「被災地の東北に心を寄せるきっかけに」天理参考館でこけし展 8日まで

各地域の特色を表したこけしが並ぶ=天理市
天理大付属天理参考館(天理市)で、豊かな森林資源を有する東北地方を代表する木の郷土玩具「こけし」を紹介する企画展が開催されている。東日本大震災から14年が経つ中、東北地方の復興を願って企画。担当者は「被災地に心を寄せるきっかけになれば」と話している。9月8日まで。
こけしは江戸時代に温泉で療養する湯治の文化が定着したことで、その土産物として作られるようになったのが起源とされる。主な産地は東北6県に分布しており、産地ごとに頭部や胴体の模様など伝統的な描き方を継承してきた。
今回は、そのうち宮城県の遠刈田(とおがった)と福島県の土湯、中ノ沢で作られた約140点を展示している。
名工・佐藤直助、佐藤松之進らの作品に代表される遠刈田のこけしは、三日月形の切れ長の目や、なで肩で細身の体型、胴部分に彩られた菊や梅の模様が特徴。中ノ沢のこけしは、大きく見開いた目と鮮やかなボタンやキキョウの模様が描かれた胴部分が印象的だ。
多くは昭和50年代にコレクターから寄贈されたものといい、会場ではそれぞれのこけしが見比べられるように工夫して並べられている。
幡鎌真理学芸員は「こけしは『手足のない木の玩具人形』とひとくくりにされがちだが、地域によってその表情や特徴もさまざま。展示が、今なお復興が進まない東北地方に関心を持ってもらうきっかけとなってほしい」と話している。
2日休館。8日午後0時半からは、幡鎌学芸員によるマンデートーク「師匠と弟子 こけしを徹底比較して〝見る〟」も開催。入館料大人500円、小中高生300円。問い合わせは同館(0743・63・8414)。
三宅町で謎の埴輪列 20本以上が溝で横倒しに 9月7日まで橿考研で展示

溝に横倒しの状態で埋められていた朝顔形埴輪(手前)や円筒埴輪=昨年10月、三宅町
三宅町伴堂(ともんどう)の県道沿いで、古墳時代の円筒埴輪(はにわ)が大量に溝に埋まった状態で発掘された。周辺の古墳に立てられた円筒埴輪が何らかの理由で溝に並べられたとみられるが、用途は不明。水路の土管としてリサイクルされたとの見方もあったが、調査担当者は「埴輪同士は隙間があって水を流すと漏れてしまう。いったい何のために」と首をかしげている。
調査は、県立橿原考古学研究所が県道拡幅工事に先立って実施。長さ25㍍、幅30㌢~1㍍の直線状の溝が見つかり、円筒埴輪が横倒しの状態で1列に並んで埋められ、計24本分が確認された。

発掘された朝顔形埴輪(左)と円筒埴輪=橿原市の橿原考古学研究所付属博物館
円筒埴輪の多くはほぼ完全な状態で残り、直径20㌢前後、高さ40~60㌢で5世紀後半~6世紀のものとみられる。船などの記号がヘラで刻まれたものもあった。上部がアサガオの花のようにラッパ状に開く朝顔形埴輪や、家形埴輪の屋根の一部も出土した。
埴輪はほぼすべて横倒しになっていたことから、当初は周辺の古墳に立てられていたものを今回の溝に埋めたとみている。土管への転用なら、埴輪を寝かせて埋める際に隙間を粘土などで充填し、円筒埴輪にある5㌢大の透かし穴もふさぐ必要があるが、そうした痕跡はなかった。
さらに、埴輪の中に詰まった土を科学分析したが一般的な泥などで、用途の手掛かりになるデータは得られなかったという。発掘現場はすでに埋め戻されている。
今回の発掘成果は、橿原市畝傍町の同研究所付属博物館の企画展「大和を掘る」で円筒埴輪などが展示されている。9月7日まで。
クラシックを児童の身近に 奈良市、2学期から奏者派遣

演奏を披露する(左から)阿江麗さんと田村凜果さん=奈良市役所
奈良市の仲川げん市長は28日の定例記者会見で、市立小学校にバイオリンなどの弦楽器の奏者を派遣し、児童が楽器に触れたり生演奏を聴いたりする弦楽器体験事業を2学期から実施すると発表した。仲川氏は「クラシック音楽は芸術や音楽への関心につながると思うが、家庭環境にも格差があり、楽器に触れる機会が等しいとはいえない。子供たちにクラシックを身近に感じてもらいたい」と述べた。
バイオリン、ビオラ、チェロの奏者34人をトレーナーとして派遣する。希望した富雄北小、ならやま小など9校の音楽の授業などで実施される。今年度の予算は約114万円を見込み、財源はふるさと納税「暮らしに芸術の感動を届けるプロジェクト」を活用する。
この日の会見で、トレーナーに選ばれたバイオリン奏者の阿江麗さん(24)=生駒市=と、ビオラ奏者の田村凜果さん(23)=香芝市=がエルガーの「愛の挨拶」を演奏。阿江さんは「楽器が耳元で鳴るという経験をし、楽器を弾きたいという希望を持ってほしい」と語り、田村さんは「音が体に響く感覚を体験してもらいたい。音楽に親しみ、音楽の道を進んでもらえたらうれしい」と話していた。
吉野5町村、温泉施設相互利用で地域交流 9月1日スタート
吉野郡東部に位置する吉野町と川上村、東吉野村、上北山村、下北山村が、町村内の公共温泉6施設の相互利用を促進する「湯ったりほっこり地域間交流協定」を締結した。9月1日から、5町村民は6施設すべてを住民価格で利用できるようになる。県南部の過疎化が進む中、町村民たちが互いに施設を行き来することで、地域のにぎわいにつなげる狙いだ。

協定書を掲げる5町村の首長ら=吉野町
同協定は昨年9月に吉野町と川上村、東吉野村の3町村間で「温泉を通じて密接な交流につながれば」と締結。今回新たに上北山村と下北山村が加わった。
両村は、令和5年12月に下北山村の国道169号で起きた土砂崩れの影響で、観光客が激減。6年6月には被災箇所を迂回する形で暫定的に通行が再開したものの、いまだ新型コロナウイルス禍以前の観光客数には及んでいないという。下北山村の南正文村長は今回の協定について、「いろんな人たちが村に訪れるきっかけとしたい」と意欲を示す。
一方、吉野町の中井章太町長は「地域の恵まれた資源を有効活用したうえで、今回さらに範囲が広がったことで住民間の交流を深めてもらえれば」と話し、今後の南部観光や地域交通の在り方など、課題解決に向けても意欲を示した。
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6施設の住民料金は次の通り。
中荘温泉(吉野町)=中学生から59歳まで400円、60歳以上・小学生以下200円▽やはた温泉・たかすみ温泉(東吉野村)=中学生以上500円、小学生以下200円▽湯盛温泉ホテル杉の湯(川上村)=中学生以上350円、小学生以下200円。▽上北山温泉薬師湯(上北山村)=中学生以上300円、小学生以下100円▽下北山温泉きなりの湯(下北山村)=中学生以上450円、小学生以下250円。
奈良市の新ごみ処理施設計画 3候補地の調査方針を市議会に説明
奈良市の新ごみ処理施設建設計画で、仲川げん市長は27日の市議会との懇談会で、今後の議論のための調査の方針を説明した。市の策定委員会が選定した候補地3カ所について、概略的な施設配置や造成計画などを検討して造成費を試算するほか、地質調査、プラントメーカーによる建設費の見積もりなどを実施する。建設計画関連の予算は現状ゼロで、調査費の予算計上を市議会側が認めるかが今後の焦点となる。
仲川氏は今後の方針としてこのほか、アクセス道路の整備事業費の試算、交通量調査、候補地それぞれの地域振興策の検討をあげ、これらを基にした概算事業費の比較を踏まえて候補地の妥当性を検証するとした。仲川氏は前回の懇談会で「踏み込んだ議論に移るため地質調査などが必要」と述べていた。
仲川氏はさらに、隣接している生駒市や大和郡山市が想定するごみ処理施設の稼働年数に触れ、将来的に広域化の可能性があるとした。懇談会後、仲川氏は「奈良市がいい施設を作れば、タイミングを見て合流したいとする自治体が現れるかもしれない」と述べた。
生駒市潤す「幻のラムネ」 ふるさと納税返礼品 5年度は全体の5割近く
生駒市のふるさと納税は、返礼品となっている「幻のラムネ」と呼ばれるお菓子の「レインボーラムネ」が大きく寄与している。令和3~5年度の寄付額では3~5割ほどがこのラムネを返礼品とする人気ぶり。地元のラムネメーカー「イコマ製菓本舗」が製造しているボール形のラムネで独特の食感が受けているが、入手できるのはほぼ同市のふるさと納税返礼品に限られるためだ。(張英壽)
■口コミで人気に
同市はふるさと納税を平成20年度にスタート。寄付額は初年度、約485万円だったがその後伸びず、25年度は約373万円に減少した。そこで26年度に、口コミで人気となっていたレインボーラムネなど新たな返礼品を加え、当時としては珍しかったクレジットカード決済を導入したところ、約3837万円と急増。同年度の寄付額全体のうちレインボーラムネを返礼品としたのは4割超の約1610万円を占めた。

レインボーラムネを返礼品とした寄付は大きな割合を占め、28、29、令和元、2各年度は5割を超えた。寄付額全体も伸び、3年度は寄付額全体(約9443万円)の3割超の3293万円、4年度は全体(約1億7763万円)の4割近い6662万円、5年度は全体(1億7368万円)の半分近い過去最高の8067万円に達した。大人気のため、出荷の2、3カ月前に返礼品の予約を受け付ける方式をとり、先着順。出荷前に予約が埋まることがほとんどで、希望者は次の受け付け開始まで待たなければならない。
レインボーラムネは白、黄、ピンク、青の4色で、いずれもピーチ味。特徴は外はカリカリで、中はとろっとしている食感だ。ふるさと納税仲介大手の「さとふる」のサイトでは、「噛(か)んだらホロホロと溶けてなくなる不思議さがたまらない」「素朴で美味しい」「懐かしい味」というレビューの書き込みが見られる。

レインボーラムネを手にするイコマ製菓本舗の平口治社長=生駒市
■球形で独特の食感
製造する「イコマ製菓本舗」(同市俵口町)の平口治(おさむ)社長(77)が、平成6年ごろ、「これからはサッカーの時代。サッカーボールのようなラムネをつくりたい」としてボールのような球形のレインボーラムネを開発。独特の食感をどのように出しているかは「企業秘密」という。発売後、インターネットや口コミで評判となり、販売する同社に早朝から列ができ、抽選販売に変えた。
そんな中、市からふるさと納税の返礼品に加えたいという要請があり、平口社長は快諾。平口社長と従業員5人で製造しているため数に限りがあり、現在までほとんどの製品を返礼品としている。
平口社長は平成20年に大病で半年休んだことがあるが、その時期を除くとレインボーラムネをつくり続けてきた。あと3年で80歳となるが、「80歳で元気やったら3年後の83歳、83歳で元気やったらまた3年後、というように続けていきたい」と意気込む。
ふるさと納税を担当する市企画政策課の職員は「レインボーラムネは市のふるさと納税の定番返礼品となり、次の予約受け付けはいつかという問い合わせもよく来る。これからも返礼品として続けていきたい」と話している。
三輪そうめん 売り上げ好調 大神神社で感謝祭

拝殿前で披露された三輪素麺掛唄=桜井市の大神神社
三輪そうめんの夏季の販売に感謝する「三輪素麺(そうめん)感謝祭」が26日、そうめん作りの「守り神」として信仰される大神(おおみわ)神社(桜井市三輪)で行われた。今年は例年以上の厳しい暑さに見舞われ、冷やしそうめんの売り上げも好調という。
祭典には県三輪素麺工業協同組合(小西幸夫理事長)と県三輪素麺販売協議会(池田利一会長)などの関係者が出席。神職が祝詞(のりと)を奏上し、巫女(みこ)が神楽(かぐら)「浦安の舞」を奉納した。拝殿前では、赤いたすきに前掛け姿の保存会の女性たちが、そうめん作りを再現した三輪素麺掛唄(かけうた)や三輪そうめん音頭を披露した。
同組合と同協議会は17日に大阪・関西万博で開かれた関西地域のブランドの魅力を伝えるイベントで三輪そうめんをPRしており、池田会長は「万博でもアピールでき、世界の人たちにも広く知ってもらえたと思う」と話した。
西大寺造営「中国の女帝影響」 奈文研・今井氏が講話
鎌倉時代に西大寺(奈良市)を中興した興正菩薩叡尊(こうしょうぼさつえいそん)上人をしのぶ「興正菩薩忌のつどい」が命日に当たる25日、同寺であった。奈良文化財研究所の今井晃樹・都城発掘調査部副部長が講話を行い、奈良時代の西大寺造営に中国・唐文化の影響が色濃くみられることについて詳しく語った。

西大寺について講話を行う今井晃樹氏=奈良市の同寺
西大寺では毎年、同日に叡尊上人の遺徳をしのび、奥の院御廟所に献灯などを行っている。
近年、現在の西大寺周辺では発掘調査によって奈良時代の遺構の出土が相次いでいる。薬師、弥勒(みろく)の2つの金堂が並ぶなど、壮大だった西大寺の様相が浮かび上がりつつあり、書籍「称徳天皇とよみがえる古代寺院 発掘された西大寺と西隆寺」(今井氏編、同成社)も出版された。
今井氏は講話で、西大寺を創建した称徳天皇は父の聖武天皇と同様に仏教をあつく尊び、西大寺が特に唐の影響を受けたとみられることを強調。跡が残る東塔が当初は唐の寺院の影響から八角形で計画されたと推測されることなど造営について解説した。
その上で今井氏は、唐の皇帝の皇后で中国史上唯一の女帝となる則天武后(そくてんぶこう)が弥勒信仰を治世に利用した影響から、「(同じ女帝)の称徳天皇は(衆生を救済する)弥勒下生(げしょう)信仰により弥勒金堂を建てたのだろう」と指摘した。
世界遺産へ藤原宮跡の史跡指定率98%超 橿原市長「来年今頃には勝ち取る」
来年夏の世界文化遺産登録をめざす「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県明日香村、橿原市、桜井市)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「イコモス」の専門家が今秋頃にかけて視察するとみられる中、亀田忠彦・橿原市長は22日の記者会見で「大詰めの時期を迎え、万全の準備を進めている。来年の今頃は登録を勝ち取れるよう全力を尽くす」と改めて決意を語った。

世界遺産について語る亀田忠彦・橿原市長=同市役所
登録にあたって懸案とされる藤原宮跡(約103㌶)についても言及。「史跡指定率は98%以上に達した。(保護のために)地権者の同意を得て100%になるよう努めている」とし、将来構想として平城宮跡(奈良市)のような国営公園化を目指す意向を示した。
「飛鳥・藤原の宮都」は飛鳥時代の宮殿跡や古墳、寺院跡の計19資産で構成され、政府が今年1月にユネスコに推薦書の正式版を提出。今年秋頃にかけてイコモスの専門家が現地調査を行い、来年5月頃にイコモスがユネスコに勧告し、夏頃に世界遺産委員会が登録の可否を決定するとみられている。
橿原市には藤原宮跡、本薬師寺(もとやくしじ)跡、菖蒲池(しょうぶいけ)古墳、明日香村にまたがる大官大寺跡(だいかんだいじあと)がある。なかでも約1㌔四方に及ぶ藤原宮跡には民家や小学校などもあり、地下に宮殿跡などが埋まっているとされ、保存が大きな課題。世界遺産登録には史跡として指定されることが前提となっている。
亀田氏は「藤原宮跡には民間の土地があるが、世界遺産への住民理解は深まっている。地下遺構を守る環境は整っており、課題は解消されたと認識している」と強調した。
同市は今年6月、藤原宮跡を含めた遺跡の重要性や保護・活用の推進などを盛り込んだ県内初の世界遺産条例を制定し、市民に理解を呼びかけている。世界遺産登録について「まさに大詰め。小石にもつまずかないよう、繊細な作業が進んでいる」と指摘した。
藤原宮跡の活用については「現状では少し雨が降ると水たまりができて歩きにくい。遊歩道など公園としての機能を持たせたい。将来的には平城宮跡のような国営公園を目指す」と述べた。
政府の推薦書提出の際に構成資産から外れた大和三山にも触れ、「山の上から藤原宮跡を眺めたいという観光客は多い。眺望が楽しめるような整備も必要」とした。
旧吉川家住宅で戦時下のくらし展 「モノとコトバ」当時の日常語る

出征旗を持つ子供のマネキンなどで戦時下の様子を再現している=大和郡山市
県立民俗博物館(大和郡山市)は、隣接する大和民俗公園の旧吉川家住宅で、戦時中に実際に使われたものや当時を生きた人々の証言を紹介するスポット展「戦時下のくらし|モノと証言から80年前の生活をみる|」を開催している。30日まで。
同館は毎年この時期に同展を開催しており、今年は戦後80年という節目に合わせて、旧吉川家住宅すべてを使って「モノとコトバ」をテーマに展示している。
住宅内では、真珠湾攻撃(1941年)、マレー作戦(同)、サイパン玉砕(1944年)など戦局を伝える音声を放送。さらにマネキンで、出征旗を持ちながら「バンザイ」と言って兄を戦地に送り出す子供や、戦場での無事を祈る「千人針」をたすきにさす母親の傍らで無邪気に絵本を読む子供の姿を再現しており、戦局とともに変わりゆく戦時中の日常を体感することができる。
また、県立図書情報館が所蔵する「戦争体験文庫」から地域の記録を抜粋したパネルも展示し、「男は背広が国民服と戦闘帽に変わり、女は筒袖にモンペ姿となって、色どりのない灰色の世界となりました」「登校するにも教科書は必要なく、モンペ姿に防空頭巾、肩からは救急薬品を入れた雑納袋を下げ通学」などと当時の様子を紹介している。さらに、出征軍人の家の表札や国防婦人会のたすき、金属回収によって鉄釜の代わりに使われていた土釜なども並ぶ。
学芸員の石橋諒さんは「当時の様子を語る人が減る中、展示を通して改めて平和について考えてもらうきっかけになれば」と話している。
開館は午前9時~午後4時。23、24、30日の午前11時と午後2時からは学芸員による30分間の解説あり。25日休館。無料。問い合わせは県立民俗博物館(0743・53・3171)。
奈良育英、関西地区大会でグランプリ スニーカーエイジ

演奏する奈良育英のメンバー=大阪市中央区の松下IMPホール(恵守乾撮影)
大阪市中央区の松下IMPホールで22日に開催された「第5回全国高校軽音楽部大会 we are SNEAKER AGES(スニーカーエイジ)」(産経新聞社、スニーカーエイジ実行委員会、三木楽器主催、大阪芸術大学など協賛)の関西地区グランプリ大会。県勢は奈良育英がグランプリに輝いた。
奈良育英のリーダーで3年の中嶋一陽(かずはる)さん(17)は「全国の出場権が得られてうれしい。まだ粗いところがあり、細かい部分を徹底したい」と成長を誓った。
ヘビメタバンド、LOVEBITESの「Unchained」を演奏。中嶋さんは「しばられている世の中を解き放つ意味をこめた」と説明。黒の衣装でヘッドバンキングを繰り返し、指先を銃口のように突きつけるパフォーマンスで曲の世界観を表現した。
昨年も出場した中嶋さんは「全国では誰が聞いてもグランプリだと思ってもらえるような、人の心を打つ演奏をしたい」と語った。
また県勢では奈良高専も出場し、ロックバンド、緑黄色社会の「恥ずかしいか青春は」を歌い上げた。
中国の鋳造鉄斧、県内初出土 加工して工具に 田原本の唐古・鍵遺跡

弥生時代の大規模環濠(かんごう)集落として知られる奈良県田原本町の唐古(からこ)・鍵遺跡で、同時代中期末~後期初め(紀元前1世紀末~紀元後1世紀)の鋳造鉄斧(てっぷ)の一部が見つかり、町教育委員会などが21日発表した。中国製の鋳造鉄斧の破片を加工して工具として再利用したと推定。同遺跡は銅鐸(どうたく)などの生産が行われたことから、青銅器を作るための工具だった可能性が高いという。

県内で初めて見つかった弥生時代の鋳造鉄斧の加工品=田原本町
鋳造鉄斧は県内初の出土で、鉄製品としても県内最古級となり、同遺跡が大陸の技術を積極的に導入した先進的な集落だったことを改めて示すことになった。

鋳造鉄斧加工品のエックス線写真(田原本町教委提供)
調査は今年2~3月、復元楼閣のある唐古池の南約300㍍で実施。縦横1・5~2㍍、深さ1・2㍍の井戸の底で土器やガラス玉などとともに出土した。鋳造鉄斧の破片は長さ7・7㌢、幅3・7㌢。ほぼ全面に周囲の砂や土器の破片などが付着し、鉄の表面はほとんど見えなかったが、エックス線撮影によって刃先が確認されたことなどから鉄製品と判明した。
弥生時代には製鉄の技術はなかったとされ、鉄器は中国東北部や朝鮮半島から鋳造鉄斧の破片などを入手して加工したと考えられている。鋳造鉄斧の破片は、北部九州や山陰などを中心に100点以上見つかっており、今回の鉄製品も中国東北部のものを加工したとみられる。
発掘現場の数十㍍北東では、過去の調査で銅鐸や青銅器の炉跡などが見つかっており、青銅器の工房があったとされている。今回の鉄製品は、銅鐸の鋳型を削ったり青銅製品の表面を磨いたりするために使われたともみられている。
藤田三郎・町埋蔵文化財センター長は「青銅器生産にあたって、鉄器がどのように使われたかを考える上で重要な手掛かりになる」と話す。鉄製品は9月7日まで、同町阪手の唐古・鍵考古学ミュージアムで展示される。発掘現場はすでに埋め戻されている。
サマルカンド特別交流展で覚書 奈良博で9年夏開催へ

覚書を締結した(左から)仲川げん市長、ガヤネ・ウメロワ理事長、井上洋一館長(奈良市提供)
令和9年に奈良国立博物館で予定されている奈良市と姉妹都市のウズベキスタン共和国サマルカンド市の特別交流展に向け、奈良市と同博物館、ウズベキスタン共和国大統領府文化芸術発展基金が覚書を締結した。
締結式は17日、大阪・関西万博会場(大阪市此花区)のウズベキスタンパビリオンであり、仲川げん市長と同博物館の井上洋一館長、同基金のガヤネ・ウメロワ理事長が出席。覚書にサインし、同博物館で9年7~9月に交流展を開催することを確認した。
「農業に誇りを」大和郡山の米農家、米粉で麺開発 大和野菜も使用

田んぼの前で米麺を手にする植田早苗さん(左)と三男の那臣希さん=大和郡山市
大和郡山市の米農家、植田早苗さん(48)が、米の品種「ヒノヒカリ」の独自ブランド「三男米(さんおとこまい)」や規格外の大和野菜などを使った米麺を開発した。ただ、米の収穫量が少ないため、なかなか安定して商品化できないのが実情だ。植田さんは「子供たちに農業に誇りをもってもらうため、新たなモデルにしたい」とクラウドファンディング(CF)で支援金を募集している。(木村郁子)
植田さんは夫の会社員、和彦さん(48)と3人の息子とともに約3万平方㍍の田んぼで米を栽培している。先祖代々引き継いだ田んぼに加えて、地域の米農家が高齢化や担い手不足のため耕せなくなった田んぼを引き継ぎ、この広さになったという。植田さんは「米農家のなかでも小規模農家は高齢化や経営難が続いており、生活が立ち行かない。農家は先行きが見えないのが現状なんです」と熱く語る。
米は田んぼの持ち主や息子たちを通じて知り合った家庭に譲っていたが、約10年前に「今後も継続して米が作れるように」と栽培したヒノヒカリを、3人の息子にちなんで「三男米」としてブランド化して販売するように。さらに昨年9月から市商工会の創業スクールに参加し、低アレルゲンの米粉製品を開発することにした。
ヒノヒカリは水分量が多いため、パンには不向きだが、その特性を生かそうと、米粉にして唐揚げや天ぷら、菓子などを作り、試行錯誤を繰り返した。たどり着いたのが、うどんとそばの中間の食感が楽しめる米麺だった。
また、三男の県立磯城野高校農業科学科2年、那臣希(なみき)さん(16)から「苦労して作った野菜も傷がついたり、すぐしなびて売れなくなる。何とかならないかな」と言われ、食品ロスの課題に着目。野菜嫌いの子供たちに季節関係なく野菜を食べてもらえるよう、規格外の大和野菜をパウダーにして練りこんだ。
出来上がったのは、野菜がほんのりと香る「大和まな」「大和丸ナス」「片平あかね」といった麺と、米の力強い味わいが特徴の「玄米」の麺。もっちりとした味わいが特徴で、1分ほどゆでて冷水でしめてざるそばのように食べるのがおすすめという。

「三男米」や大和野菜などを使った米麺とポン菓子
麺は9月19~21日にイオンモール大和郡山(同市)で開かれるイベント「スタートアップマルシェ」で販売される。今後は他の大和野菜や、市特産の治道(はるみち)トマトを使った麺の開発にも着手し、フィナンシェなどの菓子やライスペーパーにも手を広げるという。
植田さんは「持続可能な農業経営ができる基盤づくりを行い、将来農家をやりたいという人が増えるよう、事業モデルとなりたい」と笑顔をみせる。
CFでは、コンバインなどの機械の修理や購入費の一部に充てる予定。返礼品として麺やポン菓子などがある。詳細はCFサイト「エールレール」(https://yell-rail.en-jine.com/projects/sanotokomai)。9月5日まで。
県内住みここちランキング 王寺町が7年連続1位 以下生駒市、広陵町…
賃貸住宅大手の「大東建託」は「いい部屋ネット 街の住みここちランキング2025<奈良県版>」を発表した。自治体のランキングでは、「交通利便性」「行政サービス」などで高い評価を得た王寺町が7年連続でトップとなった。

令和3~7年(一部平成31年、令和2年を含む)に県内の男女9680人にインターネットでアンケートを実施し、集計した。
自治体のランキングで、アンケートの回答を分析したところ、7年連続1位となった王寺町が「交通利便性」「親しみやすさ」で1位、「行政サービス」で2位、「賑わい」で3位と高い評価を受けた。2位は昨年3位だった生駒市が入り、「静かさ治安」で1位、「交通利便性」で2位、「行政サービス」で3位という評価だった。昨年2位だった広陵町は3位となった。
王寺町政策推進課の担当者は「小さい町だが、スーパーや病院が充実していることや、町の子育て施策、大阪へのアクセスのよさなどが評価されたのではないか」としている。
一方、駅のランキングでは、近鉄南大阪線の磐城(葛城市)が初登場で1位となった。同駅は急行などは停車しないが、新しい住宅供給が増えているという。2位は近鉄生駒線の菜畑(生駒市、昨年3位)、3位は近鉄けいはんな線の学研奈良登美ケ丘(奈良市、昨年1位)、4位は同線の白庭台(生駒市、昨年4位)、5位は近鉄奈良線の学園前(奈良市、昨年2位)だった。
障害者雇用の農場でスイカ収穫 ICT農法で ホテルでかき氷提供も
障害者雇用に力を入れるNPO法人「エムワイピー農場」(奈良市)は、近畿大学農学部のICT(情報通信技術)農法を活用し、種まで食べられるスイカをこの夏、初めて収穫した。このスイカで作られたシロップ入りのかき氷が、ノボテル奈良(奈良市)のレストランで8月末まで提供されている。

収穫したスイカを手にするエムワイピー農場の増井義久理事長(中央)ら=奈良市

ノボテル奈良で提供されるICTスイカを使ったかき氷
同農法は、農作物の栽培に必要な温度調整などの管理にICTを導入することで、農業初心者でも容易に栽培管理ができる。同法人ではこれまで障害のあるメンバーがリーフレタスやメロン、イチゴを同農法で栽培していたが、スイカは今回が初めて。
スイカの品種は、萩原農場(奈良県田原本町)の商標登録商品「タネまで美味しい ぷちっと」。種が従来のスイカより極めて小さく、嚙んだときにぷちっとはじける食感が特徴。法人ではすでに今夏、100個の収穫を終えており、現在は12月ごろの収穫に向けて準備をしている最中という。
かき氷は、ムース状にした植村牧場(奈良市)の練乳とシロップと、カットスイカがトッピングされ、なめらかさとさわやかな味わいが楽しめる。1杯1800円。同法人の増井義久理事長は「奈良といえばスイカ。こうしてホテルで提供してもらえることは、日々農作業にいそしむ作業所のメンバーにとってもやりがいを感じるはず」と話す。
同法人は今後、年間を通してスイカ栽培を可能にし障害者の就労支援をするとともに、農園を一般開放して収穫体験をしてもらい、観光資源としたい考えだ。
盾持人埴輪のミニチュア土製品など展示 橿考研で企画展 9月7日まで
県内の昨年度の発掘成果を紹介する恒例の企画展「大和を掘る」が、橿原市畝傍町の県立橿原考古学研究所付属博物館で開かれている。御所市の古墳で見つかった全国的に類例のない「盾持人埴輪(たちもちびとはにわ)」の形をしたミニチュア土製品、中国の精巧な龍泉窯(りゅうせんよう)系の青磁碗(平安時代末~鎌倉時代)など約500点が並ぶ。9月7日まで。

盾持人埴輪のミニチュア土製品
盾持人埴輪のミニチュア土製品は高さ約10㌢で、御所市の出屋敷北十三遺跡の方墳(4世紀末~5世紀初め)で出土。粘土板に模様を施して盾を表現し、人物の頭部が欠けた状態で見つかった。古墳祭祀(さいし)に用いられたとみられる。
香芝市の前方後円墳、狐井(きつい)稲荷古墳(5世紀後半、全長80~90㍍)からは円筒埴輪が並んだ状態で出土。同古墳は23代顕宗(けんそう)天皇の墓とされ、被葬者を探る重要な資料として注目される。

完全な状態で発掘された中国製の青磁碗=橿原市の橿原考古学研究所付属博物館
明日香村の島庄(しまのしょう)遺跡では、飛鳥時代の石組み溝や掘っ立て柱建物跡が発掘された。同遺跡は蘇我馬子の邸宅や草壁皇子の嶋宮があったとされ、写真パネルで紹介。調査では、馬子邸か嶋宮に関わるかは判断できなかったといい、今後の調査に期待がかかる。
桜井市内では、縄文時代後期(約4千年前)の祭祀用とされる分銅形土偶が完全な状態で出土。近畿で10例ほどしか見つかっておらず、展示を通じて縄文人の思想に迫ることができる。
月曜休館。入館料は大人400円、高校・大学生300円、小中学生200円。ただし、国内の18歳未満と高校生は無料。今月30日、9月6日は同研究所講堂で発掘成果の報告会が開かれる。いずれも午後1時からで聴講無料。問い合わせは同博物館(0744・24・1185)。
奈良市、市議にクリーンセンターを説明 市長「調査は3カ所で」
奈良市が進める新ごみ処理施設「クリーンセンター」建設計画について、市は18日、市議にこれまでの経過などを説明する懇談会を開いた。市議は今夏の市議選(定数38)で新人10人が当選しており、市は最優先課題となっている同計画に対する理解を求めた。仲川げん市長は懇談会後に報道陣の取材に答え、市の策定委員会が選んだ候補地3カ所すべてで地質などの調査を行う考えを示した。

クリーンセンター建設計画について説明を受ける市議ら=奈良市役所
市が現行施設の移転を周辺住民と約束した公害調停から約20年が経過しているが、候補地選定はごみ処理の広域化の断念や議会との対立などで紆余曲折し、策定委が6月、候補地を3カ所に絞り込んだ。だが同計画については予算が組まれておらず、今後本格的な議論をひかえている。
懇談会には市議35人が参加。担当部局がこれまでの経過や公害調停の効力、市が目指すクリーンセンターの基本構想などを説明した。仲川氏は懇談会後、「候補地を巡ってはこれまで机上の議論だったが、今後は測量や地質調査をしなければ踏み込んだ議論ができない」と述べ、「市が結果ありきで進めていると言われないためにも、調査は3カ所で実施する」と話した。
香芝市が複合施設整備へ 音楽ホールや図書館など 11年度完成目指し
香芝市は、音楽ホールや図書館、博物館、貸室などの機能を併せ持つ複合施設を市役所庁舎の隣接地(同市本町)に整備する基本構想を発表した。今年度中に基本計画を策定し、令和8年度に着工、11年度の完成を目指す。

複合施設の整備イメージ(香芝市提供)
市民が音楽会などに利用してきた市モナミホール(約千席)は、老朽化のために4年に解体撤去された。これで市内に大規模なホールがなくなり、市民が音楽会などの発表を行う場合でも市外のホールを使わざるをえなくなっていた。
さらに市民図書館や市二上山博物館、市民ホールが入る市ふたかみ文化センターと市中央公民館も老朽化していることから、市はこれらの機能を備えた複合施設を整備する方針を決めた。
基本構想では、音楽ホールは演劇などにも対応し、千~1200席程度を確保。図書館は約30万冊を備え、映像機器を備えたプレゼンテーションエリアを設置する。博物館は市の歴史、文化、地理などに関する資料を体系的に展示。貸室は和室も併設する。このほか多目的スペースや商業施設誘致スペースも設ける。具体的な内容は基本計画で決める。
整備場所は現在駐車場になっている庁舎隣接の市役所敷地内と民有地。4階建てを想定し、延べ床面積約1万4500平方㍍。工事費は80億~110億円程度で、40~45%程度を国の支援でまかなう見込み。モナミホール跡を複合施設の立体駐車場にする。
三橋和史市長は「複合施設は多くの市民が待ち望んでおり、早期の整備を目指していく」などとコメントした。
「二十歳のつどい」成人の日前日に開催へ 生駒市が令和9年から
生駒市は、20歳の若者が集まる「二十歳のつどい」の開催日を令和9年以降、現行の成人の日から成人の日の前日の日曜とする。成人の日は1月の第2月曜日で、翌日が平日のため、出席する若者が友人と再会できる時間が限られることなどから決めた。20歳を祝う式典を同様に前日の日曜に開催する自治体は増えているが、県内12市では少ないという。

成人の日に開かれた生駒市の「二十歳のつどい」=1月13日、同市(市提供)
同市では長く成人の日に「成人式」として開催。成年年齢が令和4年4月に20歳から18歳に引き下げられたことから、5年1月からは「二十歳のつどい」として、前年の4月2日から開催年の4月1日までに20歳となる若者を対象に、式典が行われている。
友人との再会の時間確保のほか、遠方に住む若者が参加しやすくするために日曜開催とした。今年4月に正式決定したが、美容院の着付けの予約を考慮して2年後の9年から実施する。9年は日曜の1月10日午後1時半から近鉄生駒駅前のたけまるホールで開催する。
同市の「二十歳のつどい」は対象の若者が運営委員会を組織して内容を決める。9年はまだ発足しておらず内容は未定。市教育委員会生涯学習課の担当者は「余裕を持って同級生との再会を楽しんでほしい」と話している。
県内では、大和高田市、五條市、宇陀市が成人の日の前日の日曜に20歳を祝う式典を開催している。
奈良市、31日にスマホで避難所登録の訓練
奈良市は、災害発生時に避難者自身がスマートフォンなどを使って避難所の入所や退所に必要な情報を登録するオンライン訓練を31日に終日、実施する。手続きのデジタル化で市災害対策本部が混雑状況をリアルタイムに把握し、一部の避難所に避難者が集中する事態を回避する。
市の広報やホームページなどに記載されている2次元コードを読み取って利用する。入所用画面では氏名、生年月日などのほか、アレルギー、妊娠中といった配慮してほしいことがらを選択式で入力。また、車中泊など避難所以外に避難している場合の選択項目もあり、災害発生時には市民の避難状況の実態把握に活用する。
当日の参加が難しい人は事前登録もできる。
富雄丸山古墳の蛇行剣展示施設建設へふるさと納税で寄付募る 奈良市

クリーニングによってさびが落とされた蛇行剣。左下方に黒漆塗りの柄が確認できる=橿原市(彦野公太朗撮影)
奈良市は、日本最大の円墳、富雄丸山古墳(4世紀後半、直径109㍍)から出土した東アジア最大の蛇行剣、類例のない盾形銅鏡などを展示する「同市文化財センター(仮称)」の建設に向け、15日からふるさと納税で寄付を募る。国宝級ともいわれる異形の出土物を後世に継承するため、市の予算を補強する目的で1億円の調達を目指す。
予定地は道の駅「クロスウェイなかまち」南側で、同古墳の近くに位置する奈良市石木町の約7千平方㍍。既存の埋蔵文化財調査センター(大安寺西)が老朽化し、収蔵スペースが不足したため新たな施設を建設する。令和11年度の完成を目指している。
今年度中に用地買収と基本設計を予定しているが、物価高騰の影響などにより総工費が見通せず、寄付を募り予算を増強することにした。
同古墳からは、全長237㌢、装具を含めると285㌢に及び、うねるように屈曲する刃を持つ蛇行剣のほか、精緻な文様が施された国内最大級の銅鏡「鼉龍文盾形(だりゅうもんたてがた)銅鏡」(長さ64㌢、幅31㌢)、逆S字形の文様が特徴で国内最大の「虺龍文(きりゅうもん)鏡」(直径19・1㌢)、保存状態の良い木棺など、ほかに例のない出土物が相次いで見つかっている。4世紀の倭国の歴史を記した史料は少なく「空白の4世紀」と呼ばれるが、同古墳での一連の発見は謎を解き明かす手掛かりとして考古学者の関心を集めている。
仲川げん市長は「考古学ファンをはじめ、国民の関心を集める希少な発見が続いている。適切に公開できる施設を建設したい」と話した。
「多くの国民が犠牲となった歴史ここにある」 香芝で戦没者の遺品を展示
平和の大切さを知ってもらおうと、戦没者の遺品や戦時中の生活用品などを展示する「第24回平和のための香芝戦争展」(NPO法人・平和のための香芝戦争展主催)が9、10日に奈良県香芝市のふたかみ文化センターで開催された。

展示された軍用ラッパなどの遺品=香芝市
会場では、同市在住の約世帯の遺族らから寄贈された軍隊手帳やラッパ、水筒のほか、復員した日本兵が記した手記なども展示した。訪れた桜井市の鍛冶結花さん(51)は「当時の暮らしぶりや、家族を思う気持ちはいつの時代も変わらぬことが伝わってくる。若い世代に平和の大切さを訴えることにつながる」と見入っていた。
また、沈没した学童疎開船のアニメの上映会や、識者の講演会なども開催。同法人の西嶋拓郎事務局長は「多くの国民が犠牲となった歴史がここにはある。小さな市であっても、戦争に翻弄された人々がいたことを忘れないでほしい」と話していた。
昨年の奈良市宿泊客、200万人超 観光復調、過去15年で最多
奈良市の令和6年「観光入込客数調査報告」によると、年間の宿泊客数は203万8千人で5年から16・6%増加し、過去15年間で最多となった。宿泊客の少なさが市の長年の課題となっており、担当者は「観光需要が復調し、インバウンド(外国人観光客)効果で宿泊客数が押し上げられた」としている。
観光客全体は21・9%増の1487万人となり、新型コロナウイルス禍前の元年(1741万1千人)に迫っている。一方、観光客全体に占める宿泊客数の割合「宿泊率」は13・7%で前年(14・3%)を下回った。
宿泊客のうち外国人は過去最多の44万5千人で、5年の約1・7倍に達した。外国人観光客の宿泊率は14・9%。内訳では中国、米国、台湾の順に多かった。
奈良市観光協会が公表している市内宿泊施設の客室稼働率(推計)は今年4月に85%に達しており、繁忙期によっては客室が不足する事態もありそうだ。
東大寺学園中が初優勝 小・中学校将棋団体戦

決勝で東京都代表の海城中(右)と対戦する県代表の東大寺学園中=東京・大手町(相川直輝撮影)
東京都千代田区の大手町サンケイプラザで8日に行われた「文部科学大臣杯 第21回小・中学校将棋団体戦」(主催・産経新聞社、日本将棋連盟、後援・文部科学省、特別協賛・ヒューリック)の決勝大会で、県代表の東大寺学園中が初優勝を飾った。
同中3年の田畑優さんは「決勝は苦しい戦いだったが、勝ててうれしい。優勝を狙っていたので喜びもひとしおです。厳しい状況でも落ち着いてできたのがよかった。後輩は2連覇をしてほしい」と喜びを語った。
◇準決勝(敬称略)
東大寺学園中(松岡輝真、末浪佑二郎、田畑優)○2−1●攻玉社中(東京)
◇決勝
東大寺学園中○3-0●海城中(東京)
奈良のシカ 最多1465頭 4年連続で増加 愛護会調査

奈良公園に生息する奈良のシカ=奈良市
奈良公園(奈良市)に生息する「奈良のシカ」(国天然記念物)は前年に比べ140頭多い1465頭で、記録のある昭和28年以降で最多であることが奈良のシカを保護する一般財団法人「奈良の鹿愛護会」の調査で分かった。
7月15、16日に調査を行った。雄ジカは前年比で2頭多い315頭、雌ジカは18頭増の816頭、子ジカは120頭増加の334頭。全体の頭数は令和4年から4年連続で増え続けている。同会の施設「鹿苑」で保護されているシカは247頭で、21頭減った。
また、昨年7月から今年6月までに死亡したシカは前年比10頭増の140頭。内訳は雄ジカ30頭、雌ジカ41頭、子ジカ69頭だった。死亡原因で最も多いのは「死因不明」などその他の74頭で、次いで交通事故の36頭、疾病の30頭だった。
シカがからんだ交通事故発生件数は、前年より8件多い72件。県庁東交差点~近鉄奈良駅前が最多で23件、次いで大仏殿交差点~高畑交差点の16件、県庁東交差点~福智院交差点の13件だった。
頭数が増えた理由についてはこれまで新型コロナウイルス禍で減少した観光客が戻り、鹿せんべいをもらう機会が増えたことが一因とも考えられている。
一方、交通事故の発生件数が増えていることを踏まえ、奈良の鹿愛護会は「生まれて間もない子ジカは小さくて見えにくいので、注意して運転していただきたい」と呼びかけている。
夏の高校野球 天理、粘り及ばず初戦敗退

試合に敗れた天理ナイン=甲子園球場(水島啓輔撮影)
第107回全国高校野球選手権大会第2日の6日、県代表の天理は鳴門(徳島)と対戦。暑さ対策で試合開始が午後6時半からのナイターとなり、序盤から1点を争う好ゲームになった。中盤に逆転された天理は懸命の粘りをみせたがあと一歩及ばず、3年ぶり30回目の夏の甲子園は初戦で涙をのんだ。
天理は一回、先頭の冨田の右前打などで一、三塁とし、赤埴が右前適時打で1点を先制。さらに1死二、三塁から内野ゴロの間に2点目を挙げた。二回には吉田の左前打や犠打などで2死二塁。好調の冨田が左越え二塁打を放ち1点を追加した。

【天理―鳴門】二回、適時二塁打を放つ天理・冨田(泰道光司撮影)
先発松村は、コースを狙う丁寧な投球をみせたが四回に2点本塁打で追いつかれる。橋本、長尾の継投で相手打線をかわそうと粘りの投球をみせたが逆転を許した。
2点リードされた七回、四球と犠打などで1死三塁とし、4番永末の犠飛で1点差。九回には、2死から伊藤の四球、赤埴が中前にしぶとく弾き返して一気に逆転のチャンスをつかんだ。三塁側アルプススタンドから「ワッショイ、ワッショイ」と大歓声が響くなか、永末が外野へ大きな飛球を放ったが及ばずゲームセット。最後まで息詰まる熱戦に温かい拍手が送られた。
夏の高校野球開幕、天理の選手たち力強く行進

元気よく入場行進する天理ナイン=甲子園球場(成田隼撮影)
第107回全国高校野球選手権大会は5日、甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕した。開会式では、県代表として、3年ぶり30回目の夏の甲子園出場となる天理の選手たちが力強く入場行進した。
天理は大会2日目の第4試合(6日午後6時45分開始予定)で鳴門(徳島)と対戦する。
被爆医師の思い次世代に 上牧町が8,9日に朗読劇 15日までパネル展も

朗読劇「響け! 長崎の鐘」に出演する町職員ら=上牧町
戦争の悲惨さや命と平和の尊さを知ってもらうため、奈良県上牧町は町文化センターペガサスホールで8、9日、朗読劇「響け! 長崎の鐘」を上演する。長崎原爆で重傷を負いながら被爆者救護に奔走し、多くの人に平和を訴えた医師、永井隆博士(1908~51年)の軌跡を描く。
同町は令和4年から毎年この時期に、職員が「戦争」をテーマにした朗読劇を開催している。今回は総務部の高木真之理事(59)が、永井博士の著書「長崎の鐘」「この子を残して」をもとに脚本を執筆。永井博士の孫で長崎市永井隆記念館長の永井徳三郎さんが監修に当たった。職員だけではなく、町立小学校の児童3人も子役として舞台に上がる。
劇では、放射線医学の研究中に白血病を発症し、余命3年の診断を受けた永井博士が、約2カ月後に長崎原爆で妻を亡くし、自らも被爆しながらも原爆被災者らの救護に尽力する姿を伝える。幼いわが子2人を残してこの世を去らねばならない永井博士の悔しさや、平和への思いも表現している。
永井博士を演じる総務課の大谷湧希さん(29)は「平和の大切さを訴え続けた博士の思いを次の世代につなぐバトンの役目を担っていると思っている。心に響く思いやメッセージを感じてもらいたい」と話している。
上演は8日午後3時からと9日午前11時からで、それぞれ約1時間。入場無料で全席自由席。手話通訳がある。ホール前ロビーでは、長崎や広島の被爆の実相を写真パネルなどで伝える資料展を15日まで開催している(午前9時~午後5時、15日は正午まで。4日と12日は休館)。
問い合わせは上牧町秘書人事課(0745・76・2501)。
県、歳入・歳出ともに増加 令和6年度一般会計決算
県は5日、令和6年度一般会計決算の概要を発表した。歳入・歳出ともに前年度より増加した。翌年度への繰り越し分を引いた実質収支は、前年度より19億円少ない30億円の黒字となった。
歳入は前年度比5・4%増の5814億円。主な財源の県税等は、株式市況の好調などから8・3%増の2307億7千万円。国庫支出金は、新型コロナウイルス感染症対策関連が減少し、14・2%減の700億9千万円だった。
県民の借金に当たる県債残高は8665億円で、ピークの平成26年度から10年連続の減少となった。
歳出は前年度比5・9%増の5765億円。6年度は職員の退職者が多く、退職手当が80・3%増の105億6千万円となった。普通建設事業費のほか医大・病院機構整備等基金など積立金や繰出金などが増加した。
財政状況の指標(速報値)は、借金の割合を示す実質公債費比率が前年度比0・5㌽減少の8・8%となるなど、いずれも健全であることを示す基準をクリアした。


































