奈良伊賀地域で産経新聞の購読試読・求人案内。

産経新聞 奈良県伊賀地区専売会産経新聞 奈良県伊賀地区専売会

産経新聞グループ各紙のご購読はこちら 0742-24-2214

専売会について専売会について各専売店の紹介各専売店の紹介地域貢献地域貢献求人内容求人内容購読・試読サービス購読・試読サービス

sanbai-02.jpg

【紀伊半島豪雨5年】紀伊山地から昇る太陽イメージ 五條市の宇井地区で慰霊碑除幕

 紀伊半島豪雨災害から5年を迎え、五條市大塔町宇井地区で4日に行われた追悼式で除幕された慰霊碑。多くの市民の寄付によって建立され、水害の記憶の継承と地域の発展を祈念するモニュメントだ。

市民の寄付で完成した慰霊碑

市民の寄付で完成した慰霊碑

 慰霊碑は御影石製。赤い球と左右に翼のように伸びるデザインは、「紀伊山地から昇る太陽」をイメージしているといい、裏面には同町で犠牲、行方不明となった11人の名前が刻まれている。

 義理の妹を亡くした大和郡山市の清水弘さん(71)は「慰霊碑ができてよかった。これから帰省時には毎回、ここに花束を供えたい」と話した。また、祖母を亡くした山根舞子さん(25)=大阪府岬町=は「5年経ったが、今も亡くなったという実感がない。どこかでふと会えそうな気がする」と心境を語った。

【関連記事】

【紀伊半島豪雨5年】「野迫川村に人呼びたい」 民宿経営の夫妻、食堂で再起

紀伊半島豪雨被害を後世に伝える 五條市大塔町に「警戒碑」建立

紀伊半島豪雨から5年 五條市と十津川村で行方不明者一斉捜索

紀伊半島豪雨犠牲者ら追悼 十津川村で水害慰霊祭営まれる

【紀伊半島豪雨】10年後は大丈夫か、高齢者の避難に課題

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

【学童野球】各支部代表17チームが熱戦 ろうきん杯大会開幕

 第17回ろうきん杯学童軟式野球選手権大会が4日、桜井市の芝運動公園などで開幕した。

元気いっぱいに選手宣誓する浮孔小野球部の若杉春杜主将

元気いっぱいに選手宣誓する浮孔小野球部の若杉春杜主将

 開会式で大会副会長の竹平均近畿労働金庫奈良地区統括本部長は「参加する17チームは、厳しい予選を勝ち抜いてきた。思う存分プレーして、悔いのない戦いを繰り広げてほしい」とあいさつした。

 その後、浮孔小野球部の若杉春杜主将(12)が「野球ができることに感謝し、監督、コーチお母さんに感謝し、共に喜び、共に悲しみ、助け合ってきた仲間を信じ、日々培ってきた練習の成果を存分に発揮して一致団結し、正々堂々とプレーすることを誓います」と元気に選手宣誓した。

 優勝チームは10月15日、11月13日に兵庫県などで開催される佐川印刷旗第10回近畿学童秋季大会に県代表として出場する。

 4日の結果は次の通り。

元気いっぱいに選手宣誓する浮孔小野球部の若杉春杜主将

元気いっぱいに選手宣誓する浮孔小野球部の若杉春杜主将

 【1回戦】明日香小野球部(高市)5―3菟田野ワルサーズ(宇陀)

 【2回戦】下田スポーツ少年団(香芝)5―1浮孔小野球部(高田)▽当麻ファイターズ(葛城)7―0明日香小野球部▽三郷北イーグルス(生駒郡)8―7奈良ジュニアファイターズ(奈良)▽牧野ジュニアーズ(五條)7―3前栽アスレチックス(天理)▽小林ビートルズ(郡山)18―1下市阿知賀ブルースカイ(吉野)▽田原本北小バッファローズ(磯城)7―0御所ジュニアスラッガーズ(御所)▽生駒GKブロッカーズ(生駒市)6―5桜井ホワイトスネークス(桜井)▽常盤ヤンチャーズ(橿原)7―2真美ケ丘レッドベアーズ(北葛)

 【3回戦】下田スポーツ少年団8―0当麻ファイターズ▽牧野ジュニアーズ4―3三郷北イーグルス▽小林ビートルズ8―2田原本北小バッファローズ▽生駒GKブロッカーズ5―0常盤ヤンチャーズ

【関連記事】

【学童野球】《写真特集》17チームが堂々の入場行進 ろうきん杯大会

【学童野球2015】平城スポ少が投手戦制す、サヨナラで優勝 ろうきん杯大会

【学童野球2015】《写真特集》平城vs壱分 ろうきん杯決勝の熱戦

【学童野球2015】17チームが雨中の熱戦 ろうきん杯大会開幕

【学童野球2015】《写真特集》17チーム、堂々の入場行進 ろうきん杯大会

【学童野球2015】壱分と平城が19日の決勝で対決へ ろうきん杯大会

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

【中学野球】橿原ボーイズが連破で3回目V 知事杯硬式野球大会

 奈良県知事杯第8回中学生硬式野球選手権大会は4日、橿原運動公園で準決勝と決勝の3試合が行われた。決勝戦で、橿原ボーイズが奈良西リトルシニアを7―0で下し、2年連続3回目の優勝を果たした。

 準決勝の試合結果は次の通り。

 【準決勝】奈良西リトルシニア9―2奈良ウイング(六回コールド)▽橿原ボーイズ3―2桜井リトルシニア

【関連記事】

【中学野球】ベスト4出そろう 知事杯硬式野球大会

【中学野球】8強決まる 知事杯硬式野球大会

【中学野球】26チームが激突、知事杯硬式野球大会開幕

【中学野球2015】橿原ボーイズが志貴ボーイズ破り優勝

【中学野球2015】生駒中央、志貴、橿原が4強 知事杯硬式野球大会

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

【高校野球】大和広陵、高田商、西大和学園がコールド勝ち 秋季近畿大会県予選

 秋季近畿地区高校野球大会県予選が4日、橿原市の佐藤薬品スタジアムで行われた。結果は次の通り。

 【1回戦】大和広陵9―0大宇陀(七回コールド)▽高田商12―1王寺工(七回コールド)▽西大和学園8―1青翔・榛生昇陽・二階堂(七回コールド)

【関連記事】

【高校野球】奈良大付などコールドで2回戦へ 秋季近畿大会県予選

【高校野球2015】郡山が初戦突破 秋季近畿大会県予選

【高校野球2015】天理がコールドで磯城野下す 秋季近畿大会県予選

【高校野球2015】3試合がコールド、帝塚山など2回戦へ 秋季近畿大会県予選

【高校野球2015】智弁、天理、平城、関西中央が勝利 秋季近畿大会県予選

【高校野球2015】奈良、畝傍など3回戦進出 秋季近畿大会県予選

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

日中韓の文化交流 東アジア文化都市「古都祝(ことほぐ)奈良」開幕

 日中韓3カ国が文化交流を進める「東アジア文化都市2016奈良市」のメーンイベント「古都祝(ことほぐ)奈良―時空を超えたアートの祭典」の開会式が3日、奈良市の大安寺東塔跡で行われた。

開会式でテープカットする関係者

開会式でテープカットする関係者

 10月23日までのコア期間中、「舞台芸術」「美術」「食」の3部門でさまざまな文化プログラムを実施。春日大社や唐招提寺など市内8社寺では「八社寺アートプロジェクト」として、国内外のアーティストによる現代芸術作品が展示される。

 開会式はパリ在住の造形作家、川俣正さん(63)制作の「足場の塔」がそびえ立つ東塔跡で開かれ、実行委委員長を務める奈良市の仲川げん市長が「奈良の魅力は歴史と自然。50日の期間中、全国、世界の人々に奈良の持つ『場の力』を伝えたい」とあいさつ。日中韓3カ国から集まった関係者ら9人がテープカットすると大きな拍手がわき起こった。

 イベントの問い合わせは、奈良市東アジア文化都市推進課内の実行委事務局(☎0742・27・0120)。

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

国民文化祭、障害者芸術文化祭イメージソング披露 奈良市でプレイベント

 来年開催される「第32回国民文化祭・なら2017」と「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会」を盛り上げる1年前プレイベントが3日、奈良市の県文化会館で開かれ、共通の2曲のイメージソングが初披露された。

「イメージソングの誕生」でトークセッションする新井満さん(左)と荒井正吾知事

「イメージソングの誕生」でトークセッションする新井満さん(左)と荒井正吾知事

 イベントには約千人が参加。作家の五木寛之さんが「日本文化の源流を探る」をテーマに講演したあと、作詞・作曲家の新井満さんと荒井正吾知事が「イメージソングの誕生」についてトークセッション。イメージソングの1曲は「やまとしうるはし」で、古事記に登場するヤマトタケルの和歌を元に新井さんが構成し、「日本人の望郷の歌」として作られた。哀愁を感じさせるイメージ。

 もう1曲は俵万智さんら8人の詩を元に構成された「千年のかくれんぼ」。新井さんは「この2曲はイベントの両輪。愛唱歌として使ってほしい」と話し、最後に参加者で「やまとしうるはし」を合唱した。

「日本文化の源流を探る」というテーマで講演する作家の五木寛之さん

「日本文化の源流を探る」というテーマで講演する作家の五木寛之さん

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

【高校野球】奈良大付などコールドで2回戦へ 秋季近畿大会県予選

 秋季近畿地区高校野球大会県予選が3日、橿原市の佐藤薬品スタジアムで行われた。結果は次の通り。
【1回戦】奈良女大付16-2西和清陵(五回コールド)▽平城9-2奈良高専(七回コールド)▽奈良大付12―4添上(八回コールド)

【関連記事】

【高校野球2015】郡山が初戦突破 秋季近畿大会県予選

【高校野球2015】天理がコールドで磯城野下す 秋季近畿大会県予選

【高校野球2015】3試合がコールド、帝塚山など2回戦へ 秋季近畿大会県予選

【高校野球2015】智弁、天理、平城、関西中央が勝利 秋季近畿大会県予選

【高校野球2015】奈良、畝傍など3回戦進出 秋季近畿大会県予選

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

【中学野球】ベスト4出そろう 知事杯硬式野球大会

 県知事杯第8回中学生硬式野球選手権大会の準々決勝が3日、橿原市の橿原運動公園硬式野球場で行われ、ベスト4が出そろった。結果は次の通り。

 【準々決勝】奈良西リトルシニア5―2レッドスターベースボールクラブ▽奈良ウイング7―3大和高田リトルシニア▽橿原ボーイズ9―1天理リトルシニア▽桜井リトルシニア6―5宇陀リトルシニア

【関連記事】

【中学野球】8強決まる 知事杯硬式野球大会

【中学野球】26チームが激突、知事杯硬式野球大会開幕

【中学野球2015】橿原ボーイズが志貴ボーイズ破り優勝

【中学野球2015】生駒中央、志貴、橿原が4強 知事杯硬式野球大会

【中学野球2015】南都ボーイズが4強 知事杯硬式野球大会

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

変貌する大神神社周辺 直会殿建設、中央参道も整備へ

 大神神社(桜井市)がJR三輪駅東側に、平成31年の完成をめざし例大祭関連行事や結婚式の披露宴などを行う直会(なおらい)殿(2階建て)を建設することを決めた。能楽堂も併設、大礼記念館などの改修も同時に実施する。一方、県と桜井市は市街地整備の一環として同神社の参道(県道)整備を計画しており、30年代前半には神社周辺の街並みが大きく生まれ変わりそうだ。

北側参道から見た直会殿の完成イメージ図。建物の右(西)側にJR三輪駅が位置する

北側参道から見た直会殿の完成イメージ図。建物の右(西)側にJR三輪駅が位置する

 ■来年夏頃着工

 直会殿は広さ延べ約4900平方メートル。大直会室(300人収容)や直会室(100人収容)、応接・来賓室、エントランスホールなどが設けられる予定だ。

 建設地はJR三輪駅のすぐ東側で、県が整備する参道の南側。神社では最近土地を購入し現在、建設に備えた発掘調査が行われている。建物の設計も進められ、来年夏ごろに着工、31年夏ごろの完成をめざしている。総事業費は約32億円。

 大神神社では「平成の大造営」(8~11年)で祈祷殿や儀式殿、参集殿などを整備。だが、直会殿的な施設である大礼記念館は昭和40年代の建築で、老朽化が進み、利用者の増加とともに狭隘になっているという。

 このため新施設を建設し、大礼記念館などの古い施設についても31~32年に改修工事を行うことになった。これらは第2期の「平成の大造営」として実施。今年7月には、事業を支援する奉賛会も設立された。

 ■和のこころの殿堂に

 直会殿の特徴はロビーを持つ客席350席の能楽堂を併設すること。能舞台(木製)は信者の大阪市内の篤志家が所有していたもので、神社が寄贈を受けた。舞台後ろの鏡板の松の絵は前田青邨画伯が描いている。

 能舞台はすでに解体されて境内に保管されており、建設に合わせて復元し設置する。直会殿の北側の部分が能楽堂になる予定で、大神神社に能舞台がつくられるのは初めて。

 神社では「直会殿は、三輪さんに心を寄せる方々の支えとなる情報発信の場『和のこころの殿堂』というべき施設にしたい。講演会や発表会、地域の文化活動にも活用していただきたい」としている。

直会殿の中につくられる能舞台

直会殿の中につくられる能舞台

 ■中央参道が新設

 県と桜井市は昨年10月、大神神社参道周辺地区のまちづくりについて基本協定を締結。整備構想では、参道整備の基本方針を「人に優しく、歩いて楽しい参道にする」としている。

 整備対象区間は、国道169号から二の鳥居までの約700メートルで、「大鳥居ゲートウェイゾーン」「まちなか交流ゾーン」「境内へのエントランスゾーン」の大きく3つに分け整備する。

 最大の特徴は、歩行者が道の真ん中を歩くことができる「中央参道」の新設。現在、歩道は基本的に車道の両側にあるが、構想では東側区間では参道の中央部に歩道を設置。松並木なども整備し、神秘的な雰囲気をつくりだす。無電柱化や、灯篭の設置も検討するという。

 新たな商業施設誘致もはかり、二の鳥居近くにある駐車場は廃止。駐車場は西側の大鳥居周辺に集中させる計画だ。

 県は具体的な整備内容やスケジュールなどを示す基本計画を今年度中にまとめる予定で、「歩道についてはカラー舗装にすることも検討している。景観が大きく変わる場所も出てくるだろう」としている。(野崎貴宮)

【関連記事】

【まちの近代化遺産】昭和のたたずまい感じる 大神神社大礼記念館本館

皇學館大生5人が神職の実地研修 桜井の大神神社で作法学ぶ

巫女が神楽舞の〝猛特訓〟 桜井の大神神社

桜井市観光親善大使の水森かおりさん 大神神社参拝

三輪山まほろば短歌賞、献詠祭 大神神社に2370首奉納

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

奈良医大の新病棟完成 最先端のがん治療、総合周産期母子医療充実

 がん患者への最先端治療や総合周産期母子医療センターの機能を充実させた橿原市の県立医大付属病院の新病棟(E棟、地上7階地下1階)が完成し、3日、約150人が出席して竣工式が行われた。10月3日に全面オープン予定で、地域医療機関としての同病院の機能が強化される。

手術室に備えられた血管撮影が行える最新鋭の医療機器の説明を行う医師ら

手術室に備えられた血管撮影が行える最新鋭の医療機器の説明を行う医師ら

 新病棟は延べ床面積約2万1千平方メートルで、ベッド数約170床。平成23年3月から建設工事が進められていた。総工費約92億円。

 がん患者に放射線治療を行う最先端医療機器を導入し、化学療法外来も設置。早期治療で、がんへの不安にいち早く対応できるようにした。また、県内唯一の総合周産期母子医療センターとして妊婦の負担軽減のため、病室の個室化をはかった。

 小児センターでは入院患者の子供たちが遊ぶことができるプレイルームや院内学級を設置。患者の不安解消やストレス軽減をはかるイラストがふんだんに描かれている。屋上には患者や家族の憩いの場となるテラスがあり、橿原市内が一望できる。

新病棟内バースセンターの分娩室

新病棟内バースセンターの分娩室

 荒井正吾知事は「新病棟開設で県立医大付属病院が地域医療の発展にさらに大きな役割を果たしていくことを期待している」としている。

【関連記事】

医学を基礎にしたまちづくり始動 県立医大中心にMBT研設立

奈良医大に四肢外傷センター発足 最先端技術のお家芸を発展へ

クモの糸でバイオリン弦 奈良医大の大﨑名誉教授「音の匠」に

もしも、大規模災害、大事故起きたら…救命技術競うメディカルラリー初開催

新病棟内婦人科の病室

新病棟内婦人科の病室

医大生が院内学級で高校生の学習支援 浮かび上がる制度への期待と課題

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

新病棟内に設置されたプレイルーム

新病棟内に設置されたプレイルーム

【私の働き方】地域と楽しく暮らす生き方模索 作遊所かかしの家施設長、小野加代子さん

 重度の障害をもつ三男の出産を機に、障害者が地域のなかで共生できるようにと活動してきた、生活介護事業所「作遊所かかしの家」施設長、小野加代子さん(74)。4人の子育てをしながら「どんなに重い障害があっても〝普通〟に生きてほしい」との思いでNPOを立ち上げ、地道に取り組んできた。奈良市の小高い丘にある「かかしの家」では今、そんな思いが実を結び、「障害者と共生する地域社会」が実現しつつある。

「いつも夢を持たせてもらっている」と話す小野加代子さん

「いつも夢を持たせてもらっている」と話す小野加代子さん

 ■社会の現実に直面

 大学卒業後、24歳で9歳上の夫と見合い結婚し、奈良市に移住。すぐ2男1女に恵まれた。

 37歳のとき。出産した三男、剛志さんはてんかんの発作を頻繁におこした。病院で精密検査を受けた結果、染色体の異常も判明。医師からは「生きられて2年」と宣告された。

 〝仕事人間〟だった夫に、家事や育児への協力は期待できなかった。教員免許を持っていたが、障害がある子供への対応は素人。そこで、仏教大の特殊教育学科を通信教育で学び、養護学校の教員免許を取得。「苦しいけど〝楽しい〟にしないと」と前向きに取り組む中、直面したのは「共生」にはほど遠い社会の現実だった。

 地域の保育園に通わせたが、長男が背負って一緒に買い物に行けば、周囲の視線が「痛くて」外出が億劫に。子供会で朝の清掃活動をした際、剛志さんのよだれが手にかかった女の子が「うつる」と取り乱したこともあった。

 だが、長男は「何で恥ずかしがるの」。近所の人も「何もできないかもしれないけど、頼って」と声をかけてくれた。こうした言葉に、「『一緒に生きていこう』という思いになっていった」と振り返る。

 ■卒業後の生きる道を

 「剛志に出会ってふれあい、知って、かかわってもらうところまでは私の務め」。この思いを胸に、子供会や婦人会の役員を積極的に引き受けては、剛志さんの話をした。前に立って進むことで、徐々に周囲の子供たちの目の色が変わってくるのを肌で感じた。

 剛志さんが小学5年生になったとき。講演会で出会った医師に「剛志君にどう生きていってほしいか」と問われ、すぐに答えられなかった。「お母さんの考え方が、剛志君の生き方になる」と言われた言葉の重さに、考えさせられた。

 結局、これが人生の転機になった。「子供らが卒業後、安心して生活できる場をつくろう」と決意、作業所開設に向けて準備を始めた。

 近くのスーパーに頼み込み、協力が得られた県内の作業所の授産品などを売るバザー「ふれ愛福祉市」を開催。口コミで徐々に広まり、いつしかスーパーの集客も3割増しになる人気イベントに。約12年間続けたほか、廃品回収なども行い、こつこつと開設資金を集めた。

 ■地域と積極的に交流

 平成10年3月、剛志さんは養護学校を卒業した。翌4月、養護学校長だった向野幾世さんと奈良市内の民家の離れを借り、作業所を立ち上げた。

 だが、周辺からは「地価が下がる」「違和感がある」など、さまざまな反発の声が聞こえてきた。理解を得た上で立ち上げたはずの施設。「総論賛成でも、各論反対なのか」と現実の厳しさを思い知らされた。

 それでも、デンマークやオーストラリアなど海外の障害者施設について学び、「地域を耕してあの子たちが笑えるように」と奮起。当初はたった2人だった利用者も徐々に増えたため、25年には現在地に新築の「家」を構えた。

 現在の利用者は19~55歳の男女。いずれも重度の知的・身体・精神障害をもつ。「楽しい生き方探しの場となって」との思いから名付けた「作遊所」ではみそのほか、特許も取得した5色の「遷都餅」など約9種類の授産品を作り、全国にも発送。「一つの仕事を10等分すれば、必ず重度の人たちもやれる仕事がある」と言い切る。

 近隣小中学校の生徒らの見学も受け入れるほか、テラスは地域に開放。地域住民との交流も積極的に行っている。男女9人が生活するケアホームは築46年と老朽化が深刻なため、西隣に新築予定だ。「地域の中で、子供たちがずっと住める住み家をつくっておきたい」と、募金も集める。

 「たくさんの人に出会って、いつも夢に向かって生きさせてもらっていることは大もうけ」。はつらつとした笑顔で、また前進する。(山﨑成葉)

 小野加代子(おの・かよこ)さん 昭和17年生まれ。山口県下関市出身。40年に京都女子大教育学科を卒業し、24歳で会社員の夫と見合結婚。重度の障害がある三男の出産を機に、障害者と地域の共生に向けた活動を始める。平成10年、無認可作業所「かかしの家福祉作遊所」を開設。19年、NPO法人「かかしの会」を設立し、25年に現在地に「作遊所かかしの家」を新築移転させた。

【関連記事】

【私の働き方】養護学校卒業後も輝く人生を 「きららの木」理事長 江川美奈子さん

【私の働き方】子育て女性の居場所に 美容室・カフェ経営 松下千晶さん

【私の働き方】家族とともにコツコツと 植村牧場4代目 黒瀬礼子さん

【私の働き方】子供たちの元気な足育てる 「足育」広めるNPO代表・玉島麻理さん

【私の働き方】走り続けて38年 ホテル「花小路」専務 上田トクエさん

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

【生け花】秋の実り(大和未生流) 豊かさ象徴する〝宝石〟輝く

 須山玄甫(大和未生流)9月3日掲載 大和未生流

 【花材】柘榴(ざくろ)

 【作意】初夏に目にしみいるような橙赤色の鮮やかな花を咲かせた後、かわいい実をつける。夏から秋にはその実が成長し、ほんの少し黄色を含んだ宝石のような赤い実が日に日に輝きを光りはじめる。

 まさに明るい豊かな秋を象徴するように誇らしげに重く大きく垂れ下がる。それは細い枝が悲鳴をあげそうな程、それでいて枝はうれしそうである。

【関連記事】

【生け花】凛と涼しく(法華寺御流) 残暑吹き飛ばす緑

【生け花】涼を求めて(清生流) 瑠璃玉アザミでさわやかさ演出

【生け花】転難平安(山村御流) 難を転じて吉となす

【生け花】夏祭り(西大寺松月堂古流) あでやかな中に凛としたたたずまい

【生け花】朱夏の風(翠華流) 穏やかな風に恵まれ無事に過ごせますように

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

よみがえった極彩色の本殿 御所の高鴨神社摂社・東神社本殿の修理完了

 全国の鴨(賀茂、加茂)社の総本宮とされる高鴨神社(御所市鴨神)の摂社・東神社本殿(県指定文化財)の修理工事が完了し、檜皮葺き屋根とともに極彩色の社殿がよみがえった。

鮮やかな彩色がよみがえった東神社本殿(県文化財保存事務所提供)

鮮やかな彩色がよみがえった東神社本殿(県文化財保存事務所提供)

 東神社本殿は京都・下鴨神社に代表される流造。保管されている棟札から、江戸時代前期の建立とされるが、細部の意匠からはもう少し古いという。

 県文化財保存事務所や高鴨神社によると昭和51年に屋根が葺き替えられたが、その後腐朽が進み、雨漏りも確認。建物は沈下して傾き、彩色の剥落も進んでいた。このため平成26年から修理を始め、屋根を葺き替えたほか傾きを修正。江戸時代の鮮やかな彩色を復元した。

 8月28日には竣工奉祝祭が行われ、高鴨神社の鈴鹿義胤宮司は「境内19社の改修工事の最後。彩色や金具が復元されて建立された時代のきらびやかな姿に戻してもらい、ありがたいです」と話していた。

【関連記事】

あでやかニホンサクラソウ 御所の高鴨神社で150鉢見頃

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

歩いてクイズで学んで楽しんで 奈良市の大宮通りに解説板登場

 国内外から訪れる観光客らに奈良の歴史クイズにチャレンジしてもらおうと、県が歴史クイズ解説板「歩いて学ぶ奈良の歴史」を奈良市の大宮通りに設置した。「第68回正倉院展」(10月22日~11月7日、奈良国立博物館)にちなみ、ゆかりの宝物がある聖武天皇と、光明皇后に関するクイズが楽しめる。

めくるとクイズの解答がある解説板

めくるとクイズの解答がある解説板

 奈良の歴史文化を楽しく、わかりやすく学んでもらおうと、平成26年から春と秋に実施。学生や家族連れらに好評だという。

 解説板は、大宮通りの県庁西交差点~氷室神社前に10基設置。表面に「聖武天皇は行基とともに東大寺にあるものをつくりました。それは何?」「大仏開眼供養会でも上演された、仮面を使った劇とは?」といった三択方式のクイズが書かれており、質問をめくると解答と解説を見ることができる。

 英語、中国語、韓国語でも表記。解説ページに通じるQRコードもあるほか、子供向けのクイズも用意されている。11月30日まで設置予定で、「正倉院展に行かれる際にぜひクイズにチャレンジしていただきたい」と県文化資源活用課。10、11月には明日香村にも設置される。問い合わせは同課(☎0742・27・8914)。

【関連記事】

洪水対策で行基が造ったものはなーんだ? クイズで学ぶ奈良の歴史 看板設置

702年10月14日は何の日? クイズで学ぶ飛鳥・奈良時代 県がパンフ作成

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

不祥事相次ぎ市議会冒頭で陳謝、奈良市の仲川市長 火葬場移転費も提案

 奈良市議会の9月定例会が2日開会し、市は火葬場移転関連費用1800万円などを含む計約6億1千万円の今年度一般会計補正予算案など計12議案を提案した。

 仲川げん市長は冒頭、市環境清美センターの職員3人=いずれも懲戒免職=が窃盗罪で起訴されたことや、市立椿井小の教頭が校内の女性職員更衣室に盗撮目的で侵入し、建造物侵入容疑で逮捕されたことに触れ、「度重なる職員の逮捕は、市政への信頼を大きく損なうもので、改めて市民に深くおわび申し上げます」と陳謝。「綱紀粛正の取り組みを再度検証する」などと述べた。

 9月定例会の会期は27日まで。7日に代表質問、8、9日に一般質問が行われる。

【関連記事】

回収したアルミ缶・自転車盗んだ環境清美センター主任を懲戒免職 奈良市

回収自転車や空き缶窃盗容疑 奈良市職員ら4人再逮捕

火葬場移転の説明、75%は「理解」 奈良市長がアンケート結果公表

奈良市の小学校で教頭が女子職員更衣室に侵入、逮捕「盗撮目的で入った」

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

「便利屋」の不当請求増加 被害救済へ弁護団結成 14日に奈良弁護士会館で説明会

 不要品の回収や庭掃除など、さまざまな依頼に応じる「便利屋」が、不当に高額な費用を請求したりするケースが増えているとして、奈良弁護士会の弁護士7人が、被害救済に向けた弁護団を結成した。弁護団長の深水麻里弁護士は「契約書を交わさず、意に反した作業をして不当に高額な請求をするケースがある」と指摘。14日に奈良弁護士会館で説明会を開き、集団訴訟も検討するという。

 弁護団によると、「便利屋」をめぐる被害救済弁護団が結成されるのは全国で初めて。

 県消費生活センターには昨年から今年にかけ、「自宅でクモ1匹の駆除を依頼したら、1分弱の作業で7万円超を請求された」など、不当に高額な金額を請求されたといった相談や苦情が約20件あった。被害額は数万円から20万円に上るケースもあるという。

 弁護団では、不当に高額な金額を請求されたり、契約書や見積書を交わさずに意に反したサービスが提供されたケースなど、法的に問題がある事例が多いと分析。契約締結上の過失があったケースが多いとみて、集団での返還請求を検討している。

 14日の説明会は午後4時から開催。参加無料、事前申し込み不要。弁護団が便利屋の業態や訴訟手続きなどを説明し、被害相談にも応じる。深水弁護団長は、「被害額が比較的少なく、法的手続きは取れないと思っている方が多いと思う。泣き寝入りせず、気軽に相談に来てほしい」としている。問い合わせは、やすらぎ法律事務所(☎0742・24・2003)。

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

【リオ五輪】10日にバドミントン高橋選手のパレード 橿原市栄誉賞も贈呈

 橿原市は2日、リオ五輪バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した同市出身の高橋礼華選手(26)に橿原市民栄誉賞を贈ると発表した。「市出身の金メダリストは初めて。大きな功績で、市民に明るい希望を与えた」とし、市表彰条例に基づき同賞を創設、最初の受賞者として贈呈する。

バドミントン女子ダブルス 決勝 第2セット、 高橋礼華・松友美佐紀ペア=18日、リオ中央体育館(撮影・甘利慈)

バドミントン女子ダブルス 決勝 第2セット、 高橋礼華・松友美佐紀ペア=18日、リオ中央体育館(撮影・甘利慈)

 贈呈式は10日夜、市内のホテルで開かれる市バドミントン協会主催の祝賀会の中で開催。ともに金メダルを獲得した松友美佐紀選手(24)には、感謝状が贈られる。

 これに先立ち、同日午前10時から近鉄橿原神宮前駅中央口前で凱旋記念式典が開かれ、高橋、松友両選手に花束が贈られる。このあと両選手が橿原神宮境内の南神門前までパレード。神宮にも参拝し、金メダル獲得を報告する。

 森下豊市長は「金メダル獲得で、みんなに大きな感動を与えてくれた。その功績はすばらしい」としている。

【関連記事】

【リオ五輪】柔道・金メダル大野選手、地元・天理で凱旋パレード

【リオ五輪】バドミントン女子タカマツペアの松友選手にスポーツ特別功労賞

【リオ五輪】柔道・大野、バドミントン高橋の両選手に県民栄誉賞贈呈へ

【リオ五輪】「自分たちは強い」信じて勝ち取った「金」 バドミントン「タカマツ」ペア

【リオ五輪】バドミントン「タカマツ」、ペア結成10年で大逆転の金メダル 「やっと一番になれた」

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

「奈良にずっと住みたい」減少 買い物や日常生活不便? 県民アンケート

 県内にずっと住みたい県民はやや減少―。県の今年度のアンケート(速報値)で、県での定住意向について聞いたところ、「ずっと住みたい」と答えた県民の割合は54・5%で、昨年度の57・5%からやや減少したことが分かった。「住みたくない」「わからない」と答えた理由としては「買い物など日常の生活環境が整っていない」を挙げる人が多かった。

 アンケートは平成20年度から毎年度1回実施。生活や観光、農林業、スポーツ振興、子育て、医療など約50の調査項目で、県内に住む20歳以上の男女5千人を無作為に抽出し、5月にアンケート用紙を郵送して行った。有効回答数は2635人だった。

 生活全般に関する質問では、将来の県での定住意向について「ずっと住みたい」「1度は県外へ出ても、県に戻って住みたい」と答えた割合は66・3%で昨年(67・9%)からやや減少した。

 「住みたくない」「わからない」と答えたのは33・2%で、「日常の生活環境が整っていない」(41・0%)とした割合が最も多く、次いで「医療が充実していない」「通勤・通学に不便」だった。県内でも地域差は大きいとみられるが、いずれも身近な暮らしにかかわる課題が浮き彫りとなった。

 一方、1年前と比較した暮らし向きの実感では「とても楽になった」、「少し楽になった」と答えた割合は8・9%で、昨年(7・6%)より増加。楽になった理由は「給料や収益が増加したから」がトップ、次いで「教育にかかる費用が減ったから」だった。

 県への愛着については「とても愛着がある」「やや愛着がある」は75・3%で、大多数の県民が奈良への愛着を持っていることが判明。年代別では20代が最も高く81・7%だった。

 このほか、県の観光・レクリエーションに足りないと感じるものについては「宿泊施設の充実」が58・2%で昨年度に引き続き最多に。続いて「夜遅くまで営業している飲食店」(41・9%)、「おいしい食べ物」(35・7%)だった。

 県統計課は「結果を各担当課で分析し、課題に対応していきたい」としている。今回は速報値で、11月には詳しい地域別の値など詳細を公表する予定。

【関連記事】

未来の奈良はどんなまち? 荒井正吾知事に聞く

「すばらしい奈良の実現を」 奥田副知事退任式

「思いつき多いというが…、練ってきたこと現実化」 今年最後の会見で荒井知事

「東京五輪までにまちびらき」と荒井知事 外資系高級ホテル核のにぎわい施設

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

吉野の民話伝えたい 大型本を手作りで製作 葛城の金壽堂出版

 子供たちに物語を読み聞かせる「お話し会」などに活用してもらおうと、葛城市の出版社「金壽堂出版」が、同社発行の吉野地域の民話集「語り伝える吉野の民話」の大型本を手作りした。

「語り伝える吉野の民話」の書籍(左)と手作りの大型本

「語り伝える吉野の民話」の書籍(左)と手作りの大型本

 「語り伝える吉野の民話」は、吉野地域の16の民話を収めたもので、昨年5月に同社が発行。吉野の歴史や名所旧跡などの紹介や挿絵をつけ、子供にもわかりやすくまとめている。

 大型本にしたのは、キツネやタヌキ、カッパなどが登場する「高坊主」「河太郎のはなし」「伯母峰の一本足」など5話。書籍はB6判だが、A3判に拡大コピーして表紙を付けた。同社の吉村始社長は「この大型本をお話し会などに活用して、多くの子供たちに楽しんでもらい、地域の宝である民話を伝えていってほしい」と話している。

 同社では、定期的に「お話し会」を開催している公共図書館やボランティア団体などに寄贈しており、葛城市立新庄、當麻図書館にも近く寄贈、活用される予定という。

「語り伝える吉野の民話」の書籍(左)と手作りの大型本

「語り伝える吉野の民話」の書籍(左)と手作りの大型本

【関連記事】

割りばしが取り持つ地域活性化 吉野高校の生徒と地元業者で伝統受け継ぐ

「民話楽しんで」、厳選の76話を本に 元校長の中上さん

【奈良で涼】五感で自然の豊かさ感じてリラックス 吉野町の森林セラピー

ほのぼの民話の世界 宮川大助・花子さん夫婦合作の原画展 生駒市で開催

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

五條市の〝危険な〟盛土 県が搬入中止求め業者を是正指導

 大阪府箕面市の土木建設会社「五條開発」が運営する五條市の残土処分場周辺に高さ約20メートル超の盛土が堆積している問題で、同社の処分場の一部は県の許可が必要な規模に拡大していたことが1日、県への取材で分かった。県は残土の搬入中止などを求める是正指導を実施、同社は「原状回復に取り組む」としている。

崩落の危険性が指摘される南側の残土処分場には土砂の堆積が進められている

崩落の危険性が指摘される南側の残土処分場には土砂の堆積が進められている

 県によると、5月下旬に情報提供があったのを受け、6月から調査を実施。同社は現地で残土処分場を徐々に拡大しており、市道南側の2・77ヘクタール部分は、1ヘクタール超の開発や土地形状の変更には県の許可が必要な森林区域にあたることが判明したという。

 県は7月上旬から、同社に是正計画書の提出や土砂搬入中止を求める是正指導を口頭で複数回実施。同社は「来週中に是正計画書を県に提出する」としている。

 一方、7月に同社と五條市に土砂の撤去などを求める仮処分を奈良地裁に申し立てた地元住民らも1日、県が同社に監督処分を行うよう求める要請書を提出した。

【関連記事】

【鹿角抄】五條市の危険な盛り土の山 法規制〝空白〟を埋める必要あり

市道に20メートルの危険な「壁」 住民が土砂撤去へ仮処分申請 五條

大量土砂掘削の疑い 許可量4倍の4万立方メートルにも 三重の業者を告発 奈良県

生駒市の住宅間近の土地に亀裂 無許可開発業者は行方知れず 県が現地調査へ

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

発掘調査体験に市民参加、土器片も出土 奈良市の大安寺旧境内

 奈良時代の平城京で筆頭官寺だったとされる大安寺(奈良市)の旧境内で1日、市民が発掘調査に参加する「発掘調査体験」が行われ、17人が参加した。

大安寺旧境内で慎重に発掘作業に取り組む参加者

大安寺旧境内で慎重に発掘作業に取り組む参加者

 市埋蔵文化調査センターが初開催。調査の目的は大安寺の境内規模の確認で、旧境内を東西に横切っていた「六条大路」があったとされる場所を、参加者らが移植ゴテで慎重に掘り下げた。

 現場からは大安寺特有の文様が入った奈良時代後期の瓦「軒平瓦」や、土師器の破片などが出土。銅製品や奈良時代の水がめの破片なども見つかっているといい今後、同センターで調査する。

 出土品に関する職員の説明も聞き、約2時間半の体験を楽しんだ奈良市の無職、宮田和幸さん(61)は、「奈良は遺跡も多いし、歴史も好きなので参加しました。実際に破片に触れたりすると新しい知識も増えますし、楽しいですね」と話していた。

大安寺旧境内で慎重に発掘作業に取り組む参加者

大安寺旧境内で慎重に発掘作業に取り組む参加者

【関連記事】

江戸時代の〝ハイテク工房〟発見、奈良市で刀装具製造跡

貴族の邸宅か 藤原京跡で建物群跡出土 奈良文化財研究所調査

「濠は当初の形ではない」 景行天皇陵調査で研究者分析

日本遺産目指し、保存と観光両立へ 桜井市の纒向遺跡 管理計画策定

前方後円墳の原型か 橿原で大型の円形周溝墓見つかる 奈良文化財研究所調査

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

転売目的の窃盗か 信貴山「毘沙門橋」の擬宝珠9個なくなる

 三郷町勢野北の県道信貴山線「毘沙門橋」で、青銅製の装飾品「擬宝珠(ぎぼし)」9個(約135万円相当)が盗まれていたことが1日、分かった。管理する県郡山土木事務所は西和署に被害届を提出、同署は転売目的の窃盗事件とみて捜査している。

欄干に設置していた「擬宝珠」が盗まれた橋

欄干に設置していた「擬宝珠」が盗まれた橋

 8月中旬に住民から県に通報があり、同事務所が調べた結果、橋の両側の欄干に設置されている擬宝珠11個のうち9個がなくなっていた。橋は平成6年3月完成で、擬宝珠は高さ約35センチ、重さは約15キロ。欄干にねじで固定されていたが、ドライバーなどの工具で簡単に取り外せるという。最後に確認されたのは平成25年9月だった。

 県内では銅線や真鍮製の消防ホースの部品などが盗まれる窃盗事件が発生しているが、同署によると擬宝珠が盗まれたケースは近年確認されていないという。同事務所は今後、溶接して固定するなどの対策を検討するとしている。

【関連記事】

【まちの近代化遺産】信貴山への架け橋「開運橋」、まちに溶け込んだ鉄橋

1240万円分の家電「万引き」男送検 奈良など11府県で盗み、リサイクル店で現金化

回収自転車や空き缶窃盗容疑 奈良市職員ら4人再逮捕

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

「市長きついと思ったことは?」 奈良市の仲川市長と子供たちが〝激論〟

 奈良市政や市長の仕事について子供たちが仲川げん市長に直接質問する「市長と気軽にトーク子ども編」が奈良市役所で開かれ、市内の小中学生6人が約1時間にわたり、仲川市長と〝激論〟を交わした。

小中学生6人は奈良市役所で仲川げん市長と積極的に意見を交換し合った

小中学生6人は奈良市役所で仲川げん市長と積極的に意見を交換し合った

 市長との自由な意見交換から、市政に興味を持ってもらおうと初企画。市内の小中学校5校の児童、生徒が、丸テーブルを囲んで話し合った。

 市立三笠中学3年の藤本レイナさん(15)は「市長になって7年、きついと思ったことはありますか」と質問。仲川市長は「市の職員が捕まったりし、一生懸命注意してもそれが繰り返されると悩む」と吐露。「職員2700人の組織をまとめるのは大変です」と話した。

 近大付属小6年の御堂潤君(11)は「奈良にリニアが来ると、将来東京と1時間でつながる」とし、「ホテルをいっぱい作って日帰り観光から脱却してお金が入ってくるようにして」と要望。他にも市内のWi―Fi環境整備や、高齢者や主婦に優しいまちづくりなど、さまざまな意見が上がった。

 最後に仲川市長は、「今日は色んなことを教えてもらえた。みんなの奈良がよくなるように協力してほしい」と依頼。藤本さんは「短い時間でしたが、市長と大きなテーマで色んな話ができて貴重な経験でした」と話していた。

【関連記事】

子供たちが下した判決は? 奈良地裁でジュニア法廷開催

「日帰り観光対策は?」、高校生議員が知事に鋭く斬り込む 高校生議会

市政の課題について鋭い質問 香芝市で中学生議会開かれる

「給食に野菜ジュースの日を」「ボールで遊べる公園を」 小学生議員が質問攻め 宇陀市で「子ども議会」 

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

鍋にもいろいろありまして… 橿原市博物館で「なべの歴史」展

 食事をつくる万国共通の道具である鍋の変化にスポットをあてたロビー展「なべの歴史」が歴史に憩う橿原市博物館で開かれている。25日まで。

各時代の鍋を展示したロビー展

各時代の鍋を展示したロビー展

 縄文~鎌倉の各時代の鍋を展示。縄文時代の鍋は深鉢で、石を組んだ炉の上に置いて使用し、底はとがっていた。米作が伝来し、米を炊いた弥生時代の鍋は甕で、底の形が平底に変化。同じように炉に据えて使った。

 古墳時代になると大陸から竈が伝わり、竈に甕を置いて使うように。底の形はそれまでの平底から丸底に変わっている。鍋の厚みも非常に薄くなり、1ミリ程度の物もあるという。

 鎌倉時代になると、羽釜が登場。縁の外側に鍔がついており、竈に安定して置けるようになった。江戸時代に米を炊いた羽釜も同じ形だ。

 同館では「時代によって変わっていく形とともに、調理時に土器についたすすなどの当時の食の痕跡も見てほしい」としている。

 開館は午前9時~午後5時。月曜(祝日の場合は翌日)休館。観覧料は大人300円、高校・大学生200円、小・中学生100円。問い合わせは同館(☎0744・27・9681)。

【関連記事】

伝統の「奈良晒」について知っていますか? 県立民俗博物館で展示

魏志倭人伝に登場の奴国から出土の銅矛公開 橿考研付属博物館

モンゴルの極彩色壁画紹介 白虎、青龍も 橿考研付属博物館

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

【奈良テレビおすすめ!】『おとな旅あるき旅 「真夏の奈良 伝統の技 再発見の旅」』(2日午後5時29分から)

 ◇『おとな旅あるき旅 「真夏の奈良 伝統の技 再発見の旅」』(2日午後5時29分から)

 ちょっと贅沢な「おとなの旅」を三田村邦彦と斉藤雪乃が提案。今回は奈良市を舞台に、長い伝統を受け継ぐ技と味を再発見します。

 旅は「式年造替」が行われる春日大社からスタート。若草山麓商店街の刃物屋さんに立ち寄り、「柄付け」という伝統の技を体験したほか、昔ながらの手法を守り続ける奈良団扇・奈良扇子の専門店ではうちわ作りにも挑戦しました。また、大和ポーク、うなぎ、大和肉鶏といった奈良の味、そして、もちろんお酒との出合いも。残暑が厳しいこの時季にピッタリの〝奈良のグルメ〟をとことん満喫しました。奈良の街の多彩な魅力が詰まった29分。ぜひ、ご覧ください。

奈良テレビ放送のホームページはhttp://www.naratv.co.jp/

【紀伊半島豪雨5年】「野迫川村に人呼びたい」 民宿経営の夫妻、食堂で再起 

 平成23年9月の紀伊半島豪雨で、30年近く経営していた民宿を取り壊さざるをえなかった夫妻が今秋、野迫川村で新たに食堂を開く。きっかけは、県外から寄せられた励ましの手紙。高齢化と過疎化が急速に進む村の現状は厳しいが、別所久男さん(69)と妻の節子さん(69)は「野迫川のおいしい料理を知ってもらい、全国から村に人を呼び込みたい」と意気込んでいる。

「村に多くの人を呼び込みたい」という別所久男さんと節子さん。建設中の食堂で笑顔がはじけた

「村に多くの人を呼び込みたい」という別所久男さんと節子さん。建設中の食堂で笑顔がはじけた

 民宿「別所」は、ともに野迫川村役場に勤めていた夫妻が昭和55年ごろ、村役場から南に約2キロの北股川沿いの集落にオープンした。6畳3部屋と4畳半2部屋の小さな民宿だったが、釣りや登山など野迫川の自然を堪能する客を温かくもてなし続けた。

 しかし、5年前の9月4日を境に、なにもかもが一変した。

 豪雨により、民宿と向かいの自宅は床上浸水の被害に。夫妻も近くの山村振興センターでの避難生活を余儀なくされた。「もう民宿の再開は無理かもしれない」。夫妻の中にあきらめの気持ちが広がった。

 だが、2人を再び奮い立たせたのが、避難生活を始めて1カ月がたった23年10月ごろ、避難先の節子さんに宛てて届いた和歌山市在住の70代の女性からの手紙だ。避難生活を伝える新聞記事を読んだというその女性の手紙には、「私も(かつて)水害を経験しましたので、ひとごととは思えません」など気遣う言葉がつづられ、「避難している人に」とみかんや梅干しも添えられていた。

 見ず知らずの人からの温かい励ましの言葉に、「元気をもらった」という節子さんは、「この人をいつか村に招きたい」と決意。予算や体力面を考慮して、民宿ではなく食堂を再建することにした。久男さんも「村への最後の奉仕のつもりで頑張りたい」と賛成した。

 避難生活から約2年8カ月の仮設住宅生活を経て、夫妻は現在、復興住宅に暮らす。民宿は26年秋に自宅とともに取り壊したため、食堂は村役場から北へ約500メートルのところに新たに建設中だ。

建設中の「いなか食堂別所」。9月下旬にオープン予定だ

建設中の「いなか食堂別所」。9月下旬にオープン予定だ

 野迫川村産の木材を使った温かみのある木造平屋建てで、4人がけのテーブル席3つに宴会用の6畳の座敷、カウンター6席を備える予定。名前は「いなか食堂別所」に決めた。

 「お客さんには野迫川のおいしいものをいっぱい食べてほしい」と節子さん。畑で採れた新鮮な野菜、自家製のこんにゃく刺し身にぬか漬け、山菜の天ぷら、アマゴの甘露煮…。秋には山で採れるマツタケをつかったまつたけご飯も。節子さんが腕をふるい、地元の食材をふんだんに使った料理を提供するつもりだ。

 「うちの食堂があるから野迫川村に来たいと思わせるようなお店にしたい」。豪雨から5年。野迫川村を愛する気持ちを糧に、夫妻は新たな再スタートを切る。

 「いなか食堂別所」は9月下旬にオープン予定。問い合わせは別所さん(☎0747・37・2604)。

【関連記事】

紀伊半島豪雨被害を後世に伝える 五條市大塔町に「警戒碑」建立

紀伊半島豪雨から5年 五條市と十津川村で行方不明者一斉捜索

紀伊半島豪雨犠牲者ら追悼 十津川村で水害慰霊祭営まれる

「家を一気に押し流した」 五條の上田さん、豪雨記録自費出版

【紀伊半島豪雨】10年後は大丈夫か、高齢者の避難に課題

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

平成32年着工へ基本構想策定へ 大和高田市の新庁舎

 大和高田市は31日、老朽化に伴う市庁舎の建て替えについて、来年9月ごろに基本構想、平成30年6月ごろに基本計画を策定し、32年10月ごろの着工を目指すと発表した。場所は来秋にも決める予定で、基本構想や計画策定の関連費用を盛り込んだ一般会計補正予算案と、策定委員会設置に関する条例案を、2日開会の9月定例市議会に提案する。

 現庁舎は昭和38年に完成したが老朽化が進み、耐震性が不足している。昨年7月に市と県が締結したまちづくりに関する包括協定で、行政機関が集中する「シビックコア周辺地区」のまちづくりとして、「市庁舎の移転」を検討予定としていた。

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

【リオ五輪】バドミントン女子タカマツペアの松友選手にスポーツ特別功労賞

 県は31日、リオ五輪バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した橿原市出身の高橋礼華選手(26)とペアを組んだ松友美佐紀選手(24)に、県スポーツ特別功労賞を贈ると発表した。同賞はオリンピックなどですぐれた成績を挙げ、県民に希望と感動を与えた人に授与される。

高橋礼華(右)、松友美佐紀選手

高橋礼華(右)、松友美佐紀選手

 高橋選手と柔道男子73キロ級で金メダルを獲得した大野将平選手(24)=天理大大学院在籍中=には、県民栄誉賞の贈呈が決定している。高橋、松友選手は9日、大野選手は20日に県庁で表彰式が行われる予定。

【関連記事】

【リオ五輪】柔道・大野、バドミントン高橋の両選手に県民栄誉賞贈呈へ

【リオ五輪】バドミントン「タカマツ」、ペア結成10年で大逆転の金メダル 「やっと一番になれた」

【リオ五輪】「自分たちは強い」信じて勝ち取った「金」 バドミントン「タカマツ」ペア

【リオ五輪】「帰ったらメダル持たせてね」、LINEで祝福 バドミントン「金」高橋選手の妹

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

聖徳太子没後1400年へ、20市町村でプロジェクト推進協 12月にキックオフ

 聖徳太子の没後1400年となる平成33(2021)年に向け、県と県内20市町村で構成する「聖徳太子プロジェクト推進協議会」が発足した。太子について深く知ってもらおうと、12月に開催予定のキックオフシンポジウムを皮切りに、連携してプロジェクトを展開する。

 聖徳太子は飛鳥時代の用明天皇の皇子。推古天皇の摂政となり十七条憲法を制定、中国へ遣隋使を派遣したほか、法隆寺を建立するなど仏法興隆に尽くした。だが、意外と知られていない面もあることから県と、斑鳩町、王寺町、明日香村などゆかりの市町村が、没後1400年に向けて情報発信に努める。

 推進協は、12月に奈良市内でキックオフシンポジウムを開催。来年度以降のイベントなども今後検討し、市町村実施のイベントなどとも連携する。県文化資源活用課では「市町村とともに情報発信し、イベントを通じて活性化にもつなげたい」としている。

【関連記事】

聖徳太子ゆかりの道 日本遺産認定目指し 14団体が推進協議会

聖徳太子の愛犬・石造雪丸など 王寺町指定文化財に

雪丸が漫画になって「ゆきまり」に!王寺町の歴史学べる 

【鹿角抄】ある考古学者の若き日に思い馳せる 聖徳太子一族?の墓調査

聖徳太子と斑鳩三寺に迫る 千田稔さんの新著発刊

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

上北山村の村長選は11月29日告示

 上北山村選挙管理委員会は、任期満了に伴う同村長選挙を11月29日告示、12月4日投開票の日程で行うことを決めた。

 立候補予定者説明会は10月31日午後1時半から同村振興センターで開かれる。

産経新聞の試し読み、ご購読はhttp://sankei-nara-iga.jp/koudoku.html

求人情報求人情報
購読・試読のお申込み購読・試読のお申込み
お問い合わせお問い合わせ

産経新聞各紙
産経新聞産経新聞
サンスポサンスポ
Business iBusiness i
夕刊フジ夕刊フジ

グループ各紙
月刊TVnavi月刊TVnavi
MOSTLYMOSTLY
正論正論
週刊ギャロップ週刊ギャロップ

読もうよ新聞読もうよ新聞

野球教室