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反田恭平さん 高円・高円芸術高でピアノ指導

身振りも交えてピアノ演奏を指導する反田恭平さん(右)=奈良市


 ピアニストの反田恭平さんが6日、県内の公立高校で唯一、音楽科のある県立高円・高円芸術高校(奈良市)を訪れ、ピアノ専攻の生徒に演奏指導した。県と反田さんらが進める一流演奏家と若手世代との交流事業の一環。反田さんは今後、生徒らとの共演も考えるという。
 この日はピアノ専攻の3年の女子生徒2人が反田さんに演奏を披露した。反田さん自ら弾いてみせ「この曲の季節はいつか、どんな情景か、具体的に想像してみて」「全部の指で弾いている意識を大切に」などとアドバイスしていた。
 指導を受けた川上穂華さんは「音を奏でる際のイメージや、どんな感情で弾くかなど、たくさん教えていただいた。忘れずに生かしたい」と笑顔。反田さんは「若い世代と触れ合えてとても刺激になった」と話した。
 今年1月、当時3年の音楽科ピアノ専攻の生徒6人が、SNS(交流サイト)で反田さんにメッセージを送ったのがきっかけで実現した。メッセージを送った佐久間芽生さんは、「反田さんの音楽に向き合う姿勢に感激し、連絡した。まさか来てくれるとは。今日は幸せな気持ちで一杯」と話した。

大和郡山市スポーツ大使に東京五輪競泳、砂間選手

スポーツ大使の委嘱状を手に知る砂間敬太さん=大和郡山市役所


 大和郡山市は、スポーツを通して市の魅力を発信する市スポーツ大使に、東京五輪に競泳男子代表として出場した砂間敬太選手(27)を任命した。
 砂間選手は同市出身。3歳から市内のスイミングスクールで水泳をはじめた。小学4年から中学3年まで不登校だった時期もあるといい、市役所での委嘱式では「僕の救いは水泳だった。スポーツに触れることで一歩踏み出す勇気が持てることを子供たちに伝えたい」とし、「スポーツを通して市の魅力も発信できるようがんばりたい」と笑顔を見せた。
 上田清市長は「子供たちに一流の泳ぎをみせてほしい」と期待していた。任期は3年。

奈良の食でオリジナルメニュー開発 奈良女子大学生とうどん店がコラボ

開発したメニューをアピールする「奈良の食プロジェクト」のメンバー=奈良市


 県産食材のおいしさを知ってもらおうと奈良女子大の学生グループと、奈良市のうどん店がメニューの共同開発に取り組んでいる。今月、売り出し中なのが「オクラと大和いものねばとろさっぱりざるうどん」。県の伝統野菜が味わえる、初夏にぴったりの品とアピールしている。
 グループは「奈良の食プロジェクト」。約90人が所属し、奈良の食材を用いたレシピの考案や発信を行っている。飲食店や企業から依頼を受けて、共同で商品開発も行っており、今回は奈良市法蓮町のうどん店「和製麺所」と組んだ。
 「オクラと大和いものねばとろさっぱりざるうどん」(1100円)は、粘り気が強く、のどごしのよい県伝統野菜「大和いも」のすりおろしを使用。麺には県伝統野菜の「大和まな」を練り込んでいる。
 メニューを開発したメンバーの1人、生活環境学部3年の三浦奈々さんは「暑さで食欲がない日でも、冷たく、のどごしのよいうどんを食べて、涼しさを感じてほしい」と笑顔で話す。
 甘みのある「筒井レンコン」とジューシーな味わいが魅力の「大和ポーク」のはさみ揚げ、奈良の地鶏「大和肉鶏」の直火焼きを付けたセット(1350円)も販売している。
 同店とのコラボは5月にスタート。大和ポークを使った限定販売の「奈良満点つけうどん」が好評だったことから、12月までメニュー開発を行うことが決まった。
 生活環境学部3年の石川涼香さんは「奈良には、古くから栽培されてきた魅力ある伝統野菜がたくさんある。コラボメニューを通じて、奈良の食材の豊かさを知ってほしい」と意気込んでいる。

シカの赤ちゃん公開 鹿苑

寄り添って歩くシカの親子=奈良市の鹿苑


 奈良市の奈良公園にあるシカの保護施設「鹿苑」で1日、この春生まれたシカの赤ちゃんの一般公開が始まった。母ジカに寄り添うかわいい姿が観光客らを楽しませている。30日まで。
 一般財団法人「奈良の鹿愛護会」では人とのトラブルを避けるため妊娠したシカを鹿苑内で保護し、出産させている。この日はこれまでに生まれた子ジカ65頭のうち18頭を公開した。
 会場を訪れた横浜市の自営業、金井優弥さんは「鳴き声を出しながら、母ジカを探している姿がかわいかった」と話していた。
 公開は午前11時~午後2時で、月曜は休み。入場料は一般300円、高校生以下無料。

春日・若宮神社 式年造替で修復作業

本殿屋根の千木を取り外す作業員ら=奈良市


 20年に1度の「式年造替」が行われている春日大社(奈良市)の摂社、若宮神社で日、素屋根に覆われた本殿(重要文化財)の修理作業が始まった。今後は檜皮屋根の葺き替えなどを行い、秋には「春日造」の本殿がよみがえる。
 この日は、約2・4㍍の部材を交差させて屋根の両端を飾っている「千木」を取り外した。今後、屋根の葺き替えのほか朱や漆喰の塗り替えなどを行い、10月28日に仮殿に移っているご神体を戻す「本殿遷座祭」を営む。
 本殿は幅約1・9㍍、奥行き約2・5㍍、高さ約5・8㍍。江戸時代末期の建築だが、平安時代後期の古式を伝え、国宝の本社本殿とともに神社の建築様式の一つである春日造の代表例として知られている。
 春日大社の中野和正権禰宜は「伝統文化は人々の理解により支えられるので、文化財の大切さを伝えたい。朱色の御殿が復活する秋以降にはたくさんの人にお参りして頂きたい」と話している。

鉄道のまちを再現 王寺駅ジオラマ、西大和学園生徒が製作 

王寺駅周辺を再現したジオラマを眺める西大和学園の生徒ら=王寺町


 JR王寺駅北側の「りーべる王寺東館」5階の町地域交流センターに、半世紀以上前の同駅周辺を再現した鉄道のジオラマ(立体模型)が設置され、訪れた人を楽しませている。
 ジオラマは近鉄生駒線が開業から100周年を迎えたことを記念し、西大和学園中・高の鉄道研究部員人が製作した。
 昭和30~40年代の駅周辺の街並みや駅舎を150分の1の大きさで再現。蒸気機関車(SL)などの鉄道模型を走らせている。中央部には、5千分の1の大きさで町の地形を再現した直径1㍍の白い模型を置き、町の歴史の映像を投影するプロジェクションマッピングを上映し、国鉄時代の王寺駅付近の写真も掲示している。
 同部部長の高校2年、多田龍之介さんは、「国鉄と近鉄の当時の駅舎は資料も多く、緻密に再現できたが、駅周辺の建物の資料がなく苦労した。ジオラマをみて、王寺町の歴史や鉄道について知ってもらいたい」と話した。
 2歳の長女とジオラマを眺めていた同町の会社員、寺島実沙さんは、「王寺町は鉄道のまちとして発展してきたことが分かった。とてもうまくできていて、びっくりした」と話していた。

アジサイが彩る境内 長谷寺・岡寺・壷阪寺が共同イベント

各寺特製の朱印(左)などを手にし、イベントをPRする僧侶ら=奈良市


 アジサイで彩られた境内を楽しんでもらおうと長谷寺(桜井市)、岡寺(明日香村)、壷阪寺(高取町)が連携したイベント「大和三大観音 あぢさゐ回廊」を始めた。アジサイの切り絵があしらわれた特製の朱印も授与される。7月3日まで。
 長谷寺で昨年アジサイで境内を彩ったところ、人気を集めたことから同寺が岡寺と壷阪寺に呼びかけて実現した。各寺でアジサイは地植えのものに加え鉢植えを用意。「華手水舎」など工夫を凝らした飾り方をし、色とりどりの花々が参拝者を迎える。
 3つの寺はいずれも西国三十三所観音霊場の札所。長谷寺では「本尊大観音特別拝観」(7月10日まで)、岡寺では「本堂内々陣お扉特別開扉」(6月26日まで)、壷阪寺では「壷阪観音お身拭い特別結縁参拝」(7月3日まで)が行われている。
 各寺の特製朱印はそれぞれ志納金千円。限定千枚。特製台紙は300円。

奈良の夏、冷酒を楽しんで 5酒蔵が競演


 県内の5つの酒蔵による「奈良の夏冷酒 飲み比べシリーズ」が29日から売り出される。酒類卸の泉屋(奈良市)が企画した。同社の今西栄策社長は「それぞれに香りや口当たりが異なるので比べてみてほしい。炭酸で割る『奈良しゅわボール』でも個性を楽しめる」とアピールしている。
 今西清兵衛商店(奈良市)の「春鹿」▽奈良豊澤酒造(同)の「豊祝」▽八木酒造(同)の「升平」▽梅乃宿酒造(葛城市)の「梅乃宿」▽北村酒造(吉野町)の「猩々」|の5銘柄。いずれも500㍉㍑入り瓶で1本1078円。
 県内の酒店や百貨店、量販店などのほか、泉屋の通販サイトで購入できる。

「平和のバラ」見頃 奈良市・霊山寺

参詣者の目を楽しませている霊山寺のバラ


 奈良市中町の霊山寺のバラ園で、2千株を超えるバラが見頃を迎えている。6月中旬まで。
 バラ園は約4千平方㍍。昭和年、当時の住職が「花を見て美しいと思えるのは平和だからこそ。平和の大切さを感じてほしい」との思いで開園した。
 園内には、第二次大戦後に平和を願ってつくられたクリーム色とピンク色の「ピース」や、カラフルな花びらが特徴的な「絵日傘」など約200種類のバラが植えられている。
 バラに見入っていた看護師の早崎泉さんは「美しくて、心が癒やされる」と話していた。

「なら燈花会」 3年ぶり有観客で8月開催

令和元年の「なら燈花会」の様子(なら燈花会の会提供)


 奈良公園一帯をろうそくの灯で彩る夏の風物詩「なら燈花会」について、主催するNPO法人「なら燈花会の会」は、8月5~14日に3年ぶりに観客を入れて実施すると発表した。
 なら燈花会は、平成11年に始まり今年で24回目。奈良公園などに約2万本のろうそくを灯し、幻想的な光景を演出するイベントだが、新型コロナウイルスの影響で一昨年と昨年は無観客での開催とした。
 今夏は、例年の10会場から、奈良公園周辺の7会場に限定し、約1万2千本のろうそくを灯す予定。担当者は「燈花会を待ち望んでいる方々の期待に応えたい。幻想的な灯にほっこりし、元気になってもらえれば」と話している。
 点灯は午後6時半~午後9時。点灯準備や片づけを行うボランティアを6月1日から募集する。問い合わせは事務局(0742・21・7515)またはホームページ(https://www.toukae.jp)。

介護と医療を効率的に 情報共有システム、大和郡山で運用開始

患者の情報を映し出す大型モニター(画面は模擬表示)=大和郡山市


 在宅医療サービスを受ける高齢者をICT(情報通信技術)を使って支援するシステムを、医療法人悠明会(大和郡山市)、奈良女子大、県立医科大の3者が共同開発した。高齢者の情報を医療と介護の垣根を越えて共有するシステムで、同法人が4月に開設した「在宅医療センター悠」(同市)で運用を始めた。
 高齢者の在宅医療サービスは医師、看護師、セラピスト、ケアマネジャー、管理栄養士などさまざまな職種が担う。しかし「十分な情報交換ができず、医療と介護の間で隔たりを感じることが多い」と、今回のシステム開発にかかわった全国メディケア事業協議会理事の杉田珠希さんは指摘する。
 こうした状況を改善しようと開発したのが「楽ちん介護現場ITシステム」だ。在宅医療センター悠に大型モニターを設置。高齢者の脈拍や体温、血圧のほか、部屋の湿度や温度といった情報を映し出し、関係者で共有する。
 蓄積された情報から高齢者の体調変化をすばやく察知することが可能になるほか、寝たきりの高齢者の体位変換の時間なども管理でき、経験の浅い職員でも適切なケアができるメリットがあるという。
 悠明会の井村高陽理事は「新型コロナウイルスによって、家族と会えないケースもある施設より、住み慣れた在宅でのサービスを希望する人が増えている。今後は医師による遠隔医療などにも活用の幅を広げていきたい」と話している。

目指せ「鼻の捜査官」 大和郡山市で嘱託警察犬競技大会

臭気選別部門で布のにおいを嗅ぐエンクハイゼン号=大和郡山市


 「鼻の捜査官」として、事件捜査や捜索活動に協力する民間の警察犬「嘱託警察犬」の競技会が大和郡山市で開かれた。容疑者の逃走経路をたどる「足跡追及」、においをかぎ分ける「臭気選別」、隠れた人を探し出す「捜索救助」の3部門で計31頭が日頃の訓練の成果を競った。
 臭気選別部門は、サンプルの布のにおいを覚え、約10㍍離れた板の上に置かれた5枚の布から同一のにおいをかぎ分ける内容。同部門で優勝したシェパードのエンクハイゼン号(雄、6歳)の指導者、あすかドッグスクールの島田健司さんは、「事件解決や行方不明者の発見に貢献していきたい」と語った。
 県警によると、昨年の嘱託警察犬の出動件数は123件に上り、うち3件で行方不明者の発見につながった。鑑識課の浦野洋史課長は「競技会を通じて、技能を向上し、県民の安心・安全のために活躍してもらいたい」と話した。

田原本町に県内最年少副町長 33歳、高江啓史さん


 田原本町の副町長に今年4月、法務省のキャリア官僚だった高江啓史さん(33)が就任した。県内の自治体では最も若い副町長で、「田原本は便利で住みやすい所。町民の福祉向上のために頑張っていきたい」と張り切っている。
 愛媛県で最も南に位置する愛南町出身。松山大法学部を卒業し、平成23年法務省入省。内閣官房出向などを経て30年に退職。大手会計事務所に勤務した。
 官僚時代にはIR推進法の条文づくりなどを担当。しかし、「人(国民)に近い場所で世の中の役に立つ仕事がしたい」といつも思っていたという。
 子育てのため妻の実家がある県内で仕事を探していたところ、田原本町が幹部職員を募集していることを知り、応募。一昨年、採用され、今年3月まで町長公室参事と産業建設部参事を務め、町の財政や政策の企画・立案などの仕事に携わった。
 海外旅行が好きでこれまでに、インドやネパール、ブータン、シリア、イスラエルなど約カ国を訪れ、各国の人たちと交流を深めている。
 副町長の職務には「町長を支える助言者で、町長と職員をつなぐ役割がある」とし、「今までとは違う立場で仕事に挑戦できる。職員が実力を十分に発揮できる職場づくりにも取り組みたい。それが町民の幸福度の向上につながる」と話している。

子供のため安全運転を 「キッズゾーン」設定、奈良市

安全運転を促す「キッズゾーン」のサイン=奈良市


 子供が巻き込まれる交通事故を防ぐため奈良市は、市立都南保育園(同市横井)周辺をドライバーに安全運転を促す「キッズゾーン」に設定した。市道の4カ所で路面の縦2㍍、横1・5㍍を黄緑色に塗装し、白色で「キッズゾーン」と標示している。市内での設置は初めて。
 キッズゾーンは、令和元年5月、大津市の交差点で散歩中の保育園児ら16人が死傷した交通事故を受け、国が交通安全対策のため創設。各自治体に設置を推進している。原則保育施設周辺の半径500㍍に設定。速度制限などの交通規制はないが、運転手に注意を呼びかけ安全運転を促す。
 奈良市によると、同園周辺の道路は、県道からの抜け道として通行する車も多いという。
 18日は同園で記念式典が開かれ、同市や奈良署の関係者、園児らが出席。鎌田稔子園長は「園児たちの安全を守るためにも、今回の設置はありがたい」と話した。
 県警によると、キッズゾーンは他に大和高田市、桜井市、宇陀市に設置されている。

カルガモ親子、仲良くスイスイ 葛城市・調田坐一事尼古神社

寄りそって泳ぐカルガモの親子=葛城市


 葛城市疋田の調田坐一事尼古(つくだにますひとことねこ)神社の境内の堀で、カルガモのひなが誕生し、親子で仲良く泳ぐ姿が参詣者らを楽しませている。
 高津和司宮司によると、平成17年から毎年カルガモが境内で産卵するようになった。今年は14日夕に堀近くでひなの姿を確認。体長十数㌢で、7羽が親ガモの後をついて泳いでいる。
 例年数日で近くの川などに移動するといい、「早めに愛くるしい姿を見に来てもらいたい」と高津宮司。
 今年は従来の御朱印に加えて、カルガモのイラストが入った御朱印も作成。カルガモがいる間の期間限定で授与する。

ミシュランガイド奈良に「二つ星」4店、「一つ星」18店

ミシュランガイド掲載店の関係者=奈良市


 日本ミシュランタイヤ(東京)は16日、飲食店などを星の数で格付けして紹介する「ミシュランガイド奈良2022特別版」の掲載店の発表会を奈良市内で開いた。県のみを対象地域としたミシュランガイドはこれまでウェブ版しかなかったが、初めて書籍として19日に発売される。
 最高評価「三つ星」はなかったが、二つ星に4店、一つ星に18店が選ばれた。5千円以下で良質な食事ができる店「ビブグルマン」(22店)などを含め計101店が掲載されている。
 二つ星はすべて奈良市の店で、日本料理の「御料理 花墻」「白」「奈良 而今」の3店と、旬の素材をシェフが独創的に調理する「アコルドゥ」が選ばれた。同店のオーナーシェフ、川島宙さんは「今後も奈良の歴史や文化に根差した料理を表現したい」と話した。
 ミシュランガイド奈良は税込み2530円。原則予約販売。ウェブでも公開している。問い合わせは同社お客様相談室(0570・066・030)。

気軽に文化楽しもう 天理に「なら歴史芸術文化村」

公開されている文化財の修復作業=天理市のなら歴史芸術文化村


 県が3月末に天理市杣之内町にオープンした「なら歴史芸術文化村」は、文化財の修復現場を無料で気軽に見ることができるのが最大の売りだ。施設全体を「道の駅」と位置づけ、農産物直売所やホテルも併設しており、観光拠点としての役割も期待されている。
 同村の面積は約2・4㌶で日本最古の道とされる山の辺の道に近く、日本書紀に登場する石上神宮や、古代豪族・物部氏と関係が深い杣之内古墳群に囲まれた歴史深いエリアに総工費約100億円を投じて整備した。
 4棟の建物で構成。中核的な存在が文化財修復・展示棟だ。仏像彫刻、絵画・書跡、歴史的建造物、考古遺物の4つの分野で、修復作業をガラス越しに見学することができる。
 コンセプトは「対話型鑑賞と体験」。同村歴史文化係の岡見知紀主査は「ナビゲーターの専門職員が来訪者の『なぜ?』に答え、その対話から気づきを得て、より深く観察してもらう」と狙いを説明する。
 入館料だけでなくワークショップ参加費も無料。4月17日まで開催された開村記念特別展「やまのべの文化財」で三角縁神獣鏡を磨くワークショップに参加した葛城市の大学院生、山田尚生さんは「一心不乱に磨きを入れる作業は集中力を問われながらも楽しめた。地道な作業が修復につながることを垣間見た気持ち」と話していた。
 岡見さんは「普段は博物館や美術館に訪れない人が、ふらりと立ち寄って楽しめる施設を目指していきたい」と意気込む。
 このほか、芸術文化体験棟では、現代アート作家の作品展示と、ワークショップを開催。交流にぎわい棟には農産物直売所や飲食店も。同村の西隣には、全国で「道の駅ホテル」を展開する「フェアフィールド・バイ・マリオット」ブランドの「奈良天理山の辺の道」(室)がオープンした。
 同村の総括責任者、福原稔浩さんは「多くの人が奈良に訪れるきっかけになるようにPRしていきたい」と話している。

構内に「ストリートピアノ」 近鉄天理駅

ストリートピアノを弾く利用客=近鉄天理駅構内


 近鉄天理駅構内に、誰でも自由に弾ける「ストリートピアノ」が設置され、駅の利用客らを楽しませている。天理市の市民団体「文化で天理を元気にする会」が、「天理を芸術であふれるまちにしたい」となら歴史芸術文化村(同市杣之内町)の開村を機に企画。3月中旬から設置している。
 ピアノを10年以上弾いているという大阪府東大阪市の大学4年生の川村禮央さんは、友人と同駅を訪れ、ポップス曲を披露。「駅構内にピアノがあるのは新鮮だ」と笑顔で話していた。
 ピアノの利用時間は午前時~午後7時。駅の入場券(大人160円)が必要。

子供の安全見守り23年 香芝市の山下正美さん


 県道「中和幹線」が通る住宅街にある香芝市立真美ケ丘西小学校。朝夕、交差点前で児童たちを見守るボランティアの山下正美さん(83)の姿がある。蛍光色のベストを着て、手には誘導用の旗。活動を続けて23年となる。
 「うつむいた元気のない児童を見ると、今朝家で何かあったのかなと思う。声をかけているうちにぽつりぽつりと事情を話してくれる子もいる」
 遅刻した児童には学校まで付き添う。夕方は下校の時刻に合わせて自宅前で児童が帰っていくのを見送り、一人一人に「気を付けて帰りや」と声をかける。
 平成11年に60歳で大阪の商社を退職。夜遅くまで働くことが多かったため、住んでいる香芝市のことはよく知らなかった。退職を機に「地域の役に立ちたい」と1人で児童の見守り活動を始めた。
 当初は保護者から不審な目を向けられることもあったという。しかし、次第に多くの人が協力するようになり、27年には自治会が中心となってボランティアグループを発足。今やメンバーは38人にまで増えた。
 安全な環境づくりに努め、市などにも働きかけた。児童の列が車道にはみださないように歩道の植え込みが刈り込まれ、自動車の抜け道として使われる住宅街の通学路は30㌔ゾーンとなり、歩道レーンも敷かれた。そんな長年の活動が評価され今年3月末、メンバー18人に小学校から感謝状が贈られた。
 「『長い間朝早くから立ってもらって、ありがとうございます』とお礼を言ってくれたり、大人になって顔を見せてくれたりすることが何よりうれしい」と顔をほころばす。
 「信号変わるで。ぼやっとしてたらあかん、ちゃんと見て」と言葉がきつくなることもあるが、「おせっかいと言われても、地域みんなで子供を育てるのが大人としての責任。体が動く限り、見守り活動を続けたい」と意欲的だ。

郡山城跡に「番屋カフェ」オープン 天守一望に

「雄大なお城の雰囲気を味わって」と話す番屋カフェの中村陽子店長=大和郡山市


 郡山城(大和郡山市)の天守台を目の前に望む好立地に、カフェがオープンした。明治時代から城郭内にあった果樹園の管理人住居を改修した「番屋カフェ」。店長の中村陽子さんは「鳥のさえずりや豊かな自然、天守台の石垣を眺めて往時に思いをはせ、ゆったりとした時間を過ごしてほしい」と話している。
 公益財団法人「郡山城史跡・柳沢文庫保存会」が、天守台のある本丸から極楽橋を渡ったあたりにカフェや遊歩道を整備した。
 カフェとなった建物は、郡山藩最後の藩主、柳沢保申が住んだ武家屋敷の長屋門の一部。城郭のすぐ北側の同市植槻町に建っていたが、家督を継いだ柳沢保恵伯爵が明治時代に一部を現在の場所に移築し、番屋とした。
 江戸時代の入母屋造で、切妻屋根と寄棟屋根を組み合わせた造り。同市の元市長、吉田泰一郎氏が居宅として借り、昭和44年から亡くなる平成10年まで住んだ。
 空き家となっていたが、カフェにするため、土間を厨房に、和室をテーブル席3つの空間にリノベーション。天守台を望む屋外テラスにはテーブル席を9つ配置した。「御殿カレー」や季節のデザート、パフェなどが楽しめる。
 このほか、昭和初期まで金魚養殖池があったとされる場所に、柳沢家の家紋をモチーフにした花菱型の遊歩道を設置するなどした。

世界遺産の展望施設に 明日香村役場庁舎の再活用案が浮上

明日香村役場の庁舎


 明日香村は令和5年5月の新庁舎完成後の現庁舎について、解体はせずに再活用できないか検討を始めた。飛鳥時代の複数の宮殿跡がある飛鳥宮跡のすぐそばに位置していることから、展望施設などにうってつけだという。
 現庁舎は、本庁舎(2階建て)や西庁舎(3階建て)など4棟で構成され、延べ約1700平方㍍。昭和30~40年代の建築で、老朽化が進み耐震性も低いことから、基本計画では新庁舎完成後に解体するとしている。
 ただ、現庁舎の北側には7世紀に飛鳥浄御原宮や飛鳥板蓋宮などの諸宮が置かれた飛鳥宮跡があり、東側ではその関連施設と考えられる四面庇の「エビノコ大殿」跡が確認されている。
 これらは「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成遺産として令和6年の世界遺産登録が予定されている。登録後は村への観光客のさらなる増加が見込まれる。
 このため、宮跡を見渡せる絶好の位置にある現庁舎を解体せず、展望施設として活用することが期待されているという。現庁舎は増改築を繰り返した結果、施設の容積率が現在の法定基準を超えている問題が指摘されている。しかし、建物の一部を撤去する「減築」でクリアする方法も採用し得るといい、村は慎重に検討を進める。

八十八ヶ所霊場の石仏を紹介 平群・斑鳩町


 江戸時代に、四国八十八ケ所霊場の巡礼に行けない人のために霊場の本尊を表した平群町内(一部は斑鳩町)の石仏を紹介する冊子を、地元の「平群史蹟を守る会」(河本雄治会長)が発行した。
 四国霊場を模した平群町の霊場は1番を信貴山奥の院内、88番を若井墓地に配置している。風化が進んでいる石仏もあるため状況を心配した会員の清水脩さんが調査し、41体を確認。その成果を今年3月に機関誌が100号発行を迎えた記念に別冊「平群町/四国霊場八十八ヶ所石仏」としてまとめた。
 清水さんは「平群は石仏信仰の聖地。お参りした大阪の裕福な商人らが寄進したと考えられる。石仏の保存につながってほしい」と話している。
 冊子は史蹟保存の協力金として500円で入手できる。道の駅大和路へぐり くまがしステーションで購入するか郵便振替で。問い合わせは平群町教委内の同会事務局(0745・45・2101)。

歌への思い、書画で表現 奈良で展示会

展示会に出展される書画作品(音楽の森提供)


 歌の奉納や合唱団活動に取り組むNPO法人「音楽の森」(奈良市)が、書画の展示会を29日から5月1日まで、奈良市の老舗墨店「古梅園」で開く。コロナ下で練習などが制限される中、それぞれが感じた思いを表現したという。
 同NPO法人の参与、高石ともやさんや以前に縁のあった故・永六輔さん、合唱団メンバーらの作品を並べる。荒井敦子理事長は「森に生かされ歌紡ぐ」と書いた作品を披露する。
 荒井理事長は「コロナ下で書を通じて自分と向き合う時間を持てた」と話す。午前10時~午後4時(最終日は同3時まで)。

EV活用し地域づくり 上牧町と日産が連携協定

協定書を掲げる上牧町の今中富夫町長(中央)ら=同町


 上牧町と日産自動車、奈良日産自動車(大和郡山市)は、電気自動車(EV)の活用を進める連携協定を締結した。町がEVの普及を後押しし、日産側は災害支援活動にEVを無償貸与する。
 協定式で日産の小林恭彦・西日本リージョナルセールスオフィス部長は「協定をきっかけに多くの人に環境について考えてもらいたい」。今中富夫町長は「災害時に避難所の非常用発電機だけでは安定した電力供給はできない。企業と自治体が手を取り合い、住民の安心と安全を確保したい」と話した。
 同町は持続可能な社会の実現を目標に掲げ、公用車へのEVの導入や公共施設での太陽光・蓄電池の設置を進めている。

錆の下から現れた「大和物」薙刀と槍 当麻寺で展示

室町時代の大和の刀工による作と判明した薙刀(手前)=葛城市の当麻寺中之坊


 葛城市の当麻寺で真っ黒にさびついた状態で発見された薙刀と槍が、室町時代の大和国(現在の奈良県)の刀工による「大和物」と判明し、同寺中之坊の霊宝殿で初公開されている。展示は5月8日まで。
 当麻寺別当(住職)の住房として奈良時代から受け継がれた中之坊。薙刀と槍は令和2年秋に宝蔵で発見。約1年をかけ、御所市の刀剣研師、大越明友氏が研いだ。その後、刀剣に詳しい大阪歴史博物館の内藤直子学芸員と刀剣研師の真津仁彰氏が調査し、いずれも室町時代の無銘の大和物と判明した。
 薙刀は反りが少なく、鎌倉~南北朝時代の伝統を引き継いだ造り。槍は、中世大和を支配した興福寺の槍などを生産した金房派の作の可能性がある。寺を守るための刀を作っていた「大和五派」の一つ、当麻派との関係が注目されるという。
 中之坊の松村實昭院主は「戦後に奉納された、華やかな刃文が美しい備前刀とともに室町時代の3振をそろって初公開しており、雰囲気の違いを見比べてほしい」と話している。
 拝観料は大人500円など。問い合わせは中之坊(0745・48・2001)。

近大奈良病院、かかりつけ医を支援 県が承認

近畿大学奈良病院


 県は生駒市の近畿大学奈良病院を地域医療の中核を担う「地域医療支援病院」として承認した。県の地域医療支援病院の承認は6施設目で、公立・公的医療機関以外では初めて。
 承認に伴い、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像装置)といった高度な医療機器をかかりつけ医と共有するなどして連携する。同病院は「地域医療にさらに貢献していく」としている。
 近大奈良病院は平成11年に開院し、16年に「地域災害拠点病院」、20年に「地域がん診療連携拠点病院」に指定。西和医療圏(生駒市、大和郡山市、平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町、上牧町、王寺町、河合町)で唯一、救急救命センターを設けて24時間体制で救急患者の受け入れを行っている。
 地域医療支援病院は、地域のかかりつけ医などを支援する能力や設備を備える病院を都道府県知事が承認。今年1月時点で全国に659施設がある。

下がり藤が見頃に 春日大社

春日大社の「砂ずりの藤」=奈良市


 「下がり藤」が社紋となっている春日大社(奈良市)で、藤の花が見頃を迎えている。境内には房が1㍍ほどになる「砂ずりの藤」も。甘い香りが参拝者らを楽しませている。
 藤原氏の氏神でもある春日大社にとって藤はゆかりが深く、巫女のかんざしになるなど象徴的な花だ。大社萬葉植物園では、早咲きから遅咲きまでの20品種約200本の藤が順に開花している。
 見頃は5月上旬までといい、植物園の担当者は「今年は例年より1週間ほど開花が早く、咲き具合もいい。密にならないように観賞していただきたい」と話している。
 萬葉植物園は一般500円など。問い合わせは同園直通(080・1502・9998)。

文華殿修復現場を一般公開 22日から橿原神宮

瓦がおろされた文華殿の屋根=橿原市の橿原神宮


 橿原神宮(橿原市)は22日から5月8日まで、修理中の重要文化財「文華殿」(江戸時代後期)を特別公開する。文華殿の修理は令和2年度から始まっているが、その現場が一般に公開されるのは初めて。
 文華殿は天理市にあった柳本藩の平屋の武家屋敷。大書院と玄関で構成され、広さ約460平方㍍。天保15(1844)年の建築で、明治時代以降は小学校の校舎として利用。保存のため昭和42年に橿原神宮に移築された。
 修理は県文化財保存事務所が担当し、竣工は令和8年3月の予定。総事業費約9億9千万円。約3万枚の屋根瓦はふき替える計画で、現在は建物からすべての瓦をおろし、床材などをはがし終えた段階。修理では傷んだ建築部材を取り替えるほか、耐震性も強化する。
 特別公開は内拝殿での特別参拝とセットで行われ、参拝後に文華殿を見学する。所要時間は約1時間、参拝料は1人2千円(未就学児無料)。
 期間中、午前9時半~午後3時15分に外拝殿前で見学の受け付けを行う。29日と5月1、3、5日は祭典などのため開始時間が遅れる。
 問い合わせは橿原神宮(0744・22・3271)。

コロナ後にしたいことは…夢乗せるワクチン輸送車


 マスクなしでにらめっこ、友達とバーベキュー、修学旅行…。そんな子供たちの夢を描いた新型コロナウイルスワクチン輸送車がお目見えした。描かれているのは、感染終息後の生活をテーマにした絵と作文コンクールの優秀作品。2台が平日に奈良、橿原、天理、大和郡山市などを中心に走行している。
 コンクールは県内企業などからなる実行委員会が主催し今年2~3月に実施。「コロナが明けた未来へ」をテーマに、県内在住の中学生以下の子供を対象に絵と作文を募集した。
 実行委によると、絵は約540点、作文は約470点の応募があった。3月末に県内の大学や企業の代表者ら約人の選考委員が最優秀賞、優秀賞など計11作品を選んだ。
 絵の最優秀賞に選ばれたのは、下市町立下市小学校1年の野瀬晃菜さんの作品。野瀬さんは応募当時、同町の下市こども園に通っており、「できなかった保育参観、いつかやりたいな」と題し、楽しそうに歌う友達の姿などを描いた。
 作文の最優秀賞は、橿原市立耳成南小学3年の村上駿太郎さんの「ワクワクがとまらない」。村上さんは「マスクを外して友だちとおにごっこをして思い切り走り回りたい」とし、それができるようになれば「ぼくの走りはますます速くなると思います」。将来は陸上選手としてオリンピックに出たい、と書いた。
 実行委代表で医薬品輸送を手がける五條メディカル(大和郡山市)社長の原田杏子さんは「コロナで我慢を強いられる子供たちにとって、コロナ前の日常がささやかな夢。子供たちの夢を応援していきたい」と話した。

抜群の景観を紹介 奈良公園バスターミナルでパネル展

「猿沢池越しに望む興福寺五重塔と五十二段」(県景観資産より)


 歴史や文化、自然にまつわるすぐれた景色が広がる場所「県景観資産」のうち県庁周辺の景観資産18カ所を紹介するパネル展が奈良市の奈良公園バスターミナルで開かれている。入場無料。
 県の担当者は「パネル展を参考に、県庁周辺の景色がよい場所を楽しんでもらいたい」と話している。
 県景観資産は、平成23~28年年度に一般公募。「猿沢池越しに望む興福寺五重塔と五十二段」(奈良市)など計161件が登録されている。
 25日まで。問い合わせは県景観・自然環境課(0742・27・8756)。

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