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曽爾小、タイの文化を学ぶプログラムがスタート

 さまざまな文化にふれ、国際感覚を養ってもらおうと、曽爾村立曽爾小中学校で、小学5年生を対象にした国際理解教育のプログラムが始まった。村に住む、タイ・チェンマイ出身の料理研究家、アノタイ・オウプカム(愛称オング)さん(35)を講師とし、来年3月までの予定。
 5月27日に5年生の9人を前に行われた授業では、オングさんが「サワディッカー(こんにちは)」とタイ語であいさつ。児童はタイの気候や風土、合掌をするあいさつの仕方などを勉強し、タイ語で自分の名前を書いた名札を作った。
 オングさんは芸術家らが同村に滞在しながら創作活動をする「アーティスト・イン・レジデンス」の企画に携わる一方、村の食材の研究をしている。
 昨年12月に日本人の夫とともに秋田県から曽爾村に移住した。オングさんは「日本とは異なる季節や食文化があるタイのことを知ってもらい、自分たちが住む村の良さや豊かさを感じてほしい。新たなものを創造する手助けをしたい」と話した。
 児童たちは今後、オングさんとともに高原野菜農家に訪問したり、タイ料理の実習を月に1回のペースで受けたりする計画だ。
 今年12月をめどにオリジナルのタイ料理の給食も考案し、来年1月から3月まで実際に学校で提供されるという。
 授業に参加した萩原麻未さん(10)は「次にオングさんに会うときは、タイ語であいさつしてみたい」と話した。

唐招提寺で5、6日に開山忌舎利会

 唐招提寺(奈良市)で同寺を開いた鑑真和上をしのぶ「開山忌舎利会」が5、6日に営まれる。新型コロナウイルス感染対策のため、鑑真和上坐像(国宝)を開扉する会場では、入場者数の制限などを行う。
 鑑真は中国・唐の高僧で、奈良時代に苦難の末に来日し、戒律を伝えた。開山忌舎利会は鑑真の命日(6日)に合わせ毎年営まれている。
 6日は午後1時から講堂で法要があるが、堂内には入れない。同3時からは高岸輝・東京大大学院准教授の講演を動画で配信する予定で、同寺のホームページから視聴できる。
 鑑真和上坐像の開扉は新宝蔵で5~7日の午前9時~午後4時。通常拝観料1千円と特別拝観料500円が必要。問い合わせは、唐招提寺(0742・33・7900)。

感染対策徹底、県認証制度始まる 

新型コロナウイルスの感染対策を徹底する飲食店や宿泊施設を県が独自に認証する制度の運用が始まった。クリアした基準に応じて一つ星から三つ星でランク付けされ、対策にかかる経費が最大4分の3補助される。
 対象となる事業者は、「飲食店・喫茶店」と「宿泊施設(ホテル・旅館・簡易宿泊所)」の2つに分類され、それぞれ基準や補助額が異なる。
 認証を受けるためには、消毒設備やクリアパネルの設置、換気の徹底、対面を避ける座席の配置などの必須項目をクリアする必要がある。さらに席の間を1㍍以上空けてパーテーションを設置するなどのアピール項目を満たした数に応じてランク付けされる。
 補助額の上限は「飲食店・喫茶店」が20万円、「宿泊施設」が規模に応じて75万円~750万円で、いずれも今年の4月1日までさかのぼって補助の対象となる。
 対象施設が県に認証を申し込むと、実地調査を経て基準をクリアしていれば認証される。
 要綱や申請書類は県ホームページに掲載。問い合わせはコールセンター(0570・087・567)で、平日午前9時~午後5時まで受け付ける。
 県によると、認証制度の受け付けは5月25日から始まり、31日午後5時時点で計54件の申請があったという。31日に16店舗が認証された。
 認証を受けた河合町の懐石料理店「西大和さえき」ではこの日、県職員らが感染防止対策をチェック。パーテーションの設置など対策が徹底されていることから、同店の佐伯誠紀社長に認証書と認証ステッカーを手渡した。
 佐伯社長は「認証してもらい、ありがたい。国や県の示す感染防止対策をしっかり守り、お客さんに安心して来てほしい」と話した。

100年ぶりの伝統風景「結縁綱」を復元目指す 四天王寺 クラウドファンディングに挑戦

聖徳太子没後1400年の節目を迎えた今年、ゆかりの四天王寺(大阪市天王寺区)は、五色の綱によって本尊の聖徳太子との縁を結ぶ伝統行事「結縁綱」の100年ぶりの復活に向けて、クラウドファンディング(CF)による資金集めに挑戦している。本尊と五重塔、金堂、講堂、六時堂を長さ350㍍以上の綱でつなぐ壮大な計画で、500万円を目標としている。
 結縁綱は10月18日~来年4月22日に展開される「聖徳太子1400年御聖忌記念事業」の期間中、事業の一環として設置。聖霊院太子殿にある本尊「聖徳太子像」の手と境内の建物を五色の綱でつなぎ、参拝者がその綱や綱を中継する柱に触れることで、太子と直に手をつなぐ縁を結べるという催しだ。
 御聖忌の大法会は100年ごとに行われ、前回は大正10年の記録が残るが、今回はコロナ禍で寄進集めが難航する懸念があった。さらに、感染の不安などから参拝をためらう人にも事業に参加してもらえる手段として、広告会社のアド近鉄が「近鉄沿線応援」をコンセプトに手がけているCF「エールレール」を利用することにしたという。
 支援者にはもれなく、来年の事業終了後に結縁綱の一部が記念品として贈られる。そのほか支援額によっては、特別御朱印や同寺院のオリジナルトランプ、僧侶による境内ガイドなど、さまざまな返礼品も用意されている。
 広報担当の河邊啓法さんは「やはり一番の願い事はコロナ終息。お寺だけでは成し遂げられない大事業をみなさまの力をお借りして無事に納めたい。今日につながる国づくりを行った聖徳太子の功績や人物像について改めて知っていただける機会にもなれば」と話している。
 ウェブサイト「エールレール」内にある結縁綱のページから申し込める。8月8日終了予定。問い合わせはアド近鉄(06・6774・5444)。

小学生が橋の名付け親に 郷土愛を育むプロジェクト 大和郡山市 

 大和郡山市は、地域を知り、郷土愛を育むきっかけにしようと、市内の小学生に、市が管理する「市道橋」に名前をつけてもらう「名付け親プロジェクト」を進めている。
 市内には292の市道橋があるが、その約8割には名前がついていない。「名付け親」となるのは、市内小学校の5、6年の児童で、プロジェクトでは、市内にある約40の橋の名前を考えてもらう。
 プロジェクトの一環として、市の若手職員が各小学校に出向き、橋の成り立ちや、仕組みを説明する「出前授業」も実施している。
 24日に昭和小学校6年のクラスで行われた出前授業には、同市都市建設部の若手職員2人が参加。橋の成り立ちや歴史のほか、「アーチ橋」や、洪水などの際、橋桁が流れる設計となっている「流れ橋」など橋の種類について、スライドを使って説明していた。
 児童は、自分たちが名前をつける5つの橋の場所なども確認。岩田笑さん(12)は「橋にまつわる話がおもしろかった。いっぱい考えて、よい橋の名前をつけたい」と話した。
 同小では、橋が設置されている地域の人に話を聞くオリエンテーションも行い、名前の候補を考え、最終的に全員の投票により決めるという。
 夏ごろには、それぞれの橋に名前が刻まれたプレートが設置される予定だ。
 市は「子供たちの一生の思い出となる橋の名前をつけることで、地元に愛着をもってほしい」としている。

鹿愛護会にドングリ寄贈 平城高 ボランティアサークル

県立平城高校(奈良市朱雀)のボランティアサークルが、奈良のシカの保護活動に取り組む一般財団法人「奈良の鹿愛護会」(奈良市)に、拾い集めたドングリ約10㌔を寄贈した。
 同校の校内にはドングリの実をつけるカシやシイ、ナラなどさまざまな樹木が自生。サークルのメンバーが校内や通学路で拾ったり、プラスチック製の「ドングリボックス」を校内に設置したりしてこつこつと収集。カビが生えたものは処分するなど、状態のよいドングリを選んだ。
 メンバーの松尾花梨さん(17)は「シカがたくさん食べている様子を見てうれしかった」と話した。

当麻寺 仁王像頭 ハチの巣を除去 新たな巣箱に移動

 当麻寺(葛城市)の仁王門で25日、仁王像の頭の内部につくられたニホンミツバチの巣を除去する作業が行われた。ニホンミツバチは希少種のため、殺して駆除するのではなく、境内に新しい巣箱を設置して保護した。
 仁王像は、江戸時代に造立された阿形像と吽形像の2体(ともに市指定文化財)。ハチがすみ着いたのは阿形像で、「阿吽の呼吸」のいわれの通りに開いた口部分がハチの巣の〝玄関〟となっていた。
 寺によると、平成10年ごろにはハチの出入りが確認されているという。
 この日は、公益財団法人「美術院」の職員らが、ハチを刺激しないよう布やビニールで覆った頭部を胴体から取り外し、内部の巣を取り出した。
 同寺中之坊の松村實昭院主は、「数千~1万匹のハチがいた。駆除だけなら楽だが、できるだけ生かし、女王蜂を巣箱にうつしたい」と作業を見守った。
 作業に協力したニホンミツバチの愛護団体「NPO法人ビーフォレスト・クラブ」(奈良市)によると、ハチの集団は、女王蜂のフェロモンに集まるという。取り出された大量の巣からは、はちみつにまみれた女王蜂が無事に発見され、同NPOのスタッフが水ではちみつを洗い流し、新しいすみかとなる巣箱に移した。
 同NPOの吉川浩理事長(69)は「自然林に恵まれた当麻寺の環境がニホンミツバチを守ってきた。保護ができてよかった」と話した。

蔵元を飲み比べ「奈良の夏冷酒」 ラベルに金魚

 県内5つの蔵元による共通ブランド「奈良の夏冷酒」の飲み比べシリーズが発売された。今年8年目となる企画で、涼しげな薄いブルーのボトルに今季は、金魚のイラストを描いたラベルをつけた。
 5つの蔵元と銘柄は、今西清兵衛商店(奈良市)の「春鹿」▽奈良豊澤酒造(同)の「豊祝」▽八木酒造(同)の「升平」▽梅乃宿酒造(葛城市)の「梅乃宿」▽北村酒造(吉野町)の「猩々」。
 それぞれ原料に県内産のコメが使われている。アルコール度数は14~15度で、炭酸飲料で割って、すっきりとした味わいを楽しむ飲み方も提案。企画・販売を担う酒類卸「泉屋」(奈良市)の今西栄策社長は「新型コロナウイルスの影響で、奈良に帰省できない家族や会える機会がなくなっている親しい人に贈るギフト品としても活用してほしい」と話す。
 販売本数は5社で計5千本で、県内の酒類販売店、泉屋通販サイトから購入できる。各500㍉㍑入り、1078円。問い合わせは泉屋(0742・26・1234)。

口元を覆うシールドを開発 奈良市の印刷会社

新型コロナウイルスの感染対策のため、奈良市の印刷会社「関西美術印刷」が、紙で作った口元を覆うタイプのシールドを開発し、県内の飲食店に無償で提供している。
 うちわのように手に持って口元を覆う簡易的なシールドの製品名は、「motte|tomete(もってとめて)」。アヒルの口や花柄など、ポップなデザインバリエーションも豊富に取りそろえる。
 同社取締役の西田隆志さんは「マスク会食が飲食時のマナーとされているが、食べてすぐにマスクをするのは、口元の汚れやにおいなどが気になる人も多いはず。紙製のため食事が終われば捨てられる」と使い勝手の良さをPRする。
 同市富雄元町のイタリアンレストラン「元町News」は客の来店時に、おしぼりや水とともにシールドをテーブルの上に置いている。
 オーナーシェフの斎藤昌弘さん(50)は「マスクの付け外しに気を取られて食べた気がしない、と言っていたお客さんにも好評」と話している。

行基供養堂か 貴重な発見も保存難しく

 東大寺を望む高台の菅原遺跡(奈良市疋田町)で見つかった類例のない円形遺構。20日、県と元興寺文化財研究所が発表し、奈良時代の高僧、行基の供養堂の可能性が浮上している。宅地造成に伴う発掘調査で発見されたため、県は国史跡の指定を前提に、遺跡周辺の土地を購入することで保存を図ろうとした。だが、開発業者との交渉は不調に終わり、専門家からは残念がる声が上がる。
 「前例のない遺跡が出てきているらしい」
 同研究所の発掘調査の情報が、県や奈良市の文化財担当者の耳に入ったのは昨年11月。12月には価値の重要性が明確となった。
 事業者の開発計画では、宅地造成のため、今回の調査地全体の地盤は3~8㍍切り下げられ、遺構は完全に消滅する。保存するには、行政が土地を買い取る以外に選択肢はない状況だったという。
 奈良市と県によると、両者の文化財担当者が昨年11月末以降、数回にわたり事業者側に保存の協力を呼びかけた。事業者側は「土地を買ってくれるならば応じる」という姿勢を見せた。しかし、公費で保存するべきかを話し合う行政の審議会は開かれず、職員が口頭で対応するに終わった。
 当初、発掘成果の発表は3月に予定されたが、県はその直前に土地を買い取るための交渉に乗り出すとして発表を延期。県の担当者は「今回の遺跡とその周辺を鑑定価格で事業者側から買い取る交渉をしたが、価格面の条件が合わなかった」と説明する。

回廊跡(手前)や円形遺構(調査員3人が立っている場所)が発見された発掘現場。東大寺や平城京を見渡す絶好のロケーションだ=奈良市疋田町


 文化財行政に詳しい坂井秀弥・大阪府文化財センター理事長(文化財学)は「今回のようなケースは、事業者の善意にすがるだけでは保存は実現しない。遺跡を維持管理することになる自治体の残す覚悟と一体的な行動が必要だが、その動きが遅かったのが悔やまれる」と話した。

密避け 唐招提寺で関係者だけのうちわまき

 唐招提寺(奈良市)で19日、鎌倉時代に同寺を復興した覚盛上人をしのぶ「中興忌梵網会」が営まれた。恒例の「うちわまき」は新型コロナウイルス感染防止のため関係者らのみに向けてうちわがまかれた。
 うちわまきは、覚盛上人が蚊をたたこうとした弟子を戒めたことから、上人の死後に蚊をはらううちわが供えられたことが始まりと伝わり、例年は多くの参拝者が訪れる人気行事だ。今年は境内の鼓楼から僧侶がハート形のうちわ(宝扇)約50本を間隔を開けて待つ関係者らに向かってまいた。うちわは長さ約40㌢で、魔よけなどになると伝えられている。
 唐招提寺の岡本元興長老は「コロナ禍にあって試行錯誤しながら、伝統行事の思いは伝えたい」と語った。

集団接種、ネット予約 市職員が支援 奈良市

高齢者への新型コロナウイルスワクチン集団接種をめぐり、各地で予約の電話がつながらないといったトラブルが起こる中、奈良市では、市内10会場でインターネットでの予約を市職員がサポートしている。
 同市では17日から75歳以上を対象とする2回目の予約受け付けを電話とインターネットで開始。市内計10カ所に、ネット予約ができるタブレット端末を配置、職員らが予約を代行するサービスを始めた。予約枠が埋まり次第、終了する。
 初日は10会場で計約430人が利用。18日に会場の一つ、「生涯学習センター」に夫婦で来た男性(80)は予約時間の変更を希望。「やり方がわからなかったが、妻と同じ日に予約が変更でき、ほっとした」と安堵していた。
 会場は以下の通り。東部出張所▽都祁行政センター▽月ケ瀬行政センター▽生涯学習センター▽伏見公民館▽東福祉センター▽西福祉センター▽南福祉センター▽北福祉センター▽ならまちセンター。

奈良市、高齢者接種7月末に完了 市役所も会場に

奈良市は65歳以上の高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種をめぐり、当初9月末と見込んでいた接種完了の時期を前倒しして7月末に完了させると発表した。市民全体への接種も10月末に終える見通し。接種会場に奈良市役所を加えるほか、接種実施日も拡大し、当初計画の2倍となる週約2万回の接種を進める。
 新たに会場に追加するのは市役所6階。これで集団接種会場は計4会場となる。接種体制も強化し、商業施設「ミ・ナーラ」では日曜のみだった接種を週5日に拡大する。
 会場には、市医師会から医師約150人が派遣されるほか、県内の研修医も活用する。
 市の計画では5月末までに、75歳以上の高齢者の予約をすべて完了し、6月上旬から中旬にかけて、65~74歳の高齢者へ接種券を発送し、予約を受け付ける。混雑緩和のため、接種券は一斉に送らず、分割して発送する。
 接種会場でキャンセルが出た場合、余ったワクチンが無駄になることを避けるため、救急隊員や学校教員、保育士などの接種に活用するという。
 15日に会見した仲川げん市長は「あらゆる資源を導入して、7月末をゴールにして接種をやりきりたい。変異株の感染拡大のスピードに危機感をもっている。これ以上広げるわけにはいかない」と話した。

磯城郡3町 経営安定化に向け水道企業団設立へ

 田原本町、川西町、三宅町の磯城郡3町は、各町の水道事業を経営統合して一体的に事業を行う一部事務組合の「磯城郡水道企業団」を設立することを決めた。令和4年度からの事業開始をめざしている。
 人口減少が続く中で、将来的に安定した水道事業を実施し、水道料金の上昇を抑えることが目的。
 3町は平成26年度から経営統合に向けた検討を開始。令和2年度に企業団設立のための協議会を開催して企業団規約を決め、事業運営のマニュアルなども整備した。
 今後、各町議会で企業団設立の承認を受け、今年9月に企業団を設立。その後、知事による事業認可などを経て、4年4月から水道事業を開始する計画。
 3町合わせた給水人口は約4万7千人。県営水道から供給を受けて各家庭に配水するが、災害などの緊急の場合に備えて、田原本町内の2カ所の配水池は維持。3町間の緊急時連絡管を8年度までに整備する。
 経営統合による今後30年間の経費削減効果は約19億円と試算されている。
 企業団の事務所は田原本町に置き、職員は各町からの派遣(計約20人)で運営。当面、水道料金は統一せず、各町が個別に会計処理を行うという。

アンデス 造形土器の世界 天理参考館で企画展

南米ペルーを中心とする中央アンデスの古代文化を紹介する企画展「器にみるアンデス世界」が、天理大付属天理参考館(天理市守目堂町)で開かれている=写真。身の回りの動物や植物をかたどった多様な土器が来場者を楽しませている。
 アンデスのインカ帝国がスペインに征服されるまでの「真作」と、19世紀以降に欧米がアンデスの土器を高く評価したことで盛んに作られた「贋作」の計約100点を展示。
 カボチャや果実のチェリモヤ、エビなどをかたどった土器が目を引く。また、注ぎ口が馬具の鐙のような形をした鐙型注口壺という基本形が、時代を超えて維持されているのが注目される。
 球体のユニークな形の「笛吹ボトル」は、酒やサボテンから抽出した液体を入れ、神聖な儀式で吹き鳴らされたと考えられている。
 荒田恵学芸員は「紀元前から16世紀まで、葬祭儀礼に使用された器の多くは、形の変化が見られない。トカゲやネズミ、果物や野菜などの造形美を楽しんでもらいたい」と話す。
 同館は「多様な文化とペルー社会に生きる人のたくましさを感じてもらえれば」としている。6月14日まで(休館日あり)。問い合わせは同館(0743・63・8414)。

奈良市 ネコ・イヌ殺処分が2年連続ゼロ、ボランティアが尽力

奈良市は令和2年度のネコとイヌの殺処分がゼロだったと発表した。かつては年間数百にも上った殺処分頭数は、動物愛護管理法改正の影響やボランティアの尽力で劇的に減少しており、2年連続のゼロ達成となった。
 2年度に市保健所の動物管理施設に保護された頭数は194頭(ネコ170頭、イヌ24頭)。衰弱による自然死や安楽死はあるが、約9割の173頭がボランティアを通じて新しい飼い主に譲渡された。
 殺処分数は平成20~25年度は663~218頭だったが、次第に減少し年度からは一桁となり、令和元年度にゼロを達成した。少なかった譲渡数も令和2年度は過去最多の173頭に上った。
 市保健衛生課の担当者は「ネコの室内飼いが多くなったことで野良ネコが少なくなった社会的背景はあるが、一時的に預かったり、譲渡の仲介を行ったりするボランティアの尽力が大きい」と話している。

キトラ古墳と極彩色壁画を紹介する「キトラ・アトラス」を開設 文化庁

 文化庁は「キトラ古墳壁画保存管理施設」のホームページ内に、明日香村の特別史跡・キトラ古墳(7世紀末~8世紀初め)と古墳の石室に描かれていた極彩色壁画(国宝)を紹介、解説するコーナー「Kitora|Atlas」(キトラ|アトラス)を開設した。
 鮮やかな壁画の写真を見ながら、古墳の全貌を知ることができる。
 キトラ古墳は村南部にある終末期古墳(直径13・8㍍)。キトラ―アトラスでは詳しい墳丘・石室の構造を説明し、石室各面に描かれていた壁画については、確認された玄武、青龍、朱雀、白虎、天文図と十二支の子、丑、寅、午、戌、亥の11個の残り具合や全体像を解説している。
 また、被葬者の棺に付けられていた金銅製鐶座金具や、大刀を吊り下げるための鉄地銀張金象嵌帯執金具など10個の遺物も取り上げている。
 キトラ古墳では昭和58年にファイバースコープ調査で玄武が発見され、高松塚古墳に次ぐ極彩色壁画古墳として大きな注目を集めるようになった。
 その後、各壁画が次々に見つかり、発掘調査を経て保存のために壁画のはぎ取りが行われた。壁画は古墳そばにつくられた保存・展示施設「四神の館」で年4回公開されている。

県内企業、コロナ禍で「廃業検討」の可能性13%

 東京商工リサーチ奈良支店は、3月に県内企業を対象に実施した新型コロナウイルスに関するアンケートで、約73%が「影響が継続している」と回答したと発表した。また、収束までが長引いた場合、約13%が「廃業を検討する可能性がある」と答えた。
 アンケートは3月1~8日にかけて県内企業を対象にインターネットで実施。2月の売り上げについて聞いたところ、前年同月と比較すると約70%が減収となった。
 新型コロナの特別貸し付けや各種融資などの支援策は約67%の企業が利用しており、全国平均より約8㌽高かった。
 利用した支援策をみると、県が独自に実施した制度融資が最多で、雇用調整助成金や持続化給付金が続いた。
 新型コロナの収束まで長引いた場合に廃業を検討する可能性があると回答した企業の割合は、昨年8月以降で最も高い約13%。3月の全国平均約5%と比べても高い割合となった。
 一方、在宅勤務・リモートワークを実施しているのは約22%。これに対し、近畿は約39%で、県内であまり浸透していない状況がうかがえる。
 収束後の懸念については、「経済活性化に伴う人手不足」との回答が最も多く、「資金繰り支援の一巡による倒産・休廃業の増加」、「仕入れコストの上昇」が続いた。同支店は「過剰債務や継続支援を見越した中小企業支援策が必要となる」と分析している。

ナシの名産地で初の結婚式 純白の花びらが祝福

 白くかれんなナシの花が咲き誇る大阿太高原(五條市、大淀町)の農園で先月、2組のカップルが結婚式を挙げた。新型コロナウイルスの感染拡大で挙式をあきらめていたが、純白の花びらが舞う関西有数のナシ名産地で祝福された。
 農園は、「梨の花農園RIKAEN」。果実のおいしさだけでなく、春に咲くナシの花の魅力も知ってほしいと結婚式の開催を企画した。農園には、果樹園とは別に、ナシの花の鑑賞に特化した「花園」があり、代表の中元悦子さん(69)は「満開の季節に結婚式を開催することは、平成年のファーム開園以来の夢だった」と話す。
 挙式した2組のうち、地元の大淀町に住む会社員の深尾弘太さん(27)と管理栄養士の彩さん(31)は、コロナで式はあきらめるつもりだったが、今年1月にファームを訪れて挙式を決めた。彩さんは「特産のナシの花に囲まれて結婚式ができるなんて夢のよう」と心ひかれ、式の段取りはとんとん拍子に決まったという。
 当日は2組の式が同時に進行。普段は果実を積む車が色とりどりの風船で飾られ、その荷台に乗って花嫁2人が登場。ナシの花のブローチを胸にした新郎2人がその手を取り、幸せいっぱいの笑顔でナシの木の下を歩いて式の会場へ。
 カメラを手にした親族や友人たちが見守り、笙や笛の雅楽が鳴り響く園内にはナシの白い花びらがはらはらと舞い落ち、牧歌的な雰囲気を演出していた。
 大阪府阪南市の農業、西塚祥平さん(34)と真智子さん(34)は、農園が主催した「梨講座」を受講した縁で挙式。真智子さんは「気取らない式があこがれだった。何よりの喜びです」と満面の笑みを浮かべた。
 果実用のナシは、つぼみのうちに摘花されるが、農園では実を付けない観賞用のマメナシを栽培。中元さんは「桜が散ったころに咲き始めるナシの花をめでる文化をこの地に根付かせるためにも、来年もここで挙式したいカップルを手助けしたい」と話す。

奈良市など特別警報延長へ 感染高止まりに危機感あらわ

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が4都府県で延長されたことなどを受け、奈良、天理、生駒の各市は7日、独自に発令していた警戒警報を今月末まで延長すると発表した。奈良、天理両市は飲食店を対象に午後8時まで要請している時短営業についても今月末まで延長することを決定。県内では大型連休中も感染者数が断続的に90人を超え、感染拡大に歯止めがかかっておらず、感染対策の継続が不可欠と判断した。
 これまで3市は、荒井正吾知事に対し、緊急事態宣言を国に要請するよう求めてきたが、7日も改めて要望した。
 「重症病床使用率は(6日は)9割を超え、県内の感染状況は全国で4位と高止まりしている。同日、会見した奈良市の仲川げん市長はこう話した上で、「ホームパーティーなど家庭内での感染も目立つ。観光地の人出もなかなか減らない」と危機感をあらわにした。
 他の首長らも同様に、県内の感染状況への懸念を募らせている。天理市の並河健市長も7日に会見し、「重症病床の使用率は大阪に次ぐ厳しい状況。本来は緊急事態宣言が発令されるべきだ。医療体制の拡充と感染抑止策は車の両輪でないといけないが、両輪の一方が欠けている」と指摘。生駒市の小紫雅史市長は「市立病院のコロナ病床は満床で、本来入院すべき患者を受け入れることができない状態が続いている」とし、「県の感染状況は、緊急事態宣言レベルを大きく上回る水準だ」とコメントした。
 生駒市では31日まで主催するイベントの縮小や延期などを検討。天理市も原則として中止や延期する。奈良市も現在実施している観光案内所と観光関連施設の閉鎖や市公共施設の臨時休館などを同日まで延長する。
 ただ、県営駐車場などを閉鎖したにもかかわず、市内の奈良公園など観光スポットは大型連休中、県外から訪れる観光客でにぎわった。
 同市によると、市が4月24日から5月5日までの午前中、市役所前で実施した通過車両の調査では、県外ナンバーのうち、ほとんどを大阪府が占めた。4月24日は621台だったが、5月2日には978台に跳ね上がり、3日には1004台にも上った。
 仲川市長は「関西全体で足並みをそろえて感染拡大を封じ込める必要がある」と訴えた。

万葉故地訪ねるガイド出版 奈良まほろばソムリエの会

県内の万葉歌ゆかりの地を訪ねてもらおうと、NPО法人・奈良まほろばソムリエの会(豊田敏雄理事長)の会員が執筆したガイドブック「奈良通が選んだ 奈良万葉の旅百首」(京阪奈情報教育出版)が出版された=写真。万葉歌100首と故地が紹介され、散策を楽しめる一冊となっている。
 同会の設立周年を記念して出版。執筆は会員人で、監修は万葉学者として知られる上野誠氏。各エリアに分けて万葉歌を、ゆかりの地の写真などとともに紹介している。このうち、[隠りくの泊瀬の山の山の際にいさよふ雲は妹にかもあらむ](柿本人麻呂)については安井永さんが執筆。「山に漂う雲は亡くなったあの娘なのか」と説明し、葬送の地だった「隠口の泊瀬」などを紹介している。
 このほか、三輪山や大和三山、飛鳥川、佐保川、春日野などを詠んだ歌を掲載しており、手軽な入門書としても活用できる。
 同会の鉄田憲男専務理事は「万葉歌は感情をストレートに表現しているうえ、いろいろな層の人が詠んでいるのが魅力。ガイドでは故地の最新の様子を伝えています」と話している。1冊千円(税別)。

正倉院宝物に未確認の染め技法 トルファンの古墳出土品と共通性

正倉院宝物の「茶地花樹鳳凰文﨟纈絁」=写真(正倉院紀要第43号から)=に施された文様が、名称にある「﨟纈」(ロウケツ染め)ではなく、これまで未確認の技法によるものであることが宮内庁正倉院事務所(奈良市)による調査で分かった。アルカリ性物質を含む剤が使われた可能性が高く、同様の痕跡はシルクロード都市だった中国新疆ウイグル自治区・トルファンの古墳群出土品で確認されている。
茶地花樹鳳凰文﨟纈絁(縦30・8㌢、横42・3㌢)は、江戸時代に屏風に貼り交ぜられた染織古裂のうちの一片。8世紀のものと考えられ、赤味を帯びた茶色地に花樹と鳳凰の文様が染め抜かれている。
 これまでは溶かした蝋を防染に用いて文様を染め分けるロウケツ染めの技法が用いられたと考えられてきたが、他の宝物にあるロウケツ染めの特徴が見られないため今回、詳細に調査。この結果、糸の状態からみて、文様部分を抜き表すために何らかのアルカリ性物質を含む剤が使われた可能性が浮上。トルファンのアスターナ古墳群の出土品と共通性が見出せるという。
 大陸から国内に持ち込まれたものか、国内で製作されたものかなどについては分からないが、同事務所保存課整理室員の片岡真純さんは紀要で「古代における文様染め技法の多様性の一端を示している」としている。

餃子専門店直伝 奈良市の児童が調理体験

餃子のあんを皮に包む調理体験が奈良市の飲食店で開かれ、大宮小学校(奈良市)放課後子ども教室に通う児童ら44人が、餃子専門店スタッフ直伝のコツを教わった。
 調理教室は、近鉄新大宮駅近くのビルで開催され、同じビルに入る「生餃子製造直売所GYOZA」のスタッフが丁寧に指南。児童らは、あんをのせた皮の両端を折りたたみ、ひだは3つほど寄せるだけでできる包み方などを教わった。
 「お金さえ出せばなんでも買える時代に、家にある材料で料理を作るきっかけになれば」と、主催したNPO法人大宮地区社会福祉協議会の今西康乃代表(59)。小学5年の尾上知優さん(10)は「お母さんを手伝うときの包み方と違うけれど、意外にうまくできたはず。家族に私が包んだ餃子を食べてもらいたい」とほほ笑んだ。

「おてらおやつクラブ」と田原本町がクラウドファンディング  

寺院へのお供え物を、生活困窮家庭に届ける活動に取り組むNPO法人「おてらおやつクラブ」(田原本町)と同町は、発送費を賄うためのクラウドファンディング(CF)を4月1日から始めた。6月末までの予定で、目標額は200万円。
 NPOは、経済的に苦しい家庭を支援するために設立。寺院に供えられたお菓子や果物、日用品などを「おすそわけ」として、支援団体を通じて生活困窮家庭に送っている。現在、全国で約1600の寺院と約500の支援団体が連携し、毎月約2万2千人の子供が、おすそわけを受け取っているという。
 NPOと町は昨年7月、ひとり親家庭を支援するための協定を締結し、おすそわけの活動支援のために、共同でCFを行うことになった。ふるさと納税型のCFで、ふるさとチョイスのサイトから寄付できる。問い合わせは町こども未来課(0744・33・9095)。

香芝市や大和高田市、広陵町でも 飲食店に午後8時まで

 新型コロナウイルス対策で県がまとめた「緊急対処措置」を受け、県内の自治体で飲食店に対し、営業時間短縮の要請をする動きが広がっている。30日は新たに香芝市、大和高田市、広陵町でも時短要請を行うことが分かった。
 香芝市と広陵町は5月1~11日、大和高田市は同2~11日で、いずれも午後8時までの時短営業を要請する。
 香芝市は、県の上乗せ分をあわせて、1日あたり2万円の協力金を支給予定。広陵町も県の上乗せ分をあわせて、1日あたり2万~6万円の協力金を支給する。香芝市の担当者は「他市と足並みをそろえなければ、人が流れてくる可能性もある」と説明。「市の財源は限られている。当初予定していた他の事業に影響が出る可能性もゼロではないだろう」と話した。
 大和高田市も県の上乗せ分をあわせて、1日あたり2万~6万円の協力金を支給する。担当者は「急な話だったので、準備などに時間がかかり、2日からになった」と説明した。

奈良時代の大安寺に迫る 上原真人氏の著書出版

 上原真人・京都大名誉教授が歴史講座で講義した内容をもとにした著書「奈良時代の大安寺ー資財帳の考古学的探究」が、東方出版から出版された。奈良時代の平城京で壮大な伽藍を誇った大安寺(奈良市)の実態に迫り、研究への問題提起ともなっている。
 「大安寺歴史講座」として平成28年に3回にわたり講義した内容に加筆して書籍化。6つのテーマで構成されている。
 「大安寺の基本財産となる仏像」では、仏像リストの修正私案を示し、天平年間の大安寺の仏像群について解説。さらに別の章では、僧、道慈が成した「改造大寺」について明らかにしているほか、膨大な資産が帰属する聖僧像や、食堂の位置も探っており、大安寺を知る上で興味深い一冊となっている。
 編者は河野良文・大安寺貫主。1980円。大安寺(0742・61・6312)や書店で販売中。

県内5市1町が時短要請 GW中 

ゴールデンウイーク(GW)が始まるのを前に、橿原、生駒、天理、大和郡山の各市と王寺町は飲食店に営業時間短縮の要請をする方針を決めた。すでに奈良市が25日から市内の飲食店に午後8時までの時短営業を要請しており、これで5市1町が時短要請することになる。県は27日、市町村が時短要請を出して協力金を支払う場合、同額を上乗せするとしており、各自治体は調整に追われている。
 生駒、天理、大和郡山の各市、王寺町の時短要請期間は5月1~11日、橿原市は5月2~11日で、いずれも午後8時までの時短営業を要請する。
 生駒市は、協力した店舗に、1日あたり県の上乗せ額を含めて2万~6万円の協力金を支給。申請は、市のホームページで5月12日~6月11日まで受け付ける。
 天理市も同様に1日あたり2万~6万円の協力金を支給する方針で、申請方法は4月30日にも市ホームページで公表予定。同市は「大阪などから飲食のみを目的とした来訪が多いとは考えられないが、市内在住者の感染事例では、飲食を介した感染が非常に多い」と要請理由を説明した。
 大和郡山市は、協力金の額は検討中。市によると、営業許可を受けた飲食店は市内に700~800店ほどあるといい、担当者は「急な発表だったので、GW期間中に間に合わせるため、走りながら検討を進める」としている。
 橿原市は1日あたり1万~3万円の協力金を支払う。これに県から同額の協力金が上乗せ支給されるという。申し込み方法など詳細は決定次第、市ホームページで周知する。王寺町も詳細を検討し今後発表する予定だ。

独自の「緊急対処措置」飲食店、商業施設への休業要請は実施せず

 ゴールデンウイーク(GW)が始まるのを前に、県は27日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、感染防止のため独自の緊急対処措置を策定、発表した。期間は4都府県に発令された緊急事態宣言に合わせ、5月11日まで。荒井正吾知事は「(感染拡大を)GWで抑え込みたい」と話した。ただ、大規模な休業要請は行わず、飲食店の営業時間短縮の要請については市町村に判断を任せる形となった。
 緊急対処措置は、大阪府などに発令されている緊急事態宣言の内容を受け、県の独自の対応を示したもの。酒類やカラオケ設備を提供する飲食店や大型商業施設への休業要請は、「県民生活に著しい支障を伴い不適合」とし、実施しないことを決めた。
 一方、飲食店への時短要請は「市町村が実施し、協力金を支払う場合、県が同額を上乗せして支援する」とした。
 これについて荒井知事は「市町村長のほうが、地元事情や時短の効果があるかどうか詳しい」とした上で、「大阪で飲めないから奈良に来るというのを防がないといけない。市町村から時短要請をしたいと言われれば、県も一緒に同額の負担をしたい」と述べた。
 県内では奈良市が市内の飲食店に対し、午後8時までの時短営業を要請しているが、他の市町村は独自の要請を出すには至っていない。
 担当者は「迅速に要請が出せるよう市町村と協議したい」と説明。複数の自治体から「早急に時短要請を出せるよう検討したい」と連絡があったという。
 また、県は感染防止対策を適切に実施する事業者を市町村とともに認証する制度を創設する。設備の導入の費用を支援する方向で詳細な中身を詰めるという。
 措置では、「県外からの来訪者が訪れる可能性の高い店舗、施設について感染予防の配慮をお願いしたい」と呼びかけている。
 一方、県民にはGWに大阪など感染者が多い地域には行かずに、県内で家族と過ごしてほしいと要請。「危機を乗り越えるために県民が一丸となって感染防止対策に取り組む必要がある。市町村と連携し、近隣府県からの不要不急の往来を防ぐ対策を実行したい」とした。
 措置の内容は、県のホームページに掲載している。
 GW後の県の対応について、荒井知事は「(4都府県への)緊急事態宣言が延長されれば、県の措置も同じように付き合いたい」とし、大阪府などの感染状況の動きと同調する考えを示した。

【バンビシャス通信】5年後にBリーグの大改革

プロバスケットボール「Bリーグ」のチェアマン、島田慎二氏が今月8日に来県し、バンビシャス奈良が練習場としている大和郡山市の体育館を訪問しました。面会したチームの選手やフロントスタッフらは、2026(令和8)年シーズンからの눌リーグの将来構想について説明を受けました。
 将来構想では、クラブの経営力向上を通じて、「バスケで日本を元気に」することを目指します。
 トップリーグ(現在のB1に相当)への参入には3つの条件が課せられるようになります。それは売上高12億円以上、入場者数平均4千人以上、VIPルームの設置など新設アリーナ基準を充足した「魅せるアリーナ」の確保です。
 参入審査は24年10月に予定されています。
 単年度の戦績によってトップリーグから降格させられることはなく、いわばファンの皆さんからの応援こそが底力になるといえます。
 バンビシャス奈良の課題として島田氏は「現在はコロナ禍ではありますが、アフターコロナ(感染収束後)を見据え、入場者数を増やしていくことがまずは重要」と話しています。
 将来構想について、チームの加藤真治社長は「これをチャンスととらえ、地域を巻き込んで、トップリーグ参入へ向けて取り組んでいきたい」と意欲を示しています。
                                 (バンビシャス奈良広報  和田真智子)

奈良市、25日から午後8時までの時短営業要請へ

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、奈良市は23日、市内の全ての飲食店に対し、今月25日から5月11日まで、午後8時までの営業時間短縮を要請した。要請に協力した店舗には、1日あたり1万~3万円の協力支援金を支給する。
 支援金の支払いは、感染拡大防止に取り組む飲食店に市が発行する「感染拡大防止宣言ステッカー」の取得が要件。支給額は、令和元年度の売上高が3千万円までの店舗が1日1万円、3千万円~1億円が同2万円、1億円超が同3万円となる。
 申し込みは、奈良市ホームページに設置する申請フォームから。5月12日~6月11日まで受け付ける。
 財源は国の臨時交付金を活用する方針。
 市によると、市内約3200の飲食店のうち約1400店が午後8時以降も営業しているとみられる。

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