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奈良市が3カ所追加へ 人気の「図書受取ロッカー」

奈良市は図書館に行かずに本を借りることができる「図書受取ロッカー」を3カ所追加する。インターネットで予約した本を指定したロッカーで受け取れる仕組みで、市内の設置場所は計5カ所となる。うち1カ所は大型商業施設を検討しており、一層の利便性向上を図る。設置に必要な予算2167万円を計上した。
内田洋行(東京)の「予約本貸出ロッカー」で、図書館に行く時間がない人でも通勤通学の途中で利用できる。新たな設置場所はJR奈良駅、近鉄富雄駅の改札の近くと、同市登美ケ丘近辺の大型商業施設を検討している。
市によると、昨年10月に近鉄大和西大寺駅と近鉄学園前駅の改札近くに設置したところ予約が殺到し、大和西大寺駅では1カ月、学園前駅では2週間待ちの状態という。
利用方法は市立図書館のホームページで借りたい本を予約し、受け取りに都合のいいロッカーを指定。準備が整うとメールで通知される。ロッカーの読み取り機に図書館貸出券やスマートフォンの電子貸出券をかざすと、本が収納されているロッカーのランプが点滅して開錠される。貸出券をマイナンバーカードに登録することも可能で、返却時はロッカーに隣接したポストに入れる。予算が可決されれば11月からの運用を予定している。

悠仁さま、橿原市の神武天皇陵ご参拝 市民ら沿道で歓迎

神武天皇陵を参拝された秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さま=8日午後、橿原市(代表撮影)

秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまは8日、成年式を終えた奉告のため伊勢神宮(三重県伊勢市)に続いて神武天皇陵(橿原市)を参拝された。沿道には多くの人たちが詰めかけ、「おめでとうございます」との声も上がり、日の丸を振って歓迎していた。
悠仁さまはこの日午後、橿原市の近鉄大和八木駅にご到着。駅前ロータリーから車に乗る際、集まった市民らに手を振って応えられた。
同市高殿町の主婦、柏原好美さん(72)は「立派になられて、とてもりりしく感じました。私たちの方を向いて手を振ってくださいました」と話し、王寺町の主婦(78)も「親しみをもった笑顔が印象的で、お姿をしっかり目に焼きつけました」と感激した様子だった。
亀田忠彦・橿原市長は「悠仁親王殿下がご成年を迎えられ、神武天皇陵にご参拝のため本市を訪れてくださいましたことは、日本建国の地、橿原市にとって誠に光栄なことです。立派なお姿であらせられる殿下を拝見し、心より深く感動いたしました」とコメントした。
悠仁さまのご来県は、平成24年11月に秋篠宮ご夫妻と神武天皇陵などを訪れて以来13年ぶりで、お一人では初めてとなった。

生駒初の観光案内所とカフェ「IKOBA」オープン 近鉄生駒駅前に

観光案内所とカフェの「IKOBA」=生駒市

 

近鉄生駒駅前のビルにあった奈良県生駒市唯一のアンテナショップの跡地に、おむすびなどを提供するカフェと市内初となる観光案内所の業務を担う施設がオープンした。憩いの場になってほしいとの意味を込めて「IKOBA(いこば)」と名付けられた。

「IKOBA」の外観

場所は駅改札につながるビル3階に市が所有する約80平方㍍の1室。平成26年から市唯一のアンテナショップ「おちやせん」が地元産品を販売し、人気を集めていたが、昨年12月に閉店した。市はテナントを新たに募集するとともに、これまで市内になかった観光案内所の業務を委託することとし、カフェを提案した機械のオイル漏れ対策などの業務を行う「ニモマケズHD」(同市高山町)に決まり、8月30日にオープンした。
カフェではランチの時間帯に各種のおむすびや飲料を提供。夕方からは地元産のクラフトビールや、ソーセージなどを出している。午前11時~午後9時。店頭では「おちやせん」で人気を集めていた地元産の野菜やみそ、地酒も販売している。
一方、観光案内所は午前9時~午後6時に運営。各種のパンフレットを置いており、市のハイキングコースや、生駒聖天(しょうてん)と呼ばれる「宝山寺」、生駒山上遊園地といった観光名所、飲食店などの情報提供を行う。英語に堪能な冨岡直也店長(31)が担当し、外国人の案内もできる。
冨岡店長は「ここでコミュニケーションが生まれ、人と人とがつながれる空間にしたい」と意気込んでいる。月曜日定休。

紀伊半島豪雨14年「1日たりとも忘れられない」 五條で慰霊祭、遺族ら冥福願う

大塔体育館で営まれた慰霊祭で、手を合わせる参列者=五條市

 

平成23年の紀伊半島豪雨から14年となり、8人が死亡、3人が行方不明となった奈良県五條市大塔町宇井地区で4日に営まれた慰霊祭。同地区では、熊野川の対岸にある山の斜面が崩落し、土砂が襲った。参列した遺族や関係者は犠牲者の冥福を祈り、二度と悲劇が起こらないよう願った。
宇井自治会が主催の慰霊祭は地区にある慰霊碑前で営まれてきたが、今回は天候悪化のため、急遽(きゅうきょ)、近くの大塔体育館に会場を変更した。遺族を含む約70人が出席し、読経の中、手を合わせた。
慰霊祭に続いて市主催の追悼式があり、平岡清司市長は「安全で安心して暮らせるまちづくり、それが私たちの使命」などとし、「災害に強いまちづくりに一層邁進(まいしん)し、取り組んでいく」と述べた。

参列者は、慰霊祭の後に行われた追悼式で献花した

その後、参列者が献花。大和高田市の無職、西村義明さん(64)は、父の春幸さん‖当時(78)‖が土砂に巻き込まれ、行方不明のままになっている。
西村さんは14年前、数日間降り続く雨が心配になり、両親2人が暮らす宇井地区の実家に電話をしたもののつながらなかった。テレビのニュースで行方不明者の中に春幸さんの名前があるのを見つけたという。数カ月後、春幸さんの車が見つかったが、大破していた。
西村さんは「父ともっと会話をすればよかった。もっと旅行に連れて行ってあげたかったと悔やむばかり」と語る。
天理市の会社員、亀山真奈美さん(57)は母の長沼紀久世さん‖当時(70)‖を亡くした。土砂で宇井地区にあった実家は流され、紀久世さんが行方不明になったことを叔母から知らされた。郵便局で働いていた父は仕事に出かけていたため無事だった。
亀山さんが後日、実家があった場所を訪れると、家は跡形もなくなっていた。その後、十津川村のダムで紀久世さんの遺体が見つかった。行方不明になってから1カ月以上がたっていた。
亀山さんは「14年たっても1日たりとも忘れることができない。故郷の風景を見るたびに母の最期を思い、胸が締め付けられる思いがする」と打ち明けた。

法隆寺そばの観光案内所、民間会社に 観光協30年の歴史に幕、別団体設立へ

世界遺産の法隆寺がある奈良県斑鳩町の観光案内所「法隆寺i(アイ)センター」の管理運営を担う指定管理者が今年4月から民間会社のグループとなり、イベントに力を入れている。一方、3月まで指定管理者だった斑鳩町観光協会は解散し、30年の歴史に幕を下ろした。この民間会社のグループは今年度中に観光振興のための別団体設立を目指している。

今年4月から民間会社のグループが指定管理者となった「法隆寺iセンター」=斑鳩町

iセンターは法隆寺そばに立地。2階建てで延べ床面積約618平方㍍。1階には各種パンフレットが置かれ、観光客らへの案内業務を行い、2階は展示スペースなどがある。
町によると、iセンターは県が建設し、平成8年9月にオープンした。町観光協会も同年に任意団体として設立され、町がセンターの管理を協会に委託。指定管理者制度ができてからは協会が指定管理者となり、21年には一般社団法人化した。
指定管理者の任期は3年で、過去には公募せずに町観光協会が更新してきた。ただ今年3月末で任期が満了するのを前に、町は事業提案を伴う公募を実施した。関係者によると、町観光協会と、宿泊施設を展開する呉竹荘(くれたけそう、本社・浜松市)のグループが応募。審査の結果、呉竹荘のグループが選ばれた。町観光協会は指定管理料や町の補助金などで運営しており、指定管理者としての任期最終日の3月31日、総会で解散を決定。約30年の歴史に終止符を打った。
指定管理者が変わった4月以降、iセンターはイベントに力を入れている。5月にキッチンカーを出店したほか、7月には奈良市の奈良公園バスターミナルで町のPRイベントを実施。8月23、24の両日には「サマーフェス」を開催した。
iセンターのスタッフは「季節ごとにイベントをやっていきたい」と話す。町地域振興課の担当者は「新しいイベントを手掛けており、民間会社ならではの運営に期待したい」としている。
町観光協会の解散によって町の観光振興を担う主要な団体がなくなった。iセンターのセンター長で、呉竹荘グループの奈良パークホテル(奈良市)の山岡浩支配人は取材に「呉竹荘グループが中心となり、観光振興のための一般社団法人を今年度中に立ち上げることを目指している」と明らかにし、「これまでとは違う形で、斑鳩町の観光振興に寄与していきたい」と抱負を語った。(張英壽)

B2バンビシャス、奈良市長を訪問 「プレーオフ  今季こそ」

記念撮影する(左から)本多選手、加藤代表取締役、仲川市長、石橋ヘッドコーチ、古牧主将=奈良市役所

 

プロバスケットボールBリーグ2部(B2)のバンビシャス奈良が2日、新シーズンの開幕を前に奈良市役所で仲川げん市長を表敬訪問した。4日は県庁で山下真知事を訪問する。
昨シーズンはB2西地区7チーム中5位に終わったが、後半に勢いを盛り返し、念願のプレーオフにあと一歩まで迫った。
2日は加藤真治代表取締役、石橋晴行ヘッドコーチのほか、古牧昌也主将(32)と本多純平選手(36)が出席。加藤氏は「プレーオフを逃してしまったが、今シーズンはなんとしても摑み取りたい」と決意を語り、石橋氏は「多くのメンバーが残ってくれた。プレーオフを逃した悔しさを前面に出して戦いたい」と意欲を見せた。
古牧主将は「少しずつ奈良でバスケが盛り上がっていると感じている。成長を見てもらい、盛り上げていけるよう頑張りたい」、本多選手は「今シーズンは最年長だ。チームを引っ張れるように頑張っていきたい」と話していた。
開幕戦は10月4日と5日、ホームのロートアリーナ奈良(奈良市法蓮佐保山)で予定されており、熊本ヴォルターズと対戦する。スケジュールやチケット購入はバンビシャス奈良のホームページ=2次元コード=で。

傘貸し出しでプラごみ削減へ 大阪産大生らが企画 イオンモール橿原

貸し出し用の傘を手にする大阪産業大の学生=橿原市

大阪産業大(大阪府大東市)の学生たちが、橿原市の商業施設「イオンモール橿原」で来年7月まで、無料の傘貸し出しプロジェクト「エニKASA」を行っている。急な雨でビニール傘を購入して使い捨てするのではなく、傘を借りてもらうことで、プラスチックごみ削減につなげたい考えで、「この取り組みが世の中に広がってほしい」と話している。
エニKASAは、同大学建築・環境デザイン学部の花嶋温子教授のゼミの学生らが始めたプロジェクトで、「Anytime(いつでも)、Anywhere(どこでも)、Anyone(誰でも)」から命名。昨年6月から、大学構内で実施している。
そうした中で、今年3月にイオンモール橿原で新館「ウエスト・ビレッジ」がオープン。本館から新館までの距離が約500㍍あることから、来館者から「貸し出し傘を置いてほしい」との声が上がり、エニKASAを導入することになった。
今回貸し出しているのは、館内の忘れ物のうち警察署での保管期限を超えて戻ってきた傘約100本。人の行き来の多い従業員入口や、新館と本館をつなぐ連絡通路など4カ所に配置している。
利用するには氏名などを記入する必要はなく、返却期日もなく、傘が戻ってくるかは利用者の善意にかかっている。先行して大学構内で実施しているエニKASAは、忘れ物の傘本から始めたが、現在は3本しか残っていないという。今回は利用者がこの取り組みに賛同して、傘を返却してくれるかどうかを調べる社会実験も兼ねている。
3年の富村悠希さん(20)は「先輩たちが始めた取り組みが、多くの利用者がいるこの場所で始められたことがとてもうれしい。これを機に、大学だけでとどまっていたこのプロジェクトが、世の中に広まってほしい」と期待を込める。
花嶋教授は「利用者の少しの善意が小さな環境行動につながる。1年かけて返却傾向を調べたい」と話した。

万葉時代の精神世界に迫る 万葉文化館でシンポジウム 明日香村

7世紀前半から8世紀中頃にかけて詠まれた「万葉集」の時代について、民俗学や宗教学など幅広い視点から研究する「万葉古代学」の公開シンポジウムが8月30日、明日香村の県立万葉文化館で開かれた。「神と仏がやどる場所~山と水に寄せる古代信仰」をテーマに研究成果が披露された。

古代の信仰をテーマに行われたシンポジウム=明日香村の県立万葉文化館

橋本裕行・明治大兼任講師は考古学の立場から、川上村の丹生川上(にうかわかみ)神社上社旧境内地の「宮の平(たいら)遺跡」について解説。8~9世紀の石を並べた祭祀(さいし)遺構が出土し、同じ場所から12世紀末以降の基壇跡が複数見つかり、社殿を何度も建て替えたことが分かったという。その上で「約1250年間も同じ場所で信仰が続けられたことに驚いた。社殿は吉野川や象徴的な山を意識した特別な配置で、古代からの深い信仰心がうかがえる」と話した。
三舟隆之・立教大特任教授は、水の信仰と寺院について説明。熊本県や石川県には同じ名前の「浄水寺跡」があり、清らかな水が湧き出す場所に建てられたことから「水との関わりが深い。仏と神は、現在では別のものと考えられがちだが、水という観点からみると共通点が多い」と指摘した。
同館の井上さやか企画・研究係長は「幅広い分野の研究を通じて、万葉集をめぐる新たな知見が得られた」と共同研究の意義を語った。

規模圧縮した県のK―POP公演イベント 「ElliVYN」らが出演へ

奈良県は8月29日、10月24日に奈良市内で開催するK―POP公演を含む韓国・忠清南道との交流イベントの詳細を発表した。K―POPの3グループが出演する。当初は奈良公園(同市)で予定したが、議会からの反発を受けて規模を縮小して屋内開催に変更し、韓国側と詳細を調整していた。
イベントは、今年の日韓国交正常化60周年と来年の忠清南道との友好提携15周年を記念して開催する。
3グループは、「ElliVYN(イレブン)」、「FIESTAR(フィエスタ)」、「n.SSign(エンサイン)」。また、K|トロット(韓国歌謡)の公演や日韓の伝統芸能の披露、学生によるパフォーマンスも予定している。
県は当初、奈良公園を会場に約9千人規模での開催を計画し、事業費は約2億7千万円としていた。だが、議会などから費用対効果などを疑問視する声が上がったことを受け、会場を奈良市の「なら100年会館」のホール(千数百人規模)に変更し、事業費を約2900万円に圧縮。今年3月、令和7年度一般会計当初予算案に盛り込んで議会に提出し、可決された。
当日は午後5時から。県民が入場でき、定員1100人。無料。9月1日~10月8日にインターネットで申し込みを受け付ける。
山下真知事は「今、文化やファッションの面で日韓相互に関心を持っている若い人が多いので、来場いただき交流の場になれば」と話した。

「被災地の東北に心を寄せるきっかけに」天理参考館でこけし展 8日まで

各地域の特色を表したこけしが並ぶ=天理市

天理大付属天理参考館(天理市)で、豊かな森林資源を有する東北地方を代表する木の郷土玩具「こけし」を紹介する企画展が開催されている。東日本大震災から14年が経つ中、東北地方の復興を願って企画。担当者は「被災地に心を寄せるきっかけになれば」と話している。9月8日まで。
こけしは江戸時代に温泉で療養する湯治の文化が定着したことで、その土産物として作られるようになったのが起源とされる。主な産地は東北6県に分布しており、産地ごとに頭部や胴体の模様など伝統的な描き方を継承してきた。
今回は、そのうち宮城県の遠刈田(とおがった)と福島県の土湯、中ノ沢で作られた約140点を展示している。
名工・佐藤直助、佐藤松之進らの作品に代表される遠刈田のこけしは、三日月形の切れ長の目や、なで肩で細身の体型、胴部分に彩られた菊や梅の模様が特徴。中ノ沢のこけしは、大きく見開いた目と鮮やかなボタンやキキョウの模様が描かれた胴部分が印象的だ。
多くは昭和50年代にコレクターから寄贈されたものといい、会場ではそれぞれのこけしが見比べられるように工夫して並べられている。
幡鎌真理学芸員は「こけしは『手足のない木の玩具人形』とひとくくりにされがちだが、地域によってその表情や特徴もさまざま。展示が、今なお復興が進まない東北地方に関心を持ってもらうきっかけとなってほしい」と話している。
2日休館。8日午後0時半からは、幡鎌学芸員によるマンデートーク「師匠と弟子 こけしを徹底比較して〝見る〟」も開催。入館料大人500円、小中高生300円。問い合わせは同館(0743・63・8414)。

三宅町で謎の埴輪列 20本以上が溝で横倒しに 9月7日まで橿考研で展示

溝に横倒しの状態で埋められていた朝顔形埴輪(手前)や円筒埴輪=昨年10月、三宅町

 

三宅町伴堂(ともんどう)の県道沿いで、古墳時代の円筒埴輪(はにわ)が大量に溝に埋まった状態で発掘された。周辺の古墳に立てられた円筒埴輪が何らかの理由で溝に並べられたとみられるが、用途は不明。水路の土管としてリサイクルされたとの見方もあったが、調査担当者は「埴輪同士は隙間があって水を流すと漏れてしまう。いったい何のために」と首をかしげている。
調査は、県立橿原考古学研究所が県道拡幅工事に先立って実施。長さ25㍍、幅30㌢~1㍍の直線状の溝が見つかり、円筒埴輪が横倒しの状態で1列に並んで埋められ、計24本分が確認された。

発掘された朝顔形埴輪(左)と円筒埴輪=橿原市の橿原考古学研究所付属博物館

円筒埴輪の多くはほぼ完全な状態で残り、直径20㌢前後、高さ40~60㌢で5世紀後半~6世紀のものとみられる。船などの記号がヘラで刻まれたものもあった。上部がアサガオの花のようにラッパ状に開く朝顔形埴輪や、家形埴輪の屋根の一部も出土した。
埴輪はほぼすべて横倒しになっていたことから、当初は周辺の古墳に立てられていたものを今回の溝に埋めたとみている。土管への転用なら、埴輪を寝かせて埋める際に隙間を粘土などで充填し、円筒埴輪にある5㌢大の透かし穴もふさぐ必要があるが、そうした痕跡はなかった。
さらに、埴輪の中に詰まった土を科学分析したが一般的な泥などで、用途の手掛かりになるデータは得られなかったという。発掘現場はすでに埋め戻されている。
今回の発掘成果は、橿原市畝傍町の同研究所付属博物館の企画展「大和を掘る」で円筒埴輪などが展示されている。9月7日まで。

クラシックを児童の身近に 奈良市、2学期から奏者派遣

演奏を披露する(左から)阿江麗さんと田村凜果さん=奈良市役所

奈良市の仲川げん市長は28日の定例記者会見で、市立小学校にバイオリンなどの弦楽器の奏者を派遣し、児童が楽器に触れたり生演奏を聴いたりする弦楽器体験事業を2学期から実施すると発表した。仲川氏は「クラシック音楽は芸術や音楽への関心につながると思うが、家庭環境にも格差があり、楽器に触れる機会が等しいとはいえない。子供たちにクラシックを身近に感じてもらいたい」と述べた。
バイオリン、ビオラ、チェロの奏者34人をトレーナーとして派遣する。希望した富雄北小、ならやま小など9校の音楽の授業などで実施される。今年度の予算は約114万円を見込み、財源はふるさと納税「暮らしに芸術の感動を届けるプロジェクト」を活用する。
この日の会見で、トレーナーに選ばれたバイオリン奏者の阿江麗さん(24)=生駒市=と、ビオラ奏者の田村凜果さん(23)=香芝市=がエルガーの「愛の挨拶」を演奏。阿江さんは「楽器が耳元で鳴るという経験をし、楽器を弾きたいという希望を持ってほしい」と語り、田村さんは「音が体に響く感覚を体験してもらいたい。音楽に親しみ、音楽の道を進んでもらえたらうれしい」と話していた。

吉野5町村、温泉施設相互利用で地域交流 9月1日スタート

吉野郡東部に位置する吉野町と川上村、東吉野村、上北山村、下北山村が、町村内の公共温泉6施設の相互利用を促進する「湯ったりほっこり地域間交流協定」を締結した。9月1日から、5町村民は6施設すべてを住民価格で利用できるようになる。県南部の過疎化が進む中、町村民たちが互いに施設を行き来することで、地域のにぎわいにつなげる狙いだ。

協定書を掲げる5町村の首長ら=吉野町

同協定は昨年9月に吉野町と川上村、東吉野村の3町村間で「温泉を通じて密接な交流につながれば」と締結。今回新たに上北山村と下北山村が加わった。
両村は、令和5年12月に下北山村の国道169号で起きた土砂崩れの影響で、観光客が激減。6年6月には被災箇所を迂回する形で暫定的に通行が再開したものの、いまだ新型コロナウイルス禍以前の観光客数には及んでいないという。下北山村の南正文村長は今回の協定について、「いろんな人たちが村に訪れるきっかけとしたい」と意欲を示す。
一方、吉野町の中井章太町長は「地域の恵まれた資源を有効活用したうえで、今回さらに範囲が広がったことで住民間の交流を深めてもらえれば」と話し、今後の南部観光や地域交通の在り方など、課題解決に向けても意欲を示した。

6施設の住民料金は次の通り。
中荘温泉(吉野町)=中学生から59歳まで400円、60歳以上・小学生以下200円▽やはた温泉・たかすみ温泉(東吉野村)=中学生以上500円、小学生以下200円▽湯盛温泉ホテル杉の湯(川上村)=中学生以上350円、小学生以下200円。▽上北山温泉薬師湯(上北山村)=中学生以上300円、小学生以下100円▽下北山温泉きなりの湯(下北山村)=中学生以上450円、小学生以下250円。

奈良市の新ごみ処理施設計画 3候補地の調査方針を市議会に説明

奈良市の新ごみ処理施設建設計画で、仲川げん市長は27日の市議会との懇談会で、今後の議論のための調査の方針を説明した。市の策定委員会が選定した候補地3カ所について、概略的な施設配置や造成計画などを検討して造成費を試算するほか、地質調査、プラントメーカーによる建設費の見積もりなどを実施する。建設計画関連の予算は現状ゼロで、調査費の予算計上を市議会側が認めるかが今後の焦点となる。
仲川氏は今後の方針としてこのほか、アクセス道路の整備事業費の試算、交通量調査、候補地それぞれの地域振興策の検討をあげ、これらを基にした概算事業費の比較を踏まえて候補地の妥当性を検証するとした。仲川氏は前回の懇談会で「踏み込んだ議論に移るため地質調査などが必要」と述べていた。
仲川氏はさらに、隣接している生駒市や大和郡山市が想定するごみ処理施設の稼働年数に触れ、将来的に広域化の可能性があるとした。懇談会後、仲川氏は「奈良市がいい施設を作れば、タイミングを見て合流したいとする自治体が現れるかもしれない」と述べた。

生駒市潤す「幻のラムネ」 ふるさと納税返礼品 5年度は全体の5割近く

生駒市のふるさと納税は、返礼品となっている「幻のラムネ」と呼ばれるお菓子の「レインボーラムネ」が大きく寄与している。令和3~5年度の寄付額では3~5割ほどがこのラムネを返礼品とする人気ぶり。地元のラムネメーカー「イコマ製菓本舗」が製造しているボール形のラムネで独特の食感が受けているが、入手できるのはほぼ同市のふるさと納税返礼品に限られるためだ。(張英壽)
■口コミで人気に
同市はふるさと納税を平成20年度にスタート。寄付額は初年度、約485万円だったがその後伸びず、25年度は約373万円に減少した。そこで26年度に、口コミで人気となっていたレインボーラムネなど新たな返礼品を加え、当時としては珍しかったクレジットカード決済を導入したところ、約3837万円と急増。同年度の寄付額全体のうちレインボーラムネを返礼品としたのは4割超の約1610万円を占めた。


レインボーラムネを返礼品とした寄付は大きな割合を占め、28、29、令和元、2各年度は5割を超えた。寄付額全体も伸び、3年度は寄付額全体(約9443万円)の3割超の3293万円、4年度は全体(約1億7763万円)の4割近い6662万円、5年度は全体(1億7368万円)の半分近い過去最高の8067万円に達した。大人気のため、出荷の2、3カ月前に返礼品の予約を受け付ける方式をとり、先着順。出荷前に予約が埋まることがほとんどで、希望者は次の受け付け開始まで待たなければならない。
レインボーラムネは白、黄、ピンク、青の4色で、いずれもピーチ味。特徴は外はカリカリで、中はとろっとしている食感だ。ふるさと納税仲介大手の「さとふる」のサイトでは、「噛(か)んだらホロホロと溶けてなくなる不思議さがたまらない」「素朴で美味しい」「懐かしい味」というレビューの書き込みが見られる。

レインボーラムネを手にするイコマ製菓本舗の平口治社長=生駒市

■球形で独特の食感
製造する「イコマ製菓本舗」(同市俵口町)の平口治(おさむ)社長(77)が、平成6年ごろ、「これからはサッカーの時代。サッカーボールのようなラムネをつくりたい」としてボールのような球形のレインボーラムネを開発。独特の食感をどのように出しているかは「企業秘密」という。発売後、インターネットや口コミで評判となり、販売する同社に早朝から列ができ、抽選販売に変えた。
そんな中、市からふるさと納税の返礼品に加えたいという要請があり、平口社長は快諾。平口社長と従業員5人で製造しているため数に限りがあり、現在までほとんどの製品を返礼品としている。
平口社長は平成20年に大病で半年休んだことがあるが、その時期を除くとレインボーラムネをつくり続けてきた。あと3年で80歳となるが、「80歳で元気やったら3年後の83歳、83歳で元気やったらまた3年後、というように続けていきたい」と意気込む。
ふるさと納税を担当する市企画政策課の職員は「レインボーラムネは市のふるさと納税の定番返礼品となり、次の予約受け付けはいつかという問い合わせもよく来る。これからも返礼品として続けていきたい」と話している。

三輪そうめん 売り上げ好調 大神神社で感謝祭

拝殿前で披露された三輪素麺掛唄=桜井市の大神神社

三輪そうめんの夏季の販売に感謝する「三輪素麺(そうめん)感謝祭」が26日、そうめん作りの「守り神」として信仰される大神(おおみわ)神社(桜井市三輪)で行われた。今年は例年以上の厳しい暑さに見舞われ、冷やしそうめんの売り上げも好調という。
祭典には県三輪素麺工業協同組合(小西幸夫理事長)と県三輪素麺販売協議会(池田利一会長)などの関係者が出席。神職が祝詞(のりと)を奏上し、巫女(みこ)が神楽(かぐら)「浦安の舞」を奉納した。拝殿前では、赤いたすきに前掛け姿の保存会の女性たちが、そうめん作りを再現した三輪素麺掛唄(かけうた)や三輪そうめん音頭を披露した。
同組合と同協議会は17日に大阪・関西万博で開かれた関西地域のブランドの魅力を伝えるイベントで三輪そうめんをPRしており、池田会長は「万博でもアピールでき、世界の人たちにも広く知ってもらえたと思う」と話した。

西大寺造営「中国の女帝影響」 奈文研・今井氏が講話

鎌倉時代に西大寺(奈良市)を中興した興正菩薩叡尊(こうしょうぼさつえいそん)上人をしのぶ「興正菩薩忌のつどい」が命日に当たる25日、同寺であった。奈良文化財研究所の今井晃樹・都城発掘調査部副部長が講話を行い、奈良時代の西大寺造営に中国・唐文化の影響が色濃くみられることについて詳しく語った。

西大寺について講話を行う今井晃樹氏=奈良市の同寺

西大寺では毎年、同日に叡尊上人の遺徳をしのび、奥の院御廟所に献灯などを行っている。
近年、現在の西大寺周辺では発掘調査によって奈良時代の遺構の出土が相次いでいる。薬師、弥勒(みろく)の2つの金堂が並ぶなど、壮大だった西大寺の様相が浮かび上がりつつあり、書籍「称徳天皇とよみがえる古代寺院 発掘された西大寺と西隆寺」(今井氏編、同成社)も出版された。
今井氏は講話で、西大寺を創建した称徳天皇は父の聖武天皇と同様に仏教をあつく尊び、西大寺が特に唐の影響を受けたとみられることを強調。跡が残る東塔が当初は唐の寺院の影響から八角形で計画されたと推測されることなど造営について解説した。
その上で今井氏は、唐の皇帝の皇后で中国史上唯一の女帝となる則天武后(そくてんぶこう)が弥勒信仰を治世に利用した影響から、「(同じ女帝)の称徳天皇は(衆生を救済する)弥勒下生(げしょう)信仰により弥勒金堂を建てたのだろう」と指摘した。

世界遺産へ藤原宮跡の史跡指定率98%超 橿原市長「来年今頃には勝ち取る」

来年夏の世界文化遺産登録をめざす「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県明日香村、橿原市、桜井市)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「イコモス」の専門家が今秋頃にかけて視察するとみられる中、亀田忠彦・橿原市長は22日の記者会見で「大詰めの時期を迎え、万全の準備を進めている。来年の今頃は登録を勝ち取れるよう全力を尽くす」と改めて決意を語った。

世界遺産について語る亀田忠彦・橿原市長=同市役所

登録にあたって懸案とされる藤原宮跡(約103㌶)についても言及。「史跡指定率は98%以上に達した。(保護のために)地権者の同意を得て100%になるよう努めている」とし、将来構想として平城宮跡(奈良市)のような国営公園化を目指す意向を示した。
「飛鳥・藤原の宮都」は飛鳥時代の宮殿跡や古墳、寺院跡の計19資産で構成され、政府が今年1月にユネスコに推薦書の正式版を提出。今年秋頃にかけてイコモスの専門家が現地調査を行い、来年5月頃にイコモスがユネスコに勧告し、夏頃に世界遺産委員会が登録の可否を決定するとみられている。
橿原市には藤原宮跡、本薬師寺(もとやくしじ)跡、菖蒲池(しょうぶいけ)古墳、明日香村にまたがる大官大寺跡(だいかんだいじあと)がある。なかでも約1㌔四方に及ぶ藤原宮跡には民家や小学校などもあり、地下に宮殿跡などが埋まっているとされ、保存が大きな課題。世界遺産登録には史跡として指定されることが前提となっている。
亀田氏は「藤原宮跡には民間の土地があるが、世界遺産への住民理解は深まっている。地下遺構を守る環境は整っており、課題は解消されたと認識している」と強調した。
同市は今年6月、藤原宮跡を含めた遺跡の重要性や保護・活用の推進などを盛り込んだ県内初の世界遺産条例を制定し、市民に理解を呼びかけている。世界遺産登録について「まさに大詰め。小石にもつまずかないよう、繊細な作業が進んでいる」と指摘した。
藤原宮跡の活用については「現状では少し雨が降ると水たまりができて歩きにくい。遊歩道など公園としての機能を持たせたい。将来的には平城宮跡のような国営公園を目指す」と述べた。
政府の推薦書提出の際に構成資産から外れた大和三山にも触れ、「山の上から藤原宮跡を眺めたいという観光客は多い。眺望が楽しめるような整備も必要」とした。

旧吉川家住宅で戦時下のくらし展 「モノとコトバ」当時の日常語る

出征旗を持つ子供のマネキンなどで戦時下の様子を再現している=大和郡山市

県立民俗博物館(大和郡山市)は、隣接する大和民俗公園の旧吉川家住宅で、戦時中に実際に使われたものや当時を生きた人々の証言を紹介するスポット展「戦時下のくらし|モノと証言から80年前の生活をみる|」を開催している。30日まで。
同館は毎年この時期に同展を開催しており、今年は戦後80年という節目に合わせて、旧吉川家住宅すべてを使って「モノとコトバ」をテーマに展示している。
住宅内では、真珠湾攻撃(1941年)、マレー作戦(同)、サイパン玉砕(1944年)など戦局を伝える音声を放送。さらにマネキンで、出征旗を持ちながら「バンザイ」と言って兄を戦地に送り出す子供や、戦場での無事を祈る「千人針」をたすきにさす母親の傍らで無邪気に絵本を読む子供の姿を再現しており、戦局とともに変わりゆく戦時中の日常を体感することができる。
また、県立図書情報館が所蔵する「戦争体験文庫」から地域の記録を抜粋したパネルも展示し、「男は背広が国民服と戦闘帽に変わり、女は筒袖にモンペ姿となって、色どりのない灰色の世界となりました」「登校するにも教科書は必要なく、モンペ姿に防空頭巾、肩からは救急薬品を入れた雑納袋を下げ通学」などと当時の様子を紹介している。さらに、出征軍人の家の表札や国防婦人会のたすき、金属回収によって鉄釜の代わりに使われていた土釜なども並ぶ。
学芸員の石橋諒さんは「当時の様子を語る人が減る中、展示を通して改めて平和について考えてもらうきっかけになれば」と話している。
開館は午前9時~午後4時。23、24、30日の午前11時と午後2時からは学芸員による30分間の解説あり。25日休館。無料。問い合わせは県立民俗博物館(0743・53・3171)。

奈良育英、関西地区大会でグランプリ スニーカーエイジ

演奏する奈良育英のメンバー=大阪市中央区の松下IMPホール(恵守乾撮影)

大阪市中央区の松下IMPホールで22日に開催された「第5回全国高校軽音楽部大会 we are SNEAKER AGES(スニーカーエイジ)」(産経新聞社、スニーカーエイジ実行委員会、三木楽器主催、大阪芸術大学など協賛)の関西地区グランプリ大会。県勢は奈良育英がグランプリに輝いた。
奈良育英のリーダーで3年の中嶋一陽(かずはる)さん(17)は「全国の出場権が得られてうれしい。まだ粗いところがあり、細かい部分を徹底したい」と成長を誓った。
ヘビメタバンド、LOVEBITESの「Unchained」を演奏。中嶋さんは「しばられている世の中を解き放つ意味をこめた」と説明。黒の衣装でヘッドバンキングを繰り返し、指先を銃口のように突きつけるパフォーマンスで曲の世界観を表現した。
昨年も出場した中嶋さんは「全国では誰が聞いてもグランプリだと思ってもらえるような、人の心を打つ演奏をしたい」と語った。
また県勢では奈良高専も出場し、ロックバンド、緑黄色社会の「恥ずかしいか青春は」を歌い上げた。

中国の鋳造鉄斧、県内初出土 加工して工具に 田原本の唐古・鍵遺跡

弥生時代の大規模環濠(かんごう)集落として知られる奈良県田原本町の唐古(からこ)・鍵遺跡で、同時代中期末~後期初め(紀元前1世紀末~紀元後1世紀)の鋳造鉄斧(てっぷ)の一部が見つかり、町教育委員会などが21日発表した。中国製の鋳造鉄斧の破片を加工して工具として再利用したと推定。同遺跡は銅鐸(どうたく)などの生産が行われたことから、青銅器を作るための工具だった可能性が高いという。

県内で初めて見つかった弥生時代の鋳造鉄斧の加工品=田原本町

鋳造鉄斧は県内初の出土で、鉄製品としても県内最古級となり、同遺跡が大陸の技術を積極的に導入した先進的な集落だったことを改めて示すことになった。

鋳造鉄斧加工品のエックス線写真(田原本町教委提供)

調査は今年2~3月、復元楼閣のある唐古池の南約300㍍で実施。縦横1・5~2㍍、深さ1・2㍍の井戸の底で土器やガラス玉などとともに出土した。鋳造鉄斧の破片は長さ7・7㌢、幅3・7㌢。ほぼ全面に周囲の砂や土器の破片などが付着し、鉄の表面はほとんど見えなかったが、エックス線撮影によって刃先が確認されたことなどから鉄製品と判明した。
弥生時代には製鉄の技術はなかったとされ、鉄器は中国東北部や朝鮮半島から鋳造鉄斧の破片などを入手して加工したと考えられている。鋳造鉄斧の破片は、北部九州や山陰などを中心に100点以上見つかっており、今回の鉄製品も中国東北部のものを加工したとみられる。
発掘現場の数十㍍北東では、過去の調査で銅鐸や青銅器の炉跡などが見つかっており、青銅器の工房があったとされている。今回の鉄製品は、銅鐸の鋳型を削ったり青銅製品の表面を磨いたりするために使われたともみられている。
藤田三郎・町埋蔵文化財センター長は「青銅器生産にあたって、鉄器がどのように使われたかを考える上で重要な手掛かりになる」と話す。鉄製品は9月7日まで、同町阪手の唐古・鍵考古学ミュージアムで展示される。発掘現場はすでに埋め戻されている。

サマルカンド特別交流展で覚書 奈良博で9年夏開催へ

覚書を締結した(左から)仲川げん市長、ガヤネ・ウメロワ理事長、井上洋一館長(奈良市提供)

令和9年に奈良国立博物館で予定されている奈良市と姉妹都市のウズベキスタン共和国サマルカンド市の特別交流展に向け、奈良市と同博物館、ウズベキスタン共和国大統領府文化芸術発展基金が覚書を締結した。

締結式は17日、大阪・関西万博会場(大阪市此花区)のウズベキスタンパビリオンであり、仲川げん市長と同博物館の井上洋一館長、同基金のガヤネ・ウメロワ理事長が出席。覚書にサインし、同博物館で9年7~9月に交流展を開催することを確認した。

「農業に誇りを」大和郡山の米農家、米粉で麺開発 大和野菜も使用

田んぼの前で米麺を手にする植田早苗さん(左)と三男の那臣希さん=大和郡山市

 

大和郡山市の米農家、植田早苗さん(48)が、米の品種「ヒノヒカリ」の独自ブランド「三男米(さんおとこまい)」や規格外の大和野菜などを使った米麺を開発した。ただ、米の収穫量が少ないため、なかなか安定して商品化できないのが実情だ。植田さんは「子供たちに農業に誇りをもってもらうため、新たなモデルにしたい」とクラウドファンディング(CF)で支援金を募集している。(木村郁子)
植田さんは夫の会社員、和彦さん(48)と3人の息子とともに約3万平方㍍の田んぼで米を栽培している。先祖代々引き継いだ田んぼに加えて、地域の米農家が高齢化や担い手不足のため耕せなくなった田んぼを引き継ぎ、この広さになったという。植田さんは「米農家のなかでも小規模農家は高齢化や経営難が続いており、生活が立ち行かない。農家は先行きが見えないのが現状なんです」と熱く語る。
米は田んぼの持ち主や息子たちを通じて知り合った家庭に譲っていたが、約10年前に「今後も継続して米が作れるように」と栽培したヒノヒカリを、3人の息子にちなんで「三男米」としてブランド化して販売するように。さらに昨年9月から市商工会の創業スクールに参加し、低アレルゲンの米粉製品を開発することにした。
ヒノヒカリは水分量が多いため、パンには不向きだが、その特性を生かそうと、米粉にして唐揚げや天ぷら、菓子などを作り、試行錯誤を繰り返した。たどり着いたのが、うどんとそばの中間の食感が楽しめる米麺だった。
また、三男の県立磯城野高校農業科学科2年、那臣希(なみき)さん(16)から「苦労して作った野菜も傷がついたり、すぐしなびて売れなくなる。何とかならないかな」と言われ、食品ロスの課題に着目。野菜嫌いの子供たちに季節関係なく野菜を食べてもらえるよう、規格外の大和野菜をパウダーにして練りこんだ。
出来上がったのは、野菜がほんのりと香る「大和まな」「大和丸ナス」「片平あかね」といった麺と、米の力強い味わいが特徴の「玄米」の麺。もっちりとした味わいが特徴で、1分ほどゆでて冷水でしめてざるそばのように食べるのがおすすめという。

「三男米」や大和野菜などを使った米麺とポン菓子

麺は9月19~21日にイオンモール大和郡山(同市)で開かれるイベント「スタートアップマルシェ」で販売される。今後は他の大和野菜や、市特産の治道(はるみち)トマトを使った麺の開発にも着手し、フィナンシェなどの菓子やライスペーパーにも手を広げるという。
植田さんは「持続可能な農業経営ができる基盤づくりを行い、将来農家をやりたいという人が増えるよう、事業モデルとなりたい」と笑顔をみせる。
CFでは、コンバインなどの機械の修理や購入費の一部に充てる予定。返礼品として麺やポン菓子などがある。詳細はCFサイト「エールレール」(https://yell-rail.en-jine.com/projects/sanotokomai)。9月5日まで。

県内住みここちランキング 王寺町が7年連続1位 以下生駒市、広陵町…

賃貸住宅大手の「大東建託」は「いい部屋ネット 街の住みここちランキング2025<奈良県版>」を発表した。自治体のランキングでは、「交通利便性」「行政サービス」などで高い評価を得た王寺町が7年連続でトップとなった。


令和3~7年(一部平成31年、令和2年を含む)に県内の男女9680人にインターネットでアンケートを実施し、集計した。
自治体のランキングで、アンケートの回答を分析したところ、7年連続1位となった王寺町が「交通利便性」「親しみやすさ」で1位、「行政サービス」で2位、「賑わい」で3位と高い評価を受けた。2位は昨年3位だった生駒市が入り、「静かさ治安」で1位、「交通利便性」で2位、「行政サービス」で3位という評価だった。昨年2位だった広陵町は3位となった。
王寺町政策推進課の担当者は「小さい町だが、スーパーや病院が充実していることや、町の子育て施策、大阪へのアクセスのよさなどが評価されたのではないか」としている。
一方、駅のランキングでは、近鉄南大阪線の磐城(葛城市)が初登場で1位となった。同駅は急行などは停車しないが、新しい住宅供給が増えているという。2位は近鉄生駒線の菜畑(生駒市、昨年3位)、3位は近鉄けいはんな線の学研奈良登美ケ丘(奈良市、昨年1位)、4位は同線の白庭台(生駒市、昨年4位)、5位は近鉄奈良線の学園前(奈良市、昨年2位)だった。

障害者雇用の農場でスイカ収穫 ICT農法で ホテルでかき氷提供も

障害者雇用に力を入れるNPO法人「エムワイピー農場」(奈良市)は、近畿大学農学部のICT(情報通信技術)農法を活用し、種まで食べられるスイカをこの夏、初めて収穫した。このスイカで作られたシロップ入りのかき氷が、ノボテル奈良(奈良市)のレストランで8月末まで提供されている。

収穫したスイカを手にするエムワイピー農場の増井義久理事長(中央)ら=奈良市

ノボテル奈良で提供されるICTスイカを使ったかき氷

同農法は、農作物の栽培に必要な温度調整などの管理にICTを導入することで、農業初心者でも容易に栽培管理ができる。同法人ではこれまで障害のあるメンバーがリーフレタスやメロン、イチゴを同農法で栽培していたが、スイカは今回が初めて。
スイカの品種は、萩原農場(奈良県田原本町)の商標登録商品「タネまで美味しい ぷちっと」。種が従来のスイカより極めて小さく、嚙んだときにぷちっとはじける食感が特徴。法人ではすでに今夏、100個の収穫を終えており、現在は12月ごろの収穫に向けて準備をしている最中という。
かき氷は、ムース状にした植村牧場(奈良市)の練乳とシロップと、カットスイカがトッピングされ、なめらかさとさわやかな味わいが楽しめる。1杯1800円。同法人の増井義久理事長は「奈良といえばスイカ。こうしてホテルで提供してもらえることは、日々農作業にいそしむ作業所のメンバーにとってもやりがいを感じるはず」と話す。

同法人は今後、年間を通してスイカ栽培を可能にし障害者の就労支援をするとともに、農園を一般開放して収穫体験をしてもらい、観光資源としたい考えだ。

盾持人埴輪のミニチュア土製品など展示 橿考研で企画展 9月7日まで

県内の昨年度の発掘成果を紹介する恒例の企画展「大和を掘る」が、橿原市畝傍町の県立橿原考古学研究所付属博物館で開かれている。御所市の古墳で見つかった全国的に類例のない「盾持人埴輪(たちもちびとはにわ)」の形をしたミニチュア土製品、中国の精巧な龍泉窯(りゅうせんよう)系の青磁碗(平安時代末~鎌倉時代)など約500点が並ぶ。9月7日まで。

盾持人埴輪のミニチュア土製品

盾持人埴輪のミニチュア土製品は高さ約10㌢で、御所市の出屋敷北十三遺跡の方墳(4世紀末~5世紀初め)で出土。粘土板に模様を施して盾を表現し、人物の頭部が欠けた状態で見つかった。古墳祭祀(さいし)に用いられたとみられる。
香芝市の前方後円墳、狐井(きつい)稲荷古墳(5世紀後半、全長80~90㍍)からは円筒埴輪が並んだ状態で出土。同古墳は23代顕宗(けんそう)天皇の墓とされ、被葬者を探る重要な資料として注目される。

完全な状態で発掘された中国製の青磁碗=橿原市の橿原考古学研究所付属博物館

明日香村の島庄(しまのしょう)遺跡では、飛鳥時代の石組み溝や掘っ立て柱建物跡が発掘された。同遺跡は蘇我馬子の邸宅や草壁皇子の嶋宮があったとされ、写真パネルで紹介。調査では、馬子邸か嶋宮に関わるかは判断できなかったといい、今後の調査に期待がかかる。
桜井市内では、縄文時代後期(約4千年前)の祭祀用とされる分銅形土偶が完全な状態で出土。近畿で10例ほどしか見つかっておらず、展示を通じて縄文人の思想に迫ることができる。
月曜休館。入館料は大人400円、高校・大学生300円、小中学生200円。ただし、国内の18歳未満と高校生は無料。今月30日、9月6日は同研究所講堂で発掘成果の報告会が開かれる。いずれも午後1時からで聴講無料。問い合わせは同博物館(0744・24・1185)。

奈良市、市議にクリーンセンターを説明 市長「調査は3カ所で」

奈良市が進める新ごみ処理施設「クリーンセンター」建設計画について、市は18日、市議にこれまでの経過などを説明する懇談会を開いた。市議は今夏の市議選(定数38)で新人10人が当選しており、市は最優先課題となっている同計画に対する理解を求めた。仲川げん市長は懇談会後に報道陣の取材に答え、市の策定委員会が選んだ候補地3カ所すべてで地質などの調査を行う考えを示した。

クリーンセンター建設計画について説明を受ける市議ら=奈良市役所

市が現行施設の移転を周辺住民と約束した公害調停から約20年が経過しているが、候補地選定はごみ処理の広域化の断念や議会との対立などで紆余曲折し、策定委が6月、候補地を3カ所に絞り込んだ。だが同計画については予算が組まれておらず、今後本格的な議論をひかえている。
懇談会には市議35人が参加。担当部局がこれまでの経過や公害調停の効力、市が目指すクリーンセンターの基本構想などを説明した。仲川氏は懇談会後、「候補地を巡ってはこれまで机上の議論だったが、今後は測量や地質調査をしなければ踏み込んだ議論ができない」と述べ、「市が結果ありきで進めていると言われないためにも、調査は3カ所で実施する」と話した。

香芝市が複合施設整備へ 音楽ホールや図書館など 11年度完成目指し

香芝市は、音楽ホールや図書館、博物館、貸室などの機能を併せ持つ複合施設を市役所庁舎の隣接地(同市本町)に整備する基本構想を発表した。今年度中に基本計画を策定し、令和8年度に着工、11年度の完成を目指す。

複合施設の整備イメージ(香芝市提供)

市民が音楽会などに利用してきた市モナミホール(約千席)は、老朽化のために4年に解体撤去された。これで市内に大規模なホールがなくなり、市民が音楽会などの発表を行う場合でも市外のホールを使わざるをえなくなっていた。
さらに市民図書館や市二上山博物館、市民ホールが入る市ふたかみ文化センターと市中央公民館も老朽化していることから、市はこれらの機能を備えた複合施設を整備する方針を決めた。
基本構想では、音楽ホールは演劇などにも対応し、千~1200席程度を確保。図書館は約30万冊を備え、映像機器を備えたプレゼンテーションエリアを設置する。博物館は市の歴史、文化、地理などに関する資料を体系的に展示。貸室は和室も併設する。このほか多目的スペースや商業施設誘致スペースも設ける。具体的な内容は基本計画で決める。
整備場所は現在駐車場になっている庁舎隣接の市役所敷地内と民有地。4階建てを想定し、延べ床面積約1万4500平方㍍。工事費は80億~110億円程度で、40~45%程度を国の支援でまかなう見込み。モナミホール跡を複合施設の立体駐車場にする。
三橋和史市長は「複合施設は多くの市民が待ち望んでおり、早期の整備を目指していく」などとコメントした。

「二十歳のつどい」成人の日前日に開催へ 生駒市が令和9年から

生駒市は、20歳の若者が集まる「二十歳のつどい」の開催日を令和9年以降、現行の成人の日から成人の日の前日の日曜とする。成人の日は1月の第2月曜日で、翌日が平日のため、出席する若者が友人と再会できる時間が限られることなどから決めた。20歳を祝う式典を同様に前日の日曜に開催する自治体は増えているが、県内12市では少ないという。

成人の日に開かれた生駒市の「二十歳のつどい」=1月13日、同市(市提供)

同市では長く成人の日に「成人式」として開催。成年年齢が令和4年4月に20歳から18歳に引き下げられたことから、5年1月からは「二十歳のつどい」として、前年の4月2日から開催年の4月1日までに20歳となる若者を対象に、式典が行われている。
友人との再会の時間確保のほか、遠方に住む若者が参加しやすくするために日曜開催とした。今年4月に正式決定したが、美容院の着付けの予約を考慮して2年後の9年から実施する。9年は日曜の1月10日午後1時半から近鉄生駒駅前のたけまるホールで開催する。
同市の「二十歳のつどい」は対象の若者が運営委員会を組織して内容を決める。9年はまだ発足しておらず内容は未定。市教育委員会生涯学習課の担当者は「余裕を持って同級生との再会を楽しんでほしい」と話している。
県内では、大和高田市、五條市、宇陀市が成人の日の前日の日曜に20歳を祝う式典を開催している。

奈良市、31日にスマホで避難所登録の訓練

奈良市は、災害発生時に避難者自身がスマートフォンなどを使って避難所の入所や退所に必要な情報を登録するオンライン訓練を31日に終日、実施する。手続きのデジタル化で市災害対策本部が混雑状況をリアルタイムに把握し、一部の避難所に避難者が集中する事態を回避する。
市の広報やホームページなどに記載されている2次元コードを読み取って利用する。入所用画面では氏名、生年月日などのほか、アレルギー、妊娠中といった配慮してほしいことがらを選択式で入力。また、車中泊など避難所以外に避難している場合の選択項目もあり、災害発生時には市民の避難状況の実態把握に活用する。
当日の参加が難しい人は事前登録もできる。

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