。聖なる寺院の象徴的な建造物となるのだが、現存する塔を眺めていると、「美しく造りたい」「技を見せつけてやろう」、さらには「天と地をつなぎたい」といった希求が伝わってくるような気がする。
奈良時代は塔に限らず、東大寺大仏殿(国宝)や興福寺中金堂など巨大建造物が建てられ、荘厳な仏像が祭られた。それらから思うのは当時の人たちの祈り、そしてエネルギー、たくましさだ。先進国、唐(中国)の情報が入る一方、飢饉や災害も相次ぐ中、宗教文化を中心に国力を高めようとした渇望を感じる。
東大寺二月堂の修二会(お水取り)や法隆寺の修正会など国家の安泰や人々の幸福を祈る行が始まったのも当時だ。カリスマ僧侶も登場した。行基は庶民のために架橋、治水を行い、説法をして回った。そんな精神力が育まれた平城京は海外から人と文物が入ってきた刺激的な国際都市だった。だが、今のような機械もライフラインもなかった。それなのに千年後に残るものを築けたのだ。
奈良・天平の時代精神を多川俊映・興福寺貫首は、「端正」「典雅」「剛勁」という3つの言葉で言い表す。千年後、今の時代はどう表されるのだろう。   (岩口利一)

【祈りの美 ⑤】 清水公照 甕 羅漢之図  「煩悩にかられた人間の姿を重ね合わせて…」

祈りの美⑤ 甕 羅漢の図昭和50(1975)年、華厳宗管長・東大寺第207世別当に就任した作者は大仏殿昭和大修理(大屋根の瓦の葺き替え工事)のため全国を奔走しました。こうした中、時間を見つけては各地の焼物の産地に立ち寄り、地元の土や釉薬を用いて窯元で焼く作業は楽しみの一つでもありました。
「泥仏」に始まり、地元の陶芸家が制作した器に絵付けをしたり、手びねりによる成形にも挑戦しています。西日本を中心に約100件にものぼる大小さまざまな窯元で制作された作品には各地の焼物の特徴が感じられると同時に、書画で見せる作者独自の世界観も表現されています。
本作は武骨な風貌の羅漢を絶妙なバランスで胴部に配した大甕です。羅漢とは悟りを得た修行者のことですが、作者はしかめ面の羅漢に煩悩にかられた人間の姿を重ね合わせて描き、何ものにもとらわれない悟りの境地を説きました。
成形・焼成した陶芸家の奥田英山は昭和19(1944)年、滋賀県信楽町(現・甲賀市)生まれ。茶陶を中心に制作し、清水公照に師事しました。信楽の土の味を生かした作風に特徴があります。  (奈良県立美術館学芸課 松川綾子)

【あっ、これ食べたい!】 chocolaterie&cafe TRICO ならまち店 

2階のカフェで味わえるショコラセット

2階のカフェで味わえるショコラセット

奈良市薬師堂町のならまちにある「chocolaterie&cafe TRICO ならまち店」。ショコラティエが一粒一粒思いを込めて作るショコラはまさに芸術品で、訪れる価値は十分にある。
2階のカフェスペースで人気の「ショコラセット」は、好みの「ならまち猪口齢糖(ボンボンショコラ)」3つに日替わりのプティフル(小さな菓子)、ドリンクが付く。
「プティフルを先に食べ、その後ならまち猪口齢糖を食べてみて」とオーナーの小西雄大さん(39)。「18度くらいの温度で食べるのが一番オススメ」だからと言う。ショコラに合うようブレンドされたコーヒーも相性抜群だ。
選んだ「シチリア産ピスタチオ」は、中のガナッシュに最高品質のシチリア島ブロンテ村産ピスタチオペーストを使用している。食べると中から香りが広がる。
フランス、ベルギーだけでなくさまざまな国のチョコレートを使い、素材をより活かすため外側のコーティングの厚さも変えている。妥協を許さないショコラティエのショコラ、本命にはもちろん、自分のご褒美チョコにぜひお薦めです。  (朋)あっ、これ食べたい!3chocolaterie&cafe TRICO ならまち店

【住所】奈良市薬師堂町20-2
【連絡先】☎0742・25・2788
【ホームページ】http://trico-az.com/
【営業時間】午前11時~午後6時
【定休日】不定休
【メニュー】カフェメニューはショコラセット(1200円)、ケーキセット(1200円)など。持ち帰りのならまち猪口齢糖(ボンボンショコラ)は、シチリア産ピスタチオ(320円)、生駒産はちみつ(308円)、春鹿ショコラ(302円)、フランス栗(308円)、自家製オランジェット(308円)など。他に生チョコレート(40粒入り1380円)も。

【祈りの美 ④】 清水公照 書「自分にな」  人柄、人生観わかる作品

祈りの美④ 清水公照 「自分にな」 作者にとって書は創作活動以前に宗教家として必要とされる素養の一つでしたが、本格的に書を学んだのは応召でわたった中国で漢字の文化に肌で触れたことがきっかけだったそうです。中国・唐時代の書家の作品を手本に楷書体や草書体を学び、寺門の扁額や茶掛けにとさまざまな書体を重ねるうちに、おおらかで奔放ともいえる独自の書風を身につけてゆきました。
「自分にな 一、なまけるな 一、おこるな 一、いばるな 一、あせるな 一、くさるな 一、おごるな 右條々自戒自守 別当公照」
と柔らかな文字を書き連ねた本作は「泥仏放語百カ条」と題した作者の100の信条を締めくくる自戒の言葉を表したものです。もともと依頼により書いた6カ条に押しつけがましく感じられたため、「自分にな」という表題を付けてできたといいます。「昭和の良寛」と親しまれた作者のあたたかな人柄とともにおおらかな人生観が読み取れる作品です。  (県立美術館学芸課 松川綾子)

【センバツ】 連覇を狙う智弁学園、23年ぶりの高田商 ともに頑張れ!

第89回選抜高校野球大会の選考委員会が開かれた27日、奈良県内からは智弁学園(五條市)の2年連続11回目の出場と高田商(大和高田市)の23年ぶり3回目の出場が決まった。大会は3月19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。

連覇に向け、気合十分の智弁学園の選手

連覇に向け、気合十分の智弁学園の選手

智弁学園には午後3時半ごろ、選考委から出場決定を伝える電話が。手塚彰校長(54)は「ありがたくお受けいたします」と答えた後、野球場に集まった選手らに「甲子園で頑張って」と激励した。
昨年の選抜大会では初優勝を果たし、今大会は連覇がかかっている。昨秋の近畿地区大会は県予選では優勝したものの、本大会では準々決勝で大阪桐蔭(大阪府)に敗れ、ベスト8にとどまった。
小坂将商監督(39)は「秋季大会で、上には上がいることがわかった。打力と走力を売りに、ひとつひとつ上を目指したい」。福元悠真主将(17)は「攻めの気持ちで連覇を目指したい」と力を込め、「バッティングがチームの持ち味なので、主将としては打撃でチームを引っ張りたい」と意気込みを語った。

帽子を投げて喜びを爆発させる高田商の選手

帽子を投げて喜びを爆発させる高田商の選手

高田商に23年ぶりの吉報を知らせる電話が鳴ったのは午後3時半ごろ。桜井重宏校長(60)は選考委から出場決定を知らされると、「謹んでお受け致します」と答え、グラウンドに集まった選手に「高校生らしい全力プレーを期待する。これからも練習頑張って」とエールを送った。
高田商は昨秋の県大会決勝で智弁学園に惜敗したが、エースの古川響輝投手(17)を中心とした守りと、県大会6試合で23盗塁を記録した機動力で準優勝。近畿地区大会ではベスト8の戦績を残した。昨年まで横浜DeNAベイスターズでプレーした三浦大輔さん(43)の母校でもある。
赤坂誠治監督(40)は「冬に鍛えた打撃がどれだけ通用するかを試すいい機会」と気合十分。4番の大久保拓海主将(17)も「甲子園では高田商の走塁と元気な野球を見てほしい」と意気込んだ。

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