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「SNSの光と闇」を知って 西和清陵高で出前授業

NIEの実践教育講演会が今月18日、西和清陵高校(江藤芳彰校長)で開かれた。産経新聞奈良支局の前原彩希記者が図書委員の生徒ら約人に「SNS(会員制交流サイト)の光と闇」をテーマに話した。
 事件取材を担当する前原記者は「SNSへの投稿から個人情報を調べる特定屋と呼ばれる存在がある」と話し、SNSを悪用したストーカー被害の事例などを説明、注意を呼び掛けた。
 一方で、SNSに投稿された写真への評価をもとに、クリームソーダの盛り付けを改良しているカフェの例などを紹介。「SNSが大切な情報源のひとつになっている」と話した。

仏像ポスター,今年は東大寺大仏

奈良の歴史・文化の魅力を知ってもらおうと、県と奈良市、西日本旅客鉄道、近畿日本鉄道、奈良交通は共同で「奈良大和路仏像ポスター」を制作した。100作品目となる今回の内容は東大寺(奈良市)の盧舎那仏坐像(大仏、国宝)となっている。
 ポスターの大仏は屋根裏からのアングルで、仏の頭髪である螺髪や仏の眉間にある白毫を見ることができる。
 新型コロナウイルスが感染拡大している今、奈良時代の大仏造立時の志と守り伝えた人たちに思いをはせ、早期収束を願いたいという。撮影は故・小川光三さん。
 1枚千円で、県ビジターズビューローと奈良市総合観光案内所で販売。限定150枚。

没後1250年の称徳女帝 崇仏、道鏡寵愛…実像は

 昨年、没後1250年を迎えた女帝・称徳天皇(孝謙天皇、718~770年)。仏教に深く帰依し、出家したが、尼のまま重祚(再び即位)した唯一の天皇として知られる。病を癒やされたことから寵愛し、「怪僧」ともされる道鏡との関係も噂されたが、いったいどんな女帝だったのか。(岩口利一)
 「当山の創建、まさしく本願女帝の国家安泰を願われし深き仏法帰依の真心によること、史実に照らして歴然たり」。昨年月、ゆかりの西大寺(奈良市)で営まれた御遠忌法要で導師が表白文を読み上げ、「崇仏天皇」「尼天皇」として功績をたたえた。
 称徳天皇が藤原仲麻呂の乱の鎮圧を祈願する四天王像の造立を願い出たのが起こりとされる西大寺。東塔基壇が平城京の「東の大寺」(東大寺)に対する「西の大寺」だったことを伝える。だが、一般的に道鏡に比べ、称徳天皇の名はあまり知られていない。

壮大な伽藍を誇った西大寺を伝える東塔跡


■仏教による鎮護国家
 「父母のあつい仏教信仰のもとで成長され、それを受け継がれた。個人的信仰にとどまらず、君主権強化に敷衍させた点において古代中国の崇仏皇帝(女帝)、則天武后を思わせる」
 西大寺執事で種智院大教授(仏教史)の佐伯俊源氏はそう説明する。
 東大寺大仏を発願した聖武天皇を父に、福祉に尽力した光明皇后を母に持つ称徳天皇は、孝謙天皇として即位。後に称徳天皇として重祚した。孝謙天皇は女性で初めて皇太子になり即位したケース。「道鏡ら周囲の人の陰に隠れたイメージがあるが、自分自身のしっかりとした理念をもって政治に臨まれた天皇。仏教による鎮護国家をよく実践された」と佐伯氏は語る。
 光明皇后や仲麻呂に支えられた孝謙天皇はやがて淳仁天皇に位を譲ったが、次第に大きな影響を及ぼすようになったのが道鏡だ。
 退位後、病の際に看病に当たった道鏡を寵愛。乱を起こした仲麻呂を討つと道鏡を大臣禅師に任じ、出家した自らは再び即位した。その後法王となり、政権を握った道鏡について佐伯氏は「奈良朝の仏教信仰が爛熟期を迎えた中、必然的に登場した人」といい、後世に貼られた「悪僧」のレッテルにとらわれず実像を探る必要もあるという。
■根は芯の強い人
 称徳天皇は西大寺の造営や諸寺に納める小塔「百万塔」の造立など仏教事業を進めたが、奈良大の渡辺晃宏教授(古代史)は「神祇にも力を入れ、広く文化的な素地を持っていた。最先端の教育を受け、両親を超えようとしたことがうかがえる」と話す。
 一方、歴史小説家はこの女帝をどうとらえるのだろうか。奈良時代を描いた『火定』などで知られる澤田瞳子氏はこう指摘する。
 「藤原仲麻呂や道鏡との関係で悪女的なイメージもあるが、女性で初めて皇太子を経て即位した人物だけに皇位について非常にまじめに考えた。仲麻呂を退けたことにも生真面目さが感じられ、道鏡に頼ったところはあるにしろ、根は芯の強い人だったと思う」
 769年、道鏡は宇佐八幡宮から神託を受けたとして皇位に就こうとしたが、和気清麻呂の神託否認により阻まれた。「称徳天皇が道鏡を信頼し、自分亡き後を案じるあまり帝位を譲ろうとしたのがきっかけでは。天皇としての自己のありようを真面目に考えた末と思われる」と澤田氏。
 事件の翌年、一生独身だった女帝は50年余りの生涯を閉じた。

【バンビシャス通信】ホームで連勝 好スタート「ディフェンス」に鍵

今月2~3日にならでんアリーナ(奈良市)で開催した福島ファイヤーボンズ(福島県郡山市)戦は、ホームゲームとしては今シーズン初の連勝を飾りました。2日は88ー67、3日は89ー80の結果。年明けに好スタートです。
 バンビシャス奈良は現在9勝18敗、2西地区の最下位ですが、勝利をひとつずつ積み重ね、春までの今季残りの試合で、上位に食い込みたいところです。
 昨年10月からの今季前半戦は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、チームづくりに遅れが生じました。開幕戦のけがにより、2カ月間離脱していた長谷川智伸選手が復帰するも、勝ち星をのばせず、「掛け違えたボタンをなおす作業が必要だった」と間橋健生ヘッドコーチは振り返ります。
 後半戦のチームのポイントについて間橋ヘッドコーチは「ディフェンスの遂行力」を挙げています。
 福島戦でも、スターティングメンバー以外では、自身のディフェンスの役割をきっちりとこなせるキャプテン・種市幸祐選手らの活躍が目立ちました。
 さらに間橋ヘッドコーチは「外国籍選手はどのチームもいい。大塚勇人選手のアシスト、長谷川選手の得点力に代表されるように日本人選手でイニシアチブをとっていくことが勝利への鍵」とし、日本人3選手による2桁の得点力を理想としています。
 (バンビシャス奈良広報和田真智子) 
 【次のホームゲーム】(水)ならでんアリーナで熊本ヴォルターズ戦

新型コロナ、県はクラスター対策強化 昨年から相次いで発生

 新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、県内でも障害者施設などで昨年末からクラスター(感染者集団)が相次ぎ発生し、感染者は計180人以上に上っている。福祉施設でのクラスターは重症者が多発する要因になることから、県は対策強化に乗り出しているが、介護現場での対策の難しさも指摘される。
 クラスターは基本的に同一の場所(感染源)から5人以上の感染者が出た場合に認定される。県内のクラスターは、昨年7月に大和郡山市の事業所で初めて確認され、これまでに25件発生している。
 同11月ごろまでは職場や、酒の提供を伴うスナックなどの発生が多かった。県や奈良市の分析によると、発生要因は「発症後の出勤」や「マスク着用が徹底されていない」、「換気の悪い場所での会話・食事」などが目立ったという。
 県疾病対策課の担当者は「発熱がなければ大丈夫と考えて出勤していることが少なくない」とする。
 のどや関節の痛みなどの症状があっても風邪薬を飲んで出勤し、職場での蔓延につながった例もあるという。
 また、職場や学校などでクラスターが発生したケースでも、「感染源となった人が、少し前に会食していることが多い」(担当者)といい、「症状が出る2日前から感染させる可能性があることを念頭に注意して行動してほしい」と呼びかける。
 一方、障害者や高齢者施設では感染防止対策の難しさも浮き彫りとなっている。年末年始に相次いだ障害者施設でのクラスターでは「マスクの着用やソーシャルディスタンスの徹底が困難なケースもあった」と担当者。細心の注意を払っても、こうした施設や介護の現場での感染防止対策の徹底は困難を極める。
 荒井正吾知事は「施設などのクラスター対策を重点的に行う」と強調。「福祉を止めるわけにはいかないので、できる対策を考えたい」としている。

新型コロナ、奈良市や生駒市でワクチン接種向けて準備

新型コロナウイルスのワクチン接種に向け、県や市町村が準備を始めている。県は優先で接種される医療従事者のリストアップを進めており、奈良市は12日に「新型コロナウイルスワクチン接種推進室」を健康増進課内に新設した。
 厚生労働省は、米製薬大手ファイザーのワクチンが早ければ2月にも承認の可否が決まるのを念頭に、コロナ患者に対応する医療従事者を最優先に同月下旬にも接種を始め、次いで高齢者、基礎疾患のある人などの順で進めていく方針。
 医療従事者の接種は県が、医療従事者以外の接種は各市町村が担当する。
 奈良市が新設した接種推進室は4人体制。ファイザー社のワクチンが承認された場合、65歳以上の高齢者が3月下旬から接種できるように同月上旬にクーポン(接種)券を配布、同時にコールセンターを設置する。小西康之室長は「他市の先行事例も参考に、迅速に接種できる体制を整えたい」としている。
 生駒市も健康課内に今月4日、計5人の専属チームを新設し、事務作業を進めている。市によると3月ごろから65歳以上の高齢者を対象に接種してもらう予定。

極楽橋、再建まじか 3月に公開

 昨年3月に始まった郡山城の本丸の天守曲輪と毘沙門曲輪をつなぐ極楽橋の再建工事がほぼ完了し、今年3月に一般公開される予定だ。
 極楽橋は空堀を越えて本丸に登城する正式な橋とされ、藩主らが渡る最上位の格式を誇る建造物だった。「郡山城史跡・柳澤文庫保存会」の寺前良昭・常務理事は「ようやく正しいお城のルートができる。郡山城は築城当時の石垣が古く残っていることから、極楽橋がかかることによって、当時の面影を残す新たな城のランドマークになるはず」と期待を寄せる。
 極楽橋が取り壊された時期は明治6年の廃城令とされるが、過去の絵図や発掘調査から、1600年代半ばの正保年間には現存していたとみられる。
 再建される橋は、橋長約㍍、幅約5・5㍍の反り橋。主要部材の芯には鉄骨やステンレスなどを用いて、吉野産のヒノキで覆う構造にした。
 追手門や郷土資料を集めた図書館「柳澤文庫」から天守台方面への移動も便利になり、城跡内の回遊性も高くなるという。
 平成28年に旧郡山藩ゆかりの篤志家から、橋再建を目的とした3億円の寄付を受け、再建計画が具体化した。
 同年11月には「郡山城極楽橋再建・白沢門櫓台整備委員会」を設立。天守曲輪と毘沙門曲輪一帯の発掘調査、石垣の積み替えなどを経て、昨年3月から再建工事に着手、足場の解体作業は終わった。
 「多くの人に郡山城のすばらしさを体験してもらいたい」と寺前さん。今年3月12日には、渡り初め式が開催される予定だ。
 柳澤文庫では極楽橋再建にあわせて、郡山城図をまとめた展覧会「郡山城図に見る郡山城の変遷(後半)」を、今年5月9日まで開催中。幕府に送った修復願書「大和国郡山城破損之所々図」(東京大学史料編纂所蔵)、城主の子弟・一門らが住む屋敷として造営された「緑曲輪」(豊田家文書、大和郡山市蔵)の絵図などを展示している。一般300円。(祝日以外、月・第4火曜休館)

あすか いちご狩りパーク9日開園 コロナ対策実施

県特産のイチゴ「あすかルビー」が味わえる明日香村の「あすかいちご狩りパーク」が9日、オープンする。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて開園期間途中の4月に営業中止を余儀なくされた。今年はコロナ対策を行った上で開園する。完全予約制。
 パークは平成16年の設立で、村内の17農園で構成。ビニールハウスの中で、立ったまま甘いあすかルビーを味わうことができる。
 コロナ対策として、マスク着用での来園と、入園時の検温、手指の消毒を求め、各時間帯ごとに入園人数を制限。ハウス内の換気も実施する。
 パークの石田裕彦会長は「コロナ対策を十分に行って閉園の5月までの完全営業をめざしたい。イチゴは、昨年月に晴天に恵まれたおかげで、甘く実った。糖度も高いと思う」としている。
 開園期間は9日~5月30日。30分間食べ放題。問い合わせは同パーク(0744・54・1115)。

交通安全呼びかけるジャンボ年賀状、園児たちへ

 大和郡山市は、交通安全を呼びかけるジャンボ年賀状(縦約70㌢、横約50㌢)を作成し、市内の幼稚園や保育園などに届けた。
 郡山西保育園(同市植槻町)には5日、市の交通安全指導員、北浦郁代さん(49)らが訪れ、ジャンボ年賀状を手渡した。年賀状には今年の干支にちなみ、大きな牛が描かれているほか、標識や交通安全の注意点も。園児たちは声をそろえて「踏切で遮断機が下りているときは入ってはいけません」などと読み上げていた。
 北浦さんは「大切な命を守れるよう、楽しく交通ルールを学んでほしい」と話した。

奈良市長、1都3県など感染拡大地域への往来自粛求める

奈良市の仲川げん市長は5日、緊急事態宣言が再発令される見通しとなった1都3県や大阪府などの感染拡大地域への不要不急の往来を控えるよう市民に要請すると明らかにした。
 この日開かれた新型コロナウイルス対策会議後の会見で仲川市長は、「仕事もテレワークなどを考えてもらいたい。行動変容しないと感染は止められない」とし、「宣言を待たず、今すぐにでも東京都などとの往来を控えてほしい」と強調した。さらに法事やそれに伴う会食などで感染事例が出ているとして警戒と対策の徹底を呼びかけた。
 また、市は新型コロナから回復した障害者施設の職員と利用者を対象に無償でPCR検査を実施することを決めた。
 市内で昨年12月下旬から障害者施設でクラスター(感染者集団)が3件発生したことを受けた措置で、再陽性による感染蔓延などを防ぐのが狙い。

荒井知事「奈良の観光発展を」新年の展望

 新型コロナウイルスの感染が収束しない中、幕を開けた令和3年。奈良県でも観光や経済で新型コロナによる大きな影響を受けた。新しい年に県のとるべき施策とは。県のかじ取りを担う荒井正吾知事に昨年を振り返って思うことや成果、今年の展望を聞いた。
(聞き手 桑島浩任)
 ――昨年1年間はどんな年だったか
 「大きな災害はなかったが、新型コロナの感染拡大が大きな出来事だった。コロナ対応に追われつつ、奈良の未来をどう考えていくかに終始した年だった。病床の逼迫や重症者の増加など、感染拡大のフェーズによって問題の重要性は変わるので、それを見極める必要があった」
 ――大阪への往来を注意するよう早くから呼びかけた
 「大阪へ行っても感染する人としない人がいる。感染して奈良に帰ってきても誰にもうつさない人が7割いる。その違いを分析することが重要。家庭内感染が一番多いが、大阪から帰った後、家族との接触を密にしないように気を付けているところは感染が広がりにくいことが分かっている。とにかく気をつけてもらうしかない」
 ――新型コロナに立ち向かうための施策は
 「『コロナさえなければ』というようなことを考えても仕方がない。コロナで打撃を受けた観光、宿泊業への支援策として、県民の県内宿泊料を最大7割引する『いまなら。キャンペーン』を始めたが、これは県民に奈良のことを知ってもらう機会になった。県民でも意外と奈良について知らないことは多い。キャンペーンがなければ知らないままだった」
 ――新型コロナで受けたダメージをどのように回復していくか
 「経済的なダメージは格差があって、例えばフリーターや組織の外にいる人はダメージは大きかった。働き口の確保をしていく必要がある」
 ――これまで「JWマリオット・ホテル奈良」(奈良市)など高級ホテル誘致を進めてきたが、訪日外国人客(インバウンド)が激減している。観光施策の方針変更は
 「奈良に観光に来て使ったお金がお寺の拝観料だけでは困る。泊まってゆっくりしてもらえる場所を作ろうということでホテル誘致を進めてきた。歴史観光資源が十分あるのに、食事と宿泊(の分野)が弱く、生かせていないことが奈良の課題だった。インバウンドの減少によるダメージとは関係なく、奈良が魅力的な観光地となるために必要なことをやっていく」
 ――人口減少も問題だ
 「やはり働き口が構造的に少ないことが一番の大きなテーマ。人口流出が多いところに人を留めおくために働き口を作る必要がある。県内では南部の流出が多いが、長年住んでいて働き口がないので仕方なく県外へ出るという傾向がある。これは北部の移住者がまた県外に出ていくのとは意味合いが異なる。そういう人たちのために奈良で働いてもらえる場所を作らなければならない」
 ――県立大学に工学系学部を新設するのも人口流出対策の一環になる
 「奈良は大学に工学系の学部がない珍しい県。高校では王寺工業や青翔高校など立派な工学系の学校があるが、(大学進学で)県外へ行ってしまって帰ってくる人は少ない。これは県内の産業にとって痛手だし、人を育てる教育にとっても中抜きになる困ったこと。そのため、令和6年度を目標に工学系学部を設置することにした。これまで林業大学校『フォレスターアカデミー』を作ってきたように今後も実学を重視していく」
 ――今年は聖徳太子没後1400年の御遠忌だが、ゆかりのある奈良としてどういうPRをしていくか
 「私自身が歴史好きなので、これをきっかけに聖徳太子の正体とか、今まで常識だと思っていたことを追求してもらうのがいいかなと思っている。奈良の歴史、古代史を正確に知る人が増える機会にしたい」

奈良墨職人、オンライン実演で児童の心奪う コロナ下で工夫

書道で使われる固形墨の国内シェア9割以上を占める「奈良墨」。墨を磨る機会の減少で斜陽化は止まらず、それに新型コロナウイルスも追い打ちをかけ、観光客による購買もめっきり減った。飛鳥時代に始まる墨作りの伝統が風前のともしびとなる中、「乗り越えるには墨のすばらしさを知ってもらうしかない」。若き墨作り職人が立ち上がった。コロナ下のため、オンラインを活用した発信を始めると、遠方の小学生の好奇心に火がついた。
 「墨の材料は、煤、膠、香料の3つしかありません。練り合わせると、こうして粘土のような生墨ができます」
 作業場でスマートフォンのカメラに向かって解説するのは、奈良市の墨工房「錦光園」の7代目墨匠、長野睦さん(43)。ビデオ会議システム「Zoom」を介した相手側は、横浜市立矢向小学校3年4組の児童たちだ。
 「錦光園は150年くらい前に墨づくりを始めました。奈良で一番古い古梅園という墨屋さんは約450年続いていますので、これでも新しい方です」
 「生墨を乾燥させて硬い墨になるまで、小さいもので1年、大きいもので2~3年かかります」
 丁寧に説明する長野さん。パソコンの画面に映る児童は、興味津々の様子だ。実演では、生墨をもみ込み、素早いスピードで丸める手業に歓声が。生墨がピカピカに黒光りする球体に変化すると「超きれいな砂だんご!」、木型にはめ込んで成型された生墨がペラーンと曲がると「うわ~コンニャクみたい」。児童らの楽しげな声が響いた。
 長野さんは6代目の父、墨延さんの元で墨に親しんで育ったが、就職したのは英国風パブチェーンを経営する東京の会社。店舗管理のマネジャーなどを務めていた。
 奈良墨をめぐる業界は厳しさが増すばかりだ。学校の授業で墨を磨る機会が減るにつれて墨屋は次々と廃業に追い込まれ、残るのは全国で9軒(うち8軒が奈良市に集中)だけ。墨延さんも自分の代での廃業を決めていたが、長野さんが4年前、退職し跡を継ぐ決意をした。「墨の魅力を伝える案内人となり、需要を増やす可能性を探ろう」。
 錦光園の収益は、生墨を手で握って自分だけの固形墨を作る「にぎり墨体験」や工房での墨の販売が半分強を占める。国内外の観光客が多く訪れていただけに、コロナ禍の影響は大きかった。
 どん底の6月、自宅に居ながらオンラインで奈良墨作りを体験してもらおうと考え、キットの開発に着手。試行錯誤を重ねながら半年の準備期間を経て、月中旬、ホームページでの告知にこぎ着けた。
 同じ頃、矢向小3年4組担任の小川央教諭(32)は、墨について教えてくれる講師を探していた。3年生から書写の授業が始まり、固形墨について子供たちに知ってもらいたいと思ったのが発端だ。
 そんなとき、長野さんのホームページを見つけ、講師を打診。オンラインの実演が11月27日に実現した。
 「墨についてネットで事前に調べたが、生墨の柔らかさや、職人の手で変身していく様子は想像を超えていて、子供たちは完全に心を奪われた」(小川さん)
 墨のとりこになった児童らは、長野さんに教えてもらった方法で煤を採取し、見よう見まねの生墨作りにも挑戦。年明けに再び、長野さんに墨作りを教えてもらう予定だ。
 長野さんは手応えを感じ、「矢向小の経験も糧にして教育現場にアプローチし、魅力を伝えていきたい」と意気込む。
 墨を磨って書く文化と産地の復興へ。来年は攻勢の年になりそうだ。

近大奈良キャンパス つながる館「つなかん」オープン

 近畿大学農学部は、奈良キャンパス(奈良市)に、学生たちの憩いや実習の場となる多目的ホール「つながる館(通称・つなかん)」をオープンした。
 延床面積約1500平方㍍で、東大寺大仏殿と同じ寄棟屋根の地上1階建て。自然の光を取り入れられるようにガラス壁を配し、古都・奈良に映える和風モダンな雰囲気を出した。
 大型の電子黒板が設置された演習用教室2室と、多目的室1室、256席のホールを備える。屋外テラスや本が読めるカフェなどを併設した。
 ホールの名称は、「他キャンパスの人」「日本中の人」「世界中の人」とつながり、循環していく場をイメージして名付けられた。
 先月4日の竣工式で、江口充副学長は「グループワークなどに活用し、充実した学生生活を送ってもらいたい」とあいさつした。

古代吉野の謎に迫る一冊

奈良・吉野に興味を抱く人らでつくる「古代吉野を見直す会」(富田良一会長、10人)が、吉野の古代史を総合的にとらえた著書「神仙境吉野の謎に迫る壬申の乱と修験道の誕生」(京阪奈情報教育出版)を発刊した。
 同書冒頭の「古代吉野へのいざない」では、「斉明天皇が吉野・宮滝の地に『吉野宮』を創設したのはなぜか」「壬申の乱の前、大海人(おおあま)皇子(天武天皇)が吉野に逃れたのはなぜか」など点の謎を列挙。これらを解き明かそうとするのが狙いとしている。900円(税別)。

新春わかくさ能1月11日開催、女流能楽師が競演

 奈良発祥とされる能楽を堪能してもらう恒例の「新春わかくさ能」が1月11日、奈良市の奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA~で開催される。今回は女流能楽師が競演する。
 新春わかくさ能は県の主催、NPО法人・奈良能の企画で続けられてきたが、今回からは奈良能の主催で行われることになった。
 当日は午後2時半の開演。独吟は喜多流の「飛鳥川」で大島衣恵さん、仕舞は観世流の「野守」で山下あさのさん、能は宝生流の「三山」で石黒実都さんとなっており、女性能楽師が競演する。新型コロナウイルス感染防止のためマスク着用、検温、消毒への協力を呼びかけている。
 Aエリア5500円、Bエリア4500円。チケットは奈良能(0742・24・5171)や甍、県文化会館で販売。

交通安全教室を兼ねたクリスマス会in郡山西保育園

 大和郡山市の郡山西保育園で、郡山署と県交通安全協会郡山支部協会などが参加し、交通安全教室を兼ねたクリスマス会が開かれた。
 県警マスコットのナポくんとナピちゃんが4歳児・ライオン組と5歳児・クマ組の園児68人に横断歩道の渡り方を指南。萬谷充宏・郡山署長や大森健有・交通安全協会郡山支部協会長らから折り紙セットや反射材などのクリスマスプレゼントが贈られると、園児たちはお返しとして「ありがとうの花」を元気に歌った。

荒井知事 今年の漢字「鐶」

荒井正吾知事は年内最後となる23日の定例会見で、新型コロナウイルス対策に追われた1年を振り返り、「大げさに言えばコロナと人類との戦いになっている。奈良でできることはディスタンスをとって感染しない、させないこと」と話し、改めて県民に注意を呼びかけた。
 来年については「まだコロナが続くと思う」とした上で、「若者の流出を食い止め、防災対策などを確実なものにして奈良のこれからを形づくる年にしたい」と期待を込めた。
 今年を表す漢字は、新型コロナにちなみ「鐶」を選んだと発表。中国でコロナを「冠状病毒」と表記することから荒井知事は「日本の漢字を当てた」と説明し、「鐶は金属の輪のこと。輪のようにわれわれは協力してコロナに対応するという前向きな意味を込めた」と語った。

年末年始「静かに県内で」知事呼びかけ

 荒井正吾知事は22日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、「年末年始は感染者を大幅に減らすチャンス。今年だけは用心してほしい」と呼びかけ、「大阪への往来や友人同士の会食で騒ぐのは控え、帰省したら家族で静かに過ごしてほしい」と訴えた。
 10月26日から12月20日の感染者616人を県が分析した結果、県外感染者との接触による感染者178人のうち、76%が大阪関連と推定。年代別では20代と40代の合計が半数以上を占めているという。荒井知事は「大阪に行くことを控え、20代と40代の方は少人数で静かに県内で過ごしてほしい」と強調した。
 一方、県内で家庭内や友人との飲食による感染は各年代にまんべんなく広がっており、「帰省前の余暇活動を控えるなど、うつさない用心をしてほしい」と話した。
 軽症者などを対象とした宿泊療養について、医療機関の負担軽減のため、積極的に活用する方針を示し、新たに140室を確保したことを明らかにした。30日から運用を開始し、計250室とする。
 奈良市も22日、年末年始の過ごし方に注意するよう呼びかけた。仲川げん市長は「忘年会、新年会は多人数、長時間にならないようにし、大阪府などへの不要不急の往来はできるだけ避けてほしい」と話した。

高取町内のキャッシュレス買い物、30%還元 県内初

 高取町は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い影響を受けた町内の飲食店などの事業者を支援するため、町内の店舗で「PayPay」と「au PAY」を使って買い物をした人に、支払い額の30%を還元する独自の取り組みを今月1日から始めた。町によるとこうした取り組みは県内では初めて。
 対象は指定の約60店舗で、飲食店、コンビニ、薬局、クリーニング店、理容・美容店などのほか、観光案内所・夢創舘でも還元が受けられる。
 期間は今月31日まで。1回の買い物での還元の上限は千円で、期間中の各キャッシュレス決済ごとの還元上限は1万円。両方使うと2万円の還元となる。
 原資は国のコロナ対策の交付金。還元金が入るのは約1カ月後。町外の人でも還元が受けられる。
 町では「多くの人に町の店で買い物をしてもらいたい」としている。

天理市、現代アート展覧会をオンラインで コロナ対策

 新型コロナウイルス感染拡大により、各地で展覧会が中止になるなど影響が出る中、天理市は、天理本通り商店街で運営するギャラリー「アートスペースターン」で、360度カメラで撮影した画像を使い、展覧会の映像をパソコンやスマートフォン上で公開する「オンライン展覧会」を支援する試みを始めた。
 展覧会は、現代美術家作家の加納俊輔さんの作品を集めて開催されている。スマホやパソコンなどで、同ギャラリーのホームページにアクセスすると、3Dカメラをはじめとするカメラ3台で撮影された、ギャラリーの外観や内観、展示物を鑑賞できる。
 「会場内を360度ぐるっと俯瞰でき、立体的な画面が楽しめます。展示作品についての説明や作品の細部にまで近寄って眺められるので、現実に足を運ぶのと大差はないはず」とオンライン展覧会を担当した玉城慎輔さん。
 コロナ下で、オンライン展覧会の取り組みは全国的に広まりつつある。
 「現実と仮想、その二つの顏や併せ持つ可能性を存分に楽しんでいただきたい」と玉城さん。展覧会は27日まで。無料。

橿原神宮、境内を一方通行 コロナ対策で 大みそか~1月3日

例年多くの初詣客が訪れる橿原神宮(橿原市)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大みそかの31日午後11時から来年1月3日午後7時まで境内を一方通行にすると発表した。
 神宮には例年110万~120万人の初詣参拝者が訪れるが、境内を一方通行にする措置は今回が初めて。
 初詣のために近鉄橿原神宮前や橿原神宮西口、畝傍御陵前の各駅を降りた人は表参道を進み、南神門から入場。外拝殿を通って内拝殿前で参拝した後は、北神門から退出する。
 北神門からの入場や南神門からの退出はできず、外拝殿や内拝殿付近にはコーンを置いて参拝路をつくり、警官や警備員が誘導を行う。
 今年までは両神門からの入退出が可能だったが、来年は入退出でかなりの遠回りを求められ、橿原神宮前駅を利用する人は1㌔以上の遠回りになるという。
 距離を保って拝めるよう、さい銭箱も約2倍の幅とする。神宮では「参拝者が向かい合うような状態をできるだけ避けるための措置。他の人とも距離を取り、安心・安全の初詣をお願いします」としている。

二階堂高校に灯籠「地域の人楽しんで」

 天理市の県立二階堂高校で、校内を灯籠のほのかな明かりやイルミネーションで装飾する「二階堂フェスタ」が開かれている。
 同校では、毎年11月に天理駅前で、市内の飲食店の屋台を集め、クーポンを発行して買い物や食べ物を楽しんでもらうイベントを開催していたが、今年は新型コロナウイルスの感染防止のため中止に。代わりにフェスタを開催することになった。
 「少しでも地域の人に楽しんでもらえたら」。フェスタを企画した実行委員の同校3年の福岡舞さん(18)は話す。灯籠には、市内の企業や病院、老人ホームなどを回り、願い事を書いてもらった。灯籠の組み立ても一から行った。
 「絵がうまくなりたい」「家族で旅行にいきたい」「コロナがなくなりますように」。毛筆、絵具、色鉛筆やクレヨンなどで書かれた願い事はさまざま。人気漫画のキャラクター付きのものもある。
 福岡さんは「お祭りのようなにぎやかさはないが、地元の人と触れ合う機会が増えたのがうれしい」と話している。
 フェスタは24日まで。午後4時半~6時。

「お水取り」練行衆発表 大導師は橋村師

東大寺(奈良市)は16日、来年の二月堂修二会(お水取り)で参籠する練行衆11人を発表した。役職者の四職のうち、戒を授ける和上は狹川普文・同寺別当、祈りの中心となる大導師は橋村公英・同寺執事長が務める。
 練行衆は次の通り。(敬称略)
 【四職】和上=狹川普文▽大導師=橋村公英▽咒師=上司永照▽堂司=尾上徳峰
 【平衆】北座衆之一=佐保山曉祥▽南座衆之一=筒井英賢▽北座衆之二=中田定慧▽南座衆之二=平岡慎紹▽中灯=北河原公慈▽権処世界=清水公仁▽処世界=望月大仙

「おん祭」始まる「御湯立」でお清め 新型コロナ対策も

古都の師走を彩る春日大社摂社・若宮神社の例祭「春日若宮おん祭」が15日始まり、心身を清める「御湯立」などが奈良市餅飯殿町の大社大宿所で行われた。今年は新型コロナウイルス対策の一環で、御湯立は例年の3回でなく1回限りに。参拝者らに大宿所境内に入ることも控えてもらい、関係者のみが参列した。
 大宿所は精進潔斎が行われてきた参籠所で、御湯立は大和郡山市の巫女、加奥満紀子さんが作法を継承している。冷え込んだこの日、午後4時半頃から、加奥さんは煮え立つ大釜の湯に酒や米などを入れ、「左右左」と唱えながらササの葉で湯を振りまいて清めた。
 大宿所境内には魚などの懸物(供物)が並んだが、例年行われる名物料理「のっぺ汁」の振る舞いなどはコロナ対策のため、なかった。
 おん祭は平安時代に始まって以来、今回で885回目を数える。メインの17日は、時代行列の「お渡り式」が規模を縮小、ルートを短縮して実施。「お旅所祭」は例年通り神事、芸能奉納が行われるが、周辺に入ることは控えてもらうよう呼びかけている。

近畿大学、県理容生活衛生同業組合が中年男性用ヘッドスパを開発

 中年男性がリフレッシュできるヘッドスパを提供したい―。こうした思いから県理容生活衛生同業組合(奈良市)は近畿大学経営学部(大阪府東大阪市)とタッグを組み、中年男性向けのヘッドスパ「SUZAKU」を開発した。12月から県内の理容室10店舗でサービスを開始している。
 開発は、昨年6月に同組合が同学部キャリア・マネジメント学科の中谷常二教授のゼミに協力を依頼してスタート。
 「ヘッドスパをオーダーする客は2割に満たない。利用者の多い中年男性の顧客満足度を上げたいと思った。同組合青年部長の今西正樹さんはこう話す。
 調査や話し合いを重ねた結果、学生側からは、理容室ではシャンプー台でヘッドスパを行うことが多いが、リラックス効果を高めるため、一連の流れを完全に分ける▽椅子を寝かせて楽な姿勢で行う▽視覚を遮断し、手が楽になるようクッションを置く―といった提案が出された。
 こうした提案をもとに、手順などを記したマニュアルを同組合が制作。また、販売プロモーションのための名前「SUZAKU」やキャッチコピーも考えた。 「SUZAKU」は中国の伝説上の神獣「朱雀」と奈良の観光スポットでもある平城宮跡の朱雀門から名付けたという。キャッチコピーには、「頭皮にも休息を」「イイ男は頭から」など印象的な言葉が並ぶ。
 県内の理容室は、約700軒あった20年前と比べて半減しているという。店主の高齢化に伴う廃業や、安価な大手チェーン店に客が流れる状況下にあるが、「若い学生たちのアイデアを取り入れ、見せ方を変えることで、多くの人に利用してもらうことにつながれば」と中谷教授は話す。
 ヘッドスパは10分間1100円。問い合わせは、県理容組合青年部リコダプロジェクト(0743・76・8838)。

燃料電池車「MIRAI」お披露目 奈良トヨペット

 トヨタ自動車が全面改良した燃料電池車のセダン「MIRAI(ミライ)」を9日に発売したのにあわせて、県内でも奈良市の奈良トヨペット南京終店で発表会が開かれた。
 燃料電池車は水素が燃料で、酸素との化学反応による発電でモーターを回して走行する。二酸化炭素を排出せず「究極のエコカー」と呼ばれる。
 9日の発表会で奈良トヨペットの菊池武之祐社長は「水素社会の実現は炭素社会からの転換となり、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献できる」と話した。県内初となる水素の供給ステーションは、来年4月に奈良市大安寺のカー用品店「ジェームス奈良大安寺店」の敷地にオープンする予定。
 ミライは平成年に世界で初めて市販された燃料電池車として知られ、今回が初の全面改良。吸入した空気をきれいにして排出する清浄システムなど最新の環境技術を取り入れた。
 希望小売価格は710万円からで、エコカー減税や補助金などの優遇が適用されるという。

絵巻や神鹿の造形…おん祭前に特別陳列 奈良国立博物館

古都の師走を彩る春日大社(奈良市)の摂社・若宮神社の例祭「春日若宮おん祭」に合わせた特別陳列「おん祭と春日信仰の美術 特集 神鹿の造形」が、奈良国立博物館(同市)で開かれている。おん祭を描いた絵巻などとともに、神鹿の美術に焦点をあて計45件を展示。1月17日まで。
 展示品のうち、「春日若宮御祭礼絵巻」中・下巻(江戸時代、春日大社蔵)はそれぞれ風流行列(お渡り式)、お旅所祭の様子が描かれ、当時の雰囲気が伝わってくる。
 このほか、大宿所の神前に置かれる「献菓子台」(明治時代、春日大社蔵)などおん祭に関係する品が並んでいる。
 また神鹿の造形としては、重要文化財の「四方殿舎利厨子」(室町時代、能満院蔵)は木製黒漆塗り、宮殿形で、鏡を背負う神鹿も表されている。「鹿図屏風」(江戸時代、春日大社蔵)は一双の巨大な屏風で、金地にさまざまな姿のシカが描かれている。
 開館時間は午前9時半~午後5時。休館は毎週月曜(1月11日は開館)と12月28日~1月1日、同12日。一般700円、大学生350円。問い合わせはハローダイヤル(050・5542・8600)。

県の冬のボーナス平均81万円 知事は300万円

公務員の冬のボーナスにあたる期末・勤勉手当が今月10日、県内で一斉に支給された。県は教員や警察官を含む県職員1万4514人(平均42・0歳)に対し、総額117億6632万円を支給。1人あたりの平均支給額は81万688円だった。
 県人事委勧告により、昨年同期と比べ支給月数が0・1カ月分減り、1人あたりの平均支給額は3万3102円ダウンした。
 知事への支給額は300万643円。知事以外の県特別職や県議では、副知事234万699円、議長227万3781円、副議長198万6318円、一般議員183万3162円―だった。
 県内12市の市長で最も高額だったのは生駒市の小紫雅史市長で、239万5780円。奈良市の仲川げん市長は159万7781円だった。

奈良市が「自宅療養キット」提供へ

奈良市は、新型コロナウイルスの影響で自宅療養が必要になった市民を対象に、日用品やレトルト商品などの「自宅療養キット」を提供すると発表した。
 市は8日に新型コロナの対策本部会議を開き、感染状況の警戒レベルを「感染漸増段階」の「ステージⅡ」から「感染急増段階」の「ステージⅢ」に引き上げた。市医療政策課によると、県内の重症病床使用率が25%を超えたことが引き上げの理由。市主催のイベントは原則中止とするが、教育関係などの業務に変更はない。
 県では、軽症者や無症状者を含むすべての感染者を入院か宿泊療養としているが、市は医療機関への負担を減らすため、県と調整した上で、軽症や無症状の感染者の自宅療養を始めることも検討したいとしている。

「世界遺産ジャーナル」創刊

 「世界遺産」の価値を知ってもらおうと県は、「世界遺産ジャーナル」を創刊した。年2回発行の予定。
 県には、「法隆寺地域の仏教建造物」と「古都奈良の文化財」「紀伊山地の霊場と参詣道」の3つの世界遺産があり、国内最多。さらに、「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の登録を目指している中で、県民に世界遺産に関する知識を深めてもらおうとジャーナルの創刊を決めた。
 創刊号は表紙・裏表紙含め8㌻で、巻頭特集「世界遺産を語る 前編」として元ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏と青柳正規・橿原考古学研究所長、荒井正吾知事の鼎談を掲載している。
 市町村施設に順次配布のほか、県ホームページ(文化資源活用課)でPDFが閲覧できる。

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