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【春日若宮おん祭】御湯立(みゆたて)神事で始まる 17日には「お渡り式」「お旅所祭」

古都の師走を彩る春日大社摂社・若宮神社の例祭「春日若宮おん祭」が15日、始まり、奉仕者らの身を清める「御湯立(みゆたて)神事」などが奈良市餅飯殿町の同大社大宿所で行われた。
大宿所は精進潔斎(しょうじんけっさい)が行われてきた参籠(さんろう)所で、御湯立は大和郡山市の巫女、加奥満紀子さんが作法を継承している。加奥さんはこの日、大勢の市民や観光客らが詰めかける中、煮え立つ大釜の湯に酒や米などを入れた後、「左右左」と唱えながらササの葉で清めの湯を振りまいた。
大宿所の建物内には、祭りの装束などが並び、華やかな雰囲気に。庭には魚などの懸物(供物)が並ぶとともに、名物料理「のっぺ汁」も振る舞われ、にぎわいを見せていた。
おん祭は平安時代に始まって以来、今回で882回目を数える。メーンの17日には時代行列の「お渡り式」や、田楽や舞楽などの芸能が奉納される「お旅所祭」が行われる。

湯立神事では神聖な湯気が立ち上り、湯が振りまかれた=奈良市の春日大社大宿所

湯立神事では神聖な湯気が立ち上り、湯が振りまかれた=奈良市の春日大社大宿所

【あっ、これ作ろ!】「ユズジャム」 氷水で、できあがりをチェック…役立つ

今年も残りわずか。民家の庭にユズが黄色い実をつけている光景をちらほら見かけるようになりました。
今回は、旬の素材でジャムを製造・販売する「confiture cotocoto」(奈良市あやめ池南)のコンフィチュール作家、奥田晶子さん(45)に「ユズジャム」を教えてもらいました。
「ジャムは万能調味料。ユズジャムも大根の浅漬けに入れてみたり、白みそとお酒に混ぜて漬け込んだ魚を焼いたりと料理にも使えます」と奥田さん。苦みの好きな人は白ワタを残したままでもOKとか。
役に立ちそうなのが、ジャムが出来上がったかどうかのチェック方法。ユズに限らず、他の果実でジャムを作るときにも使えるそうです。ユズと砂糖のみで手軽に作ることができるユズジャム、ぜひお試しを!(朋)

【材料】
ユズ 適量、砂糖 ユズの重量の40%分=写真❶

❶

【作り方】
①ユズは丸ごと洗い、半分に切る
②ボールにザルを重ねた上から①を搾る=写真❷

❷

③種は果汁にしっかりと浸しておく(ボールとザルの大きさに差がない方が浸しやすい)=写真❸

❸

④果汁を搾り取った皮は白いワタを半分くらい落とし、3等分に切り、さらに2㍉くらいの細さに刻む=写真❹

❹

⑤④に砂糖をまぶし、軽く混ぜ、1時間ほど置いて皮に砂糖を浸透させる
⑥鍋に⑤と③の果汁を入れ、中火~強火で炊いてアクを取る
⑦少しとろみがついてきたらできあがり=写真❺(ユズはペクチンが多いのでゆるめで止める)あっ、これ作ろ!5できあがり
【ワンポイント】
○冷蔵庫に保管し、できるだけ早く食べきりましょう
○⑦のとろみがついてきたら、スプーンですくい、氷水に入れてジャムが散らばらなければOK=写真❻。

❻

散らばるようなら、もう少しとろみが付くまで炊きましょう
○皮のかたいユズは2、3日水につけておくと柔らかくなります

 confiture cotocoto 3人の子育ての傍ら、自宅に隣接する工房で日々コンフィチュールを炊く奥田晶子さんが製造、販売。「生産者の思いを大切にしながら素材と向き合い、安心して食べられるものを提供したい」という思いが込められている。ホームページ(http://confiture-cotocoto.com/)で常時約30種類のジャムやソース、シロップを販売している。(☎090・8534・9288)。

【税についての作文】全国納税貯蓄組合連合会会長賞の天理中学2年、今村美月さんらに賞状 奈良税務署管内

県納税貯蓄組合総連合会の尾川欣司会長から表彰状を受け取る今村美月さん(左)

県納税貯蓄組合総連合会の尾川欣司会長から表彰状を受け取る今村美月さん(左)

奈良納税貯蓄組合連合会と奈良税務署が主催する中学生の「税についての作文」表彰式が13日、奈良ロイヤルホテル(奈良市)であり、全国納税貯蓄組合連合会会長賞を受賞した天理中学2年、今村美月さん(13)ら受賞者に賞状が手渡された。
税に関心を持ち、正しい理解を深めてもらおうと全国納税貯蓄組合連合会と国税庁が募集。今年度は県内109校から1万1803編、奈良税務署管内では48校から5043編の応募があった。
表彰後、100人以上の参列者を前に受賞作文を朗読した今村さんは「緊張した」と笑顔で話し、「夢である助産師になって、税金を納められるようになりたい」と誓っていた。

ほかの受賞者は次の通り(敬称略)。
大阪国税局長賞=堀内駒来▽納税協会連合会会長賞=西川陽菜乃▽近畿納税貯蓄組合総連合会会長賞=吉田桜子▽県納税貯蓄組合総連合会会長賞=穴井智尋、山中晶理、島田瞳、永田花梨、武田望来、黒﨑理子、高橋有希奈、丸山琴羽▽県知事賞=平田桃花▽奈良税務署長賞=堀内南歩、堀杏菜▽県租税教育推進連絡協議会会長賞=松本夕芽▽奈良税務署管内租税教育推進協議会会長賞=奥垣知那美▽奈良市長賞=藤井杏美▽大和郡山市長賞=高木達生▽天理市長賞=早坂章▽生駒市長賞=日下部遥▽平群町長賞=川上侑珠▽三郷町長賞=永山莉奈▽斑鳩町長賞=福井栞奈▽安堵町長賞=板谷祐希▽奈良納税貯蓄組合連合会会長賞=市橋侑樹、松本優希、神野秀直、副田真央、森川真奈、山本爽、高田萌衣、苗木ひかる、山形晏加、小山樹人、東日向子、勝井南帆、富沢俊、井上智裕、竹内真菜、菊池悠莉、西本奈央、石井結衣、阿拉坦多燃、高田奈々、金谷直哉、志田百可、榎本凌之介、高尾晃生、藤田愛優、坂原俊希、西谷さらら、原和未、広瀬美律、勝亦祐衣、門野那香、森沢華花、中村仁美、勝真海音、島田百合加

【奈良マラソン】 1万7000人が大和路駆ける 8回目の開催

荒井正吾知事の号砲を合図に、一斉にスタートしたランナー

荒井正吾知事の号砲を合図に、一斉にスタートしたランナー

奈良市のならでんフィールド(鴻ノ池陸上競技場)を発着点とする「奈良マラソン2017」(同実行委員会主催)が開催され、全国から集まった約1万7千人の市民ランナーが冬の大和路を駆け抜けた。
8回目となる今年は9日に3㌔ジョギング、10日に10㌔とフルマラソンが行われ、フルマラソンは荒井正吾知事の号砲を合図に一斉にスタート。ランナーたちはアップダウンが激しいコースに苦戦しつつも、完走を目指して懸命に走った。
フルマラソンを2時間46分24秒で完走した香芝市の清原啓志さん(34)=TEAM奈良=は「後半の登り坂でペースを落としてしまったが、応援に来てくれた妻や息子たちのことを考えながら何とか完走しようと走った。来年も挑戦したい」と話していた。
フルマラソン男子の部では、初出場した神奈川県秦野市の原由幸さん(22)‖星槎道都大‖が2時間23分53秒で初優勝。女子の部ではフルマラソン初挑戦となった三宅町の武津さなえさん(21)‖同志社女子大‖が2時間46分59秒で制した。

【生駒小2女児刺傷事件】住民ら驚き「こんな事件は初めて…」 児童は「怖いなー」

被害女児が通う小学校。事件から一夜明けた朝、児童は地元住民らに見守られながら登校した=生駒市

被害女児が通う小学校。事件から一夜明けた朝、児童は地元住民らに見守られながら登校した=生駒市

生駒市鹿ノ台南の民家で、小学2年の女児(8)が同級生の母親に胸などを複数回刺され、重傷を負った事件。この家に住むパート従業員、千阪利恵容疑者(41)が殺人未遂容疑で逮捕されてから一夜明けた8日、県警は犯行現場となった民家で現場検証した。一方で、近隣住民からは「長く住んでいるが、こんな事件が起きたのは初めて」と驚きの声が上がった。
この日朝、被害女児が通っている市立小学校の児童は、地元住民に見守られながら普段通りに登校。一方で児童に付き添ったり、車で送迎したりする保護者も多く、一様に不安げな表情を浮かべていた。
学校付近の通学路で、10年近く見守り活動を続けているという男性(81)は「子供は親から事件について聞いたのか、『心配や』『怖いなあ』と不安そうやった。静かな住宅街でこんな事件が起きるなんて」と戸惑いを隠さなかった。
生駒市教委などによると、小学校では1時間目を全校集会に充て、校長が校区内で事件があったことを伝えた上で、「報道でいろんなことを見聞きするかもしれないが、いつも通り学校に来てほしい。しんどくなってしまったら、周りの大人に相談して」などと呼び掛けた。市教委は同日、スクールカウンセラー1人を同校に配置。当面の間、児童の心のケアに当たるという。
被害に遭った女児を知る近くの男性(40)は「とても元気で活発な女の子。こんな事件に巻き込まれるなんて…」と沈痛な面持ちで話した。
県警はこの日朝から午後5時半ごろまで、民家内を現場検証。犯行当時の詳しい状況や経緯を調べている。

犯行現場となった千阪利恵容疑者の自宅で現場検証する県警の捜査員=生駒市

犯行現場となった千阪利恵容疑者の自宅で現場検証する県警の捜査員=生駒市

【税の作文】吉野税務署管内 竹中優菜さんらに賞状授与

表彰を受ける竹中優菜さん=吉野町

表彰を受ける竹中優菜さん=吉野町

国税庁などが募集した「中学生の税についての作文」の吉野税務署(吉野町)管内の表彰式が7日、同税務署であり、近畿税理士会会長賞を受賞した大淀町立大淀中学校1年の竹中優菜さん(13)ら受賞者に賞状が授与された。
「税の作文」は、中学生が税をテーマに作文を書くことを通じ、税についての理解と関心を深めてもらおうと、国税庁と全国納税貯蓄組合連合会が募集。今年度は県内109校から1万1803編、吉野税務署管内では12校598編の応募があった。
同税務署管内では30人が受賞し、この日の表彰式には16人が出席。竹中さんは「税のことを調べ、頑張って作文を書きました。受賞が決まって驚きました」と喜んだ。竹中さんら3人は表彰式後、「一日税務署長」に委嘱され、署長訓示として作文を朗読した。
このほかの主な受賞者は次の通り。(敬称略)
県納税貯蓄組合総連合会会長賞=下村悠郁(十津川村立十津川中学校3年)▽県知事賞=泉田麻緒(吉野町立吉野中学校2年)▽県租税教育推進連絡協議会長賞=松本亮(大淀町立大淀中学校3年)

【やまと人巡り】世界を見据え、日々、鍛錬… 親子3代の少林寺拳法現役拳士

型を決める(右から)河原弘さん、章二さん、やよいさん、真二さん

型を決める(右から)河原弘さん、章二さん、やよいさん、真二さん

先月26日に王寺アリーナ(王寺町)で開催された少林寺拳法西大和地区合同演武大会。この大会で〝活躍〟したのが王寺道院道院長、河原弘さん(77)と、息子で大和郡山南道院道院長、章二さん(48)、そして、章二さんの長女、やよいさん(19)と長男、真二さん(14)。4人は親子3代の現役拳士だ。
これまでに何人もの道院(さまざまな修行の場)長を育てた弘さんは26歳で健康のため少林寺拳法を始めた。次第にのめり込み、今も王寺道院で約30人の拳士を育成している。
章二さんが少林寺拳法を始めたのは5歳。21歳の若さで道院長となった。大学卒業後は教員となり、大阪産業大付属高校(大阪市城東区)で少林寺拳法部の顧問も務めている。
そんな2人を追うようにともに5歳で始めたのがやよいさんと真二さん。2人とも物心のつく前から道場に来て、祖父と父の教えを学んでいた。
やよいさんは大阪産業大付属高校少林寺拳法部では主将を務めた。創部50年で女性主将はやよいさんだけ。「初めは部員をまとめられるか悩んだ」という。顧問でもあった章二さんに泣きながら相談したこともあった。章二さんの答えは「まず自分が見本になれ」。言葉通りに努力を続け、平成28年夏の全国高校総体女子組演武で1位と同点の2位となった。
高校を卒業した今は保育士を目指して専門学校へ通うが、4年後に控える少林寺拳法世界大会での優勝を目標に鍛錬を続けている。「就職しても体が動く限り続ける」と意気込み、そして、「子供が生まれたら一緒にやりたい」とも話す。
中学2年の真二さんは大阪産業大付属中学少林寺拳法部員。幼い頃から大会に出ては必ず入賞し、小学5年では大阪であった世界大会で章二さんと息の合った親子演武を披露し、優勝を飾った。しかし、昨年大分であった少林寺拳法全国大会中学生男子の部では予選落ち。「悔しくてたまらなかった」という。今は悔しさをバネに来年夏の全国中学生少林寺拳法大会での優勝を目指し、練習に励んでいる。
「目標とするのは祖父と父」とやよいさんと真二さん。少林寺拳法を通じ、固い絆と信頼で結ばれる親子3代。祖父と父が温かく見守る中、やよいさんと真二さんは世界を見据えている。   (藤)

【あっ、これ作ろ!】健康配慮、ボリュームも満点 「糀と野菜のお料理 花」の煮込みハンバーグ

朝晩は冷え込む季節になりました。体が温まる煮込み料理にひかれるけれど、作るのは手間がかかりそう…。そんなイメージを払拭させる「煮込みハンバーグ」を「糀と野菜のお料理 花」(奈良市白毫寺町)のオーナーシェフ、北村愛さん(42)に教えてもらいました。
今回のレシピは簡単で、糖質も制限しているのがうれしい。「発酵調味料を使うと善玉菌が増え、体の細胞を元気に保つことができます。臓器がバランス良く働き、無駄な働きがなくなります」と北村さん。
塩糀を合挽きミンチに混ぜているので消化が良く、柔らかいのが特徴。パン粉ではなく高野豆腐パウダーを使うことで糖質を減らすこともでき、血糖値の上昇を抑えられるそう。ボリューム満点で野菜もたっぷり取れるので、食べ応えバツグン!
今夜のおかずにぜひお試しを!   (朋)

【材料】(2人分)=写真❶

❶

ハンバーグのタネ 合挽きミンチ200㌘に塩糀20㌘を混ぜたもの、玉ねぎ80㌘に塩糀小さじ1を混ぜたもの、とき卵1/2個、牛乳大さじ1、高野豆腐パウダー15㌘、黒コショウ適量
ソース 赤ワイン75㏄、トマトピューレ90㌘、水50㏄、みそ小さじ1、ローリエ½枚、油大さじ½、にんにく(薄切りにしておく)5㌘、マッシュルーム(半分に切っておく)50㌘、かぼちゃ(小さめの乱切り)50㌘、パプリカ(小さめの乱切り)50㌘、ブロッコリー(小房に分けておく)50㌘
【作り方】
①ハンバーグのタネの材料をボールに入れ、手でよく練り混ぜる
②①を2等分にし、空気を抜きながら小判型に成形する=写真❷

❷

③フライパンに油を入れ、中火で温める。温まってきたら②を並べて焼く
④③に焼き色が付いてきたら裏返し、にんにくを入れて軽く焼く=写真❸

❸

⑤④に赤ワインを入れ、ソースの材料のトマトピューレと水、みそを混ぜた物、ローリエも入れ、マッシュルームとかぼちゃを加え、ふたをして中弱火で5分煮る=写真❹

❹

⑥ハンバーグを裏返し、さらに3分煮込む
⑦ハンバーグを取り出し、ソースにパプリカとブロッコリーを加え、ふたをせずに煮汁がとろりとするまで煮込む=写真❺

❺

⑧お皿に盛り付けできあがり=写真❻

❻

【ワンポイント】
○合挽きミンチと塩糀は混ぜて約12時間、冷蔵庫でねかせるのがオススメ
○玉ねぎと塩糀は混ぜてから約15分おいて水切りしてください。事前に玉ねぎを炒める手間が省けます
○ハンバーグをいったん取り出すことで固くならずに仕上がります
○高野豆腐パウダーはクセが少なく、スーパーなどで購入できます

 

糀と野菜のお料理 花 季節の野菜と発酵調味料を使った料理が人気で、ランチは午前11時半から、ディナーは要予約で午後5時から。電話注文で弁当の販売も。毎日の献立に役立つ簡単な発酵ごはんの料理教室を毎月開催しており、ホームページ(http://www.hana-nara.com/)で日程や内容を掲載している。日曜定休。奈良市白毫寺町228(☎0742・24・2178)

【バンビシャス通信】《選手丸はだか》バスケットボール一筋、武田倫太郎選手(26)

大学4年生のときのまだあどけなさが残る武田倫太郎選手。バスケだけに集中していた

大学4年生のときのまだあどけなさが残る武田倫太郎選手。バスケだけに集中していた

先日あった天皇杯。対戦相手はB1の琉球ゴールデンキングスだった。武田倫太郎選手(26)はリーグ屈指のポイントガードにフラストレーションをためさせるタイトなディフェンスでベンチに下げた。講師を務めるバスケットボールスクールで生徒から慕われる優しい性格とは一転、コートでは「無鉄砲ながむしゃらさ」が魅力だ。
兵庫県尼崎市出身。友人の影響で小学6年からバスケを始めた。中学、高校とバスケ漬けの日々。兵庫では上位に食い込むも全国大会には出場できなかった。
大学は関西1部リーグのバスケの名門で、約100人の部員を抱える大阪体育大学。A~Dまでチームがあり、1、2回生はD~Bチームだった。3回生になってAチーム入り。4回生でAチーム不動の地位を築き、関西1部リーグで得点王のタイトルを手にした。「Dチームからはい上がり、得点王を獲得できた。はい上がったからこそ、いろいろな経験ができ、自身にとっては大きな糧となっている」という。
大学在学中に滋賀レイクスターズに入団が決まり、その後、富山グラウジーズに移籍した。BリーグがスタートしてB3の東京サンレーヴスに。注目度がより高いB2で戦いたいとトライアウトでバンビシャスに挑戦し、夢をかなえた。
背番号22番への思いは|。「22歳のとき、ほかのことがまったく気にならないほどバスケに集中し、練習した。そして、得点王になり、プロになる夢をかなえた。この気持ちを忘れないように22番に決めた」
趣味を聞いても「…」。それほどバスケ一筋だ。B3、B2の経験を生かし、B1で戦えるポイントガードへ。期待している。   (バンビシャス広報 和田真智子)

【ホーム試合予定】岩手ビッグブルズ戦=12月16日(土)午後6時、12月17日(日)午後2時▽ジェイテクトアリーナ奈良(県立橿原公苑第一体育館)

「無鉄砲ながむしゃらさ」が売りの武田選手

「無鉄砲ながむしゃらさ」が売りの武田選手

【鹿角抄(コラム)】 四条1号墳 飛鳥時代の神武天皇陵?

ほぼ全面的に発掘された四条1号墳。北側(奥)で外濠が新たに見つかった=奈良県橿原市

ほぼ全面的に発掘された四条1号墳。北側(奥)で外濠が新たに見つかった=奈良県橿原市

日本書紀によれば、壬申の乱の最中の天武元(672)年7月、大海人皇子(のちの天武天皇)は神のお告げを受けて戦勝を祈願し、神武天皇の御陵に馬と武器を奉納した。その後、大海人皇子側の軍は大和を平定、難波にも軍を進め、壬申の乱は大海人皇子の勝利で終結する。
この「馬と武器の奉納」の記述から、当時すでに初代神武天皇を祭る御陵がつくられ、信仰を集めていたことがわかる。
御陵の場所は具体的には記されていないものの、日本書紀は神武紀の中で天皇は橿原宮で崩御し、「畝傍山東北陵」に葬ったと伝えており、その存在の有無は別にして、おそらく飛鳥時代の神武陵も畝傍山(橿原市)北東エリアにあったことがうかがわれる。
そうした飛鳥時代の姿を知る手がかりとなるのが畝傍山の北東約1㌔にあり、橿原考古学研究所が調査を進める四条1号墳=遺構図=だ。30年前に「木の埴輪」が出土し、大きな注目を集めた。当時、現場を訪れたときは埴輪に目を奪われ、墳丘の印象はほとんど記憶にないが、今回は高い土盛の上から2重の周濠を持つ古墳の姿をはっきり見ることができ、感動的だった。
四条1号墳の築造は5世紀末で、周辺には、さらに大きい円墳や前方後円墳もあったことがこれまでの調査で確認されており、その数は10基以上。こうした古墳群は、藤原京(694-710年)造営で破壊され、整地後、その跡には京内道路や建物が建てられることになる。
だが、同じエリアの神武陵はもちろん壊されず、その後も残り続けたと考えられる。それが現在の神武陵(江戸時代の治定)になるのかどうかは不明だが、この地域は持統天皇らが住んだ藤原宮のちょうど真西にあたる場所。京造営という都市計画が、神武陵や畝傍山を意識して行われた可能性もある。
畝傍山の北東エリアは飛鳥時代も神聖な場所で、四条1号墳はおそらくすぐ近くにあった、神武陵周辺の様子を伝えてくれているようだ。   (野崎貴宮)(確認用)訂1M四条1墳遺構図

【少林寺拳法】 演武大会に4歳から50代の100人 迫力満点 

少林寺拳法① 少林寺拳法の練習の成果を披露する「少林寺拳法西大和地区合同演武大会」(王寺町体育協会主催)が26日、王寺町の王寺アリーナで開かれ、4歳~50代の約100人が気合の入った演武をみせた。
大会では2人1組で技の精度や速さ、気迫を競う「組演武」や、6~8人1組で行う「団体演舞」などが行われた。拳士は迫力のあるかけ声とともに、きれのある突きや蹴りを披露していた。
「組演武一般の部」で1位に輝いた斑鳩町の中学2年、河原真二さん(14)は「ペアの相手と練習を共にする時間は少なかったが、うまく合わせることができたと思う。投げ技や飛び受け身がきれいに決まってよかった」と話していた。少林寺拳法③
各部門の成績は次の通り。(敬称略)

【組演武少年白黄帯の部】1位=竹田桃花、岩田笑▽2位=越智柊介、天野楓哉▽3位=西嶋隆矢、左迫間一心▽第4位=左迫間鈴歌、原田季智
【同少年緑帯の部】1位=辻村成夢、植村魁斗▽2位=黒田和杜、能勢義仁▽3位=浅井秀友、小屋龍義▽4位=松川瑞歩、矢川葵
【同少年茶黒帯の部】1位=北野光希、池田大和▽2位=青野晃大、天野涼太▽3位=山本一颯、明杉匠将▽4位=小野蒼天、御宮知愛七
【同一般の部A】1位=貴田浩平、河原真二▽2位=河原真二、山中俊輝▽3位=森井愛美子、大神友花、梅田明莉
【同一般の部B】1位=玉井良侑、辻村健太▽2位=泊明日香、成瀬ひかる▽3位=河原やよい、渡辺智哉
【少年団体の部】1位=金剛班▽2位=郡山南ファイターズ班▽3位=リトルドラゴン班
【一般団体の部】1位=拳法戦隊ショウリンジャー班▽2位=中学生玉井班▽3位=ひかるデビュー班少林寺拳法②

【みやこサミット】奈良、大津、京都の市長が観光で情報交換

サミットに先立ち、日本三名鐘の一つ「三井の晩鐘」を鳴らす(右から)仲川市長と越市長、門川市長

サミットに先立ち、日本三名鐘の一つ「三井の晩鐘」を鳴らす(右から)仲川市長と越市長、門川市長

かつて都が置かれた京都、大津、奈良の3市が観光振興について協議する第8回「みやこサミット」が22日、大津市の三井寺で開かれ、3市長が秋の風情を楽しみながら、観光案内所での施策などについて情報交換した。
サミットには、京都市の門川大作市長、大津市の越直美市長、奈良市の仲川げん市長が出席。観光案内所での取り組みについて、英語表記のある地図を配布しコンビニやカフェで観光案内ができるようにした(京都市)▽市内各地への観光を誘導するためレンタルサイクルを設置した(大津市)▽さまざまな宗教を信仰する旅行者を想定した祈禱室を設置した(奈良市)―など、3市がそれぞれ民間業者と提携した取り組みを紹介した。
門川市長は「民間の力を活用し、今後もきめ細かな観光案内を発展させたい」とし、越市長も「行政では限界がある。地域と一体になった案内所を続けたい」と話した。また、仲川市長は「民間業者が参入しやすいインフラの整備を進めていく」などと述べた。
一方で門川市長は、京都市での外国人観光客増加に伴う違法民泊などの問題について言及。「近いうちに大津市や奈良市にも波及してしまうだろう」とし、相談窓口の設置や摘発の態勢作りについての取り組みを紹介した。3市は今後の情報交換と連携を続けることを確認した。

【奈良の伝統文化】奈良芸能文化協会が「伝統文化ポーラ賞」地域ブロック地域賞を受賞

奈良の伝承文化の掘り起こしと顕彰・普及を進めるNPO法人奈良芸能文化協会(西口廣宗理事長)が今年度の第37回「伝統文化ポーラ賞」の地域ブロック地域賞を受賞した。
伝統文化ポーラ賞はわが国の貴重な伝統文化に貢献し、今後も活躍が期待される個人、団体に贈られる。
「社寺に伝わる伝統文化」と「庶民に伝わる民俗文化」の調査をしている同協会の伝統芸能専門部会では研究活動成果として紀要「秋篠文化」を平成15年に創刊、第11号まで重ねた。第一線の研究者の論文だけでなく、絶版などで入手困難な論文の再掲や、音源・楽譜の発掘にも着手し、CDやDVDにしてまとめた。今回、これらの活動が評価され、受賞となった。
同協会専務理事の吉川朋子さんは「奈良には口承、伝承されてきた唄や踊りがまだまだある。消えてしまう前に掘り起こし、残していきたい」と話している。

受賞対象となった紀要「秋篠文化」

受賞対象となった紀要「秋篠文化」

「秋篠文化」は大学、図書館に寄贈するとともに希望者に頒布している。問い合わせは同協会(☎0742・30・2636)。

【春高バレー】 奈良県代表は男子が添上、女子は奈良女子 全国大会は来年1月4日開幕

【奈良女子-奈良文化】優勝を決め、喜びを爆発させる奈良女子の選手=桜井市(水島啓輔撮影)

【奈良女子-奈良文化】優勝を決め、喜びを爆発させる奈良女子の選手=桜井市(水島啓輔撮影)

「春高バレー」として開催される「第70回全日本バレーボール高校選手権」県大会(県バレーボール協会、産経新聞社など主催)は19日、桜井市の芝運動公園総合体育館で男女の決勝が行われた。男子は添上がフルセットまでもつれ込んだ激戦を制し、2年ぶり34回目の優勝を飾った。女子は中盤からリズムに乗った奈良女子が奈良文化を下し、2年連続28回目の優勝を果たした。両校は来年1月4日から東京体育館(東京都)で行われる全国大会に県代表として出場する。

奈良女子は第1セットこそ、浮足立って奈良文化に何度も連続得点を許した。しかし、第2セットは一転して1年の蓮井美咲ら下級生が奮闘。次々にスパイクを決めて得点を重ねた。一方で、新谷杏奈が得意のブロックで相手の攻撃に立ちはだかった。第3セットも、エース中筋瑠花や北谷采乃の攻撃を前面に押し出して優勢に。守備の隙を突いた北谷のスパイクも決まり、試合の流れを決定的にした。
奈良女子は第4セットも優位に進め、ついにマッチポイントに。中筋は母、真由美さん(47)の「ケガからの復帰で苦しい試合だと思う」という心配をよそに、鋭いスパイクを打ち込んでゲームセット。大黒柱は「上がったトスは全部決めてやろうと思った」と意地を見せつけた。
鬼嶋浩一・奈良女子監督の話 「楽に勝てるとは思っていなかった。全国大会に向け、サーブとレシーブの練習に力を入れる」
古谷優芽・奈良女子主将の話 「1セット目は硬くなったが、2セット目からはリラックスしていつものバレーができた。まずはベスト8を目指す」

男子の添上は第1セット、天理のサイドからのスパイクに苦しめられ、一方的な展開で失った。しかし、第2セットはレフト西井大飛を中心に息の合った攻撃を展開。食らいつく天理を振り切った。
第3セットは、両チームのアタッカー陣がスパイクを打ち合う一進一退の攻防の末、天理が制し、添上は窮地に立たされる。それでも、第4セットは西井、福田純也にボールを集め、相手を翻弄。このセットを奪い返し、試合はフルセットにもつれ込んだ。
迎えた第5セット、添上は天理の攻撃をレシーブで懸命につなぐ。西井は母、奈美さん(49)の「一球一球大切に」との声援に応えるように果敢に攻め続け、勝利をもぎ取った。
梶屋賢太・添上監督の話 「選手の粘りで、うちのやりたかったバレーができた。チームはまだ発展途中。1カ月調整を重ね、全国でまずは一勝する」
浦本大誠・添上主将の話 「『みんなともっとバレーがやりたい』と思うと負けられなかった。全国で勝つために、ラリーをものにするバレーができるよう練習する」

【添上-天理】優勝し、喜ぶ添上の選手=桜井市の桜井市芝運動公園総合体育館(水島啓輔撮影)

【添上-天理】優勝し、喜ぶ添上の選手=桜井市の桜井市芝運動公園総合体育館(水島啓輔撮影)

【あっ、これ食べたい!】「おいなり屋さんmacan」 かわいい6種、どの種類も濃すぎない味付けで手作りのやさしい甘さ

あっ、これ食べたい!3 奈良市餅飯殿町のチャレンジショップ「夢CUBE」内に今年9月にオープンした「おいなり屋さんmacan」には管理栄養士でもある店主、高瀬妃美子さん(29)の作るかわいらしい6種類のおいなりさんが並べられている。
「おいなりさんはいろいろなアレンジがきくのでおもしろい」と話す高瀬さん。「おあげ」はたっぷりのだしと黒糖、奈良市の「イゲタ醤油」で有名な井上本店のしょうゆで炊きあげ、都祁のコシヒカリで作ったシャリを握っている。
山葵の茎が入った「わさび」は口に入れると鼻から香りがスーッと抜け、ツンとせず食べやすい。マヨネーズを混ぜているのでまろやかなのだとか。奈良発祥の伝統食品「奈良漬け」を使った「おいなり」はクリームチーズとの相性も良く、シャキシャキした食感も楽しめる。
どの種類も濃すぎない味付けで手作りのやさしい甘さ。カウンター席があるので、小腹の空いた観光客が1つ買ってパッとつまんで食べていく姿も見られる。
予約や取り置きもできるのでお薦めです。   (朋)

【住所】奈良市餅飯殿町12夢CUBE内
【連絡先】☎080・1415・4008
【ホームページ】m.facebook.com/oinariyasanmacan/
【営業時間】午前10時~午後7時
【定休日】木曜
【メニュー】おいなりは、金ごま(80円)、わさび(100円)、からし(100円)、奈良漬け(150円)、梅しらす(150円)、えだまめ(150円)。こだわりのお味噌汁(150円),

にゅうめん(550円)もある。すべて税別で、季節によって種類の変更がある。

【バンビシャス通信】 プロになる 「1万時間」の積み重ね  寺下太基選手(37)が香芝東中で職業授業

香芝東中で教壇に立ち、熱弁をふるう寺下太基選手

香芝東中で教壇に立ち、熱弁をふるう寺下太基選手

「1万時間」。寺下太基選手(37)が香芝東中学1年生の職業授業で、黒板に書いた数字だ。その道のプロになるために必要な時間。尊敬する人から聞いた話だが自身にもあてはまったという。
中学でバスケットボールを始めた。1万時間がプロバスケットボール選手として収入を得ることができるようになったタイミングと同時期だった。この数値を中学生に伝えたかった。「ただ単に練習するのではなく、一つひとつの練習を大切にし、1万時間以上を積み重ね、それに加え運も必要」と実体験を交えて話していた。
現在、スターティングメンバーとして試合に出場している。ヘッドコーチのジェリコ・パブリセビッチ氏(66)からも「気持ちの入ったプレーがチームに勢いを与えてくれる」と信頼も厚い。第一線で活躍しているからこそ、授業後も中学生から質問が途切れなかった。
バスケットボールがうまくなるにはといった質問のほか、「年収はいくらですか?」とサッカー部員からストレートな質問も。
「正直なところ今ならJリーガーになるほうが年収は多いかもしれない」と笑顔で、しかし、真面目に答えていた。
B・LEAGUEの大河正明チェアマンは「東京五輪までに1億円プレーヤーを出す」という目標を掲げている。今年2年目のB・LEAGUE。今の中学1年生が卒業するころには、もっと憧れの職業になっているに違いない。   (バンビシャス広報 和田真智子)

ジャンプシュートする寺下選手(右)

ジャンプシュートする寺下選手(右)

【試合結果】バンビシャス70―78茨城ロボッツ(11日)▽バンビシャス65―70茨城ロボッツ(12日)
【ホーム試合予定】ライジングゼファー福岡戦=18日(土)午後6時、19日(日)午後2時▽ならでんアリーナ(奈良市中央体育館)

【あっ、これ食べたい!】 お好み焼き「楽笑 LUCK―SHOW‼」 ふわっふわの生地が人気

ファンが多い「ぶたモダン」

ファンが多い「ぶたモダン」

長芋がたっぷり入った、ふわっふわの生地が人気のお好み焼き店「楽笑 LUCK―SHOW‼」(生駒市真弓)。お好み焼きは約50種類、アラカルトは約30種類と豊富なメニューの中でも、とりわけファンが多いのが「ぶたモダン」だ。生地の上に重ねた太麺は外側はパリッと、内側はモチッとしており、異なる食感が楽しめる。
麺はあえて焼きそばにせず、ゆでたそばを乗せているところが店のこだわり。マスターの石垣隆康さん(47)、ママの文江さん(46)夫妻に理由を聞くと「麺自体がおいしいので」と味への自信を隠さない。
ソースは甘めの味付けだが、卓上には辛口も置かれており、好みに合わせてチョイスできる。客席には熱伝導に優れる銅板を用いるなど、「お客さまに最後までおいしく食べてもらいたい」(文江さん)という思いがたっぷり。これからの季節は「牡蠣」を使ったメニューもお薦めです。   (朋)

【住所】生駒市真弓1-2-9
【連絡先】☎0743・78・2225
【営業時間】ランチは午前11時半~午後2時、ディナーは午後5時半~同9時
【定休日】水曜と第3木曜(水曜が祝日の場合は翌日が休み。第3木曜が祝日の場合は第2木曜が休み)
【メニュー】ぶたモダン(950円)、ソース焼きそば(720円)、楽笑スペシャル(1480円)、冬季限定かき塩焼き(1470円)、とんぺいやき(637円)、ガーリックライス(1037円)、牛すじ玉(846円)など

【鹿角抄(コラム)】 中高生に教えられた 税とわれわれの生活

「政府が目指す国民のための政策が私たちの生活の保障に本当につながるのであれば、国民の理解も得られると思う」
「税金の使い道が分からないので、奪われるものという意識が国民に根強くついているのでしょう」
「学生に与える税は、働いている大人のお金だ。そんな税をもらっている学生がこんなので(授業中に寝たり、授業とは関係ないことをしたり)いいのだろうか」
「教科書、机、いす、電気などの設備が税金に支えられていると思うと感謝しかない」
「公共サービスの費用はサービスを受けている人が負担すべきもの。将来に先送りすべきものではない」
先日、「税を考える週間」(11~17日)に合わせ、「税の作文」で入賞した県内の中高生5人と税に関する団体代表者との座談会の司会をした。その様子は11日付朝刊に掲載したが、その座談会が本当に楽しかった。冒頭は作文の一部の引用だが、座談会でも中高生は臆することなく、しっかりと自分の考えを述べていた。
税金といえば「取られるもの」「消費税増税」などと短絡的に考えがちだが、決してそんな単純なものではない。参加した中高生はそれを理解した上で、自らの経験を交えながら、笑顔を絶やすことなく、わかりやすく話していた。
「税は国が動く資金です」。座談会で大和郡山市立郡山南中学3年の井上智裕さん(15)がピシッと訴えた。少しでも世の中がよくなるように、そして、豊かで安心して暮らせる未来のために税は不可欠なのだ。
座談会を通して、中高生に教えられた。   (野瀬吉信)

【撮影日記 奈良写真倶楽部】 「棚田の秋」 三角形の棚田の形、おもしろく

撮影日記石舞台古墳(明日香村)から多武峰(とうのみね)に向かう途中の山から見下ろすように棚田を撮った。狙いは三角形をした棚田の形。おもしろく、畦の彼岸花もいいアクセントになった。
撮影したのは天気のいい午前中だった。日陰とのコントラストもくっきりと現れ、うまく撮れた。
これからは紅葉と冬の雪景色を狙う。   (出口博司撮影)
【10月例会優秀作】1席「那智、火祭り」沼田毱子(奈良市)▽2席「棚田の秋」出口博司(広陵町)▽3席「緋のころ」片岡滋規(斑鳩町)▽4席「わき見」橋本剛(奈良市)▽5席「夕暮れ家路」佐藤稔(奈良市)

【春高バレー】19日の決勝は…添上VS天理 奈良女子VS奈良文化

【奈良文化―高田】スパイクを打ち込む奈良文化の浦井きらり⑦=香芝市

【奈良文化―高田】スパイクを打ち込む奈良文化の浦井きらり⑦=香芝市

【添上―桜井】スパイクを打ち込む添上の津﨑俊⑩=香芝市

【添上―桜井】スパイクを打ち込む添上の津﨑俊⑩=香芝市

【女子】
▽準々決勝
奈良女子 2―0 五  條
25―7

25―14
奈良文化 2―0 桜  井
25―12

25―8
高田商  2―0 奈良朱雀
25―4

25―11
高  田 2―0 西の京
25―12

25―7
▽準決勝
奈良女子 2―1 高田商

21―25
25―4
25―16
奈良文化 2―0 高  田
25―13

25―16

【男子】
▽準々決勝
添  上 2―0 奈良大付
25―12

25―7
天  理 2―0 法隆寺国際   25―19

25―17
桜  井 2―1 奈良朱雀

22―25

25―13

25―18

奈良情報商 2―0 平  城
25―15

25―16
▽準決勝
添  上 2―0 桜  井
25―10

25―9
天  理 2―0 奈良情報商
25―11

25―7

 

「春高バレー」として開催される「第70回全日本バレーボール高校選手権」奈良県大会(奈良県バレーボール協会、産経新聞社など主催)の準々決勝と準決勝が12日、香芝市総合体育館で行われた。男子は添上と天理、女子は奈良女子と奈良文化がそれぞれ決勝進出を決めた。来年1月の全国大会出場をかけた決勝は、19日に桜井市の芝運動公園総合体育館で行われる。

【学童野球】大安寺アパッチライオンズが18年ぶり2度目の優勝 奈良市学童軟式野球連盟会長杯

優勝した大安寺アパッチライオンズの選手。堂々と行進した

優勝した大安寺アパッチライオンズの選手。堂々と行進した

21チームが参加した第31回奈良市学童軟式野球連盟会長杯大会の決勝戦が11日、同市の柏木球技場で行われ、大安寺アパッチライオンズが4―2で奈良ジュニアファイターズを下し、18年ぶり2度目の優勝を決めた。
大安寺アパッチライオンズは初回、機動力を生かして2点を奪う。三回にも着実に点を積み、さらに四回には1死二塁の場面で冨安海斗選手が二塁打を放って追加点を挙げた。
奈良ジュニアファイターズは、4点を追う五回、2死満塁の場面で貝辻奏凪(そうな)選手の二塁打で2点を返すも、大安寺アパッチライオンズ・西浦瑠希也投手の好投を前に後続を断たれた。
大安寺アパッチライオンズの森本暖大(ひなた)主将は「小学生として最後の試合で優勝できてとてもうれしい。選手一人一人の持ち味を出せたことが勝因だと思う」と笑顔。奈良ジュニアファイターズの松本大輝主将は「優勝できず悔しい。後輩には優勝を目指して頑張ってほしい」と話した。
閉会式で同連盟の池田慎久会長は「選手全員が力強いプレーをして熱戦だった。力を合わせてプレーをしていることに感動した」と健闘をたたえた。野球・ゲームP①

【あっ、これ食べたい!】  「お菓子工房 プチボヌール」 完全予約制で再オープン

あっ、これ食べたい!1 奈良県生駒市東生駒の住宅街に今年6月、オープンした洋菓子店「お菓子工房プチボヌール」。4年前まで近鉄生駒駅近くで洋菓子店を営んでいたパティシエの谷口由紀子さん(48)が自宅を改装し、完全予約制で再オープンさせた。
秋から冬にかけての期間限定で味わえるのが「ポンム(りんごのムース)」。紅玉をソテーして細かく刻んだリンゴと、ピューレ状のリンゴがムースの中で混然一体となり、違った食感を堪能できるのが楽しい。着色料は一切使わず、ソテーした皮でほんのりと赤く色づけているのだとか。手間暇をたっぷりかけたこだわりの一品だ。
あまり耳なじみのない「ボンブオザモンド」という焼き菓子は、アーモンド風味の生地にりんごジャムが入ったタルト。奈良市でジャムやソースを取り扱う「confiture cotocoto」のコンフィチュールを使った「ベリー」や「レモン」もあり、バリエーションは今後も増えていく予定だそう。
「お客さまにお渡しする時間に合わせ、最高の状態で用意しています」と谷口さん。要望には可能な限り応えていただけるので、ぜひ一度、お問い合わせを! (朋)

【住所】生駒市東生駒3―207―282
【連絡先】☎090・4763・0873
【営業時間】予約時間に応じて
【定休日】不定休
【メニュー】モンブラン(400円)、ポンム(400円)、ボンブオザモンド(300円~)、マロンのムース(400円)、ノワゼット(400円)、りんごのチーズタルト(400円)、シュークリーム(150円)、フィナンシェ(200円)、バースデーケーキ(15㌢5号2800円~、18㌢6号3300円~)など
※全て税別、予約分だけを製造する完全予約制

【学童野球】第31回奈良市学童軟式野球連盟会長杯大会 決勝は奈良ジュニアファイターズと大安寺アパッチライオンズ

選手宣誓する大宮ホワイトベアーズの米沢太雅主将

選手宣誓する大宮ホワイトベアーズの米沢太雅主将

第31回奈良市学童軟式野球連盟会長杯大会が3日、同市の柏木球技場で開幕し、5日までの3日間で、準決勝までの19試合が実施された。
3日の開会式では大宮ホワイトベアーズの米沢太雅主将(12)=佐保川小6年=が元気いっぱいに選手宣誓した。勝ち上がった奈良ジュニアファイターズと大安寺アパッチライオンズとの決勝戦と3位決定戦は11日、柏木球技場で開かれる。
準決勝までの試合結果は次の通り。

【1回戦】奈良チャレンジャーズ10―0奈良北ゴールデンカイト▽大宮ホワイトベアーズ7―2東辰ツインズ▽奈良ジュニアファイターズ8―1やまと▽五条山レパード2―1若草ベースボールクラブ▽かすみの7―1飛鳥紀寺スポーツ少年団
【2回戦】山陵クィーンズ7―6平城スポーツ少年団▽登美ヶ丘フェニックス10―0山辺スーパーフェニックス▽都跡スポーツ少年団5―1平城東スポーツ少年団▽大安寺アパッチライオンズ14―1かすみの▽奈良伏見イーグルス4―2五条山レパード▽奈良ジュニアファイターズ19―0西大寺ドリームズ▽神功なら山ファイターズ6―0大宮ホワイトベアーズ▽奈良チャレンジャーズ6―0帝塚山スポーツ少年団
【準々決勝】奈良チャレンジャーズ11―4山陵クィーンズ▽奈良ジュニアファイターズ4―3神功なら山ファイターズ▽登美ヶ丘フェニックス2―1奈良伏見イーグルス▽大安寺アパッチライオンズ7―0都跡スポーツ少年団
【準決勝】奈良ジュニアファイターズ4―0奈良チャレンジャーズ▽大安寺アパッチライオンズ2―0登美ヶ丘フェニックス

【あっ、これ食べたい!】  panc パン30種類 カウンターにずらり 「小麦の香り、楽しんで」

あっ、これ食べたい! 7月にオープンしたパン屋「panc」(奈良市北小路町)。家庭の食卓をイメージした店内はかわいらしい雰囲気。オーナーの磯貝光康さん(34)と愛さん(33)夫婦が丹精込めて焼き上げた約30種類のパンが、カウンターにずらりと並んでいる。
人気商品の「ポテト」は、もっちりとした食感のチャバタでじゃがいもを包み、パルメザンチーズを振りかけた一品。生地に練り込んだオリーブオイルの香りもほどよく、朝食にお薦めだ。
バケットは自家製酵母のルヴァンリキットを使用。表面がパリッとしていて、噛めば噛むほど甘みが口の中に広がる。「パン生地は低温で長時間熟成させています。小麦の香りを楽しんでください」と光康さん。
さっくさくのクロワッサン生地を使った「モンブラン」や「パイン」といったデニッシュも、午後のひとときにピッタリ。お薦めです。   (朋)

【住所】奈良市北小路町4―13
【連絡先】☎0742・37・7123
【営業時間】午前10時~午後7時
【定休日】火曜・水曜
【メニュー】ポテト(190円)、ライ麦バゲット(240円)、パイン(150円)、モンブラン(180円)、チョコレートスコーン(180円)、アプリコットクリームチーズとピーカンナッツ(210円)など

【バンビシャス通信】 《スタッフ丸はだか》 本場米国仕込み 仲西淳・通訳兼スキルコーチ(35)

個性的なファッションセンスが光る仲西淳・通訳兼スキルコーチ

個性的なファッションセンスが光る仲西淳・通訳兼スキルコーチ

ホームゲーム会場のベンチで、ヘッドコーチのジェリコ・パブリセビッチ氏(66)の横にいる〝紳士〟をご存じですか。12年間のプロバスケ選手生活に幕を下ろし、今季から通訳兼スキルコーチに就任した仲西淳氏(35)。端正な顔立ち、俳優のような抜群のスタイルでジェリコ・ヘッドコーチの通訳をする姿はまるで映画の1シーンのよう。
兄の影響で小学3年からバスケを始めた。元NBA選手で〝バスケの神様〟とも称されるマイケル・ジョーダンに憧れた好奇心旺盛な少年は「米国でバスケをしたい」と英語を猛勉強。米国でバスケをする方法を調べ上げ、親を説得し、中学卒業後一人で米国に渡った。
「個」を出す米国のバスケは自分にフィットしていると感じ、15~23歳まで、本場でバスケを学んだ。帰国後、bjリーグのドラフトで指名され、昨季までプロバスケ選手として第一線で活躍してきた。
ジェリコ・ヘッドコーチはクロアチア出身でクロアチア語が母国語。ヨーロッパなまりの独特の英語の言い回しが特徴。感情表現が豊かで言葉数が多いジェリコ・ヘッドコーチの通訳は耳で聞きながらの同時通訳となる。頭の回転の速さが必要。米国で長年生活し、バスケの知識も抱負なため「感情レベルを同じにして伝える」ことを心がけ、チームでの信頼も厚い。
プライベートでは7歳、6歳、1歳の3人の息子の父親。「堂々とした男になってほしい」と幼いころから自分の言葉で意思を伝えられるようにすることを教育方針としている。ファッションセンスも「個」を出す個性的なセンスが光る。米国でのあだなは「J―Walk」。横断歩道のない道を渡ると警察に反則切符を切られる。その罰金の名前が「J―Walking」。オリジナルな道を進むバンビの「J―Walk」の挑戦は始まったばかり。   (バンビシャス広報 和田真智子)

ゲーム中、ジェリコ・ヘッドコーチ(右)の指示を同時通訳する仲西・通訳兼スキルコーチ

ゲーム中、ジェリコ・ヘッドコーチ(右)の指示を同時通訳する仲西・通訳兼スキルコーチ

【あっ、これ食べたい!】  「cafe春 ならまち店」  雨天にもかかわらず…定番の洋食、オープン初日から満席

「海老のトマトクリームパスタ」(左)と「マカロニ海老グラタン」

「海老のトマトクリームパスタ」(左)と「マカロニ海老グラタン」

今月6日にオープンした「cafe春 ならまち店」(奈良市毘沙門町)。記念すべきオープン初日は雨天にもかかわらず、すぐに満席に。ならまちで人気の「洋食 春」本店に劣らぬ盛況ぶりだった。
築120年の古民家を改装した本店、ハンバーガーとサンドイッチの持ち帰り専門の新大宮店に次ぐ3号店。もっとも、メニューは異なり、店長の椿哲平さん(29)は「本店にはない、定番の洋食メニューをそろえました。特にエビのだしをしっかり取ったパスタはお薦めですよ」とアピールする。
「海老のトマトクリームパスタ」は、自家製ソースが絡んだ麺の上に特大の有頭海老がドド~ンと乗っけられ、味も香りもたまらない。
一方、「マカロニ海老グラタン」は鉄釜で熱々のまま提供され、スプーンですくうと、惜しみなくかけられたチーズがとろ~りとろける。マカロニもたっぷり入っていて、ボリューム満点だ。
「これからは、モーニングや軽く飲めるようなメニューも増やしていきたい」と椿さん。手作りのデザートや、仕込みに3日かかるという「焼きカレー」もお薦めです。    (朋)

【住所】奈良市毘沙門町3―1
【連絡先】☎0742・23・1055
【営業時間】ランチは午前11時半~午後3時、カフェは午後3時~同5時、ディナーは午後6時~。なくなり次第、閉店
【定休日】水曜(祝日は営業)
【メニュー】海老のトマトクリームパスタ(1350円)、マカロニ海老グラタン(1450円)、焼きカレー(1250円)、バーニャカウダ(900円)、大和牛とヤマトポークのミートソースパスタ(1300円)、チキン南蛮(1250円)など ※全て税別

【奈良 台風21号の影響】 住宅など浸水被害、土砂崩れも相次ぐ

浸水した事務所の後片付けに追われる従業員ら=23日午前、奈良県三郷町(水島啓輔撮影)

浸水した事務所の後片付けに追われる従業員ら=23日午前、奈良県三郷町(水島啓輔撮影)

超大型の台風21号の影響で、奈良県内各地では22日夕方から23日未明にかけ、大雨や川の氾濫による住宅の浸水被害、土砂崩れなどが相次いだ。
国交省大和川河川事務所によると、三郷町では大和川の水かさが増し、22日午後9時半には周辺の立野、勢野地区のうち約3400世帯に避難指示が出た。川はその後に氾濫。23日朝に川の水位は下がったが、浸水被害に遭った住人らは土砂の撤去やバケツで水を運び出す作業に追われた。
マンション1階に住む会社員男性(45)は「膝下まで水が入った。大変だと思い、すぐに2階に避難した」と振り返る。経営する薬局が床上浸水したという女性(38)は「薬は水浸しで機械も電源が入らない。今日は営業できないし、明日もどうなるか」と顔を曇らせた。
一方、JR三郷駅では一時、ホームの高さまで浸水し、関西本線は同駅を含む県内の一部区間で夜まで運転を見合わせた。同町の会社員男性(49)は「出かけようと思ったが、近鉄生駒線も動いてないようで手詰まりという感じ」と困惑を隠せない様子だった。
奈良県によると、生駒市内の男性(67)が風にあおられて転倒し、膝を骨折。五條市内ではがけ崩れによる民家の損壊が1棟あり、広陵町ではボートで住民らを救助する浸水被害があった。奈良市や天理市、御所市、高取町などの一部で床下浸水があり、明日香村など各地で土砂崩れも相次いだ。

【奈良 衆院選】 《視点》 「ひとえに希望の失速」 自民党一色に

悲願の選挙区初当選を果たし、感極まった表情で花束を受け取る小林茂樹氏

悲願の選挙区初当選を果たし、感極まった表情で花束を受け取る小林茂樹氏

突然の衆院解散に始まり、慌ただしく混乱の多い選挙戦だった。その結果、奈良県は14年ぶりに自民党一色の「保守王国」となった。引き金となったのが民進党だ。野党第一党だったにもかかわらず、東京で発生した希望の党という竜巻に巻き上げられ、空中でばらばらに解体した。自民にとってその光景は対岸の火事だっただろう。
9月末、民進の事実上の解体と希望への合流が決まると、「寝耳に水だ」と民進県連内に激震が走った。それでも当初は、「自民対希望の二大政党対決か」と政権交代の可能性もちらつき、県連幹部も「劇的な展開は国民の注目を浴びる」と前向きに語っていた。
だが、急ごしらえだった希望は予想外の早さで失速。民進幹部は次第に、「希望の公認候補で戦うのは『賭け』だ」と弱気になり、最終的には「マイナスだった」と悔やんだ。
希望の存在は維新にも打撃を与えた。東京と大阪で希望と候補者調整をしたことが影響し、同一選挙区で希望と議席を争った奈良でも、無党派層の受け皿としての存在感が薄れた。
本来なら政権与党を厳しく批判し、追及すべき立場の野党は自身の混乱に足下が揺らぎ、有意義な政策論争を展開することができなかった。一連のドタバタ劇を有権者はしらけた思いで見ていたはずだ。
一方の自民は組織力を生かした堅調な戦いを展開した。ただ、1区の自民陣営は、希望候補の6選を阻止した理由をこう分析した。「ひとえに希望の失速。『敵失』だ」。決して自民が有権者の絶大な支持を得たわけではない。
切磋琢磨できる「ライバル」を欠けば、政治は緊張感を失う。政権交代を語れる野党の再編に向け、山積する課題の解決が急務だ。有権者の目はより厳しくなっている。   (田中佐和)

【奈良県立美術館特別展 没後40年 幻の画家 不染鉄⑩】《落葉浄土》 風景に自らの心情込め…最晩年82歳の作品

 昭和49(1974)年頃 奈良県立美術館蔵

昭和49(1974)年頃 奈良県立美術館蔵

身寄りのない不染は老境に差しかかり、自らの魂の行く末を案じるかのように浄土(あの世)を思わせる風景を描き始める。世話をする人がいなくなり、お寺の隅に打ち捨てられた無縁仏や紅葉したイチョウの木がきらきらと輝く極楽浄土のような情景、そして、自ら「落葉浄土」と名づけた本作である。
山奥深くの村にかやぶき屋根のお堂がひっそりと佇(たたず)んでいる。明かりの消えた家々が幻のように浮かび上がる門前には仏法を守護する仁王像が立ちはだかり、さまよえる魂を救済するかのように土塀には六地蔵が居並んでいる。本堂では十二神将を従えた仏様が鎮座し、母屋には不染と父親を連想させる人影も見える。境内の大イチョウが金色の雨を降らせ、裏山の竹やぶが青白い光を放つ。暗闇に包まれた情景は神秘的な光を宿しているかのようである。
その長い人生を回想するかのようにさまざまな場面をつなぎ合わせて構成された本作。思い出と想像とが交錯する風景に温かさや優しさ、懐かしさや寂しさなど自らの心情を込め、丹念に筆を重ね続けた不染82歳になる最晩年の作品である。   (奈良県立美術館学芸課 松川綾子)

【奈良県立美術館特別展 没後40年 幻の画家 不染鉄⑨】 《廃船》 他作品と一線を画する圧倒的な存在感を放つ異色作

 昭和44(1969)年頃 京都国立近代美術館蔵 

昭和44(1969)年頃 京都国立近代美術館蔵

晩年の不染は奈良公園近くの屋敷の片隅にあばら家を立ててもらい生活していた。屋敷の門は常に開け放たれていたため小さな家だが自由に出入りすることができたという。やがて地元の展覧会や個展、土産物などを通じて作品に関心を持った人や近くの大学に通う学生が集うようになる。元来、芝居や落語を好み、ユーモラスで話し好きの不染は、こうした人たちの良き相談相手にもなっていた。
本作も若い学生との交流から生み出された作品である。昭和40年代、日米安保闘争や学生運動が全国的に巻き起こっていた時代である。真摯で純粋な学生の思いに触発され、多くの若者の尊い生命が失われた戦争への抗議の意味を込めて本作を制作した。
戦地へ送られ、帰らぬ船となった廃船が浜辺に打ち上げられたようにして横たわっている。燃え盛る戦火を背景に船体は黒く焼け焦げ、所々から排水が垂れ流されている。枯れ野に軒を連ねるぼろぼろのバラックには人影はなく、火が放たれている。まるで傷ついた戦士たちと残された家族を思わせるようなその情景には恐怖や憤り、そして、悲しみといった感情を越えて、ただ虚脱感と喪失感が漂うのみである。
ほかの作品とは一線を画する圧倒的な存在感を放つ異色作である。   (奈良県立美術館学芸課 松川綾子)

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