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10182票、葛城市長に阿古氏が初当選 現職の山下氏破り

任期満了に伴う葛城市長選は23日、投票が行われ、開票の結果、元市議で無所属新人の阿古和彦氏(57)が、3選を目指した無所属現職の山下和弥氏(47)=自民、公明推薦=を破り、初当選した。当日有権者数は2万9843人で、投票率は60・72%だった。
阿古氏は「今の葛城市は私たちが願う姿ではない。しっかりとした計画に基づいたまちづくりをする」と訴え、尺土駅前広場整備や住民投票条例の設置、自治体規模に見合う市長報酬の減額などの政策を進めるとして支持を集めた。
阿古氏の事務所に朗報が届くと、支持者から歓声と拍手が起こり、阿古氏は市政の

初当選を決め、喜びを爆発させる阿古氏(中央)

初当選を決め、喜びを爆発させる阿古氏(中央)

新たな舵取り役への意欲を見せていた。

【学童野球】下田スポ少が初優勝 決勝で斑鳩少年野球部下し ダイドードリンコ杯少年野球

奈良県内120の少年野球チームが参加した第14回ダイドードリンコ杯少年野球大会の決勝が23日、奈良県橿原市の佐藤薬品スタジアムで行われ、下田スポーツ少年団(香芝市)が斑鳩少年野球部(生駒郡)を2―0で下し、初優勝した。
両チーム無得点で迎えた四回、下田スポーツ少年団は4番吉冨颯斗の左翼を抜けるランニングホームランで先制。6番大牟田海斗も左翼を越える本塁打を放ち、この回2点をあげて試合を決めた。斑鳩少年野球部は五回に1死一、二塁の好機を迎えるも相手先発の大城志琉を攻略できず、無念の完封負けとなった。
下田スポーツ少年団の酒井優夢主将(12)は「エースがしっかり投げ、みんなが一致団結して守りきった。最後は緊張からピンチを招いてしまったけど、優勝できてうれしい」と笑顔。斑鳩少年野球部の久松夏樹主将(12)は「相手投手はコントロールがよく、球も速くて打てなかった。次に戦う時はヒットを打ち、得点を積み重ねてリベンジしたい」と悔しさをにじませた。
他の試合結果は次の通り。

【3位決定戦】真美ケ丘ファイターズ(北葛城郡)4―1御所ジュニアスラッガーズ(御所市)
【5位決定戦】田原本スラッガーズ(磯城郡)2―0平野パイレーツ(磯城郡)
【7位決定戦】御所リトルクラブ(御所市)22

大会初優勝を果たした下田スポーツ少年団

大会初優勝を果たした下田スポーツ少年団

下田スポーツ少年団は6番大牟田海斗の本塁打で2点目をあげた

下田スポーツ少年団は6番大牟田海斗の本塁打で2点目をあげた

大会初優勝を果たし、胸を張って行進する下田スポーツ少年団

大会初優勝を果たし、胸を張って行進する下田スポーツ少年団

―1広陵東パワフルズ(北葛城郡)

【地震・防災を考える㊤】活断層 奈良も警戒 「注意度Sランク」北部縦断

4月に発生した熊本地震は活断層の動きによって引き起こされた地震だったとされる。奈良でも過去には、活断層の動きによって地震が発生し、民家や寺社などが被害を受けてきた。県内および周囲にどんな活断層があり、今後どう備えればよいのだろうか。2回にわたり検証する。      (北村理)
熊本地震は、布田川断層帯などが動いて引き起こされた活断層による地震だったとされる。地震前、断層帯の一部「布田川区間」の発生確率は「ほぼ0~0・9%」で「やや高い」と評価されていたが、「事前の評価内容が伝わりにくかった」という指摘もあがっていた。
地震の発生確率を検討している地震調査研究推進本部は、熊本地震後、地震評価の見直しを実施。全国の活断層について、発生確率により注意度を「S」「A」といったランク付けで警戒を呼びかける仕組みに変更した。
評価の見直しによると、奈良県内およびその周辺では、県北部を縦断する「奈良盆地東縁断層帯」のほか、「中央構造線断層帯」(金剛山地東縁、和泉山脈南縁)、滋賀県の「琵琶湖西岸断層帯」などが、今後30年以内の発生確率が最高の「Sランク」の断層帯と判定されている。

近づく南海トラフ地震 近畿直下型と相関関係

近畿地方で発生してきた地震は、内陸の直下型地震と南海トラフによる海溝型地震に分けられる。直下型地震は近年では昭和2年北丹後地震や平成7年阪神大震災。一方、南海トラフの地震は昭和19年東南海地震、21年南海地震などがある。
南海トラフの地震は沿岸部で津波などの被害が大きい。直下型地震は震源が浅く、建物倒壊による被害が大きいのが特徴だが、南海トラフの地震と近畿の直下型地震は相関関係がある。
南海トラフの地震を起こすフィリピン海、ユーラシアプレートに近畿の断層があるため、プレートのひずみがたまり南海トラフの地震が起こる可能性が高まると、ひずみが引き金となり、直下型地震が発生することになるという。
近年、昭和南海地震から70年たっていることから、南海トラフの地震が近づいていると指摘されているが、同時に近畿の直下型地震についても注意が必要ということになる。

855年 東大寺の大仏も被害

奈良県内は古来、県中部から北部にある断層帯や京都、滋賀などの活断層の影響を受けてきた。奈良市など県北部の盆地は京都市内や大阪市内と同様、軟弱な地盤に立地しているため、とりわけ、地震の揺れの被害を受けやすい。
そのため、民家はもとより、寺社が被害を受けてきた。その象徴ともいうべきは東大寺の大仏だ。
大仏開眼供養祭が行われた752年(天平勝宝4年)から約100年後の855年(斉衡2年)、大地震で東大寺の大仏の首が落ちたとされている。この被害は、鴨長明が「方丈記」で、1185年に奈良や京都、滋賀など広範囲に被害があった地震を記述する際に触れている。
鴨長明は「昔、斉衡のころとか、大地震振りて、東大寺の仏の御頭落ちなど、いみじき事ども侍りけれど、なおこの度(の地震)にはしかずとぞ(及ばない)」と記し、1185年の地震の大きさを測る尺度として持ち出している。
方丈記から300年前の出来事にかかわらず、大仏の被害は、その時代の人々の記憶にも残る出来事だったようだ。

五重塔は倒壊記録なし 揺れに合わせクネクネ?

過去の地震被害を語る際に、謎として建築の専門家が口にするのが「五重塔の不思議」だ。最古である法隆寺など明治維新以前に造営され現存する22の五重塔は、地震で倒壊した記録がないという。
かつて、東京帝国大の地震研究者は関東大震災の前に「五重塔を倒す地震は存在しない」と発表。実際、大震災で上野寛永寺の五重塔は倒壊しなかった。
倒壊しない理由は、塔の各層が構造上独立しており、地震の揺れに合わせ、「ヘビがくねくね動く(スネークダンス)」ように動くからだといわれるが、目撃証言はなく、また、なぜそのような構造にいたったのか不明なのだという。

【バンビシャス通信】残り14秒で本多選手が逆転の3Pシュート! 東京Z戦

バンビシャスは15、16の両日に開催されたアースフレンズ東京Zとの試合を1勝1敗とし、現在4勝4敗でB2中地区で3位につけている。
初戦は終始リードされる展開で、攻守ともにかみ合わずに敗戦となった。連敗はどうしても避けたい状況。しかし、2戦目も前半を終えて6点ビハインド。第3Q(クオーター)は粘りをみせて3点差で、最終の第4Qを迎える。東京の連続得点で残り5分、13点差と苦しい状況を迎える。しかし、ここから猛追する。小松秀平選手(31)の3ポイントシュートで同点とし、残り14秒で本多純平選手(27)が逆転のシュートを決め、勝利をつかんだ。この日、キャプテンの小松選手はチームトップスコアの16点でMVPを獲得した。
小松選手は「後半、自信のあるシュートを積極的に打とうと思った。それがいい方向に結びついた。今後も積極的なプレーでチームを引っ張っていきたい」と話していた。
衛藤晃平ヘッドコーチは「3ポイントシューターの小松選手はキャプテンの責任感からいろいろ考えるあまり、思い切ってシュートを打てていなかった。この試合が転機になってくれれば」と話した。
3連敗という苦しい状況が続いていたがキャプテン自らのプレーでチームを引っ張り、勝利に導いた。
「最後まで誰もあきらめずに戦ったことで勝利をつかむことができた。われわれはチームワークでプレーし、全員で戦うチーム。それを忘れずに戦っていきたい」と小松選手は次戦に目を向けていた。
22、23の両日は現在7勝1敗で中地区首位の西宮ストークスとアウェーゲームを戦う。チーム全員でつかんだ劇的勝利の勢いそのままに上位チームに挑みたい。(バンビシャス広報 和田真智子)
【試合結果】
バンビシャス66―74アースフレンズ東京Z(15日)
バンビシャス71―69アースフレンズ東京Z(16日)
【試合予定】
西宮ストークス戦=22日午後5時、23日午後3時▽西宮市立中央体育館

思い切りのいい3ポイントシュートを決める小松秀平選手。転機になるか

思い切りのいい3ポイントシュートを決める小松秀平選手。転機になるか

奈良のいい店 公式アプリで…観光客呼べ、 「大仏商法」改めるられるかカギ

観光客の消費意欲を刺激して奈良県内の経済活性化につなげようと、奈良県は来年1月から、奈良市内のお得な店舗情報を掲載したスマートフォン用の県公式アプリ「ならたん―きょうから奈良へ」を配信する。アプリでは地図上で付近の店舗情報を検索できたり、割引クーポン券を入手できたりするという。
「ならたん」という言葉には「奈良を探検、探索」してほしいとの意味を込めた。来年1月4日配信予定で、アプリには奈良公園やならまち、JR奈良駅周辺など、観光客が多いエリアで営業する店舗の情報や割引クーポンが掲載される。クーポンによって生じた割引費用は県が補填するという。
奈良県は今月末までクーポン利用に協力する店舗約100店を募集している。県担当者は「奈良はまだまだ魅力的なお店の存在が知られていない。観光客と店を結びつけて消費につなげたい」としている。
アプリの詳細や協力店舗の申し込みは、ならたんホームページ(https://www.naratan.com)。

潮目変わりつつある今こそ工夫求められる

「大仏商法」。奈良の商売に対する姿勢を揶揄する言葉として知られるのがこの表現だ。国内有数の世界遺産を抱える一大観光地だが、宿泊施設の少なさから日帰り客が多く、大阪や京都、神戸に比べると県庁所在地付近の飲食店の閉店時間も早い。そのためか、「奈良の夜は暗い」とマイナスイメージでとらえられることもしばしばだ。
奈良県観光客動態調査によると、平成26年の観光入込客数は日帰り客が約1893万人、宿泊客が約200万人だった。1人あたりの観光消費額は宿泊客が2万5966円で、日帰り客は3871円。全国でもかなり低い方で、観光消費総額は約1252億円だった。たとえば京都の26年の観光消費総額は約8139億円で、昨年は1兆円を超えている。
こうした現状について、奈良市観光協会の鷲見哲男専務理事は「奈良にはいいお店がたくさんあるが、看板が控えめだったり、深夜営業の店が2階や路地にあったりして、気付かれにくい」と話す。そのため、観光客の積極的な消費行動に結びついていないというのだ。
一方、奈良市内では平成32年に外資系高級ホテル「JWマリオットホテル奈良」が開業を予定。全国最低レベルの宿泊施設の少なさが課題だったが、誘致が決まって以降は県にも複数の国際級ホテルから立地の問い合わせがあるという。
鷲見専務理事は「ホテルができれば宿泊客が増える。潮目が変わりつつある今こそ、各店舗はどうすれば観光客を引き寄せられるのか、『見せ方』を工夫する必要がある」とした。

観光客や修学旅行生でにぎわう近鉄奈良駅前の商店街。観光客の知らない「穴場」も多い=奈良市東向中町の東向商店街

観光客や修学旅行生でにぎわう近鉄奈良駅前の商店街。観光客の知らない「穴場」も多い=奈良市東向中町の東向商店街

【生け花】生花~生け分け~

 境將甫(嵯峨御流)
【花材】伊吹杉
【花器】薄端
【作意】豊かな葉の繁りから、細い枝先にまで線の勢いを感じさせる伊吹杉。
いけ分けとは、足元から均一なる空間を作り上げるいけ方です。空間が持つ緊張感を感じて頂ければと思います。

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奈良県華道展覧会が華やかに開催 66回目、「親子いけばな体験教室」も

今年の 「奈良県華道展覧会」が13日~16日、奈良市の奈良県文化会館で開催された。来場者は色鮮やかな花に見入っていた。
奈良県華道会(松村翠英理事長)が生け花の振興などを目的に主催し、今回で66回目。鮮やかなケイトウや赤い果実を実らせたツルウメモドキなどで彩られた作品など、29流派から210点の作品が出展された。
松村理事長は「奈良で生け花を展示する機会は少ない。展覧会で多くの方が生け花に興味を持ってくれれば」と話していた。来場していた奈良市の後藤由美さん(71)は「いつも季節の花を楽しませてもらってます。秋は花も豊富できれいですね」と話していた。
また、期間中の15,16の両日、会場で「親子いけばな体験教室」も開催された。生け花の魅力を知ってもらい、後進の育成にもつなげようと企画された。参加した奈良県王寺町の小学2年、山内颯華(ふうか)さん(8)は「つぼを広く使って葉っぱが大きく見えるように挿しました。花は家のテレビの前に飾りたい」と笑顔で話していた。体験教室事務局の吉村晴芳山さんは「花を愛でることで、子供が生け花に興味を持ってくれれば」と話してい

華やかに開催された華道展覧会

華やかに開催された華道展覧会

「親子いけばな体験教室」で講師のアドバイスを受け、思い思いに生け花を楽しむ参加者

「親子いけばな体験教室」で講師のアドバイスを受け、思い思いに生け花を楽しむ参加者

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【あっ、これ食べたい!】奈良県産素材使用、奈良土産にも…スコーン専門店「ここまーる」

奈良市小西町にあるスコーン専門店「ここまーる」。
オーナーの保坂光秋さん(37)が作るスコーンは、まん丸で華やかな色紙に包まれていて、目で見ても楽しめる。
毎日焼き上げるスコーンは、発酵バターや北海道江別産の小麦粉を使用するこだわりで、県産素材を使ったユニークなスコーンなど、20種類ほどが店頭に並ぶ。
全粒粉の香ばしさと栗の甘みがマッチした「栗と全粒粉」、生地に紅芋が練り込まれ、金時芋が入った「紅芋と金時芋のスコーン」はこの時期の季節限定商品となっている。
醤油とざらめの甘じょっぱい「向出醤油さんの本造り醤油とざらめのスコーン」や、和と洋の絶妙な組み合わせの「中尾農園さんの大和抹茶とクランベリー、ホワイトチョコ」などは奈良土産にもピッタリだ。
「プレーン」と「全粒粉プレーン」は卵不使用。他の種類も事前に予約すれば、仕上げの卵液をぬらない「卵アレルギー対応」もしている。  (朋)

■スコーン専門店 ここまーる

【住所】奈良市小西町1-7

【連絡先】☎0742・26・2232
【営業時間】午前9時~午後7時(売り切れ次第閉店)%e3%81%82%e3%81%a3%e3%80%81%e3%81%93%e3%82%8c%e9%a3%9f%e3%81%b9%e3%81%9f%e3%81%84%ef%bc%81%ef%bc%93
【定休日】日曜
【メニュー】栗と全粒粉(230円)、紅芋と金時芋のスコーン(230円)、かぼちゃ(180円)、向出醤油さんの本造り醤油とざらめのスコーン(230円)、中尾農園さんの大和抹茶とクランベリー、ホワイトチョコ(210円)、春鹿酒造さんの酒粕スコーン(230円)、奈良のきたまち豆腐さんのおからと豆乳のスコーン(210円)、カシューナッツ・ココア(180円)、プレーン(150円)、全粒粉のプレーン(150円)、ここらすく(280円)など

大仏グラブを作り直し 52個の普通サイズ、被災地の中学生に寄贈へ

東日本大震災の復興支援に向け製作された東大寺(奈良市)の大仏の手にはめられる大きさの野球グラブ「大仏グラブ」が、通常サイズのグラブ52個に作り直され、同寺に奉納された。
大仏グラブは平成26年から、復興支援の一環として大和郡山市の野球グラブメーカー「BBA」が企画。昨年4月~8月に全国の東北の子供らと縫製し、10月に約3・6㍍のグラブが完成。12月には同寺に奉納され、今年3月から夏ごろまで福島県いわき市で展示されていた。
同社は被災地に中古のグラブを寄贈してきたが、4月に発生した熊本地震を受け、大仏グラブを実際に使ってもらい、被災地を勇気づけたいと考え、通常サイズのグラブへの作り直しを企画したという。
大仏グラブは同社が8月末から約1カ月かけて解体。通常サイズの52個を製作した。12月には東北や熊本の中学校へ寄贈を予定している。
同社の梅原伸宏代表(52)は「被災地の復興支援と

大仏グラブから作り直された52個の野球グラブ

大仏グラブから作り直された52個の野球グラブ

奈良・東大寺に奉納された大仏グラブ=平成27年12月26日

奈良・東大寺に奉納された大仏グラブ=平成27年12月26日

なり、子供たちをグラブで元気づけられれば」と話していた。

【鹿角抄(コラム)】穏やかな奈良の県民性は美徳、でも…

奈良県庁に入ると、1階ロビーには品のいいお香の香りが漂っていた。なんとかぐわしいにほひ…「おもてなし」の一貫で、春日大社でたかれているお香と同じものだという。さすが古都奈良、優美なものだ。
10月から奈良支局勤務となった。前任地は大阪。自宅は市内のど真ん中にあり、よく深夜に集団暴走をするバイクの爆音で目が覚めた。奈良に越してからというもの、草木のにおいを感じ、虫の声を聞きながら驚くほど安眠できるので、身も心も潤いを取り戻していくのを感じている。
とはいうものの、大阪にいたがゆえに、ゆったりとしたときの流れにつまずきそうになることもある。
先日、初めて荒井正吾知事の定例記者会見に出席した。驚いたのは、発表案件が「特になし」だったことだ。「特にありませんので各社質問があれば…」で始まった。もちろん毎回そういうわけではないらしいが、一度でもそういう定例会見があることにカルチャーショックを受けた。
各社の記者が一堂に会する定例会見は、県が情報を発信、アピールする絶好の機会だ。以前担当した千葉県では、記者会見室には県イチオシの商品や特産物が所狭しと並び、森田健作知事がイベントや県の施策を雄弁にアピールした。大阪や兵庫県を担当した他の記者にも聞いてみたが、「何もないという定例会見は聞いたことがない」と、どうやら珍しいようだ。
むろん、知事個人のせいではない。県職員が積極的に知恵を出し合い、どうすれば県をアピールできるのかを考える必要がある。知事も「何もないとはどういうことか」と叱咤激励して然るべきだろう。
穏やかな県民性は美徳だが、日本に、世界に存在感を示すためには消極的であってはいけない。魅力的な美しいまちだと、数日住んだだけでも思う。だが、いかんせん受け身。もっと〝奈良自慢〟をしたらいい。奈良県にはぜひとも奮起してほしいものだ。       (田中佐和)

秋恒例 日本酒を楽しむ「豊祝会」 11月1日開催 参加者募集

毎秋恒例の日本酒を楽しむ「豊祝会」(奈良豊澤酒造主催)が11月1日、奈良市の奈良春日野国際フォーラム甍(いらか、旧奈良県新公会堂)で開かれる。今回で25回目で、一般参加者を募集している。
当日は2部構成で、1部(午後4時~午後5時半)は万葉学者の上野誠・奈良大教授が「宴の古代学」と題して日本の酒宴文化の展開について講演する。入場は無料。
2部(午後6時~午後8時)は甍レセプションホールで、今年の全国新酒鑑評会で12回目の金賞を受賞した大吟醸豊祝や、今年発売の「豊祝プレミアムシリーズ」など、奈良豊澤酒造の銘酒と料理を楽しむ「豊祝会パーティー」が開かれる。参加費は5千円。
申し込みは往復はがきに住所、名前、職業、電話番号と、「講演会のみ」「豊祝会パーティーのみ」「両方参加」のいずれかを明記し、〒630―8444 奈良市今市町405 奈良豊澤酒造内「豊祝会事務局」へ。今月24日必着。問い合わせは事務局(☎0742・61・7636)。

【ならスポ】インターハイV 幼なじみペア 競い合い成長

今夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)で、なぎなた女子演技の部で県勢初の優勝を果たした奈良育英高校(奈良市)なぎなた部2年の井口晴奈さん(17)と木村祐実さん(16)。幼い頃からライバルとして競い合ってきた2人は、「正反対」という性格ながら絶妙なペアとしてそれぞれの力を発揮してきた。さらなる高みを目指し、日々練習に励んでいる。
友人の誘いで小学3年から学校のなぎなたクラブに入ったという井口さんは、「小学生のころはずっと嫌だった」と話す。大会ではいつも1回戦負け。「センスもないし、やめようかな」とずっと思っていた。
一方、幼稚園でなぎなたを始めた木村さんも同じクラブに所属。「小さいころから体格に恵まれていた」こともあり、小学生時代は全国大会で演技や個人の部で度々優勝する〝エリート〟だったという。
そんな姿に、「木村に勝ちたい」と発奮したのが井口さん。嫌々だった練習にも集中して取り組むようになり、奈良育英中2年で出場したジュニアオリンピックでは個人戦3位に。一方、「昔は大会は好きだったが、大の練習嫌いだった」木村さんは、個人戦では井口さんに勝てなくなっていた。
「強くなりたい」と、木村さんも井口さんが進む奈良育英高校に進学。そこから、2人のペアが始まった。
なぎなたの演技競技は、技をかける「しかけ」と、受ける「応じ」の2人1組で型を演じ、優劣を競い合う。姿勢や打突の正確さ、気勢、2人の調和や間合いなどの優劣により勝敗が判断される。

ポーズを決める木村祐実さん(左)と井口晴奈さん

ポーズを決める木村祐実さん(左)と井口晴奈さん

演技の練習に励む木村祐実さん(左)と井口晴奈さん

演技の練習に励む木村祐実さん(左)と井口晴奈さん

2人を「本当に性格が正反対」と評する奈良育英高校なぎなた部監督、小嶋弘美さん(51)は、「強気で勢いのある」木村さんが「しかけ」、「我慢強く、相手の気持ち受けきれる強さがある」井口さんが「応じ」でペアを組むよう勧めた。
「練習する度にけんかする」というが、「互いに遠慮がないことで、信頼し合えているのでは」と小嶋さん。2人で初めて臨んだ今年1月の近畿大会では3位に。今夏のインターハイも「楽しみながら」決勝まで勝ち進んだ。
そして臨んだ決勝は、「今までで1番のびのびとした演技」(小嶋さん)で強豪の県立須恵高校(福岡県)に5―0で圧勝。うれしさのあまり号泣する木村さんの隣で、「優勝の実感がわかなかった」と井口さんは呆然としていたという。こんな場面でも、2人は正反対だった。
今月、岩手県で行われた国体にも出場。だが、「全国制覇のプレッシャーがあった」と、5位入賞に終わった。「全然満足できない」(木村さん)、「これが今の実力。もっと気持ちに余裕を持って試合に臨めるようにしたい」(井口さん)と、気持ちを新たにまた練習に励んでいる。
「まだまだ演技も、気持ちも未熟。インハイは2連覇、目指しますよ」。強い口調で誓った2人のさらなる成長が楽しみだ。     (神田啓晴)

「国際ソロプチミスト奈良―まほろば」が認証20周年式典

世界で女性の地位向上などに取り組む社会奉仕団体「国際ソロプチミスト奈良―まほろば」(日野西光尊会長)が認証20周年を迎え、奈良市のホテル日航奈良で記念式典・祝宴が開かれた。
式典には荒井正吾知事ら来賓や関係者600人以上が出席。高円宮妃久子さまの記念講演「根付―掌の世界」では、根付けにまつわる貴重なお話が披露され、出席者は熱心に耳を傾けた。
まほろばは平成8年に認証され、現在会員は63人。20周年を記念し、社会奉仕の一環として県に身体障害者用の競技用車いす4台などを寄贈したほか、熊本地震の被災地や海外の貧困国に支援金を贈った。

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「国際ソロプチミスト奈良―まほろば」の式典

 

 

雪丸といっしょに秋の王寺町を歩こう ウォーキングラリー開催

 王寺町内の聖徳太子ゆかりの地や観光スポットなどをめぐる「聖徳太子の愛犬 雪丸の里巡り ウォーキングスタンプラリー」が2日開かれ、県内外の小学生から80代まで約200人が参加した。

雪丸と一緒に大和川の河川敷を歩く参加者ら

雪丸と一緒に大和川の河川敷を歩く参加者ら

 町外の人にも王寺町の良さを知ってもらい、訪れてもらうきっかけにしたいと、町観光協会が主催して初めて開かれた。

 午前9時半ごろ、大和川河川敷のふれあい広場を出発。奈良盆地が一望できる明神山や聖徳太子の愛犬、雪丸像がまつられた達磨寺など、町内3カ所のポイントでスタンプを集めながら約16キロの行程を約6時間かけて歩いて巡った。

 ポイントでは、町の公式マスコットキャラクター「雪丸」が出迎え、参加者らは写真を撮るなどして楽しんでいた。また、スタンプをすべて集めた参加者には、雪丸のマスコットキーホルダーがプレゼントされた。

 大阪府阪南市から訪れた会社員の永本愛さん(33)は「意外ときつかったけれど、おしゃべりしながらだと、あっという間に時間が過ぎた。明神山に登ると、空気が澄んでいて、ひんやりと気持ちよかった」と話していた。

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なら食と農の魅力創造国際大学校で10月29日イベント 特製カレーも

 今春、県が開校した「なら食と農の魅力創造国際大学校」(通称NAFIC)で10月29日、日ごろの学校の取り組みや学生の学習成果について知ってもらおうとイベント「第1回NAFIC祭」が開催される。

なら食と農の魅力創造国際大学校で行われている調理実習の様子=5月、同大学校安倍校舎

なら食と農の魅力創造国際大学校で行われている調理実習の様子=5月、同大学校安倍校舎

 会場は同大学校の安倍校舎(桜井市)。当日は学生が栽培した野菜を使った特製カレーの調理実演と提供、学生が作ったジャムや洋菓子の販売のほか、学生が「先生」となって秋野菜の栽培方法を教える企画、トラクターや耕運機の展示-などの催しが予定されている。

 同大学校の担当者は「地域住民らとの交流を通じて、NAFICがどんな学校なのか知ってもらいたい。学生には学習成果の確認やコミュニケーションスキルを高める機会にもしてほしい」と話している。

 イベントは午前11時~午後4時。入場無料。当日はJR、近鉄桜井駅と臨時駐車場の県銘木協同組合から無料送迎バスが運行される。詳しい問い合わせは同大学校の安倍校舎(☎0744・46・9700)。

なら食と農の魅力創造国際大学校で行われている調理実習の様子=5月、同大学校安倍校舎

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【高校野球】高田商、高取国際が4強 秋季近畿大会県予選

 秋季近畿地区高校野球大会県予選が2日、橿原市の佐藤薬品スタジアムで行われた。結果は次の通り。
【準々決勝】高田商7―0橿原(七回コールド)▽高取国際7―0奈良朱雀(八回コールド)

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大陸との交流をアートで表現 8社寺に現代美術作品が〝出現〟

 奈良市内の8社寺を会場に現代アートを展示している「古都祝(ことほぐ)奈良-時空を超えたアートの祭典」。奈良時代の平城京がシルクロードと通じた国際都市だったことを踏まえ、アジア各国の作家が出展した作品は奈良時代に創建された社寺と融合、現代へと至る国際的な文化交流を浮かび上がらせている。

文字にタッチすると動物などが現れる映像=春日大社

文字にタッチすると動物などが現れる映像=春日大社

 「古都祝奈良」は、日中韓の3カ国が文化交流する「東アジア文化都市2016奈良市」(実行委員長、仲川げん・奈良市長)のメインイベント。アートを通じて大陸から人が訪れ、物資がもたらされた1300年前からの国際性を伝えている。

 奈良時代、平城京東側の東大寺に対し西側に創建された西大寺の境内では、トルコのアイシャ・エルクメンさんの作品「池からプールから池へ」を展示。池をシルクロード東端の奈良に見立て、そばにプールを制作、池とパイプでつないで水を循環させ、東西の文化交流、伝統と現代の融合を見せている。

 中国・唐から戒律を伝えるため苦難を乗り越えて来日した鑑真が開いた唐招提寺境内にあるのは、シリアのダイアナ・アルハディドさんの「ユニコーンの逃避行」。鑑真が渡海途中で出あったという龍神の伝承が残る滄海池に展示されており、この池の物語と中東起源のユニコーン(一角獣)の物語が象徴する文化の移動などを踏まえた造形作品という。

タペストリーをモチーフにした「ユニコーンの逃避行」=唐招提寺

タペストリーをモチーフにした「ユニコーンの逃避行」=唐招提寺

 一方、国内の作家としては書家の紫舟さんと「チームラボ」が春日大社着到殿で映像を披露。スクリーンに投影された紫舟さんの文字に訪れた人が触れると、それが意味する図柄に姿を変えて動き始めるというユニークな作品となっている。

 ほかに東大寺、興福寺、元興寺、大安寺、薬師寺の各会場でも開催中で、10月23日まで。問い合わせは奈良市東アジア文化都市推進課(☎0742・27・0120)。

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脳の障害みんなで考えよう 奈良パイロットクラブがウォークで訴え

 脳の大切さや脳関連障害の予防を訴える「2016パイロットウォーク」が2日、奈良市で開かれた。社会奉仕団体「奈良パイロットクラブ」のメンバーや、ボランティアの大学生ら約50人が市内を歩き、知的障害や事故による脳への外傷で後遺症を持つ人への支援を呼びかけた。

横断幕を掲げて三条通りを歩く参加者

横断幕を掲げて三条通りを歩く参加者

 パイロットクラブは、1921年に米国・ジョージア州で発足。脳に障害を持つ人たちの支援や、脳に関わる障害の予防を訴える啓発活動を各地で行っており、「パイロットウォーク」は全世界のクラブが同じ日に行う行事として毎年行われている。

 この日は、「歌って歩いて健康づくり」をテーマに、参加者たちが音楽療法士と一緒に楽器を演奏したり、歌謡曲や童謡を歌ったりした後、「一生かけて脳を守ろう」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げて、三条通りから猿沢池周辺などを約1時間かけて歩き支援を呼びかけた。

 奈良パイロットクラブの谷殿幸子会長(69)は「歩く姿を見てもらい、脳を守ることの大切さが伝わればうれしい」と話していた。参加した奈良学園大学3年の前川圭汰さん(21)は「初めて参加しましたが、障害がある方とも歌を歌ったりして楽しめました。今後もこのような活動に積極的に参加したい」と話していた。

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表情豊かなサツキ140点一堂に 薬師寺で秋風展

 丹念に手入れされたサツキの盆栽を展示する「奈良薬師寺さつき盆栽展 秋風展」が、薬師寺(奈良市)の玄奘三蔵院伽藍で開かれている。海外からの観光客も含めて多くの人たちが美しさに見入っている。9日まで。

来場者たちは丹念に手入れされたさまざまなサツキの盆栽に見入っていた

来場者たちは丹念に手入れされたさまざまなサツキの盆栽に見入っていた

 サツキの盆栽展示を通じて、日本文化や盆栽の美しさを国内外の観光客らに感じてもらおうと、「日本さつき盆栽協会」(斑鳩町)と同寺が、平成15年から共同で開催、今回で27回目になった。

 境内には樹齢100年を超える盆栽や、一本一本の枝葉が整えられた美しいサツキの盆栽など、約140点が展示されている。

 同協会の吉川隆憲会長(67)は「秋はサツキの花がない季節だからこそ、より盆栽の芸術性を感じてもらえると思う。作品を見て日本の原風景を思い浮かべるなどして楽しんでもらえれば」と話していた。

 拝観時間は午前8時半~午後5時。拝観料は一般1100円、高校・中学生700円、小学生300円。問い合わせは薬師寺(☎0742・33・6001)。

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奈良少年刑務所をにぎわい拠点に ホテル、博物館…プラン続々

 今年度限りでの廃止が決まった奈良少年刑務所(奈良市)。歴史的な建物を生かした活用法が議論されている。保存・活用にあたっては民間事業者に運営権を移すことが決まっており、耐震改修を施した上でホテルや博物館として再生する案が浮上。地元では「活性化の拠点になれば」と期待されている。(山﨑成葉)

■最後の五大監獄

 県庁から約1キロ北の住宅街にある奈良少年刑務所。重厚なレンガ造りにドーム屋根をもつアーチ型の表門、庁舎から放射状に5つの収容棟がのびる構造が特徴的だ。

中央監視所からは収容棟の出入り口が見渡せる。上部には明かり取り窓も

中央監視所からは収容棟の出入り口が見渡せる。上部には明かり取り窓も

 明治政府が「近代化」をアピールするため、旧司法省技官の山下啓次郎が設計。明治41(1908)年に「奈良監獄」として完成した。同時期に鹿児島や長崎、金沢、千葉でも監獄が建てられ、奈良を合わせて「五大監獄」といわれるが、当時の姿をとどめるのは奈良のみだ。

 山下は欧米8カ国で約30カ所の監獄建築を視察しており、先進技術や意匠が随所に取り入れられている。一貫しているのは「合理的」な設計。5棟の収容棟(いずれも2階建て、居室計515室)は中央監視所が大きなホールになっており、出入り口を見渡せる。収容棟には柱がなく、居室の端から中央監視所まで〝死角〟がないのも特徴だ。

 中央監視所や収容棟の廊下には至るところに明かり取りの天窓が設置され、柔らかな光が入る。刑務所にこうした窓が造られることは珍しいという。法務省の担当者は「山下は『刑務所建築』と対極にある『神殿建築』の機能を取り入れた。『何か受刑者に働きかける力がある』と考えたのではないか」と推察する。

 建設は大半が受刑者らによって行われたといい、丁寧な仕事ぶりが見て取れる。収容棟の壁や刑務所を囲むレンガ塀は、下方の色が濃い。下方のレンガに塩を多くまぜて強度を高くしているためだ。軒下も石材で装飾し、収容棟と接続する中央監視所にはドーム屋根を施すこだわりぶりだ。

■民間資金生かし

 だが現役最古の刑務所は経年劣化が進み、耐震補強の必要性が指摘されていた。そこで、刑務所としては閉鎖し、建物は「内部を含め、建物の構造を生かした形で活用する」(法務省)方針が示された。

ドーム屋根をもつ「奈良少年刑務所」のアーチ型の表門

ドーム屋根をもつ「奈良少年刑務所」のアーチ型の表門

 同省が昨年行った調査では、奈良はホテルが少ないことから「ホテルだと事業性が見込める」との結果が得られたという。耐震改修費は36億円以上と見込まれ、所有権は国のまま、民間資金を生かすPFI方式の採用を決定。重要文化財に指定されれば耐震改修費の半分は国が負担し、残りを運営する民間事業者が負担することになる。

 これまで刑務所が重文指定されたのは旧網走監獄(北海道網走市)のみ。明治42年に火災で大半を焼失した後、45年に再建され、木造の放射状舎房が完全な形で残る。明治期の木造監獄の数少ない保存例として歴史的価値が高く、重文には今年指定された。建物は昭和58年から公益財団法人が博物館として運営、公開されている。

■地域と身近に共存

 全国に7カ所ある少年刑務所の中でも、奈良少年刑務所は、こまやかな矯正教育で知られてきた。

 昭和29年に職業訓練施設「若草理容師養成所」が開設され、本格的な職業訓練を開始。翌30年に理容科の資格取得に向けた実習の場として、「若草理容室」が開設された。

 現在はほかに介護福祉や建築、情報処理技術など13種類の職業訓練を実施。再犯防止や社会復帰の手助けとなるよう知識や技術、資格の取得を促してきた。現在、26歳未満の初犯の男性受刑者を中心に約400人を収容(定員696人)しているうち、約4分の1が職業訓練を受けている。

 重文指定による保存・活用を求め活動してきた地元の般若寺町自治会の小井修一会長(79)は「特異な形の門構えと外国のお城のようなレンガ塀。威圧的な刑務所というのではなく、地域と身近に共存する関係性があり、プラスのイメージの方が強かった」と話す。保存・活用に向けた機運を高めた一端は、住民らのこうした声にあった。

■更生教育を継承

 平成26年には、保存を求める市民団体「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」が発足。世界的ジャズピアニストで、設計者の孫にあたる山下洋輔さんが会長に就いた。山下さんは、耐震改修後の建物でジャズコンサートを開きたいと話しているという。

収容棟の廊下には天窓が。居室の木製ドアも当時のままだ

収容棟の廊下には天窓が。居室の木製ドアも当時のままだ

 活動の呼びかけ人の一人で奈良市在住の作家、寮美千子さん(60)は19年から改善指導の一環として、受刑者を対象に「詩の授業」を月1回実施。当初は尻込みする気持ちもあったが、授業を続けるうち「彼らに会えるのが楽しみになり、世界観が変わった」と振り返る。

 授業は9月で終わったが、同会が法務省に提出した要望書は「カルチャースクールや困難を抱えた少年少女を受け入れ、心を癒やし、居場所となるような場を設定してほしい」としている。寮さんは「歴史ある建物だけでなく、その中ではぐくまれてきた更生教育を継承し、成果を一般社会に還元する場としてもらいたい」と力を込める。

 保存・活用を求めて活動してきた周辺34自治会でつくる鼓阪地区自治連合会の横田利孝会長(75)も「誇るべき奈良の近代遺産。歴史を生かした形でにぎわいの施設としても活用し、まちの活性化につながれば」と期待する。

 法務省は年内に事業者の公募を始める予定。平成31年秋ごろにも、歴史的な意匠を生かした新しい施設が誕生する見通しだ。

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町家の芸術祭・はならぁと開幕 高取町内がアートで満たされる

 町家を活用して芸術家が作品を披露する第6回の「奈良・町家の芸術祭 はならぁと2016」が1日、高取町のメインストリート・土佐街道沿いの「土佐町並みエリア」で開幕した。約200体の案山子が並ぶ「第8回町家のかかし巡り」もこの日から始まり、町の中心部はアート一色に染まった。31日まで。

「はならぁと」では町屋に現代アートが展示された

「はならぁと」では町屋に現代アートが展示された

 「はならぁと」では町家など5カ所に、「人の集い」をテーマに石垣克子さんら5人の作家による絵画や写真などの現代アート約80点を展示。古い町家の中に新進気鋭のアーティストの斬新な作品が並び、不思議な「異空間」をつくりだしていた。

 同芸術祭事務局長の飯村有加さん(27)は「アートや案山子が町並みに溶け込んでいる不思議さや、作家の表現を見てほしい」。愛知県春日井市から訪れた会社員、欧美英さん(25)は「作品はとてもかわいい。たくさんの案山子を見たことがなかったので、おもしろかった」と話していた。

 開催時間は午前10時~午後4時。「はならぁと」は橿原市の今井町や八木札の辻、吉野町国栖でも開催される。問い合わせは同芸術祭実行委員会(☎0743・25・6126)へ。

「はならぁと」では町屋に現代アートが展示された

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【高校野球】橿原学院と智弁学園がベスト4 秋季近畿大会県予選

 秋季近畿地区高校野球大会県予選が1日、橿原市の佐藤薬品スタジアムで行われた。結果は次の通り。

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GPSで徘徊高齢者の安全見守り 小型端末で利用広がる

 認知症による徘徊で高齢者が行方不明になる事案が相次ぐ中、広陵町で福祉用具の貸与事業を手がける「アーバン福祉用具」が、徘徊時に所在を知らせるGPS機能付き感知機器「iTSUMO」を開発した。靴やつえなどに装着して使用する。県内ほぼ全域と、大阪、兵庫、熊本の一部市町で介護保険が適用できるといい、担当者は「介護する家族の手助けになれば」としている。

アーバン福祉用具が開発した「iTSUMO」。専用カバーで靴やつえに装着できる

アーバン福祉用具が開発した「iTSUMO」。専用カバーで靴やつえに装着できる

 機器はもともと、携帯電話会社が子供の誘拐防止に開発した小型のGPS端末。同社は、高齢者の徘徊による行方不明防止に役立てようと、独自仕様に開発した。

 徘徊が始まった際、機器が歩く振動を感知することで、あらかじめ登録した連絡先5件に通知メールを自動配信。その後も徘徊が続くと、所在を知らせる地図情報を2分ごとに送る。利用者それぞれの住環境に応じた個別設定が可能で、専門スタッフが踏切や交差点など危険な場所を登録し、近づいた際に機器が作動するよう設定する。

 同社によると、GPS型徘徊感知機器に介護保険が適用された例はなく、同社は全国の各自治体を回って許可を要請。9月1日現在で県内20市町のほか大阪府の9市、兵庫県の4市と熊本市で、介護保険が適用できるという。

 介護保険適用での貸与価格は1カ月1300円。現在、県内と大阪府を中心に約100件の利用実績があるという。アーバン福祉用具所長の信国隆さん(58)は「認知症高齢者と家族の安心な生活につながれば」としている。

 同社が作製した専用カバーを使えば、市販の靴の甲部分やつえ、かばんなど、使用者の用途に合わせた装着も可能。試用希望者には、機器の無料貸し出しも行っている。問い合わせは、アーバン福祉用具(☎0745・55・0126)。

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赤い羽根共同募金県内でもスタート 近鉄奈良駅前でセレモニー

 「赤い羽根共同募金」が1日、全国一斉にスタートし、県内でも奈良市の近鉄奈良駅前の行基広場でオープニングセレモニーが開かれ、ボランティアなど約150人が参加した。

「赤い羽根共同募金」のオープニングセレモニー

「赤い羽根共同募金」のオープニングセレモニー

 今年で運動開始70年を迎える共同募金の全国統一テーマは、「じぶんの町を良くするしくみ」。募金期間は来年3月31日までで、県内では1億7500万円の目標額を掲げている。

 セレモニーでは、奈良徳島県人会による阿波踊りや、関西を中心に活動するフォークデュオ「ワライナキ」による募金応援ソング「akaihane(赤い羽根)」などが披露され、シンボルキャラクター「愛ちゃん」も募金を呼びかけた。

 県共同募金会常務理事の田中敏彦さん(64)は「奈良で得た募金はすべて奈良の地域福祉のために使われる。募金で自分たちの町を互いに支え合っていけたらうれしい」と話していた。

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アラスカの大自然切り取った 中島渉さんの写真展 レクサス奈良八条で開催中

 アラスカ(米国)を拠点に、その雄大な大自然などの撮影活動を続ける自然写真家、中島渉(たかし)さん(34)の写真展「命の環」が1日、奈良市の「レクサス奈良八条」で始まった。10日まで。

サケをとらえるブラウンベアを写した作品

サケをとらえるブラウンベアを写した作品

 中島さんは淡路島出身。広告制作会社で写真を学んだ後、平成20年に留学でアラスカへ渡り、動植物などを撮影してきた。写真展では、サケをとらえるブラウンベアやクロクマの親子、鋭い目つきのハクトウワシ、ヘラジカなど、躍動感あふれる写真36点が並ぶ。

 奈良トヨタ自動車の菊池攻社長がアラスカを旅行した際、ツアーコンダクターを務める中島さんと出会い、写真展開催につながった。

 この日の開会式で、菊池社長は「働きながら写真の道を志す中島さんは、今後、日本でもきっと活躍してくれる」と激励。「クマと氷河とオオカミ」をテーマに記念講演した中島さんは、「人も自然も動物も、すべてがつながっている。写真を通じて多くの人に自然を好きになってもらえたらうれしい」と話した。

開会式で記念講演する中島渉さん

開会式で記念講演する中島渉さん

開会式で記念講演する中島渉さん

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 入場無料(3日は定休日)。問い合わせはレクサス奈良八条(☎0742・30・3001)。

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【まちの近代化遺産】日本林業の父・土倉庄三郎の功績感じ 五社峠

 川上村と吉野町を結ぶ「五社峠」は、現在の川上村大滝に生まれ育ち、「日本林業の父」「日本の造林王」とたたえられる土倉庄三郎(1840~1917年)が吉野町樋口と川上村西河とを結ぶ峠に開設した約1キロの荷車道。村の発展はもとより、明治期の日本の成長にもかかわった重要な近代化遺産だ。

路肩下に石積みが施された五社峠の道

路肩下に石積みが施された五社峠の道

 明治16(1883)年までに完成。川上村史によると、それまで村民らは生活物資や生業に必要な品物を買うために現在の吉野町に行く際、河原の石道や山の尾根道を歩いていたという。「こうした道さえも降雨で増水すれば簡単に途絶したから郷民が近路、易路を求める願いは強かった」と、荷車道に寄せられた期待の大きさが記されている。

 土倉庄三郎は10代で山林経営の家業を継ぎ、大滝郷総代や伐採した木を運搬する際の監督役・吉野材木方総代を務めた。新政府からは、水陸海路御用掛に任命され、明治6(1873)年に五社峠の開設を計画。山林所有者に出資を働きかけたがうまくいかず、工事は一度中断するなど、完成までには苦労も多かった。

五社峠の開設に尽力した土倉庄三郎の銅像

五社峠の開設に尽力した土倉庄三郎の銅像

 土倉を顕彰し、地域づくりに貢献しようと村民らが設立したNPO法人「芳水塾」の松本博行・副理事長(57)=同村大滝=は、「生活物資を運ぶのに難儀をしていた村に五社峠ができ、荷車が通れるようになって、村民の暮らしがすごく良くなった」と話す。

 県教委が実施した県近代化遺産総合調査で、調査員として平成24、25年度に五社峠を調査した道路史研究家の永冨謙さん(41)によると、明治33(1900)年ごろには五社峠の川上村側に、別ルートの新しい道も完成した。そして大正9(1920)年、吉野町~川上村間の別の道が県道指定されたことで、五社峠は廃道になったという。

 永冨さんは「大規模な岩切り取り道が続き、圧倒される。明治期の荷車道が、麓から峠まで全体的に今も残っているのは貴重」と評価する。

 歩いてみると、吉野町側の道は今も林業に使われているため、コンクリート舗装されている。だが川上村に入ると一変し、岩盤は一部むき出し、石も転がっている。路肩下には、斜面に道を造るために積み上げたとみられる石積みも残り、かつての荷車道の面影が色濃く残っている。

 土倉家所有の吉野の山林は最盛期には9千ヘクタールもあり、大財閥「三井家」に並ぶ財力を誇ったとされる。土倉は「三分の一は国のため、三分の一は教育のため、三分の一は事業のため」との信念で多くの人を支援。自由民権運動の先頭に立った板垣退助に洋行費を、同志社大前身の同志社英学校を設立した新島襄に大学開設資金を寄付するなどし、板垣や新島も土倉家を訪れる際は、五社峠を通ったとみられる。

落ち葉が降り積もった五社峠の道

落ち葉が降り積もった五社峠の道

 松本副理事長は「もっと多くの人にここを歩いてもらえるようにしたい」と、芳水塾のメンバーらと峠の草刈りや倒木撤去などにも取り組む。「土倉庄三郎という偉人が生まれ育ったところであるということを知り、その誇りと、ここで暮らしていく意義を村民にも感じてもらえれば」と話した。(山本岳夫)

 ■ひとくちメモ 今年は土倉庄三郎の没後99年で、6月には百回忌法要や没後100年記念式典が営まれた。川上村大滝には土倉庄三郎の生家跡や銅像、岩に「土倉翁造林頌徳記念」と刻まれた高さ約23メートルもある磨崖碑がある。

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10月1日はコーヒーの日 奈良市の「coffee beans ROCOCO」でイベント

 「コーヒーの日」にちなみ、コーヒーをもっと楽しんでもらおうと、近鉄奈良駅近くのコーヒー店「coffee beans ROCOCO」(奈良市)で10月1、2日の両日、「究極のコーヒーとは何か」をテーマにしたイベントが行われる。

 「国際コーヒー協定」により、コーヒーの新年度が始まるのは10月。これにあわせ、「全日本コーヒー協会」(東京都)は昭和58年から、10月1日を「コーヒーの日」としている。

 イベントでは、ごく限られた農園で取れた高品質の豆「スペシャルティコーヒー」にまつわるドキュメンタリー映画「A FILM ABOUT COFFEE」を上映。豆の生産からカップにコーヒーが注がれるまでの生産者の苦労や努力を描いた作品で、「1杯のありがたさを知ってほしい」と同店が企画した。

 上映後はコーヒー豆の焙煎に関するトークイベントや、4種類のコーヒーを飲み比べる「カッピング体験」なども。同店オリジナルブレンドのウエルカムコーヒーも用意されており、コーヒー豆や器具の販売、試飲なども行われる。

 担当者は「コーヒーが好きな人だけでなく、たくさんの方に来場していただき、コーヒーの魅力をより知っていただければ」と話している。

 両日とも午後6時開場、同6時半から上映。入場料は前売り1500円、当日2千円。問い合わせ、予約は同店(☎0742・23・4075)へ。ホームページはhttp://www.rococo-coffee.co.jp/

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安全に自転車に乗ろう 生駒で高齢者が運転技術競う大会

 高齢者が安全な自転車運転についての技術や知識を競う「交通安全高齢者自転車大会」が生駒市の市民体育館で開催され、65~82歳の高齢者12人が参加した。

自転車走行テストに挑む参加者

自転車走行テストに挑む参加者

 高齢者の自転車運転マナー向上などを目的に生駒署などが毎年、「秋の交通安全県民運動」に合わせて開催し、今年で5回目。参加者は、自転車に関する交通規則などの知識を問う学科テストと、交差点での右左折や一時停止、コーンの間を走るスラローム走行などの実技テストに挑んだ。

 個人の部で優勝した同市の中畑信男さん(75)は「普段から交通違反のない安全運転を心がけています。これからも無事故運転を続けたい」と笑顔で話した。

 県警によると、8月末までの高齢者(65歳以上)の自転車人身事故発生件数は115件で、前年より12件増。死亡事故は4件で前年と同じだったが、重傷事故は30件で3件増えている。

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盗撮目的で侵入の教頭を懲戒免職 問題報告しなかった校長も減給、依願退職

 県教委は30日、勤務先の小学校の女性職員更衣室に盗撮目的で侵入したとして、建造物侵入容疑で逮捕された奈良市立椿井小の男性教頭(53)を懲戒免職処分にしたと発表した。

 県教委によると、教頭は7月22日午前7時ごろ、女性職員更衣室に盗撮目的で侵入し、ビデオカメラを設置した。

 また、7月29日に問題が発覚したのに奈良市教委から事情を聴かれるまで報告しなかったとして、同小学校の男性校長(57)を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とした。校長は30日、依願退職した。

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広がる夢の〝トトロワールド〟 高取町で「町家のかかし巡り」  乗れる猫バスも

 町民らの手作り案山子がメインストリートの土佐街道沿いに並ぶ高取町の「第8回町家のかかし巡り」(天の川実行委員会主催)が10月1日から始まる。

町民らがつくった巨大トトロ案山子

町民らがつくった巨大トトロ案山子

 人気アニメ「となりのトトロ」の「トトロ」を中心にした「案山子(かかし)のトトロワールド」が今年のテーマ。高さ約4・5メートルの巨大トトロ案山子も登場する。10月31日まで。

 町家のかかし巡りは、住民団体・天の川実行委員会が地域活性化をめざして開催。民家など約50カ所で町民がつくった計約200体の案山子を見ることができる。

 メイン会場にある巨大トトロ案山子は木や竹などで形をつくり、ペンキを塗って仕上げたもので、トトロそっくり。アニメに登場する「猫バス」や、主人公の姉妹の案山子なども。猫バスには人が入ることもできる。

 会場には大小22体のトトロ案山子が置かれているほか、親子案山子、ベンチに腰掛ける案山子、たこ焼きを売る案山子なども。昨年は初めて来場者が1万人超えの約1万2千人となるなど、年々人気を集めている。実行委の野村幸治代表は「多くの来場者を期待しています。親子で楽しんでほしい」と話している。

人が入れる猫バス案山子

人が入れる猫バス案山子

 見学無料。開催時間は午前10時~午後4時。「はならぁと」の現代アート展も同時開催されるほか、薬草茶のふるまいもある。問い合わせは観光案内所「夢創舘」(☎0744・52・1150)。

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屋台でたこ焼きを売る案山子も

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