心に安らぎを 写真家、野口さんが「東北の花写真展」

奈良市子どもセンターへ寄贈予定の「花咲く未来へ」と野口勝宏さん
東日本大震災で被災した福島県郡山市に住む写真家、野口勝宏さんの作品展「東北の花」が、奈良市春日野町の「ならや東大寺店」2階のギャラリーで開かれている。野口さんは「花で心を救われた経験から、写真を撮り始めた。多くの人に花の力を感じてもらい、安らいでほしい」と話している。
写真展は奈良ロータリークラブのメンバーで、刃物老舗、菊一文珠四郎包永(奈良市)の社長、柳沢育代さんが中心となって企画した。柳沢さんは約4年前、米ニューヨークであった野口さんの写真展を訪れ、「野口さんの花の作品には、人の心を癒やす力がある」と感じた。
これまで東日本大震災の被災者の支援にあたってきた柳沢さん。「奈良でもぜひ写真展を開いてほしい」と野口さんに提案し、実現した。
野口さんは震災で自宅の一部が壊れ、先が見えない不安な生活を送った。そんなとき「いつもと変わらずに咲いていた花が希望を運んでくれた」。以降、本格的に福島県内の花を撮影するようになった。
コスモス、パンジー、バラ…。展示しているのは、福島の花の写真点。想像力をふくらませてもらうため、背景はあえて白やピンクの無地とし、花の生き生きとした姿を伝えている。
「子供たちにも花で元気になってほしい」(野口さん)という思いから、作品のうち、ヒマワリやコスモスなど明るい色の花を集めて写した「花咲く未来へ」は、展示後、奈良市子どもセンター(同市柏木町)に寄贈する予定だ。
野口さんは「子供たちの明るい未来に思いを寄せた作品。生きることの大切さや勇気が伝わることを願っている」と話している。
写真展は入場無料。12月11日まで。午前10時~午後5時。金曜は休み。問い合わせは、菊一文珠四郎包永本店(0742・26・2211)。
コスモスの迷路がお目見え 安倍文珠院

桜井市阿部の安倍文殊院に、コスモス約30種類でつくった恒例の迷路がお目見えした。
初日には、同市の安倍幼稚園と飛鳥学院保育所の約70人が迷路に挑戦。白いアフタヌーンホワイト、黄色のレモンブライトなど可憐な花に囲まれ、ゴールを目指した。安倍幼稚園の瓦将士くん(5)は「出口が分からなかったから結構迷った。もう一回やりたい」と笑顔を見せた。
「三人寄れば文殊の知恵。例年より出口を探すのが少し難しくなっているが、楽しんでほしい」と植田俊應貫主。迷路は10月末まで設置予定。問い合わせは安倍文殊院(0744・43・0002)。
「里山の風景残す」耕作放棄地を再生 生駒市西菜畑町の稲葉好勝さん

鳥がさえずり、稲穂が垂れる自然豊かな生駒市西菜畑町。「子供たちが大人になって地元に帰ってきたときのため、里山の風景を残しておきたい」。同町の自治会長、稲葉好勝さん(79)は、地域住民らと共同菜園サークルを立ち上げ、耕作放棄地をよみがえらせる活動に取り組んでいる。
地区では住民の高齢化とともに、耕作放棄地が増加。そんな状況を憂い、3年前、稲葉さんは自治会長になると同時に、里山の風景を取り戻そうと決意。耕作地を再生する事業を始めた。地域の課題解決を図る自治会を支援する市の「複合型コミュニティづくり」にも採択された。
やせた土地でも生産しやすく収穫作業が簡単な大豆の栽培から始め、今では作付面積は約900平方㍍にまで広がる。今年から大阪樟蔭女子大学(大阪府東大阪市)の学生らも参加。畑づくり、種まきなどを稲葉さんたちが教えている。
さらに山林の間伐材を使用したシイタケ栽培も視野に入れ、地域の幼稚園児や保育園児たちに自然に触れてもらうイベントも行っている。
「昔、田植えのころはホタルの光で本が読めたほど」と振り返る。ホタルが飛び交う日本の原風景を取り戻そうと、これからも活動を続ける。
「自分で食べるものは自分たちで作る。昔は当たり前だったが今はぜいたくなことになった。安全な食を守るためにも、耕作放棄地を少しでも畑として復活させたい」
古民家を地域の拠点に 大和郡山で近大院生がリノベーション

長屋をリノベーションして完成した「ワタマチテラス」(左)=大和郡山市
大和郡山市にある古民家が、学校のサテライトオフィスやカフェとして使える「ワタマチテラス」に生まれ変わった。近畿大学の大学院生が、資金難を乗り越え技術も磨きながら半年かけて改修した。まちの活性化につながると期待されている。
古民家は同市綿町にある築100年の長屋。市のサポートで設立された「大和郡山まちづくり株式会社」によるプロジェクトの一環として、同大学建築・都市再生デザイン研究室の、勝本一誠さん(24)と藤田昌宏さん(23)がリノベーションに挑戦していた。
2人は「生かすものは生かそう」と、床板などの廃材と、ホームセンターで購入した資材を組み合わせて建具などに利用。しかし資金が尽き、5月中旬から6月末まで工事の中断に追い込まれた。
このため、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を実施。一方で、藤田さんは山口県の家具職人に弟子入りし、勝本さんは長野県で古民家カフェの店舗設計などに携わり、それぞれ技術や腕を磨いた。CFでは2カ月で246万円の支援金が集まり、工事を再開。完成にこぎつけた。
地域へのお披露目式で、勝本さんは「自分たちにとって長屋のリノベーションは大きな実験だった。多くの人に愛される拠点になれば」。藤田さんは「いろんな人とのつながりからようやく完成を迎えた。感慨深い」と語った。
「ワタマチテラス」は、奈良工業高等専門学校のサテライトオフィスやボランティア団体「code for 大和郡山」の拠点として利用されるほか、マルシェやカフェなど、さまざまなイベントでも活用される予定。
生駒×天理、歓喜の「再試合」 コロナ禍乗り越え

マウンドで歓喜の輪をつくる天理と生駒のナイン=橿原市
今夏の全国高校野球選手権大会出場を決める奈良大会決勝で対戦した天理と生駒が11日、橿原市の佐藤薬品スタジアムで7回制の練習試合を行い、天理が3―2で勝利した。奈良大会では、新型コロナウイルスの影響で大幅なメンバー入れ替えを余儀なくされた生駒が、天理に0―21で敗れた。不完全燃焼に終わった生駒の無念さを感じた天理の中村良二監督の呼びかけで「再試合」が実現した。
奈良大会で生駒は、強豪の智弁学園を破るなど快進撃を見せ、初の決勝へ。しかし、新型コロナの影響で体調不良を訴える選手が続出し、登録メンバー20人中12人を変更して決勝に臨んだ。主力を欠いた生駒に大勝した天理は、決勝で勝利してもマウンドで喜びをあらわすことはなかった。しかし―。
「今回は全員で喜ぼう」
この日、最終回の7回2死。戸井零士主将がタイムをかけ、マウンドに集まったナインに声かけた。
生駒の最後の打者が中飛に倒れると、天理ナインは天理ナインはマウンドに集まり喜びを爆発させた。天理の内藤大翔の呼びかけで、生駒ナインも三塁側から飛び出して、喜びの輪に加わった。
両校ナインは試合開始前に合同でシートノックを実施。声を掛け合い笑顔もみられたが、試合が始まるとその表情は一変した。1点を追う生駒は六回、長打と内野安打で逆転。その裏、天理が本塁打などで2点を奪って勝ち越し、逃げ切った。
天理の中村監督は「心がひとつになるという野球の素晴らしさを選手たちに教わった」。天理の戸井主将は「最後に生駒の選手もマウンドに集まって笑顔で終われてよかった。高校野球でしかできない経験で楽しかった」と話した。
一方、生駒の北野定雄監督は「感謝しかない。選手たちも持ち味を出してくれた」とたたえ、熊田颯馬主将は「最後の最後に『心ひとつ』という野球部のスローガンを全うできた。全員が笑顔で終われてよかった」と喜んだ。
古墳リアルに再現 クッションに フクトククニヲさん

前方後円墳や円墳などさまざまな古墳を模したクッションがずらり。そんなユニークな展示会が8月に県立図書情報館(奈良市)で開かれ、幅広い年齢層から人気を集めた。
制作しているのは奈良市の椅子張り職人、フクトククニヲさん(61)。「これまで作品を一堂に見てもらう機会がなかった。古墳クッションが生まれて10年となる今年、展示会を開くことができ、しかもたくさんの人に来てもらえてよかった」と喜ぶ。
披露したのは、全国の古墳をリアルに再現したシリーズの76点。県内では桜井市の箸墓古墳をはじめ奈良市のウワナベ古墳、富雄丸山古墳などの作品を並べた。墳丘に取り付いた「造り出し」部分など細部まで忠実に再現され、古墳の愛好家や若い女性も熱い視線を注ぐ。
49歳のとき、20年以上勤めた百貨店を早期退職。「自分が責任を持って取り組める仕事をしたかった」といい、専門学校で椅子の張り替え技術を習得。古墳愛好家との出会いをきっかけに古墳形の椅子を初めて作った。その後は試行錯誤しながらクッションを制作。8年前には京都府長岡京市の恵解山古墳を精巧に再現し、「リアル古墳クッションシリーズ」第1弾となった。
「古墳は面白そうだったので作り始めたが、若い女性からも『かわいい』と喜ばれ、広がった」という。「宇宙椅子」と名付けた工房で、一般的な椅子張り替えも行いながら制作。古墳の測量図や復元予想図などを参考に、型作りから生地の裁断、縫製まで一人で手がけている。
「古墳や歴史について難しいことを考えるのではなく、クッションがその入り口になってほしい」。今後はリアルなシリーズの作品を100点作ることを目指すとともに、奈良以外でも展示会を開きたいという。
高齢者お出かけに電動カート 王寺町が運行実験

実証実験で運行している電動カート「グリーンスローモビリティ」=王寺町
王寺町は、高齢者の外出を支援しようと同町美しケ丘地区で乗り合いの電動カートを運行している。来年1月までの実証実験で、外出の機会を増やし健康維持に役立つかなどを調べ、本格運行の可能性を探る。
同地区は高台にあり、住民約3600人のうち65歳以上の高齢者が半数近くを占める。高齢化率は町全体の約3割を大きく上回っており、買い物や通院などふだんの移動を支援することが課題だ。町は、高齢者の外出を増やすことは健康づくりにもつながると期待している。
実証実験は町と千葉大学予防医学センター、ヤマハ発動機などが連携して8月にスタート。時速20㌔未満で走る7人乗りの電動カート「グリーンスローモビリティ」を使っている。
運転は、講習を受けた自治会有志らが担当。地区内の3ルートを定時運行(月、水、金、土曜日の午前10時~午後1時と午後3~5時)しているほか、予約制のデマンド運行もある。
利用者数は1日平均25人で、自治会長の上平隆己さん(68)は「同乗者同士の会話も弾むなど、おおむね好意的な意見をいただいている」と話す。実際に利用した70代の女性は「とても楽。重い荷物も気にならない」と話していた。
ヤマハによると、平成26年から全国約120カ所で同様の実証実験が行われており、広島県や島根県などで本格導入されている。
けが防止に衝撃吸収フローリング 県産木材で新製品

県森林技術センターなどが開発したスギ、ヒノキの衝撃吸収フローリング=奈良市
家の中で転倒してけがをするリスクを減らそうと県森林技術センター(高取町)と県内の木材業者ら5社が、県産のスギやヒノキを活用した衝撃吸収性に優れたフローリングを開発した。高齢者住宅や高齢者施設で利用してもらおうとアピールしている。
新製品は、板の裏にクッション材を貼り合わせたもので、厚さ約1.5㌢。木材部分は無垢材で、美しい木目と爽やかな木の香りが特長という。床の硬さを表す「G値」は、スギ板の製品が56~80G、ヒノキ板製品が66~84Gと通常の板の半分程度。高齢者施設や体育館、幼稚園などの床で基準となる100G以下を満たし、一部は柔道場の床に求められる65G以下にも対応する。
同センターと業者は、昨年4月に共同開発を始め、衝撃吸収能力や強度、コストを考慮し、5種類のクッション材から最適な組み合わせを選んだ。価格は衝撃吸収性能がない製品の約1.3~1.5倍と割高となる。
県内の高齢化は全国平均より早いスピードで進行し、令和7年の高齢化率は32.6%(全国平均30.0%)に達すると予測されている。政府の高齢社会白書によると、高齢者が「介護が必要になった主な原因」で骨折・転倒は12.5%を占める。
国内では戦後に植樹されたスギやヒノキが伐採時期を迎えている。同センターの担当者は、新製品を通じて「県産木材の需要拡大にもつなげていきたい」と話した。
本場アルゼンチンにサッカー留学 大和郡山の少年サッカーチーム

アルゼンチンへのサッカー留学から帰国し、笑顔をみせるクラブ・アトレティコ・バモ大和郡山の選手ら=天理市
大和郡山市を中心に活動をする少年サッカーチーム「クラブ・アトレティコ・バモ大和郡山」の小学生選手6人が今夏、アルゼンチンにサッカー留学した。選手らはサッカーの本場で技術を学ぶとともに、現地の文化も体験した。
留学先はアルゼンチン1部リーグ「クラブ・アトレティコ・ウラカン」の下部組織チームとフットサルチーム「クラブ・パルケ」。6人は7月末から約2週間、チームと一緒に練習に励んだ。
市立治道小学校6年でキャプテンの城一平さん(12)は、将来海外で活躍するプロ選手になることが目標だ。留学を終えて、「現地の選手は体が大きく、筋肉もすごかった。当たり負けすることも多かった。足にボールがすいつくようなテクニックは勉強になった」と振り返った。
選手に同行したクラブの川端康弘代表(37)は「現地には経済的な問題で学校に通えない子供もいる。サッカーで家族を養おうと奮闘する子供たちもいたことを知ってもらえて、一回りも二回りも成長したはず」と手応えを述べた。
帰国後、選手らは体幹トレーニングや筋トレを練習メニューに取り入れ、けがをしないようストレッチも入念に行っているという。
同チームは平成29年設立。新型コロナウイルス感染拡大前まで毎年、同国に留学生を派遣してきた。また留学先でコミュニケーションがとれるよう、スペイン語教室も定期的に開催している。
紀伊半島豪雨11年 災害に備え「支援内容の周知を」

五條市大塔町宇井地区で発生した大規模な土砂崩落=平成23年9月(県提供)
平成23年9月の紀伊半島豪雨から今年で11年。母と弟が犠牲になり、父親が行方不明となっている会社員の辻本員康さん(54)‖大和高田市‖は、今も母と弟の納骨を行うことができずにいる。「父の骨がみつかってから一緒に納めたい」。こう願う一方、「骨のひとかけらでも見つかるまで、父の死を受け入れられない気持ちもある」と明かす。
11年前の9月3日。自宅の大和高田市から、実家がある五條市大塔町宇井地区の状況を気にしていた辻本さん。「そこまでひどい雨という感覚はなく、大丈夫だろうと思っていた」。しかし4日朝、安否を確認しする電話に応答はなかった。
「宇井がえらいことになっている」「集会所が流された」。周囲からは、実家周辺が壊滅的な被害を受けているとの情報が次々と入ってきた。テレビを付けると、3人が行方不明との情報が目に飛び込んできた。
7日に初めて宇井地区を訪れ、被害を目の当たりにした。集会所や民家など多くが流され、集落は様変わりしていた。「お前だけ、1人になってもうて…」。地元の人から声を掛けられ、現実を受け止めた。

川沿いのがれきの中から見つかったという母のお札。泥は当時のままだ
9月の中旬に母の慶子さん(76)、下旬に弟の稔行さん(39)の遺体は見つかったが、晃夫さん(80)はいまだ見つかっていない。「踏ん切りが付かない所もある」。母と弟の遺骨は今も自宅に置いている。
一方で、惨状を目の当たりにした後も現地に残る人を思い、「もっとつらい思いをしているはず」と気づかう。「その人たちに比べれば自分は外で悲しんでいるだけの『悲外者(ひがいしゃ)』。本当の辛さは分からない」と思いを巡らす。
11年が過ぎ、災害の記憶は風化しつつある。「それも仕方がないこと」と理解を示す一方、「自分たちは絶対に忘れることはない」と強調する。
紀伊半島豪雨以降も、各地で災害は発生している。辻本さんは被災者の負担軽減のため、行政が事前に支援内容を周知する重要性を指摘する。被災者には、損壊した家屋の被害認定や水に浸かった家具の処理、各種支援制度への申請など、やるべきことが次々に押し寄せるという。「被災者はその後も生活していかなければならない。少しでも被災者の負担軽減につながることを平時から考えてほしい」
「交通事故なくす」特別警戒隊が発足式 県警

交通死亡事故抑止特別警戒隊の出発式に臨む県警交通機動隊員ら=県警本部
21日から始まる秋の交通安全県民運動を前に、県警は1日、交通死亡事故抑止特別警戒隊を編成し、県警本部前で出発式を行った。20日まで交通違反の取り締まりや啓発活動で事故防止に取り組む。
出発式では県警の小畑浩康交通部長が「交通死亡事故を絶対になくすという意気込みをもって、効果的な取り組みを実施してほしい」と訓示。交通機動隊員ら8人が4台のパトカーに乗り込み、パトロールに向かった。
県警交通企画課によると、令和3年の交通事故死亡者数は39人で、9月と12月が各7人で最多だった。担当者は「9月以降、日没前後の交通事故が増える傾向にある。注意してほしい」としている。
柔道×文化観光で天理の魅力アピール スポーツツーリズム

なら歴史芸術文化村で特別展を観覧するハンガリーの柔道ナショナルチームの選手ら=天理市
天理市と天理大は、スポーツと観光を組み合わせた「スポーツツーリズム」のモニターツアーを同市内で開催した。同大で強化合宿をしていたハンガリーの柔道ナショナルチームの選手らが参加。市内の観光スポットを巡り、日本の文化を楽しんでいた。来年度からツアーを本格スタートする予定だ。
選手らは商店街の和楽器店や、道の駅「なら歴史芸術文化村」などを訪れ、文化財修復作業も見学した。
男子90㌔級のネルペル・ゲルゲリー選手は「日本のものづくりの現場に触れられて、すばらしい体験ができた」と笑顔。女子52㌔級のプップ・レーカ選手は「日本の盃や楽器の美しさは私たちの国にはない。観光と柔道の組み合わせはとてもすばらしく感じた」と話した。
天理市は今春、強豪の天理大柔道部の「天理柔道」を軸にスポーツツーリズムを推進しようと、天理大や旅行会社のJTB奈良支店(奈良市)とともに協議会を立ち上げた。
今秋以降は、柔道好きのファミリー層向けに、天理大柔道場の見学と市内観光を組み合わせたツアーを実施し、企業には仕事と休暇を両立させる「ワーケーションツアー」を提案する。
市の担当者は「選手たちからは好意的な意見をいただいている。スポーツツーリズムを通して市の魅力を発信する。多くの人に訪れてほしい」と話している。
水難事故5件発生 県警が注意呼びかけ
河川で水遊びをしている最中に流され、死亡する事故が後を絶たない。今年県内で水難事故は5件発生し、3人が亡くなった。県警は、水辺のレジャーを楽しむ際には十分注意するよう呼びかけている。
県警によると水難事故で亡くなったのは70代の男性2人と40代の男性。このほか、10代の男性が軽傷を負ったほか、3歳の男児がプールで溺れていたところを助けられ、一命を取り留めた。前年は14件発生し、死者は7人と、ともに過去5年で最多だった。
特に飛び込みをする観光客が多い吉野町の「宮滝」などで事故が発生している。このため県警は今夏、パトロール強化やライフジャケットの着用を呼びかけるポスターの掲示などで、注意を呼び掛けている。
河川は急に深くなったり川底が複雑な形状をしていたりするため、比較的体力がある若者でも注意が必要だ。県警地域課の田中仁次席は「飲酒後の遊泳や、子供だけでの水遊びは大変危険。(水に入るときは)ライフジャケットを着用するなど、事故に備えてほしい」と呼びかけている。
聖徳太子の思い ミュージカルに

公演に向け稽古を続ける出演者ら(阪上めいこさん提供)
聖徳太子の没後1400年に合わせ、劇団「SHOW-COMPANY」(大阪府八尾市)が太子の生涯を描いた新作ミュージカルを10月9日になら100年会館(奈良市)で上演する。コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻により緊迫した国際情勢が続く中、太子の心を伝えることで希望を見出す作品にしたいという。
聖徳太子の本名は厩戸。飛鳥時代に推古天皇のもとで、「和」を重んじる十七条憲法の制定や遣隋使の派遣に関わり、法隆寺(斑鳩町)を建立するなど仏教の興隆にも尽くした。
同劇団はコロナ禍の影響でこの2年間、大規模な公演を自粛。苦境にあって文化芸術活動の再興を図るため、研究者の協力も得て太子を描く作品を制作した。
作品はミュージカルファンタジー『聖徳太子』。若くして権力争いの悲惨さを知った厩戸が、冠位十二階や十七条憲法に込めたメッセージなどを伝える内容で、伝説も交えて描く。音楽、ダンスとともにエネルギッシュな作品に仕上げたいという。
同劇団代表の阪上めいこさんは「聖徳太子は生きとし生けるものを救いたいと思った。今はコロナ禍やウクライナのことで傷を持っている人が多い。癒やしを与えることができれば」と話している。
前売り券はS席7500円、A席5500円、B席3500円。開演は午後2時。問い合わせは、なら100年会館(0742・34・0111)。
キバナコスモス見頃 藤原宮跡

見ごろを迎えたキバナコスモス=橿原市
橿原市の藤原宮跡で、約100万本のキバナコスモスが見頃を迎えている。今月末までという。
約7000平方㍍の花畑に咲くキバナコスモスの写真を収めようと、家族連れや観光客らが訪れている。
王寺町の本山陽代さんは、「開放感のある景色に映えて美しい。黄色のコスモスを見るのは初めて」と話した。
平和への願い込め作品展 奈良町資料館

平和への思いを込めた作品が並ぶ会場=奈良市
奈良町資料館(奈良市西新屋町)は、市立三笠中学校の美術部員らが平和への願いを込めて描いたイラストなどを飾る「ピースメッセージ展」を開催している。9月4日まで。
同中の美術部員26人の作品33点と沖縄県の中高生の作品4点を展示。同中の生徒らは沖縄戦や原爆投下について学び、それぞれ平和への思いを表現した。
同中美術部顧問の杉本哲也教諭は、「世界情勢が緊迫している中、平和への思い、命の大切さを作品を通して感じてもらいたい」と話している。
温泉めぐって「御湯印」集め 奈良・三重の6カ所で

御湯印帳などを持ってアピールする事務局の担当者=御杖村
県東部と三重県にある日帰り温泉施設計6カ所のスタンプラリー「御湯印めぐり」が始まった。それぞれで「御湯印札」を配布している。すべて集めると割引などの特典がある。
対象は、みつえ温泉「姫石の湯」(御杖村)▽曽爾高原温泉「お亀の湯」(曽爾村)▽伊賀の国大山田温泉「そうぞの森 さるびの」(三重県伊賀市)▽島ヶ原温泉「やぶっちゃの湯」(同)▽ヒルホテルサンピア伊賀天然温泉「芭蕉の湯」(同)▽香肌峡温泉「いいたかの湯」(同県松阪市)。
事務局は「自然豊かな地域を訪れるきっかけにしてほしい」と話す。来年3月31日まで。問い合わせは、「姫石の湯」の事務局(0745・95・2641)。
「けはや座」1日館長に 新庄北小の中川さん

本場所と同じ大きさの土俵を清掃する中川愛唯さん=葛城市当麻
葛城市当麻の市相撲館「けはや座」で、市立新庄北小学校2年の中川愛唯さん(7)が、1日館長を体験した。
子供たちに相撲を身近に感じてもらうのが目的。中川さんは、来館者に名刺を渡してあいさつ。受け付けをしたり、館内の展示土俵を竹ぼうきで掃除をしたりした。
中川さんは「おすもうさんの取組をテレビで見るのが好きで応募した。夏休みのよい思い出となった」と笑顔で話していた。
閉校の王寺中学で救助訓練 県警

川の中州に人が取り残された想定の救助訓練に取り組む県警機動隊員=王寺町
県警機動隊は、閉校した旧王寺中学校(王寺町)で、南海トラフ巨大地震や豪雨災害に備えた救助訓練を行った。
地震で建物が倒壊し、中に人が取り残されたという想定。隊員らはエンジンカッターを使ってコンクリートの壁に一辺90㌢の三角形の穴を空け、救助する方法を確認した。
また、氾濫した河川で、中州に人が取り残された想定でも訓練。隊員は屋上からロープで要救助者の元へ降下し、吊り上げて救出する手順などを確認した。
機動隊の逵井繁美副隊長は、「実際の現場に近い環境で訓練ができ、大変貴重な機会だった。今後の救助活動に生かしたい」と話した。
訓練は、王寺北義務教育学校の3、4年生約250人が見学。3年の村山りのさんは「救出作業を間近で見られて、かっこよかった」と話していた。
大豆ミート餃子 健康に配慮、ハラル食にも

奈良女子大の学生が考案したレシピをもとに作られた大豆ミート餃子=奈良市
障害者の就労継続支援事業所「MYP食品」(奈良市)は、豚肉ではなく、大豆由来の代用肉を使用した「大豆ミート餃子」の製造販売を始めた。健康食としてアピールするとともに、観光で訪日するイスラム教徒の需要も見込んでいる。
大豆ミート餃子は、NPO法人「奈良の食文化研究会」(同市)が令和2年に開催した餃子レシピコンテストで、特別賞を受けた「ビーガン餃子」がベース。当時の奈良女子大学の学生がレシピを考案した。
あんにはキャベツ、シメジ、レンコン、小松菜、ニンジン、玉ねぎと、大豆ミートを使用。油分を補ってコクをつけるためにみそを加えている。
MYP食品の増井香織社長は「健康に配慮した肉不使用の餃子。たれをつけずそのまま食べてもらいたい。宗教上の理由で豚肉が食べられない外国人観光客の方にもぜひ」と話す。
同コンテストでは、調理師や管理栄養士など食関連のコースがある県内の高校や大学の学生らから100を超えるレシピの応募があり、同社が商品化の検討を進めている。
大豆ミート餃子は個入り600円。問い合わせはMYP食品(0742・35・7272)。
核なき世界を 高校生平和大使が決意

平和への思いを語る高校生平和大使の秋山恵里さん=県庁
核兵器廃絶を世界に訴える「高校生平和大使」に選ばれた県立青翔高校2年の秋山恵里さんらが県庁を表敬訪問し、署名活動などを通して平和を訴える決意を語った。
高校生平和大使は平成10年に始まった。25年目となる今年は全国で31人が選ばれた。8月7~10日に長崎を訪れ、被爆者の話を聞いたり、平和集会に参加したりした。
秋山さんは「もう二度と、原爆の惨状を見せる世の中にしたくない。未来を築く若い世代が平和について考える機会を作っていきたい」と語った。
今後、国連に届ける核兵器廃絶の署名を集める。この日は、秋山さんとともに活動する「高校生1万人署名活動」のメンバーら3人も決意を述べた。
村井浩副知事は「まずは国内の身近なところから、みなさんの思いを伝えてほしい。少しでも、世界の平和に役立つことを期待している」とエールを送った。
靴下メーカー、帽子に挑戦 少年野球の熱中症対策に

熱中症対策をほどこした野球帽をかぶる昌和莫大小の井上克昭社長(左)ら=広陵町
広陵町の老舗靴下メーカー、昌和莫大小(しょうわめりやす)が、熱中症リスクを軽減する野球帽の開発に乗り出した。子供の運動能力の向上などを研究する日本薬科大大学院の多根井重晴教授と共同で企画。すでに試作品を少年野球チームに提供しており、使用感を評価してもらった上で、来夏の商品化を目指す。
開発は、今年6月からスタート。同社が多根井教授の呼びかけで少年野球で使う靴下の開発を進めていたが、少年野球チームの練習を見学して「熱中症対策の必要性を実感」。靴下と並行して、熱中症対策をほどこした野球帽の開発に取り組むことにした。
「いかに太陽光の熱を軽減できるかがポイント」(多根井教授)で、肌に触れるとひんやりと感じる接触冷感素材、UV(紫外線)カット加工、太陽光を反射しやすい白色に、といった工夫を重ねた。完成した試作品は橿原市の少年軟式野球チーム「畝傍ベースボールクラブ」に提供し、使い心地などを評価してもらうことになった。
同チームのコーチ代表、中西慎哉さんは、「夏場は選手が暑さで体調を崩すこともあり、熱中症予防のため、さまざまな工夫が必要だ」と話す。他チームの選手が試合中に熱中症で救急搬送されたケースもあったといい、「野球帽が少しでも熱中症予防につながれば」と期待する。
同社ではこれまでランナーやバスケットボール選手用の靴下などを開発してきた。帽子の製作は初めてだが「ランナーや登山家からの声を集め、アイデアを温めていた。靴下で培った素材開発や織物技術などを生かしたい」と井上社長。商品は大人用やランナー向けも計画中で、「選手らが気持ちよく快適にプレーできるよう地元企業として貢献したい」と語る。
ウクライナ学生が茶道体験

茶道体験をするウクライナからの避難留学生ら=奈良市
ロシアの侵攻によりウクライナから天理市に避難している留学生9人が、中川政七商店の奈良本店(奈良市)で茶道を体験した。日本の伝統文化に触れてもらおうと同社が企画。学生らは浴衣姿で抹茶を味わった。
学生らは、ウクライナの国旗に見立てて黄色と青色に染めた麻布を飾った茶室で、ウクライナの朝日を表現したという和菓子も楽しんだ。
ヴィクトリア・アルテメンコさん(19)は「子供のころから日本に興味があり、茶道に触れることができて感動した。お茶をいただいている間、家族や国のことを考えていた」と話していた。
9人はウクライナのキーウ大で日本語を学んでおり、約1カ月前に来日。9月から天理大で日本語を学ぶ。
フードバンク天理が始動 SNS活用、寄付ボックスも

天理駅前で実施しているフードドライブ。家庭で余った食品などを集める
新型コロナウイルスや物価高の影響で生活に困窮する世帯を支援しようと、天理市内のボランティア団体などが「フードバンク天理」を立ち上げた。家庭などで余った食品を集めるフードドライブを天理駅前で定期的に開催。企業からの支援も受け付けている。
フードドライブは毎月第2、第4日曜日に開催。集まった食品は、市内に10カ所ある「こども食堂」に寄付する。お土産にもらった、もち、いり大豆などを寄付した同市在住の会社員、岸田はるかさん(27)は、「賞味期限が近いものもあって、だめにしてしまうより、だれかのために活用してもらいたいと思った」と話した。
フードバンク天理は、市民のほか、市や市社会福祉協議会、天理大、NPO法人、天理教青年会など「官民学産宗」が集まり、5月に設立。天理市と周辺地域で活動する。
交流サイト(SNS)などで情報発信し、広く協力を呼び掛けているが、運営に参画する地域支援センター副理事長、市本貴志さんによると「まだあまり認知されておらず、寄付の集まりが悪い日も多い」といい、認知度アップが課題だ。
今後は各公民館や、同駅南団体待合所に寄付を受け付けるボックスなどを設置する予定だ。
王寺町と奈良女子大が包括協定

協定書を示す王寺町の平井康之町長(左)と奈良女子大の今岡春樹学長=同町
王寺町と奈良女子大学は地域活性化に向けて協力することで合意し、包括連携協定を締結した。同町の持つ魅力を生かして新たな特産品づくりなどに取り組みたい考えだ。
都市部からの交通アクセスが良い同町は宅地が大半を占めるベッドタウン。一方で最近は「鉄道のまち」「聖徳太子ゆかりのまち」など別の側面もアピールし、太子の愛犬「雪丸」を公式マスコットにするなど観光振興に力を注いでいる。また、瀬戸内海の小豆島と気候が似ていることに着目し、平成29年には同島の名産であるオリーブの栽培も始まっている。
協定締結式で「オリーブの木もだんだん大きくなり、実の収穫量も増えている。大学の知見やノウハウを生かして、学生らに特産品を作ってもらいたい」と平井康之町長は期待。
同大の今岡春樹学長は「われわれが持つ教育と研究が連携することで大きな価値が持てるよう、最大限に協力していきたい。みんなで地域を盛り上げていく」と話した。
同大はこれまでに県内の14自治体と、包括連携協定を締結している。
奈良撮り続けた写真家の軌跡 井上博道記念館

大和の古寺や風景を撮り続けた写真家、井上博道さん(1931~2012年)が残した作品を紹介するため6月に奈良市中登美ケ丘に開館した「井上博道記念館」。晩年の自宅を改修した同館は、日本の文化や原風景を伝える井上さんの代表作に加え、地元の木材を使った建築やお茶、料理、セミナーを通じて奈良の魅力を体感できるサロンのような場を目指している。
ギャラリーには、東大寺大仏の螺髪(髪の毛)や手を上方から収めた独自のアングルの写真が展示されている。大仏殿の屋根裏から撮影した未発表の1点だ。ほかに紅葉や稲木など山野の風景を撮った情趣豊かな作品が並び、井上さんの世界観に浸ることができる。
「博道は日本文化の底流にあるものを表現したいと60年間仕事をしてきた。これからの時代のために見ていただきたい」
そう語るのは妻の千鶴さん(75)だ。井上さんが亡くなった後、膨大なフィルムを整理し続ける中、そこに込められた思いを強く感じ、亡くなってから10年となる今年、同館を開館した。
井上さんは兵庫県香美町生まれ。産経新聞社に入り、同社記者だった司馬太郎が手がけた連載「美の脇役」で写真を担当した。その後フリーに転じ、81歳で亡くなるまで奈良を撮り続けた。「晩年は文化財ではなく、特に奈良南部の風景を撮っていた。そんな南部の手つかずの風景も知ってほしい」と千鶴さん。
同館の柱や梁には吉野杉を使い、テーブル、椅子などの家具も見どころ。中庭に面して茶室があり、大和茶が飲めるカフェや大和野菜を使った料理が楽しめるダイニングも。「インテリアとして写真を生かしたく空間を大切に作った。地域の人が集うサロンのようになれば」といい、日本文化などをテーマにしたセミナーや邦楽、洋楽のコンサートも開きたいという。
2階には仕事部屋が再現されている。
同館は入館無料。ギャラリーは午前11時~午後5時で月、火曜休館。18日以降は木、金、土曜に開館し、日曜はイベントを予定している。問い合わせは井上博道記念館(0742・43・9111)。
梅乃宿酒造が移転 観光客受け入れも

日本酒のほか奈良土産もならぶ直営店=葛城市
梅乃宿酒造(葛城市)は、明治26年の創業以来酒蔵を置いていた同市東室から、葛城山のふもとの同市寺口に本社と醸造拠点を移転した。
敷地面積は約1万5800平方㍍。日本酒と梅酒の醸造や物流の施設などを集約した。日本酒の製造能力は移転前の1・5倍で、年間約30万本(1・8㍑瓶換算)を見込んでいる。
敷地内には直営店舗を設け、日本酒や梅酒のほか、ノンアルコールドリンク、酒粕ジェラート、奈良漬、くずもちなどを販売している。
吉田佳代社長は、「古い蔵には耐震性が備わっていなかった。観光客を受け入れることができるようになったので、ぜひ多くの方に酒文化に触れてもらいたい」と話した。
日本酒の製造過程はガラス越しに見学できる。1人800円で事前予約が必要。問い合わせは梅乃宿酒造直営店(0745・43・9755)。
山岳遭難に備え 登山計画スマホで届け出 奈良・大阪

登山届に関する協定書を手にする奈良県警の猪原正義生活安全部長(右)ら=大阪府警本部
奈良、大阪両府県内の山に登る際、スマートフォンで両府県警に正式な登山届(登山計画書)を提出できるようになった。登山時の遭難事故に備えるため、両府県警がスマホ向けの登山アプリ「YAMAP」を運営するヤマップ(福岡市)と協定を結んだ。ヤマップは長野など4県警と同様の協定を結んでいるが、近畿では初めて。
両府県警によると、昨年の遭難者は大阪18人、奈良67人。このうち事前に登山届を提出していたのは大阪がゼロ、奈良も10人にとどまる。
アプリでは、登山ルートやスケジュールなどを含む登山届を作成でき、提出を選択すればヤマップとともに両府県警が受理する。最適な登山ルートや現在の位置情報を調べることもでき、遭難時には位置情報が警察や消防に提供される。
ヤマップとの協定式で、大阪府警の太田将光地域部長は「登山人口が増える中、協定は社会的にも大きな意義がある」と強調。奈良県警の猪原正義生活安全部長は「今後より(三者で)連携を図り、登山者の安全につなげたい」と話した。
登山届は従来、登山者の氏名や連絡先、計画ルートなどを書類に記載し、登山口にあるポストに入れたり警察に届けたりする。登山の盛んな富山県などには届け出を求める条例があるが、大阪や奈良などでは提出が義務化されていない。
再出発テーマにミュージカル 上牧町・劇団ペガサス

ミュージカル「花の記憶」で主演を務める平野友子さん(右から2人目)ら=上牧町
上牧町が町制50周年記念イベントとして、ミュージカル「花の記憶」を月に上演する。演じるのは同町が主宰する「劇団ペガサス」。活動を続けるのが困難だった時期を経ての公演となる。テーマは再出発で、劇団員らは「多くの人に楽しんでもらいたい」と意気込んでいる。
「花の記憶」は、プロのパフォーマーの夢をあきらめきれないシングルマザー、サヨが自らを見つめ直し一歩前へ踏み出す、というストーリー。勇気を伝えるミュージカルで、町の花であるササユリが重要な役どころで登場する。
同劇団は平成5年に結団し、同町のペガサスホールを中心に活動。しかし、町の財政健全化のために平成19年4月から27年8月末まで8年間にわたりホールが休館し、団員が次々に離れる、という不遇の時代もあった。今回の特別公演をきっかけに、第1期のメンバーが復帰し、新たなメンバーが加わるなど団員は10人近く増えて22人となった。
演出は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などのテーマパークアクターとして活躍し、ミュージカルの演技指導を行う奈良市在住の松岡ありささんが務める。「物語は再出発がテーマ。新型コロナで足を止めた多くの人に、何かを始めるきっかけにしてもらえたら」と松岡さんは話し、町を盛り上げる仕掛けも舞台にふんだんに取り入れる、という。
主演の平野友子さんは「新型コロナをきっかけに東京から故郷、上牧町に戻ってきた。町おこしになることがしたいと入団した。私にとっても故郷の暮らしはリスタート。多くの人に楽しんでもらえる舞台にしたい」と話す。
公演は11月6日、ペガサスホールで。チケット販売は9月1日から。全席指定500円。問い合わせは上牧町教委文化振興課(0745・78・9900)。
「自分信じて挑戦を」パラアスリート山本さんが特別講義 関西中央高

関西中央高校の生徒らを前に講演する山本恵理選手=桜井市
パリ2024パラリンピック出場を目指すパワーリフティング女子55㌔級の山本恵理選手(39)が、関西中央高校(桜井市)で特別講義を行った。山本さんは、自身の経験を振り返りながら「自分の可能性を信じて挑戦することが大切」と生徒たちに呼びかけた。
先天性二分脊椎症のため生まれつき足が不自由な山本さんは、9歳から始めた水泳でパラ近畿大会や日本選手権に出場。平成28年からはパワーリフティングに取り組み、東京パラリンピック2020開催前のテストイベント(令和元年)で女子55㌔級1位となり、日本記録を更新した。
関西中央高での講義には2、3年の生徒計108人が出席。山本さんは動画やクイズも交えながら、自身の経験を語った。
山本さんの人生観を大きく変えたのは、低温やけどで高校を1年間休学し入院した病院での出来事だったという。食堂で入院患者たちと談笑していると、その姿を見た車いすの男性から「とても楽しそうな様子に生きる力をもらった」と声を掛けられた。
「いつも人に助けてもらい『ありがとう』と言うばかりの人生の私が、生きているだけで価値があることに気づかされた」と振り返った。
また、アスリートとしての経験から「できないことに力を注いで挑戦するより、できることを極めることが強くなる近道」と笑顔で話した。
3年の野中綸人さんは「生きているだけで価値がある、という言葉に勇気づけられた」と話した。
講義は日本財団「パラスポーツサポートセンター」の教育プログラム「あすチャレ!ジュニアアカデミー」の一環。パラアスリートの話から「自分にできることは何か」を考えてもらうのが狙いで平成30年に始まり、これまでに全国で8万人以上の児童生徒が受講したという。


































