曽爾村の素材でトマトソース 近大生と共同開発

傷がつくなどして出荷できなかった曽爾村産の規格外トマトを使って、村と近畿大農学部(奈良市)の学生が2種類のトマトソースを開発した。ユズの酸味とやさしい甘さが特徴の「柚子はちみつ」と、シイタケのうまみと大和当帰のさわやかな香りがマッチする「きのこ当帰」。村の食材を使ってトマトの味を引き立てている。
近大と同村は令和元年に地域活性化に向けた連携協定を結んでおり今回、同大からは農学部の農業経営経済学研究室に所属する4年生4人が参画した。
村では大きな寒暖差や豊富な湧水を利用し、7軒の農家がトマトを生産している。そこで、虫が食っていたり形が悪かったりして廃棄されてきた規格外トマトを農家が随時提供することにした。村ならではのトマトソースを作ろうと学生らは昨年夏からトマトに合わせる食材探しを開始。試行錯誤の末、村産のユズ、キノコ、ハチミツ、大和当帰葉との相性がよいことが分かったという。
「トマト味を引き立てる食材はすべて、村の食材だった」と近大4年、松尾翔太さんは感慨深げ。村のトマト農家、寺前健史さんは「丹精込めて作ったトマトを活用してもらえるのはありがたい」と話した。
トマトソースは1瓶(220㌘)750円。交流拠点「そにのわの台所katte」やオンラインストアの「そにのわマルシェ」で年間を通じて販売している。
教員のわいせつ行為、見逃さない 県教委など通報窓口を設置
教職員による児童生徒へのわいせつ行為を防ぐため、県教育委員会は、匿名でも通報できる「相談・通報窓口」をオンライン上に設けた。各市町村教委と共同で運用。県内の公立、私立の小中高校の児童生徒らが対象で、本人のほか友人や家族からの通報や相談を受け付ける。スマートフォンからアクセスできる。
通報は、県教委と学校がある市町村教委に同時に通知。各機関が連携して調査する。相談先については被害者らが県教委か市町村教委かを選べ、電話や面談を通じて早期解決を図る。
わいせつ行為が確認されれば、被害者の心身ケアのためにスクールカウンセラーを派遣したり代替教員を配置したりし、犯罪と認めた場合は警察へ通報する。
また、毎年12月に小学1年から高校3年を対象としたアンケートも実施し、教職員のわいせつ行為に加えいじめの根絶も目指す。
県教委の吉田育弘教育長は「ヒヤリハットも多く受け付けることで、問題の早期解決を目指したい」と話した。

児童生徒のための相談・通報窓口の画面
「飴はなめても詐欺はナメない!」パッケージにメッセージ UHA味覚糖と郡山署
特殊詐欺の被害を防止しようと、県警郡山署はUHA味覚糖(大阪市)と連携し、啓発メッセージ付きのあめを商品化した。今月中旬から、近畿2府4県のスーパーなど約300店舗で販売する。
郡山署が大和郡山市内に工場のある同社に提案し、コラボレーションが実現。人気商品「特濃ミルク8.2」のパッケージに、警察官やパトカーのイラストとともに「飴はなめても詐欺はナメない!」というメッセージを掲載。個別包装紙にも「キャッシュカードは渡さない!」「ATMで還付金は戻らない!」「STOP!その電話、詐欺では?」と3種類の啓発メッセージを印刷した。
同署の青野秩之署長は「パッケージや包み紙を見て特殊詐欺の被害について考える機会になり、1件でも被害が減ることを期待している」と話した。

「形態のすばらしさが魅力」 昆虫生態写真家、伊藤ふくおさん

今にも飛び出してきそうなバッタやコオロギ―。昆虫生態写真家の伊藤ふくおさん=橿原市=が撮影した昆虫の写真は、色鮮やかでまるで目の前で生きているよう。
40年以上にわたって昆虫の撮影を続けてきた。「自然の中で生き物の生や死を眺めていると、(自然を)守りたいという気持ちが芽生える」と話す。
三重県四日市市出身。カメラに興味があり、高校卒業後、大阪市内の写真店に就職。その後スタジオに所属し、カメラマンとして働いていたが、自身が撮影した昆虫の写真を出版社の編集者に見せたところ「これなら(本に)使える」と言われたことがきっかけで、20代後半にフリーの写真家に転向。主に生き物を撮るようになった。
自然の中で昆虫をうまく撮影するには、「驚かさないよう静かに近づき、虫が何をしているかわかるように撮るのがコツ」
平成18年に出版した「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」(北海道大学出版会)では生きたままの虫を薬剤で弱らせて丁寧に脚などを広げ、色や構造がよくわかるよう撮影した。「無駄のない形態のすばらしさが魅力」と語る。
昆虫観察を目的に自然の中を歩く観察会「ふくおと歩く」は月に1回のペースで開催し、約17年間続けてきた。現在はNPO法人の事業の一環で実施。子供から60代まで多くの虫好きが参加し、見つけた虫を思い思いに観察して楽しむ。
奈良の自然を守ることは、そこに住む生き物たちを守ることでもある。虫と自然への敬意を持ち続けながら、優しいまなざしで撮影を続けている。
名物水車が復活、紀伊半島豪雨から10年 十津川村・湖泉閣吉乃屋

完成した水車を囲む関係者ら=十津川村
十津川村平谷の旅館「湖泉閣吉乃屋」の露天風呂に、平成23年9月の紀伊半島豪雨で失われた名物の水車が10年ぶりに復活した。豪雨により熊野川のダム湖を見下ろす露天風呂は水没。水車は回らなくなり、朽ちてしまっていた。新たに完成した水車に源泉かけ流しの湯が落ちてゆっくり回りだすと、復活プロジェクトに携わった有志らに笑顔がはじけた。
昭和28年の豪雨で熊野川に流されて行方不明となった祖父が十津川村に住んでいた縁から、村の復興支援を続ける大阪府八尾市の美容師、上垣隆幸さんが昨年6月、旅館の4代目館主、植村賢一さんに水車の復活を提案。上垣さんが知人の大工、長井風汰さん=同市=に話をもちかけ、実現に向かって動き出した。
上垣さんの知り合いの洗浄機メーカー「ショウワ」の藤村俊秀社長=同府柏原市=も趣旨に賛同し、寄付を申し出た。
長井さんは、水車について書かれた本を参考に図面を起こし、模型を作るなど試行錯誤。十津川産のスギを使って部品を作り上げていった。水車の回転軸は、大工仲間の高橋諒さんに製作を依頼。高橋さんは同府羽曳野市の古市だんじり祭を担う青年団の元団長で、「だんじりのコマ(車輪)に使われているベアリングが適している」と着想。取り外しができて手入れがしやすく、滑らかな回転軸に仕上げた。
9月6日のお披露目式で、竹筒から流れてくる源泉が水車の水受けに注がれると、ゆっくりと回転をはじめ、「パシャン、パシャン」と風流な音がよみがえった。
植村さんは「水車はアイデアマンだった3代目館主の亡き父が作ったもの。回っているのが普通だったが、なくなってみると寂しかった。感無量です」と見入っていた。
吉乃屋は上垣さんの定宿。「水車が回った瞬間、胸が熱くなった。先代の音と少し違うが、やさしくていい音。新しい音がなじんで、水車のように村がいい方向に回ってほしい」と上垣さん。藤村さんは「ローカルの復興支援を下支えできたことがうれしい。災害やコロナに見舞われたところに、こうした支援が広がれば」と話した。
130人が腕競う 大和高田市で県珠算大会

集中してそろばんをはじく子供たち=大和高田市
「第71回県珠算競技大会」(県珠算協会主催)が、大和高田市の県産業会館で開かれた。小学生(4年以下、5年、6年)と中学生、高校・大学・一般の各部門に分かれて実施。「そろばん奈良県一」を目指し、そろばんをはじく音を響かせた。
大会は5日に実施。かけ算、わり算、みとり暗算などの総合競技と読み上げ暗算などの勝ち抜き競技が行われた。小学3年生以下を対象にした「ちびっこそろばんフェスティバル」も開催され、大会とあわせて約130人が参加した。
総合競技の優勝者は次の通り。(敬称略)
【団体】小4以下=西川珠算教場
小5=かしはら計算スクールNexus
小6=同
中学=同
【個人】小4以下=河島昊佑(西川珠算教場)
小5=小西唯月(かしはら計算スクールNexus)
小6=吉川大樹(同)
中学=吉川祐樹(同)
高校大学一般=森田有尋(同)
東京五輪アーチェリーの古川、山内両選手 生駒市から市民功労表彰

市民功労の表彰状を贈られた古川高晴選手(左)と山内梓選手=生駒市
東京五輪アーチェリーの男子個人と団体で銅メダルに輝いた古川高晴選手と、同女子個人など3種目に出場し健闘した山内梓選手が生駒市役所を訪れ、小紫雅史市長に成績を報告した。同市は2人に市民功労表彰を授与した。
2人は近畿大の職員で、同市には同大体育会洋弓部の練習場がある。古川選手は、「予選ではフォームを崩してしまった。本番では修正できたが、もっと上を目指せた。3年後は金メダルを目指してがんばりたい」と意気込みを話した。
山内選手も予選では調子が出ず、監督やコーチにフォームの動画を送り指導を受けていたといい、「メダルを獲得できず悔しい思いが残ったが、(次の)パリ大会を目指して努力したい」と笑顔を見せた。
小紫市長は「2人の活躍が市民らを力づけてくれた。(生駒市で)練習してくれていることは誇らしい」と述べた。
クラウドファンディングで花火大会 生駒市が寄付募る
生駒市は市制50周年を記念した花火を、10月末~11月上旬のいずれか一日に打ち上げる。費用の一部を調達するためインターネットを通じて広く寄付を募るクラウドファンディング(CF)を実施。担当者は「コロナの影響で大勢が集まるイベントが開催できない中、多くの市民が生駒への思いを共有する時間をつくりたい」と話している。
花火は市内3カ所で計700発打ち上げる。実施日時は10月1日に生駒市のホームページに掲載する予定。新型コロナウイルス対策で観覧場所は設けない。
市は事業費575万円のうち100万円をCFでまかなう計画。自治体がプロジェクトオーナーとなって立ち上げる「ガバメントクラウドファンディング」を通じ10月22日まで寄付を受け付ける。このほか、企業や団体からの寄付で200万円をまかない、残りを公費で負担する計画を立てている。
図書館貸し切り、好きな本探して 橿原市立図書館がサービス
橿原市立図書館は小学生以下の子供がいる市内の世帯を対象に7月から実施している「1時間以内の全館貸切サービス」を、9月も土日祝日の計10日間実施する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で図書館利用を控えてきた家族に周りを気にせず本を探してもらうサービス。好評なことから延長を決めた。
土曜日(9月4、11、18、25日)は午後だけの実施で1日3枠、日曜・祝日(9月5、12、19、20、23、26日)は全日実施で1日5枠を設定。計42枠(42世帯分)を用意している。
利用は1世帯月1回。貸し出しは1人冊まで。前日までに予約することが必要。同館カウンターか電話で先着順に受け付けている。問い合わせは同館(0744・29・2121)。
キトラ古墳壁画の十二支像 「巳」も残存の可能性

巳の壁画の存在が想定される漆喰片。丸い点が集中する中央部に絵の具に含まれる水銀が確認された(文化庁提供)
明日香村の国宝・キトラ古墳壁画(7世紀末~8世紀初め)の十二支像のうち、まだ確認できていない巳(ヘビ)の壁画が残っている可能性が高いことが分かった。東京都内で8月31日に開かれた文化庁の「古墳壁画の検討会」で報告された。
十二支像は古墳石室内部の四方の壁に3つずつ描かれたとみられている。卯(ウサギ)、未、酉の3つははげ落ちて失われているが、子(ネズミ)、丑、寅、戌、亥(イノシシ)、午の6つの壁画は残っており、はぎ取って保存している。辰と申は泥に覆われた漆喰片のX線調査などで存在の可能性が明らかになっている。
同庁施設に保管中で未調査の泥の付いた漆喰片(縦約40㌢、横約30㌢)を蛍光X線分析にかけたところ、破片の中央部の約10㌢四方に絵の具に含まれる水銀が多く分布していることが分かった。水銀朱で赤く色付けされた壁画の存在を示すとみられ、文化庁の担当者は「巳の壁画があることを示す大きな成果だ」としている。
文化庁は今後、辰と申についても蛍光X線分析で改めて調査し、壁画の存在を再確認することにしている。
抗原検査キット、各学校に配布 奈良市

抗原検査キットの使用方法を説明する奈良市職員(奥)=奈良市立春日中学校
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、奈良市は30日、市立の小学校43校、中学校21校、高校1校に、抗原検査キットを配布した。発熱症状のある生徒らに接触した教職員への使用を想定している。迅速に感染の有無を検査できる体制を整え、クラスター(感染者集団)の発生を抑止するのが狙い。
各学校に1箱(25回分)を配布。検査の結果は15分ほどで判明するという。この日、同市西木辻町の春日中学校では、同中の教員10人が、検査キットの使用方法についての動画を視聴。その後、市職員が検体の採取方法を実演したり、注意点を説明したりした。
同中の坂本静泰校長は「先生の健康を守ることが、子供たちを守ることにつながる」と話した。
橿考研博物館がリニューアル 11月オープン
空調施設の全面改修などのため平成30年から休館していた橿原考古学研究所付属博物館(橿原市)が工事を終え、11月3日にリニューアルオープンすることが決まった。数千点とされる資料の展示替えも実施し、装いを一新して約3年ぶりに考古学ファンらを迎える。
2階建ての同館は昭和55年に建築され、平成9年に一度リニューアル。しかし、空調施設は建築当時のままだったことから、展示室や学芸員が執務する事務室などを含め改修することにし、平成30年12月24日から休館している。
工事では空調施設を改修し、展示室内を自動ドアで細かく区切って外気の侵入を抑制、室内の環境を可能な限り一定に保つように整備した。また、中庭には有料ゾーンを通らずに、フリーゾーンから行き来できるように改修した。
同館は、国宝・重文を含め古代からの大和の歴史を紹介する数千点の資料を収蔵している。工事期間中は土器や埴輪、木製品などは梱包され、収蔵庫に移した。改めて展示するにあたっては展示替えを実施。館内の装いが一新されるという。
◇
橿考研はリニューアルを記念し、11月3日午後1時から同市の県社会福祉総合センター大ホールで第回公開講演会「大和の考古学」を開催する。
松田真一・特別指導研究員が縄文時代、坂靖・企画学芸部長が古墳時代、鶴見泰寿・資料係長が古代宮都をテーマにそれぞれ講演する。
定員260人。無料。聴講の際はマスク着用。希望者は往復はがきに住所、氏名、電話番号を書いて9月10日(必着)までに申し込む。応募者多数の場合は抽選。問い合わせは橿考研(0744・24・1101)。

橿考研付属博物館
コロナ感染 自宅療養の注意点
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、県内でも患者を受け入れる病床がひっ迫するおそれが強くなっている。自宅療養を余儀なくされた場合、気をつけるポイントは何か―。
厚生労働省は家庭内感染を防ぐため、▽部屋やトイレを分ける▽感染者の世話は限られた人にする▽マスク着用▽こまめにうがい・手洗い▽ドアノブなど共有部分の消毒|といった対策を挙げる。
県医師会の安東範明会長は「デルタ株を防ぐには不織布マスクが重要。使い捨て手袋や大きめのゴミ袋を備蓄しておくと、簡易の防護服になる。また、感染者の入浴は最後にしてほしい」と話す。
また、普段から水や、おかゆといったレトルト食品、ゼリー飲料などを準備しておいた方がよい。自分が住んでいる自治体の支援体制も調べることも有効だ。例えば、奈良市、天理市などは食料品やマスクの提供、買い物や医薬品受け取りの代行を実施している。
自宅療養中に最も警戒が必要なのが症状の悪化だ。
安東会長は「陽性者の多くは軽快するが、発症から1週間前後に病状が急変する場合もある」とする。容体の把握に有効なのが、各自治体が貸し出す血中酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」だ。厚労省は、96%以上を軽症、93%超~96%未満を中等症I、93%以下を中等症Ⅱとする。
安東会長は「94~95%は息苦しく、かなり咳が出る状態。家族はいつでも保健所などに連絡できる態勢をとる必要がある。93%以下は呼吸不全で、救急車を呼んでもいい。携帯電話を枕元に置くことも重要だ」と話している。
◇緊急性の高い主な症状◇
・顔色が明らかに悪い(※)
・唇が紫色になっている
・息が荒くなった
・胸の痛みがある
・座らないと息ができない
・肩で息をしている
・ぼんやりしている(※)
・もうろうとしている(※)
(※)は家族らが確認
(厚生労働省の資料より)
「詐欺ではないですか」声かけて被害防止 コンビニ店員に感謝状

天理署から感謝状を受け取った池永三枝子さん(中央)と中川優子さん=天理市(県警提供)
特殊詐欺被害を防いだとして天理署は、コンビニエンスストア「ファミリーマート」天理井戸堂店(天理市)の店員、池永三枝子さんと、同磯城三宅店(三宅町)の店員、中川優子さんに感謝状を贈った。
同署によると4月と5月、それぞれの店舗に高齢の男性が来店。「パソコンのウイルス感染を解除するのに電子マネーが必要となった」などと言って天理井戸堂店では6万円分、磯城三宅店では25万円分のプリペイドカードを購入しようとした。
2人は「詐欺ではないですか」と声をかけ、県警の詐欺防止を呼びかける啓発用封筒をみせながら説得。カードの購入を防いだという。
県内産スギふんだんに 桜井市新庁舎

新本庁舎4階に設けられた市議会議場=桜井市
桜井市は、9月21日に開庁予定の桜井市役所新本庁舎(4階建て)の内部を報道関係者に公開した。エントランスホールや市議会議場などに県内産のスギをふんだんに使っているのが特長だ。
エントランスホールのある1階には、市民課や税務課、高齢福祉課など市民生活と関係が深い部門が入居し、3階に市長室、4階には市議会が入る。免震構造で、3日間連続運転可能な非常用発電機も備え、大規模災害時の対策拠点にもなる。
新本庁舎は現本庁舎が老朽化したことから昨年1月から約35億円をかけ、現本庁舎西側で建設が進められ、6月に完成した。延床面積は現本庁舎の約1・5倍の約7800平方㍍。
絵画と書で万葉の歌表現 明日香村でギャラリー展示
万葉集の歌から感じたことやイメージしたことをテーマに、小中高生らから募集した絵画と書の作品を紹介する第2回万葉ギャラリー展が、万葉文化館(明日香村)で開かれている。9月日まで。計394点が寄せられ、全作品を展示している。
課題歌の1つは持統天皇の「春過ぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香具山」。川で白栲(白い布)を洗う女性を描いた作品や山をバックに白い衣だけを表現した絵画や、「夏めく」「夏山」「涼風」などと記した書といった個性豊かな作品を見ることができる。
山部赤人の歌を題材にした「富士山」や、柿本人麻呂の歌をテーマにした作品も数多く展示されている。

個性豊かな作品がならぶ万葉ギャラリー展=明日香村
実はすごい糞虫 奈良の中村さんが図鑑発行

動物の糞を食べる糞虫についてまとめた中村圭一・ならまち糞虫館館長の著書「たくましくて美しい 糞虫図鑑」が、創元社から刊行された。国内外の約70種類を掲載している。中村館長は「糞虫のことをおもしろいと思ってもらえれば」と期待している。
中村館長は中学2年のとき、昆虫の標本を作る夏休みの宿題で友人が持ってきた糞虫に魅了されたという。平成30年に奈良市内に同館を開設し、国内外の約300種類を展示するまでに。
図鑑は、糞虫についてQ&A形式で分かりやすく解説している。また、約40種類が生息し、「糞虫の聖地」と呼ばれている奈良公園で観察する際のルートマップ、観察時の装備やフンコロガシの飼い方まで紹介している。
中村館長のおすすめは、キラキラと光る見た目が美しい「オオセンチコガネ」。生息地によって体色が異なり、奈良では瑠璃色の体から通称「ルリセンチコガネ」と呼ばれている。
中村館長は「これをきっかけにほかの生き物にも興味を持ち、生き物の暮らす環境にも関心を持ってもらえるとうれしい」と話している。糞虫図鑑は1870円。
奈良舞台にファンタジー小説 桜井の芦原さん作家デビュー

デビュー作を手にする芦原瑞祥さん=桜井市
令和元年の「第2回ビーズログ小説大賞」(KADOKAWA主催)の現代部門特別賞を受賞した桜井市の芦原瑞祥さん(46)が、奈良を舞台にしたファンタジー小説「まほろばの鳥居をくぐる者は」(KADOKAWA)で、作家デビューを果たした。
小説は、神社の娘、宮子が幽霊の友達や修験者の少年と出会い、世の中の不条理や不思議に触れながら成長していくというストーリー。受賞作を改題・改稿して仕上げた。
芦原さん自身、父が神社の神主とあって細部までリアルな表現ができたと話す。「読んだ後、神社や寺を訪れたくなったり、奈良へ行ってみたいと思ったりしてくれたらうれしい」
幼い頃から物語を作るのが好きだったという芦原さん。20代後半からは、働きながら大阪文学学校(大阪市)で腕を磨いた。今後も日常の延長線上にあるファンタジー作品を創作したいという。
秘伝のレシピで感動のから揚げ再現

マリオフーズを受け継いだ諸岡賢治さん(左)と妻の千恵子さん=奈良市
昔ながらの風情が漂う弁当販売店「マリオフーズ」(奈良市)。その店主、諸岡賢治さん(50)は、実は店の元常連客だ。カリカリでジューシーな鶏の唐揚げに感動し、秘伝のレシピとともに、30年以上続いた老舗店を平成27年に受け継いだ。
出会いは23年前にさかのぼる。当時勤めていた会社の後輩に紹介されて食べた弁当の唐揚げが「むちゃくちゃおいしくて。衝撃を受けた」。それ以来足しげく通うようになった。
ところが店は26年7月に閉店。「テナント募集中」の看板を目にした諸岡さんはその瞬間に「店をなくしてはならない。自分が継ぐしかない」と決意したという。
そこからの行動は早かった。店主に「マリオフーズを継がせてほしい」と直談判。しかし、店主は妻と幼い3人の子供がいる諸岡さんに「今の仕事を続けた方がいい」と諭し、首を縦に振らなかったという。それでも諸岡さんの決意は変わらず、三度の説得で承諾を得て、27年3月にマリオフーズを復活させた。
目玉は「ジャンボからあげ弁当」(580円)。鶏のモモ肉を調味料とともに長時間こねて冷蔵庫で丸一日寝かせ、衣をつけて8分間じっくり揚げる。かつてほれ込んだ、外はカリカリで中がジューシーな唐揚げの完成だ。
新型コロナウイルスの影響で、イベントでの大口注文がなくなり「売り上げは厳しい面はある」。一方で個人の客は増えているといい、「新しい味の唐揚げにも挑戦したい」と意気込む。
「ゆくゆくは店を拡大し、もっと多くの人に食べてほしい」。大きな目標に向け、600個近くの唐揚げを揚げる毎日だ。
◇
弁当の問い合わせはマリオフーズ(0742・22・7880)。
豪族の優雅な暮らし伝える遺物 橿原で企画展

豪族が使ったとみられる石川土城遺跡出土の「瓦灯」=歴史に憩う橿原市博物館
平成27~30年度に橿原市内で行われた発掘調査の成果を紹介する企画展「かしはらの歴史をさぐる21」が「歴史に憩う橿原市博物館」で開かれている。9遺跡の出土品計100点を展示。石川土城遺跡(13~16世紀)の出土品など初公開の遺物も見ることができる。9月20日まで。
石川土城遺跡は、同市石川町にある鎌倉~室町時代の豪族城館(居館)跡で、大溝や井戸、建物跡が確認されている。企画展では、火の付いたものを中に入れて、明かりの方向を調節するために使った珍しい照明具「瓦灯」や古瀬戸の天目碗、青磁の碗(いずれも室町時代)などを公開。こうした遺物は豪族の優雅な暮らしぶりを伝えている。
藤原京跡関係では、最古級とみられる京跡出土の唐三彩の枕の破片や、銅製の鈴のほか、市役所新本庁舎建設予定地(京跡内)で出土した水を入れるための横瓶などを展示。
謎の寺院とされる石川廃寺跡で見つかった瓦、新堂遺跡で出土した木製の椅子(5世紀)や馬の骨なども紹介している。
まち全体をハザードマップに 三宅町
三宅町は町内の主要地点にある電柱102本に、大雨の際に予想される浸水の深さを示す看板を設置。水位の高さを示す赤いラインも入れた。「まるごとまちごとハザードマップ」と銘打ち、いざという時の避難行動に役立ててもらう。
三宅町は大和盆地の中央部に位置し、標高は50㍍以下。水田や住宅地などが広がる中、大和川の支流の曽我川、飛鳥川、寺川が流れる。
平成29年10月の台風21号による豪雨では、3河川の水位がいずれも氾濫危険水位を超えた。氾濫はしなかったが、「あと1歩で大災害になるところだった」という。
各電柱の看板が示すのは電柱周辺5㍍四方での最も深い部分の値。町中心部の役場付近の浸水想定は1㍍前後だが、西部の小柳地区や南部の但馬地区では4㍍を超える場所もる。町では「日頃から水害のリスクを把握し、水防災に対する意識の向上をはかってほしい」としている。

想定される浸水の深さの値と赤いラインが設置された電柱=三宅町
江戸時代の旅を楽しむ絵画展 奈良市・大和文華館

尾形光琳筆「扇面貼交手筥」のうち「西行物語図」(大和文華館提供)
旅にまつわる絵画などを紹介する展覧会「旅の美術」が、大和文華館(奈良市学園南)で開かれている。江戸時代の絵画など件を展示し、旅に思いをはせてもらう。22日まで。
旅人の姿は「伊勢物語」の主人公など多くが絵画化されてきたほか、旅先の名所などを描いた作品も数多い。展覧会では「物語の旅」「名所の絵画」「絵師と旅」の3テーマで展示。
尾形光琳の「扇面貼交手筥」(重文、江戸時代中期)は西行物語図や富嶽図などが描かれ、旅や名所を想起させる。小田野直武の「江の島図」(同後期)は神奈川県藤沢市の江の島と周囲の海、浜辺の様子が遠近感が感じられるように描かれている。
同館の仁方越洪輝学芸員は「新型コロナウイルスの影響で遠出しにくい中、展覧会で旅にでた気持ちを少しでも感じてもらえれば」と話している。月曜休館。入館料は一般630円、高校・大学生420円、小・中学生無料。
子供たちが橋の名付け親に 大和郡山市

自分たちでつけた橋の名前のプレートを掲げる児童=大和郡山市
大和郡山市の小学生が、同市が管理する橋に名前をつける「名付け親プロジェクト」の発表会が、「DMG MORIやまと郡山城ホール」(同市北郡山町)で行われ、児童がつけた57の市道橋の名前が披露された。市は今年度中にそれぞれの橋に、名前が刻まれたプレートを設置する。
プロジェクトは地域を知り、郷土愛を育むきっかけにしてもらおうとの市立小学校を対象に市が企画。市内には292の市道橋があるが、その約8割には名前がついていない。
このため、市職員が各学校に「出前授業」に出向き、橋の成り立ちや仕組みについて説明。児童は橋を見学し、地域の人に話を聞くフィールドワークも行い、名前を考えた。
この日の発表会では児童が、スライドや写真を用いて名付けた理由を説明。矢田小学校の児童は、かつて付近にスイカ畑が広がっていたという橋を「水甘橋」と命名。きれいな水が流れていたことやスイカの甘さを表現した。
このほか、「お米豊作橋」や「一日お遍路橋」などユニークな名前も飛び出した。
片桐西小学校5年の長谷川泰樹さんは「3週間ほどの授業だったが楽しかった。将来、この町を出て帰ってきたとき、友達や(自分の)子供に橋を案内しながら自慢したいな」と笑顔を見せた。
あすか野ファイターズV 少年軟式野球県大会
「第62回県学童軟式野球大会(兼)ほっかほっか亭カップ第45回近畿少年軟式野球大会県予選会」(県軟式野球連盟主催、産経新聞社共催)の決勝が9日、橿原市の橿原運動公園で行われ、あすか野ファイターズが斑鳩少年野球部を15-11で破り、優勝を果たした。優勝、準優勝チームは9月19、20日に大阪府で開催予定の近畿少年軟式野球大会に県代表として出場する。
犯罪被害者支援に役立てて 売り上げ一部を寄付する自販機

なら犯罪被害者支援センターに売り上げの一部が寄付される自販機=奈良市
県内の損害保険会社4社が、公益社団法人「なら犯罪被害者支援センター」に売上金の一部が寄付される自動販売機を新たに4台設置した。
同センターでは電話相談や裁判への付き添いなどを通し、犯罪被害者やその家族を支援している。県からの補助金のほか、賛助会員からの会費や寄付金などを資金に活動しているものの、財政状況は厳しいという。
売上金の一部が寄付される自販機は約10年前から設置が始まり、今回で県内計104台となる。このうち損保ジャパンの奈良支店(奈良市)では、もともとあった自販機を4月に寄付できるものに変更した。
同センターの福井学専務理事は「センターの活動を少しでも多くの人に知っていただく機会にもなれば」と話している。
「お出かけGO」で高齢者支援 大和郡山・矢田地区

高齢者の「足」となるクルマ「矢田おでかけGO」
車を運転できない高齢者の「足」を支援する取り組みが、大和郡山市の矢田地区でスタートした。8人乗りの車両「矢田おでかけGO」で自宅近くから最寄りのバス停まで送迎する。65歳以上の高齢者が対象。市は「住み慣れた地域で安心して暮らし続けてもらいたい」としている。
矢田地区の65歳以上の高齢者の割合は、令和2年3月で39.75%、12年には47.8%となると予測され、市内でも高齢化が進む地域だ。市は今回の取り組みをモデル事業とし、車のリース代や維持費など約200万円の予算を組んだ。
事業を展開する地域は同地区の城ケ丘自治会。場所によっては最寄りのバス停まで坂道を歩いて10分ほどかかるといい、高齢者世帯を中心に「買い物の足」の支援を求める声が多かった。
市は矢田地区社会福祉協議会と具体的な支援策を検討。自治会内の7カ所に乗降所を設置し、最寄りのバス停まで週3回、1日1、2往復する支援策を実施することにした。事前登録料1000円を支払った高齢者約20人が利用する。ドライバーは有償ボランティアの地域住民が受け持つ。
ドライバーを務める同協議会の寺田昭治さん(72)は「気軽に出かけることができれば、便利になるし、生活も活性化される。車内が地域交流の場となれば」と話す。市はこうした支援策を他の自治会でも実施したい考え。
ものづくりの魅力伝えたい 「風の家工房」堀内義弘さん

田んぼが広がるのどかな風景の中にたたずむ「寧楽兄弟社 風の家工房」(天理市遠田町)。ペンチやトンカチ、ノコギリ、木型といった道具がずらりとならぶ。工房を主宰するのは堀内義弘さん。使い込み、手に馴染んだ道具で、ひと工夫凝らした木工品とレザークラフトを生み出している。
堀内さんは元教諭。天理市や三宅町、田原本町の4つの小学校で36年間勤めた。木工は気軽な「お父さんの日曜大工」の延長というが、実践的なノウハウをたくわえてきた。自宅の棚などはもちろん、教諭時代は児童の荷物棚の使い勝手をよくしたり、校内に「あったらいいな」を形にした備品を製作したり。
「退職したら、ものづくりの道があるね」。そんな同僚の声を背に3年前、早期退職して工房を開いた。ものづくりが好きだった、亡き兄の遺した道具を生かしたいとも思っていた。今も30年も前のものも大切に使い続けている。
レザークラフトを始めたのは40代半ばのころ。水筒とカメラのケースを探したが気に入るものが見つからず、自作した。長男から「就職祝いに学生カバンのようなビジネスバッグが欲しい」と頼まれると、試行錯誤しながら半年かけて作るほど、のめり込んでしまい、結果、腕を磨いた。
木工品は家具、レザークラフトは小物が中心で、いずれも基本はオーダーメイド。作品を広く知ってもらおうとイベント出店などに力を注いできた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大でままならない。そこで、財布やペンケースなどを作る体験教室を工房で開く。1日1組と規模は小さいが、4月には旅行サイトのレザークラフト体験で県内1位の評価を得た。
「自宅で過ごす時間が増えた今、手を動かし、集中してものを作る面白さや魅力を伝えていきたい」と話す。
センバツより上に 智弁ナインが知事表敬

県庁に荒井正吾知事を表敬訪問し、健闘を誓う智弁学園の山下陽輔主将(左)ら
阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で9日開幕する第103回全国高校野球選手権大会に、県代表として出場する智弁学園(五條市)の選手らが3日、県庁を訪れ、荒井正吾知事に健闘を誓った。
智弁学園は県大会決勝で6-4で高田商に競り勝ち、2大会連続回目の夏の甲子園出場を決めた。
この日は小坂将商監督と山下陽輔主将らが訪問。小坂監督は「一戦必勝でセンバツより上に行けるよう頑張ります」と抱負を語り、山下主将は「コロナ下で大会を開催できることに感謝の気持ちをもって、自分たちの野球ができるよう頑張りたい」と決意表明した。
荒井知事は「日頃の練習成果が出るよう頑張ってください」と激励した。
智弁学園は大会2日目の第1試合に倉敷商(岡山)と対戦する。
山辺高サッカー部の太田凱翔主将 ドイツ名門チームから練習に招待

太田凱翔さん
県立山辺高(奈良市)2年で、サッカー部主将の太田凱翔選手(17)が、ドイツの名門クラブの2チームから招待を受け、2日から現地で練習に参加している。実力が認められた場合、18歳となる来年にチームと契約を結ぶ可能性があるという。
プロを目指す太田選手は身長170㌢、体重㌔。得点力の高いフォワード(FW)で、1年生から主将を務めている。6月の全国高校総体(インターハイ)県予選決勝では相手高から2得点を挙げる活躍をみせ、2-2からのPK戦の末、初優勝を果たす原動力となった。
招待を受けたのは、ブンデスリーガ1部の「レバークーゼン」と「シュツットガルト」。山辺高と提携するボスコヴィラサッカーアカデミーの興津大三監督()が、欧州のサッカーリーグに精通したエージェントにプレー映像を送るなどし、両チームから実力が評価されたという。
7月末に記者会見した興津監督は「左右の両足とヘディングの3つのシュートの精度がどれも高い。ドイツの選手はフィジカルが屈強で(FWにとって)一番難しく、大きな刺激になる」と飛躍を期待。太田選手は「ドイツのスピードやパワーに立ち向かうことで攻撃のバリエーションを増やし、世界で活躍する選手になりたい」と将来を見据えた。
ハス&キバナコスモスが競演 藤原宮跡

畝傍山をバックに咲く清らかなハスの花
藤原宮跡(橿原市)の花園で、ハスとキバナコスモスが見ごろを迎え、多くの人が訪れている。
花園は世界遺産登録をめざす宮跡のPRを目的に、市が地元の協力を得て整備。大極殿跡南東側のハスゾーン(広さ約3千平方㍍)には11種類のハスが植えられ、ピンクや白色の清涼感のある花を咲かせている。8月上旬ごろまで楽しめるという。
一方、醍醐池西側では100万本ともいわれるキバナコスモスが、オレンジと黄色の鮮やかな花を付けており、圧巻。見ごろは8月中旬ごろまでという。
市はHPで開花状況を紹介している。

咲き誇るキバナコスモス


































