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嘱託警察犬 指導者3人に感謝状 複数回出動で県警に貢献

 昨年、事件の捜査や行方不明者の捜索に複数回出動し、大きく貢献したとして県警は、嘱託警察犬の指導者3人に感謝状を贈呈した。
 感謝状を贈られたのは、関西ドッグスクール(斑鳩町)の三輪あつみさん(25)、京奈和ドッグスクール(大和郡山市)の大森弘士さん(36)、郡山警察犬訓練所(同)の武田格久さん(47)。
 昨年の嘱託警察犬の登録頭数は計30頭で、出動件数は計96件。そのうち、三輪さんは計16回、大森さんは計14回、武田さんは計12回出動した。また、武田さんは嘱託警察犬とともに昨年8月、行方不明になった大和郡山市の高齢男性を無事に発見した。
 この日は、3人が嘱託警察犬とともに贈呈式に出席。県警の中岡伸一刑事部長が「皆さまに心からの敬意と感謝を申し上げます」と述べ、感謝状を手渡した。3人は「感謝状をいただけてうれしい。これからも精進していきたい」と話した。

山添村長が引退を表明

山添村の森中利也村長(74)は4日、9月の任期満了で村長を退く意向を村議会の一般質問で示した。森中氏は前回村長選で初当選し1期目。引退は高齢が理由という。

御金魚帖 大和郡山市のやなぎまち商店街

 大和郡山市のやなぎまち商店街は、同市で養殖が盛んな金魚にあやかる御朱印帖ならぬ「御金魚帖」を制作した。スタンプ集めをきっかけに買い物客も増やしたい考えだ。
 御金魚帖は薄い水色と赤色が表紙の2種類で、B5版サイズ、40㌻。組合に加盟する33店舗には店舗をイメージしたオリジナル御金魚印が置かれる。
 学生服を手掛ける「イトブン」の印は、学生服に身を包んだ生徒が商店街を闊歩する様子を見守る金魚の姿、レストランの「彩食キッチンBonやなぎ店」はナイフとフォークを持つ金魚が描かれている。他店のものも碁石を眺める金魚や、掃除をする金魚、桶で入浴を楽しむ金魚など、すべて金魚づくし。御金魚印は関西在住のイラストレーター14人が手掛けた。
 北谷光徳・郡山柳町商店街協同組合理事長は「御金魚帖を片手にぜひ郡山に遊びに来てもらいたい。街歩きの楽しみにしてもらえればうれしい」と話す。
 同商店街の加盟店舗のほか、市観光協会や藍染体験施設「箱本館紺屋」などで残り4千部を8日以降に無料配布する。

喜光寺 行基創建、今年で1300年 

 奈良時代の都・平城京には多くの寺院が建てられた。当時、「菅原寺」と呼ばれ今年で創建1300年となる喜光寺(奈良市、法相宗)もその一つ。民衆に仏教を説き、「菩薩」と崇められた僧、行基の活動拠点である。
 奈良と大阪方面を結ぶ道路の北側に位置し、都の中枢だった平城宮跡に近い。ここは奈良時代、「右京三条三坊」という住所で、行基が養老5(721)年に創建したと伝えられる。
 平城遷都1300年の平成22年に復興された柱の朱色も鮮やかな南大門をくぐり境内へ入ると、青空を背に堂々とした本堂(重文、平安時代)が目に飛び込んできた。重層の造りで、風格がある。それもそのはず、室町時代の再建だがもとは行基が東大寺造営の参考にしたという伝承があり、「試みの大仏殿」とも呼ばれる。当初の本尊は不明だが、現在は阿弥陀如来坐像(重文)が安置されている。
 住職で薬師寺長老の山田法胤師が「この寺が建てられたのは行基さんが50代で脂が乗り切ったころ。京の中心近くにあり、活動の拠点にされた」と説明してくれる。
 平城京の時代は災害が相次ぎ、疫病も流行。重い労役も課せられた民衆は苦しんだ。そんな世の中に登場したのが行基だった。
 現在の堺市で生まれた行基は修行を経て、民間布教を行うとともに技術者らを率いて各地で寺院や橋、池などを次々と整備していった。続日本紀によると、行基が現れるのを聞くと大勢の人が集まったといい、民衆に慕われたことがうかがえる。
 「行基さんは大衆的なところが魅力。偉さを意識せず、民衆と一緒になって、いい国を造ろうと呼びかけた」と山田師は語る。
 当初、行基の活動は糾弾されたが、やがて国は方針を転換。聖武天皇が大仏造立の詔を発布すると、70代の行基は勧進役に抜擢された。行基は大仏造立に尽くしたが、大仏開眼供養会を見ることなく、80歳余りで喜光寺で亡くなったという。
 境内の小さなお堂にはそんな行基のお像が祭られており、今も多くの人に礼拝されている。この寺を訪れると1300年前、救いを求める民衆に手を差しのべ仏の教えを説いた行基さんの姿が目に浮かぶようだ。
                                               (岩口利一)

「大和な雛まつり」昭和初期のひな人形も

 早春の城下町を彩る「大和な雛まつり」が大和郡山市の旧市街地で始まった。寺社や民家など約90カ所にひな人形を展示するイベントで、各所で飾り付けが行われている。
 主催は大和郡山市商工会と市観光協会。近鉄郡山駅からJR郡山駅周辺を会場とし、観光名所になっている旧遊郭の建物「町家物語館」には昭和初期のひな人形が飾られている。
 新型コロナウイルス感染防止のため例年、開催していたコンサートは中止。展示場所も昨年より30カ所減っているが、同館で飾り付けをした小山昌子さん()は「コロナで(気分が)沈んでいる世の中の癒しになってもらえたら」と話した。
 藍染め商の町家を再生した箱本館紺屋には、つるし雛や、金魚が泳ぐ水槽を並べたひな檀を展示。商業施設「アスモ大和郡山」では、市内の幼稚園や保育所、こども園の園児たちが作成した手作りひな人形もお目見えする。


 3月7日まで。問い合わせは市商工会(0743・53・5955)。

高裁も奈良市側に賠償請求 火葬場建設訴訟 

奈良市が横井町の山林で建設中の火葬場「新斎苑」をめぐり、不当に高い価格で用地を買収したのは地方自治法に違反するとして、市民75人が市側に約1億6772万円の損害賠償を仲川げん市長らに請求するよう求めた住民訴訟の控訴審判決が2月日、大阪高裁であった。木納敏和裁判長は、市側に仲川市長と地権者2人に計約1億1643万円を請求するよう命じた。
 判決によると、奈良市は産業廃棄物があると判明した同市内の土地を約1億6772万円で購入することで地権者と合意し、平成年に支払った。
 木納裁判長は判決理由で、不動産鑑定によって示された用地の評価額は約5129万円であり、「(購入額は)著しく不均衡な価格で、市長に裁量権の逸脱があった」と指摘。1審奈良地裁判決では、仲川市長のみに損害賠償が命じられたが、地権者2人についても「市場では売却自体が困難な物件であると認識していた」と違法性を認めた。
 一方、1審判決では、購入した土地は産業廃棄物の撤去費用として約1億4300万円が必要で「実質的に無価値」とし、全額請求するよう命じたが、木納裁判長は、購入額から評価額を差し引いた額の賠償義務があるとして減額した。
 判決後、大阪市内で会見した原告団の山下真弁護士は「撤去費用を引いた価格で売るのが常識であり、今回の判決には不満が残る」と非難した。
 新斎苑建設をめぐって市は平成30年2月に地権者と土地売買仮契約を結び、市議会も賛成多数で契約に同意。元大阪府職員で原告団代表の厚井弘志さんは「鑑定価格を基準に購入するのは役人や議員にとって常識中の常識。違法行為にお墨付きを与えた議会の責任も問われる」と話した。
 判決について、仲川市長は「主張が認められず残念。判決内容を精査し、対応を検討する」とコメントした。

奈良市長選に市議が出馬表明

奈良市議の柿本元気氏(41)は25日、任期満了(7月30日)に伴う奈良市長選に無所属で立候補する意向を明らかにした。現職で3期目の仲川げん氏(44)は態度を明らかにしておらず、同市長選への出馬表明は柿本氏が初めて。
 同市役所で会見した柿本氏は「現市長のワンマン体制により、職員のモチベーションが著しく低下している。彼らの専門性や熱意を市民のために注ぎ込む行政運営を行いたい」と語った。
 また、老朽化が長年の懸案となっているクリーンセンターや道路インフラの整備を早急に進める必要があると主張。最優先で着手する考えを示した。
 柿本氏は大阪教育大卒。平成17年に市議に初当選し現在3期目。昨年11月に立憲民主党県連の幹事長代理に就任したが、すでに離党したという。

コロナ退散など願う「厄除鬼」 インターネットなどで販売

障害者らの芸術活動を支援する「たんぽぽの家アートセンターHANA」(奈良市)が、鬼をかたどった土鈴「厄除鬼」をインターネットで販売している。
 厄除鬼は、毎年アートセンターのメンバーらが手作り。例年は節分の時期に合わせ、東大寺(奈良市)や元興寺(同)などでメンバーが直接販売しているが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となった。
 このため、今年は約15人で1年かけて約2千個を製作し、直接販売ではなく、主にインターネットで販売することに。全8色で、大(約9㌢)と小(同7㌢)があり、1100円~1980円。インターネットでは「GOOD JOB STORE」から購入できる。
 アートセンターの寺田明弘さんは「コロナ退散のほかにもいろいろな厄をはらえるよう、メンバーが心を込めて作った。ぜひ手に取ってほしい」と話している。問い合わせはアートセンター(0742・43・7055)。

映画「すくってごらん」公開記念 大和郡山で金魚すくい大会

金魚のまちとして知られる大和郡山市を舞台にした漫画「すくってごらん」が映画化され、3月12日から全国公開されるのを記念して、同市のイオンモール大和郡山で金魚すくい大会が3月13、14の両日開催される。正午から午後4時まで。当日受付で、参加費は無料。
 「すくってごらん」は、大谷紀子さんが原作を手がけ、講談社の漫画雑誌に掲載され、単行本にもなっている。映画はシネマサンシャイン大和郡山などで上映される。
 大会の問い合わせは、こちくや金魚すくい道場(0743・55・7770)

イチゴ尽くしの名物パフェ販売、平群町の道の駅

平群町の「道の駅大和路へぐり くまがしステーション」内のレストラン「hanana」で、県産イチゴ「古都華」をふんだんに使用した名物パフェが、数量限定の完全予約制で販売されている。平成28年からの販売以来、毎年好評で、インスタ映えするスイーツとしても話題だ。4月4日まで。
 高さ約30㌢のパフェには、糖度が高く濃厚な味の古都華が20粒以上使用されている。今回はパフェの中身に古都華を使ったムースやゼリーも加わった。
 予約は、同道の駅の「フェイスブック」または、チラシにあるQRコードで。新型コロナウイルスの感染予防対策として、シェアは2人まで。価格は1980円。
 同道の駅の中山悟所長は「コロナ対策として、レストラン内の全てのテーブルにアクリル板を設置するなど、安心安全に食べて頂けるので、ぜひお越しください」と話している。
 問い合わせは、同道の駅(0745・45・8511)。

中古ランドセルを再生、新1年生の家庭にプレゼント

家庭に眠る中古ランドセルを集めて再生し、新小学1年生にプレゼントする「ランドセルバンク」と呼ばれる活動が県内で始まった。中心役を担っているのは奈良市のランドセル店経営、木下修平さん(41)で、「新型コロナウイルス感染の影響で、経済的に厳しくなった家庭にも届けたい」と意気込む。現在、寄付されたランドセルのクリーニング作業などを行っている。
 今月8日早朝、奈良市高畑町の飛鳥中学校の生徒たちが、小学生時代に使っていたランドセルを手に登校。校内に設置された寄付の受付のコーナーに持ち寄った。同校OBの木下さんが参加する地域交流会「桜クラブ」の協力を得て、飛鳥中の保護者らに寄付を呼びかけたところ、あわせて個が集まったという。
 その後、活動に関心を持つ人からも寄せられ、目標数としていた100個をほぼ達成。現在、木下さんが経営する「ランドセルの木ノ下」(同市古市町)で修理に入っている。
 給食袋などをひっかける金具の傷みを確認。背中部分や内側の細かな汚れは、重曹などを配合した洗剤でふき取り、糸のほつれは千枚通しで押し込む。肩ベルトは蒸気をあててまっすぐに矯正。1個をきれいに仕上げるまで30~40分ほどかける。
 木下さんは「ランドセルには使っていたお子さんはもとより、家族のさまざまな思いが詰まっている。その物語をランドセルとともに新1年生に思いを引き継いでもらえたら」と話す。
 ランドセルは、新品だと数万円の製品も珍しくない。福井県の同業者がランドセルや制服を再利用する活動をしているのを知って、コロナ禍で収入が苦しくなった家庭などに「自分も仕事を通じて、助けになれば」との思いから始めた。
 生駒市の主婦、田崎勝代さん(54)は、大学生の長女が使っていたセミオーダーの赤いランドセルを寄付した。「7年前に100歳で亡くなったひいおばあちゃんが贈ってくれたもの。少しでも役に立てればうれしいです」と話した。
 ランドセルバンクでは、現在、譲渡を受けたい希望者を募集中。4月に小学校に入学する新1年生のいる家庭が対象で、3月に「ランドセルの木ノ下」の店頭で手渡す。
 問い合わせは同店(0742・31・6997、火水は休み)。

一般会計当初予算案 前年度比4・3%減

県は19日、総額5366億6200万円の令和3年度一般会計当初予算案を発表した。当初予算との比較では前年度比4・3%減で、知事選のために骨格予算だけを組んだ平成31年度を除けば、29年度以来の減少。新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気低迷を背景に県税などの税収は落ち込んだ。コロナ対策に重点を置きつつ、観光施策や防災対策に予算を手厚く配分する方針。日に開会する2月定例会に提案する。
■歳入
 歳入全体の約3分の1を占め、県の主要な財源である「県税」「地方消費税清算金」「地方譲与税」は、新型コロナの影響でいずれも前年度から減少。個人や法人の収入減などにより、これら3つの税収合計は、136億円減の1878億円となる見込み。税収の落ち込みに伴い、国から分配される地方交付税と、国が返済を肩代わりする臨時財政対策債の合計額は202億円増の1952億円となった。
■歳出
 人件費は職員の退職数の減少などにより38億円減の1444億円。公共事業などハード面の整備に充てる投資的経費は、防災と経済活性化事業に充てるため841億円を計上した。県立高校の耐震化整備を前年度より22億円増やした。一般施策経費のうち、社会保障関係経費は17億円、コロナ禍にある中小企業への支援のための補助費などは142億円増加した。
■県の財政
 県の「借金」にあたる県債残高は、令和3年度末で11億円増の9914億円となる見込み。県税収入などの減少により、臨時財政対策債が増額したことが主な要因。国からの交付税措置がない県が自己負担で返済する借金は4億円減の3655億円で、2年ぶりの減少となった。貯金にあたる財政調整基金から30億円を取り崩す。3年度末の財政調整基金残高は169億円となる見込み。
     ◇
 県は総額571億400万円の令和2年度2月補正予算案も19日発表した。このうち、新型コロナウイルス対策費は371億9100万円。

3機関の収蔵品で天理の古墳紹介 天理参考館

 初期ヤマト政権の大王や有力者が眠るオオヤマト古墳群(桜井市、天理市)のうち、天理市域の古墳を約460点の出土品で紹介する「天理山の辺の古墳2021」展が、同市守目堂町の天理大学付属天理参考館で開かれている。3月15日まで。天理参考館と、3月末まで休館中の橿原考古学研究所付属博物館、天理市教育委員会の3機関から、えりすぐりの収蔵品を集めた。
 会場では古墳時代前期の前方後円墳、黒塚古墳で発見された重要文化財・三角縁神獣鏡33面のうち5面を展示。同時期の前方後方墳で装飾品埋葬の初期例とされる下池山古墳の勾玉やガラス小玉などの貴重な遺物も並ぶほか、開発で消滅した荒蒔古墳(古墳時代後期)出土の埴輪は馬や家など多彩で見ごたえがある。
 天理参考館の藤原郁代学芸員は「紹介している古墳群はハイキングコースでもある山の辺の道沿いにあり、この地にしかないものに改めて気づいてもらえたら」と話す。
 火曜休館。ただし今月23日は開館し翌日休み。入館料は大人500円。問い合わせは天理参考館(0743・63・8414)。

高校生が弥生時代の人物画を研究 橿原高校と橿原市博が連携展

高校生が約2千年前の弥生時代の人物画を研究し、その成果を紹介する企画展「弥生ARTを科学する」が歴史に憩う橿原市博物館(同市)で開かれている。県立橿原高校と同館の連携イベント。デフォルメされた絵に隠された弥生人の思いに迫っている。6月20日まで。
 研究したのは考古学研究部の2年、高田朱桜さん(17)▽同、黒仁田愛香さん(17)▽1年、小澤亮太さん(16)▽同、中井知世さん(16)▽同、竹中美咲希さん(16)。
 5人は坪井遺跡(橿原市)と唐古・鍵遺跡、清水風遺跡(いずれも田原本町)の3遺跡で出土した13点の絵画土器を約半年間研究。
 絵画土器に描かれているシャーマンなどの人物画について、頭や腕、脚、肩幅などの長さを比較したり、顔や腕の上げ下げの動作、服の模様の表現方法などを細かく分析したりした。
 その結果、大切な部分ほど大きくし、そうでない部分は簡単に描くデフォルメを行い、絵がパターン化していることが判明。「バランスは悪いものの、作者の考えを他の人に伝えるための工夫がある。その点では『絵が上手』といえる」と指摘している。
 展示では、パネルなど約30点で研究過程を紹介。分析に使われた絵画土器も並べている。
 黒仁田さんは「弥生時代の人物画を深く学ぶことができた。知識が広がり、楽しかった」。高田さんは「シャーマンと考えられる人は大きく描かれ、崇められる存在だったと思う。弥生の人物画は見て楽しく、この企画展も多くの人に見ていただきたい」と話している。
 同館は「独自の視点で観察・分析しており、高校生の熱意を感じてほしい」としている。

県内市町村職員の給与水準 10市が全国平均上回る

県は令和2年度の市町村職員の給与水準などを発表した。国家公務員の給与水準を100としたときの市町村職員の給与水準を示す「ラスパイレス指数」は、県内12市平均が98・8、27町村平均が94・4で、前年に続きいずれも全国平均を下回った。
 県によると、ラスパイレス指数が全国の市町村平均を上回ったのは、生駒市100・6▽桜井市100・5▽香芝市100・5▽橿原市100・1▽天理市100など10市町。県内最低は河合町の88・6で、全国の1741市町村では番目に低かった。天川村は89・4で番目、下北山村は90・6で46番目、野迫川村90・7で49番目と県南部の自治体が続いた。
 前年度との比較では、奈良市が1・6㌽、下市町が1・5㌽、三宅町が1・3㌽と大きく増加。一方で、五條市と高取町がマイナス1・6㌽、東吉野村がマイナス1・4㌽と減少が大きかった。
 県内の市町村職員数は、1万2714人で、2年ぶりに増加。ピークだった平成8年からは4701人減少し、およそ4分の3になっている。
 規模が同程度の自治体の全国平均と比較すると、公立保育所の職員などが所属する民生部門や、清掃業にかかわる衛生部門などの職員数が多かった。一方で議会・総務・税務や農林水産などの分野では少ない傾向にあった。

天理市 ワインとラスクのコラボ、ふるさと納税返礼品に

天理市は、耕作放棄地だった畑で栽培したブドウを使用したスパークリングワインと、地元の企業、大学生が共同開発したラスクを組み合わせたコラボ商品を、ふるさと納税の返礼品に加えた。寄付額2万3千円以上で贈られる。市は収入の確保と地域の魅力発信につながる、ふるさと納税の効果に着目して、ユニークな返礼品の考案に力を入れている。
 昨年12月半ばに返礼品に登場した「ワイン×ラスク」の組み合わせは、同市では初めてのコラボ品となる。
 ワインは「山野辺ペティアン2019」(750㍉㍑)というラベルで、化学肥料や除草剤なども使わず栽培した天理市産ブドウを原料にした。
 木谷ワイン(香芝市)の醸造家、木谷一登さん(31)が、30年以上手つかずになっていた天理市内のブドウ畑を借り、デラウェアの苗木を植えるところからスタート。令和元年に収穫し醸造、出荷にこぎつけた。木谷さんは「決してブドウ作りに適している風土とはいえない市だが、歴史のある産地。県外企業に委託している醸造も将来は市内で手掛けたい」と意気込む。
 一方、ラスクは、ワインとの風味の相性のよさを研究した「麩ろったん」という商品。名前の由来はフランス語の「浮かぶ」を意味し、麩のふわりとした食感、低カロリーが特徴という。「金ごぼう×スモーク塩」(15㌘)、「チーズ×ブラックペッパー」(15㌘)、「こがしバター×アールグレイ×くるみ」(22㌘)の3種類入りで、地元の麩製造会社、千葉製麩商店の社内企業「ふよこファクトリー」と天理大学の学生が連携して開発した。
 同市産業振興課は「ストーリー性のある返礼品なので、興味を持ってもらえるはず。魅力的な返礼品を出品し、市のアピールも兼ねたい」としている。
 天理市へのふるさと納税を含む寄付金額は、令和元年度で約1億1454万8千円と前年度の3倍に増加。ふるさと納税のポータルサイトを2つ増やしたことで窓口が広がった。寄付件数は9191件。
 最近では、市産の「レモンの苗木」、刀鍛冶が制作した「ペーパーナイフ」といった特産品も採用。「農産物をはじめ、返礼品はここ数年で年間10品目は増えている」(同課)という。

新旧交代進み、市長派が過半数に迫る 橿原市議選

橿原市議選(定数)は7日投開票され、深夜に新議員が決まった。現職5人が落選する一方で新人7人が高得票で当選を決め、新旧交代が進んだ。亀田忠彦市長を支持する自民・公明などの市長派は11人が当選。過半数獲得はならなかったが、反市長派の9人を上回り、少数与党から脱却した。市議会で主導権を握るとみられる。
 党派別の当選者は自民7人、公明4人、立憲民主2人、日本維新の会2人、共産1人、無所属7人。
 9人を公認した自民は、田野瀬太道・衆院議員(奈良3区)の離党の影響が心配されたが、7人が当選を決め、推薦した無所属新人を加えると8人で、市議会での勢力をほぼ維持した。
 公明は立候補した4人全員が当選を飾り、組織基盤の強さを示した。立憲と維新もそれぞれ立候補した2人が着実に議席を確保。しかし、3人を擁立した共産は1人の当選にとどまり、議席を減らした。    
 一方、選挙前に9人の少数与党だった市長派は現職1人が落選したものの、新人の当選によって2人増えて11人に勢力を伸ばした。
 自民は市長派と反市長派に分裂しているが、亀田市政に是々非々の立場を取る維新の協力が得られれば過半数となり、重要議案の可決も可能になる。
 亀田市長は維新の協力を得ながら市政運営を進めることになるとみられ、維新が市政のキャスティングボートを握ることになりそうだ。
 市議選でも争点となった県立橿原公苑と橿原運動公園の交換による国体メイン会場整備は市議会の承認が必要だが、昨年末、県が市に示した整備案が承認される可能性も出てきた。
 結果を受け亀田市長は「維新とは話し合いができる。価値観を共有し、連携していきたい。多くの新人が当選しており、これから建設的な議論を行うことも楽しみで、期待している」と話した。

王寺工業高生が「令和七支刀」を製作 天理市に寄贈

県立王寺工業高校(王寺町)は、石上神宮(天理市)に伝わる古代の鉄剣で国宝の「七支刀」を真鍮で再現した「令和七支刀」を天理市へ寄贈した。
 七支刀は、左右段違いに3本ずつの枝刃がある特徴的な形をした刀。4世紀に百済王が自国で製作し、倭王に贈ったとされる。
 昨年同校機械工学科を卒業した6人が製作。高熱で溶かした金属を型に流し込み加工するといった鋳造法を学ぶ授業の一環として平成年4月から着手し、1年間かけて完成させた。
 「レプリカも少なく成功したらすごいんじゃないか」と気軽に始めたものの、設計図を作ることから、困難を極めたという。猛暑の夏に、千度を超える溶かした金属を木枠に流し込む作業も。
 今月1日、天理市に寄贈に訪れたのは昨年同校を卒業した、和歌山市の会社員、天野己太郎さん(18)と、橿原市の会社員、和田浩生さん(18)。天野さんは「僕らが卒業して限られた人しか見られないでいるより、いろんな人の目に触れてみてもらいたい」と話した。天理市は「人の目が触れる市役所の玄関に飾りたい」としている。

トイレドアの開閉で高齢者見守り 高取町 

 高取町は、1人暮らしの高齢者の孤独死を防ごうと、トイレのドアの開閉が24時間なかった場合、ガードマンが駆け付ける見守りシステムの導入を決めた。大手警備会社・綜合警備保障(東京)のシステムで、全国の自治体で導入が進んでいる。
 システムは、トイレのドアに開閉を察知するセンサーを取り付け、24時間反応がなかった時は、警備会社に異常を通知。橿原市などの待機場所からガードマンが駆け付け、安否を確認するという仕組み。
 設置対象は町内の75歳以上の1人暮らしの高齢者宅など約160世帯。希望を聞いて無料で機器を設置する計画で、すでに1月20日から設置作業が始まっている。
 機器が設置されれば、室内温度が高くなれば音声で注意を促す熱中症対策や、健康相談のサービスなども受けられる。
 中川裕介町長は「町の高齢化率は約40%。安全・安心を提供し、高齢者が健やかに暮らせるように取り組みたい」としている。

70代以上の感染者全体の15% 死亡率7・4%

 1月22日までの過去1年間に県内で確認された感染者約2800人のうち、70代以上は434人(約15%)に上る。死者は32人で、すべて70代以上だった。高齢者は重症化しやすい結果が如実に表れており、県は「家族を守るためにも家庭内で感染を広げないよう注意してほしい」としている。
 県のまとめによると、昨年7~10月の感染者は20代の若者が35%を占めるなど、現役世代の感染が多い傾向にあった。ところが同11月以降、高齢者の感染が増加し始め、年末から年始にかけて介護施設などでクラスター(感染者集団)が頻発したことなどもあり、感染者に世代差がなくなりつつある状況になって
 また、過去1年間で重症となった人(死亡含む)は90人で、70代以上は4分の3と大多数を占めている。 県内での2次感染の約半数は家庭内で起きていることから、県は感染リスクが高い場所に立ち寄った際は、帰宅後すぐに着替えたりシャワーを浴びたりするほか、食事や寝室は家族と別々にしたりするなど対策の徹底を県民に呼びかけている。

入院・入所を29人が拒否 介護や子育て、ペットの世話

荒井正吾知事は2日、栃木県以外で緊急事態宣言が延長されたことを受け、引き続き、感染リスクが高い地域への往来自粛を呼びかけた。県は感染対策として感染者に医療機関への入院や宿泊療養施設に入所してもらう方針を示している。だが、昨年1月から1年間の県内の感染者約2800人のうち、入院や入所を拒否し、そのまま治癒したとして退院基準を満たした人は29人に上るという。
 県は、感染判明から原則2日以内に入院・入所できるよう調整している。しかし、県によると、「片付けなければならない仕事がある」、「子供の面倒を見られる人がいない」、「ペットの預け先がない」といった理由で拒否をするケースもみられるという。
 ほとんどのケースでは、保健所の説得や調整によって数日遅れて入院するが、29人は了解を得られないまま厚生労働省が定める「発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過」などの退院基準を満たした。中には音信不通となり、安否確認のために保健所の職員が自宅を訪問した例もあったという。
 拒否は県内で感染が再拡大した昨年11月以降に増加したが、現在は減少している。県の担当者は「保健所が事情を聞いて個別に対応するしかない」としている。

課題共有し、円滑に接種 県がワクチン推進室設置

県は1日、新型コロナウイルスのワクチン接種を円滑に進めるため、県疾病対策課内に8人体制の「ワクチン接種推進班」を設置した。班を統括する鶴田真也・医療政策局長は「ワクチン接種を望まれている県民の方にしっかり届くよう、医療関係者、市町村と協力しながら体制確保に努めたい」と語った。
 この日午前9時から業務を開始した推進班は、ワクチン接種の準備作業や市町村などからの電話対応にあたった。市町村からは、接種会場や医療従事者の確保など接種実務についてさまざまな問い合わせが寄せられているという。
 鶴田局長は「接種時に医療関係者がどう役割分担し、効率的に接種できるかがポイント」とし、近日中に各市町村への聞き取り調査を行い、支援体制を整える。医療資源の乏しい地域の連携の調整にもあたる方針。
 鶴田局長は「南部地域と、奈良市など人口が多い地域では抱える課題がちがう。課題を共有し、解決策を一緒に考えていきたい」と語った。

新型コロナ対策 オンラインで結婚式や披露宴 婚礼料理配送も

新型コロナウイルスの影響で冠婚葬祭の簡素化が目立つ中、オンライン上で結婚式や披露宴を開く動きが県内でも出てきた。全国で結婚式場関連施設を運営するディライト(奈良市)は、オンラインで招待したゲストに婚礼料理を配送するサービスを始めた。
 同社の「オンライン結婚式」は挙式、披露宴とも提供が可能。全国カ所ある施設から式場を選び、新郎新婦と限られた親族だけで挙式を行う。その様子はインターネットを通じてライブ配信。さらにズームアプリを使って、新郎新婦と招待客が双方向でやり取りできるプランも用意した。
 同社の総料理長が監修した婚礼用の魚介テリーヌやフォアグラのソテーが入ったフランス料理を二段の折り詰め弁当にして披露宴の前日に発送、遠隔地の招待客に届ける。
 昨年秋、奈良市のヒルトップテラス奈良で挙式・披露宴を行った吉田勇樹さん(31)、育子さん(30)夫婦。式場の出席は親族14人のみだったが、同社のプランで友人や同僚人に参加してもらった。
 勇樹さんは「乾杯の音頭のみ、飲み物を用意してもらい、マイクで会話しながらお祝いの言葉をいただきました」と話す。
 海外からも出席してもらえたほか、幼い子供のいる友人からも「気兼ねなく式に参加できた」と好評だった。
 広報担当者によると、これまで招待をためらっていた高齢者や遠隔地に住む知人に出席を呼びかけやすくなってきたという。
 同社では、ライブ配信は挙式のみ14万円~、披露宴とのセットは18万円~。双方向のやりとりが可能なプランは30万円。婚礼料理は一食1万3千円(配送料別途、北海道、沖縄、青森、秋田は除く)に設定した。いずれも税・サービス料別。

昨年1年間の交通事故死者数 過去最少の25人

昨年1年間に県内で発生した交通事故による死者数は前年比9人減の25人で、統計の残る昭和22年以降で最少となったことが県警のまとめでわかった。
 県警交通企画課によると、昨年発生した人身事故は2790件(前年比538件減)で、前年から約16%減少。負傷者は3441人(同704人減)となり、約17%減った。
 新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛などで、交通量が減少したことなどが原因とみられるという。
 死亡事故の類型は、車両単独13人(同1人増)、車両相互6人(同6人減)、人対車両6人(同4人減)。また、自転車乗車中の死者は6人(同2人増)で、うち5人が水路への転落事故だった。
 交通事故による死者25人のうち、65歳以上の高齢者は19人で、76%を占めた。道路横断中に交通事故に遭うケースが多く、同課の担当者は「高齢者の交通事故は重傷、死亡事故につながりやすい。反射材などを活用し、事故に遭わないように気を付けてほしい」と話す。
 県警は今年、「マナーアップ大和路2021」を実施しており、反射材、前照灯の活用のほか、飲酒運転防止や横断歩道の歩行者優先、自転車の安全運転を呼びかけている。

天川村で仕事して無料宿泊 旅人募集

旅人が滞在中に地域の仕事を行うことで無料で宿泊できる「TENJIKU」(テンジク)と銘打ったサービスを展開するSAGOJO(サゴジョー、東京)が、「TENJIKU天川村」の参加者(旅人)を募集している。
 天川村川合のゲストハウス「POSTINN」に2~5泊し、地域の仕事をしながら交流を楽しんでもらう。
 TENJIKUは令和元年夏、吉野町と京都府京丹後市、山口県下関市、和歌山県田辺市の4カ所でスタート。仕事内容は決まっておらず、農業の手伝いやSNSを使った地域の魅力発信などさまざまだ。
 TENJIKU天川村は県が委託。県奥大和移住・交流推進室は「関係人口を創出し、奥大和地域への移住・起業につなげてほしい」と期待している。
 滞在可能期間は3月15日まで。参加希望者は、SAGOJOのホームページでユーザー登録後、募集画面から応募。SAGOJOと利用可能日を調整し、日程を確定する。

文化財防火デー 法隆寺で法要、訓練は新型コロナで縮小 

「文化財防火デー」の26日、世界遺産・法隆寺(斑鳩町)で、金堂壁画の焼損自粛法要と防火訓練が行われた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で訓練は縮小されたが、僧侶や消防団員らは貴重な文化財を守る決意を新たにしていた。
 この日は、金堂や焼け残った金堂壁画(重文)が収められている収蔵庫の入り口で法要が営まれた後、屋根にある装置から放水した。例年、伽藍前で行う大規模な放水訓練は中止した。
 法隆寺の古谷正覚住職は「コロナ禍だが法要、訓練が無事にできてありがたい。地元の皆さまの協力を得ながら文化財を守っていきたい」と話した。
 昭和24年1月26日、法隆寺金堂から出火し、壁画が焼損。これをきっかけに翌年に文化財保護法、30年には文化財防火デーが定められた。

プラスチック製の「近大マスク」、大和高田市へ寄贈

 近畿大学理工学部の西籔和明教授らが、大学の新型コロナウイルス感染対策のプロジェクトとして開発したプラスチック製のマウスシールド「近大マスク」を120個、大和高田市に寄贈した。
 近大マスクは、口元や鼻を覆う部分や、耳にかける眼鏡のつるの部分が柔らかく、装着位置の調整が可能。体育会の部員らに試験的に装着してもらい、息苦しくないような工夫も取り入れた。製造は大阪府東大阪市の町工場が協力。2月から小売店でも販売される予定だという。
 大和高田市出身で、在住者でもある西籔教授は、「生まれ育った大和高田市はものづくりの町。近大マスクをきっかけに、コロナ対策商品がこの町からもぜひ生まれてほしい」と期待を込めた。
 堀内大造市長は「手話通訳など口元が見える重要な現場で使いたい。表情が見えるため保育士などに付けてもらえると、子供たちも安心しそうだ」と話していた。

【ならノート】リノベーションで街づくり 大和郡山で始動

 空き家や使われていない店舗などを再生するリノベーションを主軸にしたまちづくりが大和郡山市内で始まった。同市のサポートを受けて設立された「大和郡山まちづくり株式会社」が今月上旬、第1号物件の改修に着手した。新型コロナウイルス感染拡大を背景に、職場の地方回帰も強まる傾向にある。市は休眠中の資産を呼び覚まし、有効活用していく方針だ。
                                     

改修中の家屋

             (木村郁子)
 近鉄郡山駅から徒歩数分のところにある木造2階建ての棟続きの2軒の古家。そこが同社がリノベーションを手掛けることになった最初の物件だ。
 戦後すぐの建物で、それぞれ生花店、新聞販売店を営んでいたが、今は空き家になっている。大和郡山市から会社を紹介されたオーナーが「市の活性化に役立つなら」と快く改修に応じた。
 計画では、2階はインターネットを備えたコワーキングスペース(共同作業場)と事務所に改修。1階はスパイスカレー店などの飲食店スペースにする。5月の開業を目指し、内部の解体作業に入った。
 新型コロナの影響により、会社に行かずに働くリモートワークが拡大。オフィスの地方分散の動きも出ている。
 同社代表取締役で建築士の村田直子さん(38)は「大和郡山市は大阪や京都に近く、城や商いの町として歴史のたたずまいがある。まちの雰囲気を感じながら働く場としての魅力も大きい」と話す。
 リノベーションでは、壁の合板を外して土壁にしっくいを施すなど、もともとの建物のよさをいかすようにする工法を取り入れる。
 今後さらに旧城下町の2つの物件の再生を請け負う予定という。
 「大和郡山まちづくり株式会社」の設立のきっかけは、大和郡山市が1年前に開催した勉強会「リノベーションスクール@大和郡山」だった。
 そこで知り合った村田さんら参加者3人が計300万円を出資して会社を設立した。村田さんのほか、自家製米や古代米を扱うカフェの管理栄養士、奈良市のゲストハウス経営者、京都府南山城村の臨時職員、奈良女子大の学生ら8人が社員として働く。
 大和郡山市がリノベーションによるまちづくりに力を入れているのは、町並みや歴史・文化の保存につながるメリットがあるからだ。伝統的な建物の姿が失われていくことに歯止めをかける狙いがある。
 同市は昨年1月以降、定期的にまちづくりの講演会を開催。各地から専門家を招き、知恵を集めている。
 江戸時代後期から昭和初期の町家が今も残る郡山箱本十三町と呼ばれるエリア。県建築士会郡山支部の調査では約10年前に約300軒あった町家づくりの建物は老朽化から次々と取り壊され、駐車場や新築物件に変わりつつある。
 そこで同支部は、ITに詳しい市内の民間団体の協力を得て、建物にスマートフォンをかざすだけで構造や建設時期の説明文が読めるアプリを開発中だ。
 この機能を使ったまち歩き体験を企画しており、同支部の折目貴司さん(50)は「街並みに残る歴史的建物を知ってもらうことが、所有者と利用者、住民が一緒に建物の利活用を考える場となってほしい」と話す。
 大和郡山まちづくり株式会社は、事業内容を市民に周知する「大和郡山未来会議」を開く予定で、市民の共感を広げたい考えだ。

刀剣に込めた病魔退散の祈り 春日大社国宝殿で特別展

 刀剣などに込められた病魔退散の祈りを伝える冬季特別展「日本の名刀と武具刀剣の歴史と病魔退散の祈り」が、春日大社(奈良市)の国宝殿で開かれている。刀剣や弓矢など国宝・重要文化財含め計約40件を展示。4月4日(前期2月7日)まで。
 新型コロナウイルス感染拡大の収束が見えない今、刀剣の歴史をたどりながら資料をもとに刀剣や弓矢に込められた人々の願いを知ってもらうため企画された。
 展示品のうち、重文の「三鈷柄籐巻剣」は刀身は平安時代後期、拵は鎌倉時代のもの。邪悪な力を打ち砕く利剣として信仰され、御殿に納められたらしい。春日大社の霊験を描いた絵巻「春日権現験記」では興福寺僧侶の枕元に三鈷柄剣が見られ、守り刀のように使われたことがうかがえる。
 国宝の「黒漆平文飾剣(柄白鮫)」は平安時代中~後期の作で、華麗な装飾。「春日権現験記」からは貴族がこのような飾剣を病魔をはらうものとして見ていたことが分かる。
 松村和歌子・主任学芸員は「刀剣などを通じて神々に災いをはらうことが願われてきたことを知っていただきたい」と話している。
 国宝殿は大人500円、高校・大学生300円、小・中学生200円。問い合わせは春日大社(0742・22・7788)。

金魚ストリートフォトコンテスト 応募作品締め切り31日

 大和郡山市の「やなぎまち商店街」は、「金魚ストリート フォトコンテスト2020」の写真作品を募集している。31日まで。
 金魚ストリート内の金魚にまつわる写真の「まちなか金魚部門」と、自分が飼っている金魚など身近な金魚にまつわる写真の「私の金魚部門」の2部門。
 応募方法は、インスタグラムアカウント(@kingyostreet_yanagimachi)をフォローし、応募用ハッシュタグをつけて投稿する。撮影時期は問わず、投稿は1人何回でも可能。入賞作品には副賞として金魚ガラス細工が贈られる。作品は「大和な雛まつり」期間中(2月27日~3月7日)に商店街各店頭で展示される。郡山柳町商店街協同組合金魚ストリート実行委員会の主催で、問い合わせはふれあい工房(0743・54・6701)。

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